公開日:2023.12.29 更新日:2026.05.29
横浜市に空き家バンクはある?マッチング制度の仕組みとリノベーション費用・補助金まとめ
東京23区を除く全国の市区町村で最多の人口を誇る横浜市は、経済や文化、流行などあらゆる面で中心的な役割を担っています。
では、そんな横浜市で効果的に空き家活用を進めるためには、どのような点に注目すればよいのでしょうか。
本記事では、横浜市が抱える最新の空き家事情を紐解きながら、利活用に役立つ行政の補助金制度や具体的なリノベーション事例を詳しく紹介します。費用を賢く抑えて空き家を有効活用するヒントもまとめていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
横浜市の空き家事情と今後の予測

横浜市で相性の良い空き家の使い道を見極めるためには、まず街の現状と「今後どのような空き家が増えるのか」を把握しておく必要があります。
日本最大の政令指定都市である横浜市は、全国平均(13.8%)と比較すると空き家率自体は10%前後と低い水準にあります。しかし、人口が圧倒的に多いため空き家の「絶対数」そのものは非常に多く、約17.8万戸にのぼります。このうち、賃貸用でも売却用でもない、完全に放置された「その他の住宅(目的のない空き家)」が数万戸に達しているのが現状です。
さらに注目すべきは、横浜市内における「一戸建て住宅に住む、高齢者のみの世帯数」が右肩上がりに急増している点です。 空き家が発生する原因の約5割以上は「実家の相続」と言われています。つまり、高齢者世帯が増加している横浜市では、今後一戸建ての空き家が加速度的に増えていくことが確実視されています。
こうした「一戸建てストックの増加」という背景があるからこそ、横浜市での空き家活用は、今後さらに重要な選択肢となっていきます。
横浜市で空き家活用する際に抑えておくポイント
横浜市で空き家活用をはじめる際には、エリアごとの需要を把握することが大切です。空き家に限らず、世の中は需要と供給で成り立っており、需要がないところにいくら供給しても成果をあげるのは難しくなってしまうからです。
横浜市の空き家等対策計画や最新の統計データを区ごとに比較すると、実は郊外部よりも、中区・西区・南区といった「都心・臨海周辺部」のほうが、一戸建ての空き家率が高くなる傾向にあります。横浜市全体の空き家数は、これら都心エリアの古い住宅街が押し上げているのが実態です。
また、横浜市の調査(現住所以外に所有している住宅の利用状況)によると、ただ放置されている空き家よりも、「借家として第三者に賃貸している」割合のほうが高いというデータが出ています。このことから、横浜市は古い一戸建てであっても、適切なリノベーションを施せば「借り手がつきやすい、潜在的な賃貸需要が非常に強い街」であることが分かります。
とはいえ、利活用されずに眠ったままの空き家が数多く残されているのも事実です。エリアごとのリアルな需要や、その物件に最適な活用方法を見極めるためには、専門的なノウハウや経験が豊富な専門家に相談しながら検討を進めると良いでしょう。
横浜市で空き家をリノベーションし賃貸物件として活用する方法

空き家問題の深刻化に伴い、行政の支援も強化されるなか、空き家活用に取り組む人は年々増えています。そのため、所有する物件をうまく有効活用するには、他と差をつける「差別化」が欠かせません。
そこで極めて効果的なアプローチとなるのが、物件の「リノベーション」です。 築年数が経った空き家の多くは、老朽化が進んでいるだけでなく、間取りや設備が現代のライフスタイルに合っていないケースが少なくありません。しかし、リノベーションによって新たな価値を吹き込めば、物件の魅力を大きく高めることができます。特に、周辺の賃貸需要を事前にリサーチした上で行う先回りのリノベーションは、入居者のニーズを的確に捉えるための確実な戦略となります。
とはいえ、リノベーションを検討する上で最も気になるのは、やはり「費用」ではないでしょうか。 そこでここからは、部位別のリノベーション費用相場を分かりやすく解説するとともに、初期費用を抑えて賢く空き家活用を始めるための具体的な手段についてもご紹介します。
空き家のリノベーションには費用がかかる
空き家のリノベーションにかかる費用相場を、施工箇所・施工内容別にまとめました。
居住空間関係
| 施工箇所・部位 | 一般的なリフォーム・修繕内容の目安 | 費用相場の目安(一戸建て換算) |
|---|---|---|
| 壁・天井(クロス) | 居室全体の壁紙・クロスの張り替え(量産品〜一般品) | 5万〜10万円 / 1室(6帖〜8帖) |
