公開日:2025.11.27 更新日:2025.11.14
NEW実家が空き家になったときの最適な対処法と活用法を徹底解説
親の他界や転居をきっかけに、空き家になってしまった実家をどうすれば良いのか。そんな悩みを抱える人が近年増えています。
空き家の維持管理は手間と費用の両方で負担が大きく、しかもそのまま放置すると、劣化や防犯面のリスクも高まるため、所有し続けることに不安を感じるのも無理はありません。
そこでこの記事では、実家が空き家になる主な原因と放置によるリスクを整理し、売却・賃貸・解体などの現実的な対処法をわかりやすく解説します。さらに「アキサポ」が実際に手掛けた空き家活用の事例を交えながら、空き家を「負の遺産」ではなく「新たな資産」に変えるためのヒントも紹介します。
目次
実家が空き家になる原因と背景

空き家になった場合の対策を知る前に、実家が空き家になる理由と背景を知っておきましょう。
かつては、子どもが家を継ぐことがあたり前でしたが、現在は、都市部への人口集中や独立志向の高まりによって、違う場所に家を買う人が多くなっています。さらに、少子化の進行によって相続する子世代が減っていることもあり、管理を担う人が減っているのも大きな要因として挙げられます。
実際、仕事や教育、生活の利便性を求めて都市に住む人が増える一方で、実家には誰も戻らず「帰省のときだけ立ち寄る場所」になっているケースが少なくありません。こうした変化が積み重なり、「誰も住まない家」が全国的に増えているのが現状です。
また、相続人の間で話し合いが長引くと、相続登記や管理が滞るケースもあります。なお、2024年4月から相続登記は義務化されており、相続の開始を知った日から3年以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料(行政罰)の対象となります。話し合いが長期化しそうな場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
このように、実家が空き家になる背景には、社会的な構造の変化と家族の意識の変化が複雑に絡み合っています。 相続が始まってから対策を考えていては後手に回ってしまうので、親族が集まる機会に、あらかじめ相続開始後の方針を話し合っておくとよいでしょう。
実家の空き家を放置するリスクと対策
空き家を放置することは単に劣化が進むだけでなく、思わぬ費用がかかったり、周辺に迷惑をかけたりと、さまざまなリスクにつながります。特に以下の4点には注意が必要です。
- 衛生面・治安の悪化や不法投棄・不法侵入
- 固定資産税や維持費用がかさむ
- 老朽化による資産価値の下落
- 特定空家に指定される
それぞれ、どのような点に注意し、予防すればよいのかを見ていきましょう。
衛生面・治安の悪化
人が住んでいない家は、時間の経過とともにゴミや落ち葉が溜まり、害虫が繁殖しやすい環境になります。さらに、雑草が伸び放題の庭や、郵便物が溜まったままのポストは外から見ても「空き家」と分かりやすく、不法侵入や住み着きを招く原因になりがちです。
このような荒れた空き家は、犯罪の現場や、空き巣の隠れ場所としても利用されるケースもあります。これらのトラブルが起こると、近隣住民に迷惑をかけるうえに、その後の関係悪化にもつながるため、定期的な手入れを行って、管理の行き届いた状態を保っておきましょう。
放火の可能性
衛生面と治安に並んで注意すべきなのが「放火」のリスクです。消防庁の統計によると、住宅火災のうち「放火」や「放火の疑い」が原因とされるものは、全体の約10%を占めており、普段人の目がない空き家が標的にされる可能性は無視できません。
特に、庭や建物のまわりにゴミや枯れ草が溜まっていると火が付きやすく、さらに老朽化が進んでいると火の回りが早くなりやすいという、特に危険な状態になります。ひとたび燃え広がれば、建物だけでなく近隣住宅にまで被害が及ぶおそれがあるため、定期的な巡回や空き家管理サービスの利用などの対策を講じておきましょう。
また、建物の周囲を常に整理し、清掃や草刈りを定期的に行うことも効果的です。その他にも、夜間に明かりがつくようセンサーライトを設置して「人の目が届いている家」であることを外から示す工夫も効果的です。
固定資産税や維持費用がかさむ
費用面で注意が必要なのが、毎年かかる固定資産税です。住んでいなくても所有していれば必ず納める必要があるため、放置している期間が長くなるほど負担が大きくなります。税額は場所や物件によって変わりますが、建物と土地を合わせて年間10万〜20万円程度かかるケースが多いです。
さらに、草刈りや建物の点検、屋根や外壁の補修など、維持管理にも定期的な費用がかかります。たとえば、草刈りを業者に依頼すれば1回あたり1万円前後、外壁の塗り替えや屋根の修繕は数十万円に及ぶこともあります。
こうした支出は一度に発生するわけではありませんが、放置期間が長くなるほど起こりやすくなり、負担が大きくなる傾向にあります。早い段階で活用や処分の方向性を決め、負の遺産になってしまうのを避けることが重要です。
老朽化による資産価値の下落
売却や活用を検討している場合は、老朽化の進行による資産価値の下落にも注意が必要です。特に、屋根や外壁の著しい傷みや、雨漏りやシロアリ被害といった深刻な劣化は避けたいところです。
中古住宅の購入者は、リフォームや部分的な修繕を前提にしているケースが多いため、一般的な経年劣化の範囲であれば大きな問題にはなりませんが、上記のような深刻な劣化の場合は、買い手・借り手が付かなくなる恐れがあります。
あまりに劣化がひどいと、建物の取り壊しを前提にした取引になる可能性が出てきますので、定期的に点検や補修を行い、できるだけ良好な状態を保ちましょう。
特定空き家に指定される
自治体から「特定空家等」(空家等対策特別措置法第2条第2項)に指定されるリスクにも注意が必要です。これは、倒壊の危険や衛生・景観の悪化など、周囲に悪影響を及ぼす状態の建物を指します。指定を受けると、行政から助言・指導・勧告・命令を経て、最終的には行政代執行により強制的に解体される可能性もあります。
なお、代執行まで進まなくても、勧告を受けると固定資産税の優遇措置が外れる点にも注意が必要です。通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」という固定資産税が最大で6分の1に軽減される制度が適用されますが、特定空き家として勧告を受けると、地方税法上の「住宅用地の特例」(最大6分の1軽減)が外れ、翌年度から最大6倍の税額が課される場合があります。
「まだ住めるから」「そのうち直すつもりだから」と放置しておくと、税金面でも大きな損失を招くおそれがあります。早めに現地を確認し、必要であれば専門業者に点検や補修を依頼して、早めの対策を講じることが重要です。
空き家を処分・利用するための主な選択肢

