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公開日:2025.06.18 更新日:2026.08.18

空き家の火災保険は必要?相場・住宅物件との違い・節約術を解説

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空き家にも火災保険は必要です。無人の空き家は放火や漏電のリスクが高く、万が一近隣に延焼して管理不備が問われると、数千万円の損害賠償を請求される可能性があるためです。実家を相続したものの誰も住んでいない空き家の保険をどうすべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

注意したいのは、空き家は「人が住む家」とみなされず、保険料が住宅物件の1.5〜2倍に跳ね上がったり、加入を断られたりするケースも少なくない点です。

本記事では、空き家に火災保険が必要な理由から、住宅物件と一般物件の違い、2024年10月の値上げ以降の保険料相場とコスト削減のコツ、地震保険をセットにする条件まで、わかりやすく解説します。

  • 空き家の火災保険:知っておくべき「住宅物件」と「一般物件」の境界線
  • 2024年10月値上げ以降の最新の保険料相場とコスト削減の裏技
  • 地震保険をセットにするための具体的な条件

無駄な出費を抑えつつ、万が一の破産リスクから大切な資産を守るための知識を身につけましょう。

そもそも空き家に火災保険はなぜ必要?

放火・漏電・老朽化のイラスト

空き家に火災保険が必要な最大の理由は、火災が近隣に延焼した際の高額な損害賠償に備えるためです。管理不備が『重大な過失』と認定されると、失火責任法でも所有者が賠償責任を負う可能性があります。特に漏電による火災は外観から気づきにくく、定期的な点検が欠かせません。

解体予定の物件であっても、火災による周辺への影響や解体費用の増加リスクを考えると、保険の活用は有効な選択肢です。保有コストとリスクを総合的に踏まえたうえで、火災保険への加入を検討しましょう。

放火・漏電・老朽化──空き家が火災リスクを高める3つの要因

火災原因は漏電だけではありません。

人が出入りしていない家屋は、外部から見て人目が少ないと判断されやすく、放火の標的になりやすいです。特に夜間や周囲に街灯が少ない場所は注意が必要です。

リスク要因内容注意点
放火人目が少なく標的にされやすい夜間・街灯の少ない立地や、外観の荒廃に注意
漏電・老朽化劣化した配線・ブレーカーが発火源になる空き家は異常の発見が遅れがち。定期的な点検が必要
台風・雪害などの自然災害屋根の破損・雨漏りが放置されやすい修繕の遅れが被害拡大・倒壊リスクにつながる

老朽化した電気配線やブレーカー、コンセントの破損は火災の原因となります。空き家では異常を検知しにくく、裸線のまま放置されるケースもあるため、漏電火災のリスクは居住中の物件より高くなりがちです。こうした管理不備が「重大な過失」と認定されると、失火責任法に基づく損害賠償責任が発生する点にも注意が必要です。

台風・雪害など自然災害時の被害も大きくなりがち

空き家は点検・修繕の機会が少ないため、屋根の破損や雨漏りに気づかないまま放置されやすい状況にあります。台風による瓦の飛散や積雪による屋根の損傷が起きると、建物内部への浸水・建材の腐食・最悪の場合は倒壊につながるリスクもあります。発見が遅れるほど修繕コストは膨らむため、早期対処が重要です。

なお、火災保険には風災・雪災・落雷などの自然災害補償が含まれていることが多く、被害発生時の費用負担を抑えるうえで有効です。

空き家の火災が近隣に延焼した場合の賠償責任

空き家で発生した火災が近隣に延焼した場合、管理不備による「重大な過失」が認定されると所有者が損害賠償責任を負います。修繕費・慰謝料など高額の負担になるケースもあるため、火災保険による最低限の補償確保は不可欠です。さらに、特約や個人賠償責任保険の活用も検討しておくと安心です。

特に、法律上の賠償責任がない場合でも近隣へのお見舞いが必要になることを想定するなら、類焼損害特約を付けておくと、もらい火で延焼させてしまった隣家の損害を補償できます。

