公開日:2025.07.09 更新日:2025.06.20
NEW空き家相談|管理・売却・相続時の注意点や相談先について解説

空き家の売却や利活用を検討しているけど、どこに相談したらいいかわからない…。そんな悩みを持つ方のために、今回は空き家相談におすすめの窓口や事前に準備しておくものなどを詳しく解説。空き家はそのまま放置しておくとさまざまなリスクの要因にもなるため、ぜひ参考にして、適切な対応を取るようにしましょう。
目次
空き家に関するよくある悩みと放置リスク

高齢化や人口減少、相続問題など、さまざまな理由で近年全国的に深刻化している空き家問題。空き家は長年放置してしまうと思わぬトラブルを招いてしまうため、早めの対処が欠かせません。
よくある悩みと放置リスクの具体例としては、主に以下の3つが挙げられます。
老朽化・倒壊・近隣クレームのリスク
空き家に関する相談で特に多いのが、老朽化による倒壊リスクです。日本の住宅は主に木造であるため、定期的な換気などの管理が行われないと急速に劣化します。特に1981年(昭和56年)以前に建てられた住宅は、現在の耐震基準を満たしていないケースが多く、小さな地震や台風でも倒壊の危険があります。
また、放置空き家は外壁の破損やゴミの散乱、害虫の発生などにより、衛生・景観に悪影響を与え、近隣トラブルになることも少なくありません。さらに、人の目がないことで不審者が家に住み着く、不審火や建物に対するいたずらが発生する、不法投棄が起こるなど、治安悪化の原因にもなるため注意が必要です。
空き家管理のコスト・固定資産税の負担
空き家は、使っていないからといって管理コストや空き家を所有している限り、管理費や固定資産税といった負担は継続します。むしろ、倒壊の危険や衛生面での問題を理由に、空き家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)によって定められた「特定空家」に指定されてしまうと、負担が増えるおそれがあります。
【特定空き家の条件】
① そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態
② そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
参照:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(国土交通省)
所有者には管理の「助言」や「指導」が行われ、場合によっては「勧告」や「命令」が出されます。それでも改善が見られない場合、50万円以下の過料や行政代執行による強制撤去の可能性も。
また、住宅用地には、以下のように課税標準(固定資産税等の評価額)を引き下げる特例が設けられていますが、特定空き家に指定されたり適切な管理がなされてたりしていないと、適用されなくなり、結果的に税負担が増えるリスクもあります。
【固定資産税及び都市計画税の軽減措置】
小規模住宅用地 (200㎡以下) | 一般住宅用地 (200㎡超) | |
固定資産税 | 課税標準の6分の1に減額 | 課税標準の3分の1に減額 |
都市計画税 | 課税標準の3分の1に減額 | 課税標準の3分の2に減額 |
参考:東京都主税局
国土交通省が主導している「空き家再生等推進事業」の一環で解体補助金が支給されるなど、金銭的なサポートを受けられる場合もあるため、早めにしかるべき対応を取るようにしましょう。
相続・名義未登記のまま放置すると起こるトラブル
空き家の多くは相続によって取得されますが、その中でも特にトラブルのもとになりやすいのが、名義変更(相続登記)せずに放置してしまうこと。
2024年(令和6年)から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記を行わなければ、10万円以下の過料が科される可能性があるため注意が必要です。また、売却や担保設定ができず、空き家の利活用に支障が出たり、他の相続人の債権者が相続分を差し押さえることができるなど、所有権に第三者が関与したりするケースも見られます。
さらに、名義を変更していなくても相続人には空き家の管理責任や納税義務があり、倒壊などの事故が起きれば損害賠償責任も生じます。これらのトラブルを避けるためにも、相続後は速やかに登記手続きを行うようにしましょう。
空き家相談は誰にすべき?相談先別の特徴と違い