空き家のリスクと併せて把握しておきたいのが、空き家を処分・利用するための選択肢です。実家が空き家になってしまったあと、どう対処するかを決めておかないと最適な維持管理はできません。売却するのであればなるべく良い状態に保ちたいですし、解体するなら最低限の管理でも問題ないでしょう。
ここでは、以下の4つの選択肢の特徴やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。
- 賃貸に出して活用する
- 売却による現金化
- 解体して売却する
- そのまま維持する
賃貸に出して活用する
建物の状態が良い場合や、不動産需要が高いエリアにある場合などは、賃貸物件として運用するのも有効な選択肢です。
長期的に借り手がつけば安定した家賃収入を得ることができ、今まで費用をかけて維持してきた実家が、今度は収入を生み出す資産へと変わります。
空き家の活用を始めるには、「アキサポ」のような空き家活用サービスに申し込む方法や、自治体が運営する「空き家バンク」に登録する方法、不動産会社に仲介を依頼する方法などがあります。
中でも「アキサポ」は、空き家所有者の持ち出し0円から始められる方法として注目されています。0円で実現可能な理由は、アキサポがプランの提案からリフォーム、マッチングまでを自社負担で行い、月々の賃料からかかった費用を回収していくという事業形態にあります。所有者様は賃料の一部を受け取れますし、貸出期間が終わったあとはリフォームをした状態のまま建物が返ってきます。
売却による現金化
もっともシンプルなのは売却して現金化する方法です。資金化すれば相続人同士で分割しやすかったり、新しい投資や生活費に充てられたりと、使い勝手が良い方法といえるでしょう。
ただし、立地や建物の状態によっては希望どおりの価格で売れない可能性がある点には注意が必要です。わざわざリフォームをしてから売り出しても、意外と査定額が伸びないケースも珍しくないので、あらかじめ、希望額の満額が手に入るわけではない前提で売りに出しましょう。
また、売却時には仲介手数料や譲渡所得税、住民税などの費用がかかります。(住民税は譲渡所得税と合わせて課税)この額をあらかじめ把握しておかないと「思ったより手取りが少ない」という結果になるので注意しましょう。
住宅の売却時にかかる費用については以下の記事で詳しく解説しています
空き家の解体費用相場は?補助金の活用や、解体リスクについて解説!
解体して売却する
建物の老朽化が進んでいる場合は、思い切って解体して更地にする選択もあります。ただし、解体工事には建設リサイクル法や廃棄物処理法に基づく届出・分別解体の義務があるため、登録業者に依頼し、マニフェスト管理を徹底しましょう。解体費は100万円以上かかるのが一般的なので、買い手からすれば、この費用が節約できるのは大きなメリットでしょう。
ただし、更地にすると土地に適用されていた固定資産税の軽減措置が外れ、固定資産税が最大6倍まで増える可能性がある点には注意が必要です。ただ、軽減措置が適用されなくなるのは、一般的に解体した翌年からなので、年末までに売却を済ませれば、このデメリットの影響を受けない可能性が高いです。
そのまま維持する
実家に思い入れがあって手放したくない場合や、将来的に再度使いたい場合などは、どれだけ費用や手間をかけずに維持し続けられるかが重要になります。中でも、所有者が遠方に住んでいて定期的に訪れるのが難しい場合は、この点が大きな課題になるでしょう。
そんなときには、専門の空き家管理サービスを利用する方法があります。このサービスは、月額1万円前後で清掃や庭の雑草対策、郵便物の整理などを代行してもらえるもので、近年、空き家の増加に伴って多くの会社が参入してきています。
定期的な管理費用はかかりますが、資産価値を守ることができ、特定空き家に指定されるリスクも下げられると考えれば、メリットは大きいといえるでしょう。
空き家になった実家を活用した事例紹介
「空き家活用」の選択肢をもう少し深掘りして見ていきましょう。空き家活用は「建物を所有したまま定期的な収入が得られる」という大きなメリットがあるため、可能であれば実現したいと思う人も多いと思います。
そこでここでは、空き家活用サービスの「アキサポ」が、実際に空き家をリフォームして活用した事例をビフォーアフターと共に紹介します。
インバウンド需要を狙って民泊施設に活用(東京都渋谷区)

