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公開日:2025.12.02 更新日:2026.07.27

空き家を店舗に活用する方法|開業ステップと補助金・費用を解説

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空き家の店舗活用とは、使われなくなった住宅をカフェ・雑貨店・美容サロン・民泊などの店舗へ改修し、事業の拠点として再生する方法です。初期費用を抑えて開業できるうえ、自治体の創業支援や改修補助金を組み合わせられる点が大きな魅力です。

築年数を重ねた住宅でも、うまくリノベーションすれば、新築やテナントにはない“自分らしい店”へと生まれ変わります。近年は「自分のペースで働きたい」「地方で暮らしたい」という価値観の広がりを追い風に、空き家を店舗として活用する動きが全国で加速しています。

この記事では、用途変更や立地の選び方、用途別の開業ステップ、DIYを含む改修費用の目安、使える補助金、成功・失敗事例まで、空き家で店舗を開くための現実的な進め方を詳しく解説します。

空き家を使った店舗開業が注目されている理由とは?

ナワシロスタンド/世田谷区代田

アキサポが手掛けたナワシロスタンド/世田谷区代田

少子高齢化などの影響で、年々増加の一途を辿っている空き家。総務省の調査によると、2023年時点で全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を記録しました。今後も増加が見込まれ、深刻な社会問題となっています。

一方で、次のキャリアを模索する人や移住希望者にとって新たな“フィールド”になっているという一面も。その大きな理由のひとつが、初期費用を抑えて小さく始められる点です。築年数の経過した住宅でも、うまくリノベーションすれば唯一無二の雰囲気をもつ店舗へと変わります。

コロナ禍を経て価値観が大きく揺れたことで、「自分のペースで働きたい」「地方や自然豊かな地域で暮らしたい」と考える人が増加。それに伴い、空き家をカフェ・雑貨店・美容サロン・アトリエとして活用するケースが全国で広がっています。

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計」

GHITA hairdesign(ジータヘアデザイン)/品川区南大井

アキサポが手掛けたGHITA hairdesign(ジータヘアデザイン)/品川区南大井

特に古民家の場合、梁や建具が映える内装はSNSで発信したときにキャッチーに映り、ファンづくりにも役立ちます。また、ビフォーアフターの写真を見れば一目で変化が伝わり、開業のストーリーがSNSで共感を生みやすいという点もメリットといえるでしょう。

さらに追い風となっているのが、補助金制度の拡充 です。自治体によっては「空き家改修補助」「創業支援補助」「移住促進制度」を組み合わせて、改修費の半額以上をまかなえる地域もあります。

【用途別】空き家でできる店舗タイプと特徴

では、空き家ではどのような用途が実現しやすいのか、店舗タイプ別に整理してみましょう。

店舗タイプ特徴初期費用相性の良い立地
カフェ・喫茶店SNS映え/地域交流拠点中〜高観光地/古民家エリア
雑貨・工房・アトリエ趣味起点の小規模開業低〜中住宅地/商店街
美容室・サロン通常店舗より低コスト開業定住者・移住者の多い地域
民泊・宿泊施設高単価/補助制度が豊富中〜高観光地/自然豊かな町
コワーキングスペースリモートワーク需要都市近郊/駅前/商店街

カフェや民泊のように“空間の魅力”を強く打ち出す業態は、古民家との相性が抜群です。逆に、美容室のように設備要件の多い業態は、既存の水回りや電気容量の確認が重要になります。

空き家を店舗として使えるか判断するためのポイント

空き家を店舗に使えるかは「構造・安全性」「立地・商圏性」「法規・用途地域」「改装しやすさ」の4点で判断します。特に用途地域の制限と用途変更の要否は、開業できるか否かを左右する最重要チェック項目です。

判断項目見るべきポイント注意点
構造・安全性耐震性/水回り/劣化具合大規模工事の可能性
立地・商圏性観光客/交通アクセス/人口推移集客・商圏リサーチ
法規・用途地域用途地域の確認(住居専用地域NG)用途変更・許認可
改装しやすさ間取りや配管設備の自由度DIY可否の判断が必要

特に用途地域の確認と用途変更の要否は見落としやすいポイントです。

「住居専用地域でカフェを開けない」「美容室は床面積の基準がある」など、法律・条例による制限が存在するため、事前に確認しておきましょう。

【全6ステップ】空き家店舗開業の進め方

空き家を店舗にしていくプロセスは、ワクワクする側面がある一方、手順を間違えると想像以上のコストがかかったり、用途地域の制限で開業できなかったりと落とし穴も多い領域です。