空き家は火災保険に入れない?住宅物件と一般物件の違いを解説

住宅物件として認められやすいか セルフチェック

当てはまる項目にチェックを入れてください(判断基準は保険会社ごとに異なります)。

3個以上:住宅物件扱いを狙える状態です。証拠書類をそろえて保険会社に相談しましょう。

1〜2個:要対策・要相談。管理実態を増やすと住宅物件として認められやすくなります。

0個:一般物件扱いの可能性が高い状態です。保有コストの負担が大きい場合は、活用・売却の相談も選択肢です。

空き家は一般の住居である「住宅物件」とは見なされず、「一般物件」扱いとなる場合があります。その違いは火災保険料や補償内容にどのように影響するのでしょうか。

一般物件扱いになると、住宅物件と比べて保険料が1.5〜2倍程度割高になり、地震保険の加入も原則できなくなります。ただし、定期的な管理訪問がある空き家は住宅物件として認められる場合もあります。

区分対象となる空き家の状態保険料の目安地震保険
住宅物件月数回の管理訪問あり、生活設備が維持されている、別荘・一時的な空き家など通常の住宅向け料率が適用(割安)加入できる場合あり
一般物件長期無人・生活の痕跡なし・居住予定なし住宅物件の1.5〜2倍程度(割高)原則加入不可

一般的な火災保険は住宅物件向けに設計されているため、実際に人が居住していない空き家は保険対象外とされるケースも。保険会社によって基準が異なるため、加入の際には、住宅用か一般物件かの判断基準や必要書類など、事前に確認すべき注意点を整理しておくことが重要です。

多くの場合、空き家は「一般物件」として扱われるため、リスク評価が高く見積もられ、保険料が割高になる傾向があります。その結果、通常の住宅向けプランと比べて大幅に保険料が上がることもあるため、慎重な検討が必要です。

一方で、空き家向けの火災保険には、空き家特有のリスクに対応した補償が付帯される場合もあります。不要な補償を外し保険料を抑えることも可能なため、コストと補償内容のバランスを見極め、自分に合ったプランを選ぶことが大切と言えるでしょう。

住宅物件向けの火災保険に加入できるケース

空き家であっても、月に数回程度の清掃や管理のために出入りがあり、ある程度住居としての機能が維持されている場合は、住宅物件として認定されることがあります。これは、保険会社ごとの基準や実際の使用状況に基づいて判断されるのが一般的です。

例えば、水道や電気を定期的に使用し、生活の痕跡が確認できるようであれば住宅物件扱いとして火災保険に加入できる可能性も高まります。ただし、名目上だけでは難しく、現地調査や書類提出が必要になることがあります。

住宅物件扱いになれば、一般物件よりも保険料が割安になる傾向があるため、空き家を時折利用する予定がある方は早めに保険会社へ相談してみる価値があるでしょう。

空き家を「住宅物件」として承認してもらうための4つの対策

保険会社に「管理された住宅(別荘や一時的無人)」として認めてもらい、保険料を安く抑えるためには、口頭の主張だけでなく以下の「証拠」や実態を用意しておくのが有効です。

🏠空き家を「住宅物件」として認めてもらう4つの対策

1

家具・家電・生活用品を残す

すぐ生活できる状態を保つと、別荘・セカンドハウス扱いとして認められやすくなります。

2

電気・水道を解約しない

定期的な通水・通電の実績(検針票や利用明細)が、管理実態の強い証明になります。

3

管理日誌・写真をつける

「月◯回、風通しと清掃を行った」記録や現地写真を残しておきます。

4

空き家管理業者の契約書を提示する

遠方で自己管理が難しい場合、プロの巡回契約が「リスクが低い物件」の証明になります。

一般物件扱いになると保険料が高くなる理由

空き家は放火リスクや漏電火災、自然災害時の被害拡大などの危険度が高いとみなされるため、保険会社としては損害率が高くなる懸念があります。その分、保険料が上乗せされるのが一般物件扱いの特徴です。

また、近年では空き家の数が増加しており、管理が行き届かないケースが社会問題になっていることも要因の一つ。保険会社もそうしたリスクを考慮せざるを得ず、結果として一般物件扱いの火災保険料は割高になりやすいのです。

ただし、火災報知器や防犯設備の導入、定期点検の実施など、空き家所有者がリスクを下げる対策を取ることで保険料が一定程度軽減されることもあります。物件の状態に合わせて具体的な見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。

空き家は地震保険をつけられないケースもある?