| 床(フローリング) | 既存床の上張り、または新規張り替え(複合〜無垢材) | 10万〜20万円 / 1室 |
| 間取り変更・改修 | 和室から洋室への変更、間仕切り壁の撤去・新設など | 15万〜50万円 / 1箇所あたり |
水回り関係
| 施工箇所・部位 | 一般的なリフォーム・修繕内容の目安 | 費用相場の目安(一戸建て換算) |
|---|---|---|
| システムキッチン | 既存キッチンの解体・撤去および新規システムキッチン設置 | 50万〜150万円(グレードによる) |
| ユニットバス(お風呂) | 在来浴室からユニットバスへの変更、または浴槽・床の交換 | 50万〜120万円 |
| トイレ | 便器本体の交換、温水洗浄便座の設置、床・壁クロス改修 | 10万〜30万円 |
| 洗面化粧台 | 洗面台本体の交換、周囲の防水・内装改修 | 10万〜25万円 |
内装・外装関係
| 施工箇所・部位 | 一般的なリフォーム・修繕内容の目安 | 費用相場の目安(一戸建て換算) |
|---|---|---|
| 外壁塗装・補修 | 足場組み、高圧洗浄、ひび割れ補修、外壁全体の塗装(シリコン等) | 60万〜120万円(建物の坪数による) |
| 屋根塗装・防水 | 屋根の塗装、補修、またはベランダ等の防水バルコニー工事 | 30万〜80万円 |
| サッシ・窓・断熱 | 既存サッシの交換、内窓(インナーサッシ)の設置による断熱化 | 5万〜15万円 / 1箇所 |
| 玄関ドア | カバー工法等によるデザイン性の高い最新ドアへの交換 | 15万〜40万円 |
その他
| 施工箇所・部位 | 一般的なリフォーム・修繕内容の目安 | 費用相場の目安(一戸建て換算) |
|---|---|---|
| ハウスクリーニング | プロの清掃業者による建物全体の丸ごと高圧・特殊清掃 | 5万〜15万円(一軒家丸ごと) |
| 残置物処分・片付け | 空き家内に残された古い家具、家電、生活ゴミの回収・処分代行 | 10万〜40万円(荷物の量による) |
| シロアリ駆除・防除 | 床下の薬剤散布、被害箇所の補修および今後の防蟻処理 | 10万〜20万円 |
| 給湯器交換 | ガス・電気給湯器(エコジョーズ等)の本体交換および工事費 | 10万〜25万円 |
リノベーションは、施工箇所・施工内容ごとに費用が異なるため、手を入れる部分が多くなるほど比例してトータルコストもアップします。
空き家活用を前提としている場合には、一度にまとめて大掛かりなリノベーションを行うと費用がかかり過ぎて初期費用の回収が難しくなってしまう点に注意が必要です。
大切なのは予算に合わせて計画的なリノベーションを行うことですから、施工箇所別に優先順位を付けた上で段階的にリノベーションを進めることも大切です。リノベーション費用や具体的な事例について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
低コストでリノベーションし活用する方法
空き家活用にリノベーションは効果的ですが、高額な費用がネックになりがちです。コストを抑えて賢く活用を始めたい方は、ぜひアキサポの空き家活用サービスをご検討ください。
空き家を借り受け、所有者様の自己負担0円(※)でリノベーション工事後、一定期間転貸するアキサポなら、費用面で空き家活用に乗り出せていなかった方でも手軽にスタートすることが可能です。
もちろん事前の現地調査からプランニング、リノベーション後の利用者の募集、物件管理までアキサポがフルサポートしますので、空き家活用についてよく知らないという方でも安心してはじめていただけます。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
横浜市で空き家リノベーション活用する場合の具体的なイメージ・事例
| 案件 | 物件の基本データ(建築・構造) | 活用内容・リノベーションのポイント |
|---|---|---|
| 事例1:横浜市鶴見区 | ・1988年5月築 ・延床面積:約222.02㎡ ・鉄筋コンクリート造4階建 | 【元社員寮 → シェアハウス】 設備の老朽化で遊休化していた元寮を、駅徒歩2分の好立地を活かしてシェアハウスへ再生。水回りをフルリノベーションし、開放的な共有スペースを新設。 |
| 事例2:横浜市西区 | ・建築年月:不明 ・木造2階建 | 【元刃物店 → 専門店×賃貸住宅の多用途物件】 雨漏りや老朽化が進んでいた元店舗。優れた立地条件を活かし、1階をブリトー専門店、2階を居住用の賃貸住宅として完全に分けるハイブリッド再生を実施。 |