ここからは、開業手順を6つのステップに分けてご紹介。事前にポイントを把握して、スムーズな開業につなげましょう。

🏠空き家店舗開業までの6ステップ

1

コンセプト設定

誰に・どんな場所で・何を売るかを固め、用途に合う設備や法規制を逆算します。

2

物件探し

空き家バンクや地域の不動産会社、移住窓口で探索。上下水道や駐車場も確認します。

3

現地調査・活用可否の判断

床の沈み・雨漏り・水回りをチェック。改修費を左右する建物の状態を見極めます。

4

改修計画・DIYか業者かの判断

内装はDIY、水回り・電気・基礎補強はプロへ。分担でコストを調整します。

5

補助制度の申請・資金計画

補助金は原則「着工前申請」。運転資金は最低半年分を確保しておきます。

6

店舗運営・集客

地域との関係づくりとSNS発信が成否を左右。開業はスタート地点です。

ステップ1:コンセプト設定

「どんな店を、誰に、どんな場所で展開するのか」。

空き家の魅力を最大限に活かすには、世界観と届けたい顧客像の明確化が重要です。カフェにするのか、雑貨店として使うのか、美容サロンなのか、もしくは民泊や複合スペースにするのか。用途が決まれば必要な設備や法規制、集客ターゲットも自然と絞れていきます。

あわせて、他店舗との差別化もポイント。例えば、「古民家✕コーヒー」「ギャラリー✕ワークショップ」など、組み合わせで独自性を出すケースも多く見られます。さらに、空き家を活用する場合は、建物の特徴が店の個性に直結することも。天井の高さ、窓の位置、庭の有無、土間の残り方など、物件そのものが持つ魅力に自分のコンセプトをどう重ねていくのかを想像しながら進めると、後の改修計画が非常に立てやすくなるでしょう。

ステップ2:物件探し

コンセプトを決めたら、実際に物件を探してみましょう。検索方法は、自治体が運営する空き家バンクのほか、地域の不動産会社、移住定住窓口、商店街のネットワークなど多岐に渡ります。

地方の場合、「ネットには出ていないが、所有者が貸し出しを検討している物件」も多く存在しており、自治体の担当者や移住コーディネーターに直接話を聞くことで、思わぬ“原石”に巡り合うこともあります。

また、物件探しの際は上下水道の整備状況や駐車場の有無、周辺の住環境、観光動線など、店舗運営に直結するポイントもチェックしておくとよいでしょう。

ステップ3:現地調査・活用可能性の判断

候補物件が見つかれば、次は現地での調査です。空き家は“見た目の古さ”よりも、“建物として安全に使えるかどうか”がポイント。床が沈み込む箇所はないか、外壁の劣化が進んでいないか、天井に雨漏りの跡がないかなど、建物自体のコンディションは改修費の増減に直結するため、慎重に確認しなくてはなりません。

特に飲食店やサロンの場合は、水回りの状態が重要。既存の配管が使えるのか、新規で給水や排水の工事が必要なのかによって、数十万円単位でコストが変わります。美容室であれば給湯能力、民泊なら消防設備の基準をクリアできるかも大切です。「空き家を店舗に使ってみたいけれど、物件の見極めや補助金が不安…」という方は、無料相談もご活用ください

ステップ4:改修計画・DIY or 専門業者の判断

空き家活用の核心ともいえるのが、改修。店の雰囲気を決める大切な工程でありながら、コストが最も大きく動く部分でもあるため、DIYと専門業者の作業をうまく分担して予算を調整しながら進めていくケースがほとんどです。

DIYでできる範囲は広く、壁や天井の塗装、床材の張り替え、カウンターや棚の制作など、空間の印象に関わる部分は十分手作りすることが可能。DIYの過程はSNS映えするため、開業前からファンを増やす手段としても活用できるでしょう。

一方、水回りや電気工事、基礎補強など、安全性に直結する部分はプロに任せるのが一般的です。空き家の場合、昔の建築基準で建てられた物件も多く、見えない部分の劣化が進んでいるケースもあるため、無理にDIYをしても危険が伴うだけでなく、結局後でやり直すことになって余計なコストがかかることも少なくありません。

また、改修の方向性を決めるときには、“建物が持っている魅力をどこまで残すか”も大きな判断基準のひとつ。昔の建具をそのまま使うことで個性を強く出せる一方、断熱性や快適性を重視するなら一部を新しく作り替える必要があります。どの程度手を加えるのかは、コンセプトとの整合性を見ながら決めるようにしましょう。