では、相続に関する問題を解消するためには、どこに相談すればよいのでしょうか。相談先としては、主に自治体の公的窓口と民間の専門家窓口の2つに大別されます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
自治体の公的相談窓口の特徴
空き家問題に悩んだときの有効な相談先の一つが、自治体相談窓口です。
各市区町村の担当窓口では、空き家の状況に応じたアドバイスの実施、ポータルサイトによる訴求、弁護士や建築士といった専門家による個別相談会の開催などを行っています。
その中でも代表的なもののひとつとして挙げられるのが、「空き家バンク」と呼ばれる空き家情報の登録サイトです。これは各自治体が運営しているサービスで、物件の資産価値に関わらず、誰でも簡単に売却や利活用したい空き家を掲載することが可能。自治体によっては、空き家バンクに登録することを条件に補助金を支給している場合もあります。一方で、登録は無料ですが、成約時には不動産業者を通すため仲介手数料が発生するケースがあるので、事前にしっかり内容を確認しておくようにしましょう。
司法書士・弁護士・不動産会社など専門家の役割の違い
空き家の扱いにはさまざまな法律が関与するため、状況に応じて各専門家に相談することが大切です。それぞれの専門家の得意分野を理解して適切な相談先を選び、空き家問題のスムーズな解決を目指しましょう。
【主な空き家相談先】
空き家の売買 | 不動産会社宅建士 (宅地建物取引士) |
空き家の法律トラブル | 弁護士 |
空き家に関わる税金 | 税理士 |
空き家の登記 | 司法書士 |
売却については不動産会社や宅建士(宅地建物取引士)が窓口となり、高く売るなら仲介業者、早く売るなら買取業者が最適。仲介業者は取引が成立した際に成功報酬として仲介手数料が発生しますが、市場価格に近い金額で売却できる点がメリットです。
一方の不動産買取業者は、物件を直接買い取るため、仲介のような買主探しの期間が不要で、スピーディに現金化できます。ただし、買取価格は市場相場よりも安くなることが一般的です。
敷地境界や相続に関する法律トラブルについては、弁護士に相談を。当事者同士の話し合いでは感情が絡み、話が進まないことも珍しくないため、第三者である弁護士が入ることで問題解決の糸口を見つけやすくなります。
税金周りについては、税理士に頼りましょう。例えば売却益が出た場合、譲渡所得税が課税されますが、「空き家の3000万円特別控除」を活用できるケースでは、大幅な節税が可能になります。ただし、控除の適用には細かな条件があり、税金の計算方法など手続きをを誤ると余計な納税を招くことも。確実に節税し、正確な申告を行うためにも、税理士の助言を受けることが大切です。
そして、名義変更など登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的。登記自体は自分で行うこともできますが、書類の取り扱いには専門知識が求められる上、ミスや手続き漏れがあると相続や売買自体が上手く進まなくなる可能性もあるため、なるべく専門家に任せることをおすすめします。
空き家相談前に確認しておくべきポイントと準備物

自治体と専門家、いずれの場合でも、事前に準備してから相談すれば、スムーズに手続きを進めることができます。ここでは主な2つのポイントをご紹介するので、さっそくチェックしていきましょう。
所有状況・名義・相続関係の確認方法
空き家の管理や売却を進めるには、まず所有状況や名義を正確に把握しておく必要があります。確認する方法としては、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)の取得が有効です。1通あたり600円の手数料はかかりますが、登記簿には不動産の所有者名や住所が記載されており、誰が名義人なのかを確認することができます。
ただし、記載されている名義人が必ずしも所有者であるとは限りません。例えば名義人が亡くなっている場合、実際の所有者はその相続人(配偶者や子)になります。また、相続登記は2024年(令和6年)4月から義務化されましたが、それ以前の物件では名義が変更されておらず、所有者不明土地となっているケースも多く見られるため、相続関係などもあわせて確認しておくことが大切です。
物件情報(登記簿・図面・写真など)を整理する
空き家の相談や売却、活用を検討する際には、物件に関する資料を整理しておくようにしましょう。登記簿だけでなく、間取り図面や建物・土地の現況を写した写真も用意しておくと、第三者にも現状を伝えやすくなり、売却やリノベーション、賃貸活用の可能性についても具体的な検討が可能になります。
アキサポの空き家相談サービスの特徴とサポート内容

空き家の売買や利活用なら、アキサポに相談するのもおすすめ。株式会社ジェクトワンが運営する空き家活用・売買の専門サービスで、空き家の所有者が抱える多様な課題に対して多角的にサポートし、問題解決へ導きます。
相続・名義変更・売却・解体まで一括で相談可能
アキサポの最大の強みは、空き家の相続から名義変更の手続き、売却、賃貸、さらには老朽化した建物の解体まで、すべてを一貫してサポートしてもらえるところ。複数の専門家に個別で依頼する手間が省けて、時間と費用の節約にもつながります。
専門家ネットワーク(司法書士・宅建士・解体業者)と連携
アキサポでは司法書士や宅地建物取引士、解体業者などと連携したネットワークを構築。例えば、名義変更が必要な場合は司法書士、売却時の価格設定や買い手探しには宅建士、老朽化住宅の処理には解体業者と、それぞれが専門的な立場から支援してくれるので、一つひとつのサービスを高いクオリティで提供できます。
まとめ|空き家は早めの相談が安心と資産価値を守るカギ

使い道が決まっていない空き家は、早めに専門家に相談して方針を決めることが大切です。
放置せず、状況把握と対策を始めよう
空き家は、放置すればするほど老朽化が進み、雨漏りやシロアリ被害など、さまざまなリスクが発生。時間が経過するにつれて建物の価値は下がり、空き家の利活用が難しくなるほか、修繕費も高額になりがちです。
こうした負担を避けるためには、早い段階で空き家の今後の扱いをどうしていくか明確にしておくことが欠かせません。物件の状況に応じて「売却」「賃貸」「解体」などの選択肢を検討し、必要な手続きを計画的に進めるようにしましょう。
アキサポなら空き家の悩みをワンストップで解決できます
空き家の問題に悩んでいるなら、まずはアキサポの利用がおすすめです。アキサポなら、相続、名義変更、売却、賃貸、さらには空き家解体までをワンストップで支援することが可能。
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「何から手をつけていいかわからない」という方でも、空き家の状況を丁寧にヒアリングし、適切な方法をご提案。相談はWEBや電話から受け付けているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。