地震保険の仕組みについても、火災保険との違いを含めて簡単に解説します。

地震保険は火災保険と同時に契約する形が一般的ですが、空き家が住宅物件として認められない場合、地震保険の加入条件が厳しくなる場合があります。ただし、別荘として特定の季節のみ利用している場合や、短期の転勤で一時的に空けているが一定期間後に再び住む予定がある場合など、住宅物件として認められるケースでは、地震保険特約を付帯できる可能性があります。これは、地震保険は「地震保険に関する法律」により、住宅または家財を対象とした制度であり、空き家は使用実態がない場合、対象外と判断されることがあります。

地震リスクの高い地域に空き家を所有している場合は、住宅認定を受けられるよう、日常的な維持管理を行うなどの対策を講じることが重要です。

また、地震保険への加入条件は保険会社ごとに異なるため、事前の確認が欠かせません。

もし地震保険に加入できない場合は、火災保険の損害補償を最大限活用するとともに、耐震リフォームや補強など、実質的なリスク管理策を検討する必要があります。

空き家の火災保険料の相場と補償内容の選び方

燃えた空き家の模型と火災保険の申込書

空き家(一般物件扱い)の火災保険料は、年間1万円〜6万円程度が目安です。ただし2024年10月の料率改定(参考純率が全国平均13.0%引き上げ)以降の新規契約は、値上げ後の水準が適用されます。

空き家(一般物件扱い)の火災保険料は年間1万円〜6万円程度が目安とされていますが、2024年10月に全社的な料率改定(住宅総合保険の参考純率を全国平均13.0%引き上げ)が実施されており、以降の新規契約は値上げ後の水準が適用されます。また、同時に水災料率の地域細分化(5区分)も導入されており、物件の立地によって保険料が変動します。

2024年10月の改定により、ハザードマップ上のリスクに応じて、水災保険料が「1等地(リスクが低い地域)」から「5等地(リスクが高い地域)」の5段階に分かれました。

立地(水災の等地区分)水災補償の保険料への影響
1等地(高台・マンション上層階などリスクが低い地域)水災補償をつけても保険料は大幅に安くなった
5等地(河川の近く・低地などリスクが高い地域)水災補償をつけると従来の1.2〜1.5倍近くになるケースも

もし所有している空き家が「高台」などの安全な立地にあるなら、水災補償をつけてもコストはさほど上がりません。逆に、リスクが高い地域(5等地)で、かつ建物が古く「浸水したらそのまま解体する予定」であれば、あえて水災補償を外すことで、高騰した保険料を大幅にカットすることができます。

補償対象としては、火災による建物の損害をカバーすることはもちろん、風災や雪災などの自然災害、さらには賠償責任を負う場合の特約を検討することも重要です。空き家特有のリスクを想定しながら、どこまで補償が必要かを見極めることがポイントとなります。

保険料の節約を意識するあまり必要な補償を外し過ぎると、万が一の際に十分な支援を受けられなくなる可能性もあります。リスクとコストのバランスを考えながら、保険会社の提案を複数比較するのが重要と言えるでしょう。

補償内容を絞って保険料を抑える方法

💰空き家の火災保険料を抑える3つの方法

補償を必要な範囲に絞る

基本の火災補償を確保し、立地によっては水災補償を外すなどで保険料を抑えます。ただし外し過ぎには注意。

立地に応じて水災補償を判断する

高台など1等地なら水災補償をつけても割安。5等地で解体予定なら外す選択も有効です。

防災・防犯設備で割引を狙う

火災報知器や防犯カメラなどの導入が、割引の対象になる場合があります。

最も基本的な火災補償だけを確保し、台風や雪害などのリスクを自己負担として設定することで、保険料を大幅に抑えることができます。ただし、自然災害による被害額は大きくなりやすい点に注意が必要です。

賠償責任補償も重要な要素ですが、敷地周囲に防火壁がある場合や、近隣との建物間に十分な距離がある場合は、延焼リスクが相対的に低くなります。そのため、補償額を抑えることで保険料を節約できる可能性もあります。保険会社と相談しながら最適なプランを模索しましょう。