ステップ5:補助制度の申請/資金計画

空き家活用ならではのメリットといえるのが、自治体の補助金や創業支援制度を組み合わせられるところ。ただし、多くの制度は「着工前の申請」が必須であり、申請タイミングを誤ると補助の対象外になってしまいます。改修計画がある程度まとまった段階で、自治体の窓口に相談し、利用できる制度を一覧で把握しておくと安心です。

ただし、資金計画は“改修費だけ”では成立しません。開業後の運転資金、広告費、設備更新費、予備費を含めて最低半年分は確保しておくのがおすすめ。特に空き家は初期トラブルが出やすいため、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。

ステップ6:店舗運営・集客

いよいよ開業ですが、これはゴールではなくあくまで本格的な店舗運営のスタート地点。

空き家を活用した店舗は、地域との関係づくりが運営の成否を左右するケースも多いため、開業前の挨拶や地域イベントへの参加、商店街とのつながりなど、人との接点を増やせば店の存在が自然と広まり、コミュニティに受け入れられやすくなるでしょう。

集客面であわせて押さえておきたいのが、SNSでの発信。DIYの過程、古民家の風合い、日々の店づくりなど、ストーリー性のある投稿はファンを育てやすく、オープン時の来店につながります。カフェならメニュー紹介よりも空間の魅力を伝える投稿、美容室なら施術前後の変化だけでなく店舗の世界観もあわせて提示すると効果的です。

民泊運営の場合はGoogleマップのレビューが重要で、丁寧な接客や案内、レビュー依頼の仕組みづくりが収益に直結します。コワーキングなら、地域のフリーランスや移住者とのネットワークづくりが継続的な利用者を生み出すため、店舗形態にあわせた集客を模索してみましょう。

開業に使える補助制度・支援サービス

店舗開業となると、多額の資金が必要になります。けれども、地方では空き家の利活用を地域活性化の軸として捉えている自治体が増えており、改修費や創業費を積極的に後押しする動きが広がっています。

制度名補助内容対象
空き家改修補助改修費の1/2〜2/3を補助空き家活用希望者
創業支援補助金初期費用・宣伝費を支援新規店舗開業
宿泊施設改修補助民泊・宿泊事業用の改修を補助民泊・簡易宿所
地域おこし協力隊住まい・活動費・店舗開業を支援移住希望者

中でも、空き家改修補助は多くの自治体で導入が進んでいる制度で、建物の修繕や内装工事にかかる費用の一部を補助してくれるものです。空き家は水回りや基礎の補強に費用がかかるため、こうした補助があると負担軽減につながります。

創業支援補助金は、広告費や備品購入、設備導入といった開業初期の支出に幅広く利用でき、主にカフェ・サロン・雑貨店など、小規模事業と相性の良い制度が充実。民泊や宿泊施設を視野に入れる場合は、消防設備や用途変更に関わる工事が必要になることから、宿泊施設向けの補助制度が実質的に重要な役割を果たします。

店舗開業まで一定の準備期間を確保したい方は、地域おこし協力隊に参加するのもおすすめ。住まいと活動費をサポートしてもらいながら、開業に向けた時間をつくることができます。

これらの制度は、それぞれ対象経費や申請条件が細かく決まっているため、早い段階で自治体窓口と相談し、自分の事業計画にどれが最適かを把握しておくと安心です。

【用途別】改修・DIYコストの目安

では、具体的に空き家の改修にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?用途別に見ると、だいたい以下の金額になるのが一般的です。

用途DIYの場合業者施工の場合
カフェ50〜150万円200〜600万円
美容室・サロン30〜100万円200〜500万円
雑貨・工房10〜50万円100〜300万円
民泊・宿泊50〜200万円300〜800万円

DIY中心で進めるのか、プロに任せるのかで金額は大きく変わります。カフェの場合、内装の雰囲気づくりはDIYで十分対応できますが、厨房設備と水回りの整備はプロの力が欠かせません。

美容室やサロンは、水回りが飲食店ほど複雑ではないものの、給湯設備やセット面まわりの造作が必要です。雑貨店・工房は比較的自由度が高いため、他の用途よりは比較的低価格で抑えられるでしょう。

民泊は、内装よりも設備と安全面の確保にコストがかかります。特に消防設備の設置や用途変更の対応が必須です。

上記の金額はあくまで目安で、建物の劣化状況や構造によって上下幅が大きいため、現地調査と見積もりは慎重かつ丁寧に行うようにしましょう。

用途別に必要な許認可・法令上のポイント

店舗の用途変更で床面積200㎡を超える場合は、建築基準法上の用途変更確認申請が必要です。加えて飲食店は保健所の営業許可、美容室は美容所開設届、民泊は旅館業許可または住宅宿泊事業の届出が用途ごとに求められます。