渋谷区「初台」駅から徒歩7分にあった住宅を民泊施設にリノベーションした事例です。高齢のため施設に入居した所有者様に代わって、相続予定のご子息様から相談を受け、空き家活用を実現しました。


相談時で築48年と、かなり築年数が経っていましたが、内装のリノベーションにより住み心地の良い空間に一新。さらに、さまざまな国の方が使いやすいようにサイズの異なる寝具を配置したり、連泊やワーケーションに便利なWi-Fi設備やデスクを設置したりと、細やかな工夫が施されています。
インバウンド需要の急回復を踏まえ「アキサポ」初となる民泊施設として再生
テラスハウスの構造を活かして賃貸物件に再生(東京都北区)

「東十条」駅から徒歩8分にある築56年のテラスハウスを、賃貸住宅と事務所にリノベーションした事例です。本物件の相談者様は、元々売却を予定していましたが、家庭状況が変わったことで活用も選択肢に入るようになり、アキサポに相談をいただきました。


本物件の大きな特徴は、元々3つの区画に分かれていたことを活かし、賃貸住宅と事務所という2つの用途に活用したところです。3区画中2区画は生活に十分な施設があったため賃貸住宅に、残りの1区画は風呂が設置されていなかったため、風呂が無くても問題無い事務所に活用しました。
中華料理店をシェアサイクルステーションに活用(東京都北区)

「志茂」駅から徒歩4分という立地を活かして、築28年の中華料理店をシェアサイクルステーションに活用した事例です。
本物件は、建物が全体に劣化していたうえ、活用範囲に貯水タンクが設置されていることで、2階に入居している方が水道を利用する際に音が響くという問題がありました。
そこで住居としての活用は諦め、以前より気がかりだった放置自転車対策も兼ねて、屋内型のシェアサイクルステーションに活用することとなったのです。


内装は大掛かりな変更はなく、壁の塗装や部分的なクロス貼り、アコーディオン扉の設置程度です。立地と物件の状態を踏まえた、効果的な活用を成功させた例です。
まとめ|実家が空き家になったら早めの対応を
空き家の実家は、放置し続けると、維持費や劣化、トラブルなどのもとになる負の遺産になってしまいますが、早めに現状を見直し、売却・賃貸・リノベーションなど、自分に合った方法を選べば、再び価値ある資産として活かすことができます。
どこから始めればいいか分からない場合は、空き家活用の専門家であるアキサポにご相談ください。「とりあえず様子を見る」ではなく、できることから一歩ずつ。家族の思い出が詰まった実家を、次の世代へとつなげるための行動を始めましょう。
この記事の監修者
岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。