火災報知機やオートロック、防犯カメラなどの設備を導入している場合、トラブル発生のリスクが低いと判断され、保険料の割引対象となる可能性があります。火災保険料を抑えるための投資と考え、導入を検討するのも一つの選択肢です。

空き家の火災保険を選ぶ際の注意点

火災保険の営業マンに相談している夫婦

空き家の火災保険を契約する際には、必ず複数の保険会社に見積もりを依頼し、保険料と補償内容を比較検討してください。空き家の保険料は物件の構造・築年数・立地・補償範囲によって会社ごとに大きく差が出るため、1社だけで判断すると最適なプランを見逃すことになります。代理店経由での一括見積もりサービスを活用すると、効率的に比較できます。

また、契約時には建物の構造・築年数・空き家になった経緯・管理状況などを正確に保険会社へ伝えることが重要です。事実と異なる情報を申告してしまうと、いざ保険金を請求する際に支払いを拒否される「告知義務違反」に該当するリスクがあります。空き家であることを隠して住宅物件として加入すると、火災発生時に補償を受けられなくなる可能性があるため、現状をそのまま正直に申告した上で、引受可能な保険会社・プランを探すことが大切です。

空き家にかかる維持費と売却の検討

空き家には、固定資産税・都市計画税に加え、庭木の管理や建物の定期点検といった維持費が毎年発生します。火災保険料も継続的にかかるため、活用の見込みがない物件を保有し続けると、総費用は想像以上に膨らむことがあります。

さらに、空き家は築年数の経過や設備の劣化とともに売却価格が下がる傾向にあります。「いつか使うかもしれない」と先送りにしている間にも、資産価値は少しずつ失われていきます。

活用予定のない空き家は、早めに動き出すことが損失を最小限に抑える近道です。売却・賃貸・リノベーションなど、どの選択肢が最適かを判断するためにも、まずは専門家への相談を検討してみてください。

アキサポでは、空き家の状況に合わせた活用方法を費用面のハードルを抑えてご提案しています。「どうすればいいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

🏠空き家の火災保険に関するよくある質問

Q. 空き家の火災保険料の相場はいくらですか?

一般物件扱いの場合、年間1万円〜6万円程度が目安です。ただし建物の構造・築年数・立地・補償内容で大きく変わります。2024年10月の料率改定以降の新規契約は、値上げ後の水準が適用される点にも注意しましょう。

Q. 空き家が延焼して隣家に被害を与えた場合、賠償責任はありますか?

失火責任法により、通常の過失による火災では隣家への賠償義務は生じません。ただし管理不備が「重大な過失」と認定されると、民法709条に基づく賠償責任が生じる可能性があります。空き家は管理が行き届きにくく成立しやすいため、備えが重要です。

Q. 空き家を住宅物件として火災保険に加入するには?

月数回以上の訪問で清掃・換気・修繕を行い、電気・水道を継続使用するなど「管理されている住宅」の実態を維持することが必要です。現地調査や書類提出が求められる場合もあります。認められれば保険料が割安になり、地震保険にも加入できる可能性が高まります。

まとめ

空き家は人の出入りがないぶんリスクの把握が難しく、火災保険の役割は大きいといえます。放火・漏電・自然災害・延焼賠償のリスクを理解したうえで、補償内容と保険料のバランスを確認して選ぶことが重要です。空き家が「住宅物件」と「一般物件」のどちらに分類されるかで保険料や加入条件は大きく変わるため、保険会社への事前確認と複数社の見積もり比較は欠かせません。

ただし、火災保険料に加えて固定資産税や管理費もかかり続けるため、活用予定のない空き家を持ち続けると総費用は想像以上に膨らみます。「いつか使うかも」と先送りする間にも資産価値は下がっていきます。売却・賃貸・リノベーションのどれが最適か迷ったら、まずは専門家にご相談ください。アキサポなら、空き家の状況に合わせた活用方法を、費用面のハードルを抑えてご提案します。「どうすればいいかわからない」段階でも、お気軽にご相談いただけます。

維持費のかかる空き家、そのままで大丈夫ですか?

火災保険料や固定資産税がかかり続ける前に、活用・売却という選択肢も。アキサポなら、状況に合わせた最適な方法を費用のハードルを抑えてご提案します。迷っている段階でも無料でご相談いただけます。

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※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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