公開日:2025.06.02 更新日:2025.05.30
【図解付き】不動産売却の流れを徹底解説|準備・手続き・高く売るコツも紹介

不動産売却を検討する際、「何から始めればいいのかわからない」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。不動産売却には「売買仲介」と「不動産買取」という2つの方法があり、それぞれ特徴や進め方が異なります。
この記事では、不動産売却のための事前準備や進め方のほか、高く売却するポイントについて解説します。
不動産売却をする際の事前準備

不動産売却をスムーズに進めるためには、売却方法や必要書類などを把握することが大切です。まずは、不動産売却における事前準備について、確認していきましょう。
不動産売却の方法を把握する
不動産を売却するには、まず売却方法を理解することが重要です。
不動産を売却する方法は、売買仲介と不動産買取に大別できます。売買仲介とは、不動産仲介会社を介して買主を探し、売却を進める方法のことです。市場価格での売却が期待できますが、買主が見つかるまでに時間を要したり、物件によっては買い手が見つからなかったりすることもあります。
一方、不動産買取は、不動産会社が物件を直接買い取る方法のことです。すぐに現金化できるため、スピーディーに売却したい方に適しています。また、売買仲介での売却が難しい物件でも、売却できる可能性が高いといったメリットもある一方で、仲介に比べて価格がやや低くなる傾向にあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、物件や状況に応じて売却方法を検討しましょう。
家を売るベストなタイミングを把握する
不動産の売却価格は、季節や市況に大きく左右されるため、タイミングの見極めも重要です。4月からの新生活に備えて、転勤や子供の進学を理由に引っ越す方が増える1月〜3月は、不動産市場が活発になる繁忙期といわれています。また、企業の異動や転勤に伴う準備を始めることが多い、9~10月も第二の繁忙期といわれます。
買主の動きが活発になる時期に売却を開始すれば、より良い条件で契約できる可能性が高まるでしょう。
なお、転勤や相続、住宅ローンの返済など、自身のライフイベントに応じて売却時期を検討することも大切です。
売却に必要な書類を準備しておく
不動産の売却手続きでは、多くの書類が必要となるため、事前にそろえておくことで手続きがスムーズに進みます。不動産売却で必要な主な書類は、下記のとおりです。
■不動産売却で必要な主な書類
書類 | 概要 |
登記済権利証(権利証)・登記識別情報 | 不動産の所有者であることを証明する、登記完了時に法務局から交付される書類 |
固定資産税納付通知書 | 固定資産税の確認や買主の税金負担を算出する際に必要になる、毎年1月1日時点の所有者に郵送される書類 |
購入時の売買契約書 | 物件の取得経緯や条件を確認するための書類 |
購入時の重要事項説明書 | 物件の詳細情報や注意事項を記載した書類 |
物件の間取り図・設備の仕様書 | 物件の構造や設備の詳細を示す資料 |
不動産売却の流れを7ステップで解説【初心者でもわかる手順】