| 事例3:横須賀市 | ・建築年月:不明 ・延床面積:約81.18㎡ ・木造亜鉛メッキ鉄板板葺2階建 | 【元クリーニング店 → シェアキッチン】 60年続いた地域密着店。元のレトロな雰囲気を残しつつ周囲と調和するリノベーションを施し、1階をシェアキッチン、2階を起業家向け事務所として町おこし拠点に。 |
ここでは、空き家活用の具体的な事例をいくつかご紹介します。
「空き家活用のイメージが湧かない」という方もいらっしゃるでしょうから、事例を参考にしながら、実際にどのような方法で活用が行われているのかチェックしてみてください。
事例1:【神奈川県横浜市鶴見区】元社員寮として利用されていた空き家は広々としたシェアハウスへ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建築年月 | 1988年5月 |
| 延床面積 | 約222.02㎡ |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造4階建 |
| 活用事例 | シェアハウス |
鉄筋コンクリート造4階建ての物件の活用事例です。
こちらは元々企業の社員寮として使用されてきましたが、設備の老朽化などの影響により、そのままでは利用が難しい状態となっていました。
そこで「駅から徒歩2分」という立地の強みを活かすため、シェアハウスとしての活用を決定。水回り設備をフルリノベーションするとともに間取りを変更して新たに共有スペースを設け、広々としたシェアハウスへと生まれ変わりました。
事例2:【神奈川県横浜市西区】刃物店として使用されていた空き家は2つの用途に活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建築年月 | 不明 |
| 延床面積 | 約222.02㎡ |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造4階建 |
| 活用事例 | シェアハウス |
木造2階建の空き家活用事例です。
こちらの物件は長年刃物店として使用されてきましたが、雨漏りの危険性が生じているなど、建物の老朽化が進んでいる状況でした。
一方で、立地に恵まれており、1階と2階部分で別の用途を組み込める構成となっている特徴があったことから、1階をブリトー専門店、2階を賃貸住宅という多用途の物件へと再生しました。
事例3:【神奈川県横須賀市】60年間続いたクリーニング店は横須賀市内初の空き家を活用したシェアキッチンへ再生
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建築年月 | 不明 |
| 延床面積 | 約81.18㎡ |
| 構造 | 木造亜鉛メッキ鉄板板葺2階建 |
| 活用事例 | シェアキッチン |
クリーニング店として使用されてきた物件の活用事例です。
こちらの物件は60年にわたりクリーニング店として地元住民から親しまれてきた歴史があったため、アキサポでは「上町」の町おこしとなるコンセプトをご提案。リノベーション時には、元々のクリーニング店のテイストを取り入れつつ、店内へ入りやすい雰囲気や周囲との調和を重視しました。
現在は、1階がシェアキッチン、2階は起業する会社向けの事務所として活用されています。
横浜市の政府や自治体による空き家活用関連の補助金制度
増え続ける空き家は全国で問題視されており、現状解決のために各自治体ではさまざまな補助金を用意しています。
用途も幅広く、空き家の解体、改修(リフォーム・リノベーション)、取得、活用促進など、空き家活用にさまざまな形で活かすことが可能です。
| 補助金・制度の名称 | 支援概要(補助額・上限) | 対象となる物件・エリア |
|---|---|---|
| 空家の改修等補助金 (地域貢献型) | 地域活性化施設(子育て・高齢者支援、コワーキング等)への改修費を補助 ※改修費用:上限100万円、耐震改修:上限150万円 | 横浜市内に存する一戸建て住宅(兼用住宅を含む)で、1年以上無人のもの |
| 空家の改修等補助金 (地域貢献[簡易改修]型) | 団体の交流スペース等のための簡易的な改修費用を補助 ※改修費用:上限100万円 | 横浜市内に存する一戸建て住宅(兼用住宅を含む) |
| 住宅除却補助制度 | 震災時の倒壊を防ぐため、耐震性が不足する古い木造住宅等の解体・除却工事費用の一部を市が補助 | 横浜市内全域の要件を満たす木造住宅 |