用途主なチェック先の例要確認ポイントの例
カフェ・飲食店保健所喫茶/飲食店営業許可、厨房設備、水回り、トイレの設置
美容室・サロン保健所など美容所開設届、給湯設備・器具の配置、衛生基準
民泊・宿泊旅館業法/住宅宿泊事業法旅館業許可or民泊届出、消防設備、避難経路、用途変更の必要性
コワーキング建築基準法・消防用途地域、避難経路、収容人数、電気容量・コンセント数

法令・基準はエリアや建物の状況により異なるため、必ず所管窓口や専門家に確認するようにしましょう。

空き家店舗開業の成功事例・失敗事例

空き家店舗開業の成功と失敗の分かれ道はどのようなところにあるのでしょうか?

ケース活用内容成功・失敗要因
古民家カフェDIY+補助金+SNS集客コンセプト・立地選定が成功要因
美容室開業空き家を地域サロンに転換住民ニーズ調査/小規模改装が成功要因
失敗例カフェカフェ開業→集客困難人流・維持費・用途理解の不足が要因

成功事例としては、たとえば古民家カフェの場合、DIYをうまく取り入れて改修費を抑えつつ、SNSでの発信に力を入れてファンを増やしている事例が多数。建物が持つ雰囲気を最大限に活かし、地域の文化や景観と調和した世界観をつくった店舗は、観光客だけでなく地元住民にも愛されています。

さらに、地域のニーズを丁寧に拾い上げ、住民が必要としていた“小さなサロン”を実現した美容室の成功例も。大きな改修をせず、既存の空間を上手に使いつつ、お客様が落ち着ける環境を整えたことで口コミが広がった例です。

一方、失敗例の要因として多く見られるのが、立地選びと資金計画。カフェ開業を目指して空き家を借りたものの、平日の人流が極端に少なく、固定客が定着せず撤退したというケースも少なくありません。また、建物の劣化が進んでいるのに十分な調査をせず契約してしまい、改修費用が想定の倍以上かかってしまう例も見られます。

最終的な成果を大きく左右するのは、“事前準備の精度”。建物の状態、立地の価値、地域のニーズ、そして資金計画をしっかり確認しておくことが、安定した店舗運営につながります。

🏠空き家の店舗活用に関するよくある質問

Q. 住居専用地域の空き家でも店舗を開けますか?

原則として、第一種・第二種低層住居専用地域などでは店舗の営業が制限されます。ただし、床面積や業種によって小規模な兼用住宅が認められる場合もあります。開業前に必ず自治体の建築指導課で用途地域と用途変更の要否を確認しましょう。

Q. 空き家を店舗にするとき、用途変更の手続きは必要ですか?

住宅から店舗へ用途を変え、その部分の床面積が200㎡を超える場合は、建築基準法上の用途変更確認申請が必要です。200㎡以下でも、飲食店なら保健所の営業許可、民泊なら届出や許可が別途求められます。

Q. 改修費はどのくらいかかりますか?

用途と工事範囲で大きく変わります。DIY中心ならカフェで50〜150万円、業者施工なら200〜600万円が目安です。自治体の空き家改修補助(改修費の1/2〜2/3)を使えば負担を抑えられる場合があります。

まとめ

空き家の店舗活用は、古い建物ならではの個性を活かしながら、自分らしい働き方を実現できる選択肢です。成功のカギは、用途地域や構造の確認、改修計画、補助金の申請といったポイントを正しい順序で押さえること。特に用途変更の要否と資金計画は、開業できるかどうかを左右する最重要項目です。

とはいえ、「そもそもこの物件で店舗ができるのか」「改修費や補助金がどれくらいか読めない」という段階で立ち止まる方は少なくありません。判断に迷う今こそ、専門家に相談することで、進め方が一気に明確になります。

アキサポでは、空き家を活用した店舗開業のご相談を受け付けています。物件探しから改修計画、補助金の活用まで一貫してサポートし、リノベーション費用を全額負担(自己負担0円)※で活用をスタートできる仕組みもご用意しています。まずは無料相談で、あなたの空き家に合った活用プランを一緒に考えてみませんか。

※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

「この空き家で店舗を開けるのか」を、まずはプロに相談。

物件探し・改修・補助金まで、アキサポがまとめてサポートします。

※リノベーション費用の全額負担(自己負担0円)について、建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

この記事の監修者

宅建士 二級建築士 岡崎 千尋

岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。

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