不動産売却をスムーズに進めるためには、どのようなステップがあるか確認しておきましょう。不動産を売却する際の一般的な流れは、下記のとおりです。
STEP1:売却の相場を調べる
まず、自分の物件がどのくらいの価格で売れそうかを把握します。相場を知ることで、売却価格の目安がわかり、売却するかどうかの判断材料にもなります。
不動産の相場を調べる方法の1つは、国土交通省が運用する「不動産情報ライブラリ」を確認することです。不動産の取引価格や地価公示等の価格情報を無料で閲覧できるため、売却相場の把握に役立ちます。また、SUUMO、HOME’Sなどの不動産ポータルサイトで、売却したい物件と条件が似た物件を探してみるのもいいでしょう。販売価格を見ることで、実際の相場がわかります。
※参考:不動産情報ライブラリ|国土交通省
STEP2:不動産会社に相談・査定依頼をする
相場を把握したら、不動産会社に相談し、査定を依頼します。無料で査定できる業者も多いため、複数社に依頼し、比較検討することが大切です。
提示価格の比較はもちろんですが、担当者の印象も判断材料になります。対応が丁寧で説明もわかりやすい会社は、売却後の手続きなども安心して任せられます。また、提示された査定価格については、過去の取引事例や立地、築年数などの根拠を確認し、納得できる価格かどうかを判断しましょう。
STEP3:不動産会社と契約を締結する
査定結果や不動産会社とのやりとりを踏まえて契約先を決定した後は、不動産会社との契約締結です。
売買仲介で売却する場合は、不動産会社と「媒介契約」を結ぶ必要があり、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類から選択します。
■媒介契約の方法別の特徴
契約方法 | 同時に複数の会社との契約 | 自身で買主を見つけたときの対応 |
専属専任媒介契約 | ・1社のみと契約・不動産仲介会社の全面サポートを受けられる(週1回以上の報告) | 不動産仲介会社を介す |
専任媒介契約 | ・1社のみと契約・不動産仲介会社のサポートを受けられる(2週に1回以上の報告) | 仲介なしで交渉可能 |
一般媒介契約 | ・複数の不動産会社との契約可・積極的なサポートは期待しづらい(報告義務がない) | 仲介なしで交渉可能 |
不動産買取の場合は、媒介契約ではなく、売買契約を直接締結することになります。売買契約の際は、引き渡しスケジュールや必要書類のほか、家財道具の処分方法、手数料などの詳細条件も確認しましょう。
STEP4:売却活動を開始する(売買仲介のみ)
売買仲介の場合、不動産会社が広告媒体に物件情報を掲載し、購入希望者を募ります。希望者に対する内見対応では、売主が立ち会うケースもありますが、不動産会社の担当者が代理で案内することもあります。
一方、不動産買取を選んだ場合、不動産会社が買主となるため、売却活動の工程はありません。
STEP5:売買契約を締結する(売買仲介のみ)
購入者が決まったら、売買契約を締結します。契約内容や特約の確認を行い、署名・押印をした後、買主から手付金が支払われます。
一度契約を交わすと、基本的にはキャンセルができないため、慎重に進めましょう。
STEP6:決済・引き渡し
売買契約を締結したら、売却価格の残金を受け取り、不動産の引き渡しを行います。この際に行われる主な手続きには、登記の名義変更(所有権移転登記)や、登記事項証明書(登記簿謄本)の提出、抵当権の抹消などが含まれます。また、鍵の引き渡しや各種必要書類の準備も忘れずに行いましょう。
決済は、一般的に買主の指定する金融機関で行われます。不動産会社や司法書士の立ち会いのもと、登記手続きや精算金(固定資産税や管理費など)の清算も同時に進められます。
STEP7:売却後の確定申告
不動産の売却によって譲渡所得(利益)が発生した場合は、譲渡所得税の納付が必要となり、翌年の確定申告で対応します。申告には、「譲渡所得の内訳書」や「売買契約書」「登記事項証明書(登記簿謄本)」などの申告書類一式を準備する必要があります。控除や特例の適用を検討するためにも、税理士などの専門家に相談するのが安心です。
不動産を高く売却するためのポイント

不動産をできるだけ高く売るためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、高値売却を実現するための具体的なポイントを見ていきましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産を高く売るための重要なポイントの1つが、信頼できる不動産会社を選ぶことです。
不動産会社を選ぶ際は、売却する物件の条件と不動産会社の得意分野が一致しているかをよく確認しましょう。戸建てかマンション、または都市部・郊外・地方かなど、物件の種類やエリアによって選ぶべき不動産会社も変わります。売却実績や経験が豊富な不動産会社なら、市場動向に精通した効果的な売却活動を実施できたり、適正価格での買取を期待できたりします。
物件に合った売却方法を選択する
不動産をできるだけ高く売却するには、物件の状態や立地、売却の目的に応じて最適な売却方法を選ぶことも大切です。
例えば、築年数が古く修繕しなければならない物件や事故物件、再建築不可などの特殊な条件がある物件は、不動産買取が適しています。早く現金化できたり、買主を探す手間を省けたりすることも大きなメリットです。
一方、築浅でリフォーム済み、立地条件が良好といった物件は、売買仲介を利用すれば、より高値での売却が期待できます。買主が多く集まりやすいため、価格交渉の余地も広がるでしょう。
物件の特徴を見極め、それに合った売却方法を選ぶことで、納得のいく価格での売却が可能になります。
売却の流れと高く売るポイントを踏まえて不動産売却を進めよう
不動産売却を成功させるためには、流れを把握し、自分の状況や物件に合った方法を選ぶことが大切です。売買仲介と不動産買取では売却方法が異なるため、それぞれの特徴を踏まえて選択しましょう。特に、スピードを重視する方や、条件が悪く買い手を見つけられるか不安といったお悩みをお持ちの方には、不動産買取が適しています。
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