| 身近なまちの防災施設整備事業補助 | 自治会等が行う防災広場や避難経路等の整備に対し補助を実施 | 鶴見、神奈川、西、中、南、保土ケ谷、磯子、金沢、港北、戸塚、泉の各区の一部(重点対策地域等) |
横浜市の空き家を活用するその他の方法・手段
空き家にはさまざまな使い道があります。ご自身の希望や物件の状態に合わせて選べる7つの方法を一覧表にまとめました。
| 活用・処分の方法 | 主なメリット | 注意点・デメリット |
|---|---|---|
| ① 賃貸物件として活用 | 物件を手放さずに、定期的な家賃収入が得られる。管理の手間も減る。 | 事前のリノベーション費用が必要。 |
| ② 建物ごと売却する | 解体費用がかからず、まとまった現金収入が期待できる。 | 売却までに平均9〜12ヶ月ほど時間がかかる。 |
| ③ 解体して土地を売却 | 更地にすることで需要が高まり、買い手が見つかりやすくなる。 | 解体費用が自己負担になる。 |
| ④ 不動産会社に買取 | 買い手を探す時間がかからず、スピーディに現金化できる。 | 売却価格が仲介相場の7割程度に下がる。 |
| ⑤ 無料譲渡する | 税金や維持管理の手間・コストからすぐに解放される。 | 売却収入(利益)は一切得られない。 |
| ⑥ 自分で住む | 住環境を整えて、安心して住めるマイホームとして再利用できる。 | 安全に住むためのリノベーション工事が必要。 |
| ⑦ 空き家バンクの利用 | 横浜市に空き家バンクはないが、「空家活用のマッチング制度」で利活用希望者と出会える。 | 物件の一般公開はしていないため、行政への相談が必要。 |
横浜市での空き家の探し方
横浜市で空き家(賃貸物件)を探すには、用途や状況に合わせて主に4つの方法を使い分けるのが効率的です。それぞれの特徴を比較表にまとめました。
| 物件の探し方 | 特徴・おすすめの利用シーン | 注意点・デメリット |
|---|---|---|
| ① 空き家マッチングサービス | 希望条件に応じたサポートが受けられ、市場に出回っていない個性的な物件や掘り出し物に出会える。 | 業者のネットワークやタイミングによって流通数が左右される。 |
| ② 地域の不動産屋 | 現地に直接出向くことで、ネットには載らないリアルな周辺環境、利便性、街の風習などを深く把握できる。 | 現地に足を運ぶための時間やコストがかかる。 |
| ③ 不動産ポータルサイト | SUUMOやHOME’Sなどを使い、スマホで手軽にエリアや間取り、予算などの初期情報を幅広く集められる。 | 掲載情報は定型的なため、より詳しい現状を知るには個別確認が必要。 |
| ④ 空き家バンク(行政) | 横浜市に居住用の空き家バンクはないが、地域貢献活動の拠点を探す方向けに「空家活用のマッチング制度」がある。 | 営利目的や、一般的な個人での居住目的での利用は原則できない。 |
横浜市の空き家リノベーション・活用のまとめ
横浜市には空き家バンクがないため、適切な活用のコツを掴むには専門家への相談が近道です。
アキサポでは、活用だけでなく売却や解体、建て替えまで、状況に応じた幅広いプランをご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
横浜市の空き家率は?
横浜市の空き家率は1998年から10%前後を行き来しています。
空き家率の全国平均は13.6%ですから、横浜市の空き家率は低い水準となっている一方で、空き家数自体は右肩上がりに増加。
2018年には過去最高の約17.8万戸を記録し、このうち利用目的のない「その他の住宅」は約2万戸に達しています。
横浜市の空き家活用に関する補助金制度は?
横浜市では、空き家を活用するための改修等に利用できる「空家の改修等補助金」を提供しています。補助金は、横浜市内の一戸建てが対象で、1年以上使用されていない建物が条件です。また、建築基準法に違反しておらず、耐震性の確保も求められます。補助金額は、改修費用の1/2で、上限は100万円から150万円です。主な対象は、地域活性化に貢献する施設への改修となります。
空き家の活用方法は?
空き家の活用方法には、賃貸住宅や店舗、シェアハウスや民泊施設など、さまざまな選択肢があります。観光施設として活用できれば、地域コミュニティに対してプラスに働く可能性も出てきます。
リノベーションして賃貸物件として活用する方法は、今ある空き家の所有権はそのままに、継続収入を得られる方法です。空き家を資産として活用していきたい方におすすめです。
この記事の監修者
岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。