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公開日:2026.06.14 更新日:2026.06.12

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住宅借入金等特別控除とは?2026年最新の適用要件・計算方法・必要書類

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住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、住宅ローンを利用して住宅を新築・購入・リフォームした場合に、一定条件を満たすことで所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。ただし、入居した年や住宅性能、省エネ基準の有無によって、控除額や対象条件が変わるため、自分は対象になるのか分かりにくい…と感じやすい制度でもあります。

この記事では、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の仕組みから、対象となる人・住宅の適用要件、控除額の計算方法、確定申告や年末調整の手続き、必要書類までを解説します。制度を賢く活用するために、事前に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

住宅借入金等特別控除の概要と仕組み

住宅ローン控除は、マイホーム取得時の税負担を軽減する代表的な制度のひとつ。住宅ローンを組んで住宅を購入・新築・増改築した場合、一定条件を満たすことで、所得税や住民税の控除を受けられる可能性があります。

控除額は、毎年の住宅ローン残高などをもとに計算されます。ただし、入居した年や住宅性能、省エネ基準への適合状況によって、控除期間や借入限度額が変わるため、「自分はどの区分に当てはまるのか」を最初に整理しておくことが重要です。

住宅ローン控除は自動適用ではなく、初年度は原則として確定申告が必要になります。給与所得者の場合でも、1年目の申告を済ませてはじめて、2年目以降の年末調整へ移行できます。

「対象条件を勘違いしていた」「必要書類が足りなかった」といった理由で手続きが滞らないよう、制度の全体像を先に把握しておきましょう。

住宅借入金等特別控除の対象税目(所得税・住民税)

控除は、まず所得税から差し引かれます。給与所得者の場合は、年末調整や確定申告後に、源泉徴収されていた税金が還付される形で実感するケースが一般的です。

所得税だけで控除しきれなかった場合は、翌年度の住民税から一部控除されます。ただし、住民税側には上限が設定されているため、控除額が大きくても全額使い切れるとは限りません。

また住宅ローン控除は、支払う税額があってはじめて使える制度のため、育休や転職などで所得税額が少ない年は、控除を使い切れないケースもあります。

医療費控除やふるさと納税など、他の控除制度を利用している場合も、最終的な税額に影響するケースがあることを理解しておきましょう。

「住宅ローン控除がいくら使えるか」だけでなく、「自分はいくら税金を払っているか」まで含めて見ておくことがポイントです。

所得税で控除しきれない場合の住民税控除

住民税控除は、所得税で引き切れなかった住宅ローン控除の残りを、翌年度の住民税から差し引く仕組みです。

住民税から控除できる金額には上限が設けられています。現行制度では、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)が上限です。そのため、どれだけ住宅ローン残高が多くても、所得税から引ききれなかった分がすべて住民税から戻ってくるわけではない点に注意が必要です。

たとえば、育休や転職で年収が下がった年、扶養家族が多い場合、医療費控除など他の控除額が大きい場合などは、所得税で控除しきれない可能性があります。

給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で所得税側の控除が反映され、住民税側は自治体側で自動的に計算される流れが一般的。

住民税の通知書を見て、控除が反映されていない?と感じた場合は、申告内容の不備や住宅区分の認識違いだけでなく、住民税側の控除上限に達しているケースもあります。

住宅借入金等特別控除の対象者

住宅ローン控除を受けられるのは、住宅ローンを利用して住宅を取得し、実際にその家へ居住している個人です。「自分が住むための住宅」であることが前提になるため、投資用物件やセカンドハウスなど、生活の拠点とは言いにくいケースは対象外になることがあります。

一般的には、住宅を取得したあとに住民票を移し、日常生活の拠点として住んでいるケースであれば、住宅ローン控除を利用しやすくなります。 また、住宅ローンも一定条件を満たす必要があり、返済期間10年以上のローンであることなどが代表的な要件です。

ただし「住宅を購入すれば必ず使える」というわけではありません。 たとえば、取得後すぐに賃貸へ出した場合や、実際にはほとんど住んでいない場合、親族間の借入で購入している場合などは、要件を満たさない可能性があります。

また、住宅ローン控除は「税額から差し引く制度」であるため、そもそも所得税や住民税を一定額支払っていることも前提になります。育休や転職などで所得が下がった年は、控除額を満額使い切れないケースもあります。

使える控除額は「誰の名義で借りるか」「共働きでどうローンを組むか」によって変わることもあります。住宅購入時は、物件価格だけでなく、働き方や世帯全体の税負担まで含めて考えておきたいところです。

住宅借入金等特別控除の適用要件|新築・中古物件の床面積基準

住宅ローン控除は、「誰が住むのか」「どんな住宅か」「どのローンを利用しているか」によって確認すべき条件が変わり、条件を満たしていない場合は、控除対象外になることもあります。

特に近年は省エネ性能によって借入限度額が細かく分かれており、2024年(令和6年)1月以降に建築確認を受けた新築住宅の場合、原則として一定の省エネ基準を満たしていない「その他の住宅」は住宅ローン控除の対象外となります。

ただし、2023年(令和5年)12月31日までに建築確認を受けている場合や、2024年4月1日前に建築された住宅である場合は、例外的に借入限度額2,000万円・控除期間10年として認められる経過措置があります。入居年や建築確認日による制度の差には細心の注意が必要です。

ここからは、共通の適用要件をベースに、住宅区分ごとの違いや、省エネ住宅・ZEH水準住宅で必要になる証明書類、入居年による制度差まで整理していきます。

共通の適用要件

まず前提になるのが、実際にその住宅へ住んでいること。登記日や引渡日ではなく、住宅を取得した後に一定期間内に入居し、その年の年末まで引き続き居住していることが重視されます。

床面積の要件は原則50㎡以上ですが、2023年(令和5年)12月31日までに建築確認を受けた新築住宅等で、合計所得金額が1,000万円以下の場合は40㎡以上50㎡未満でも適用されます。なお、面積の判定は登記事項証明書に記載された「床面積」(マンションの場合は壁の内側で計算する「内法面積」)を基準とし、店舗併用住宅などの場合、店舗部分や賃貸部分を含めた建物全体の床面積の2分の1以上が、自己の居住用部分でなければなりません。

さらに、住宅ローン控除の対象となる借入金や控除額の計算は、建物全体の金額ではなく「居住用部分」の床面積割合に応じて按分計算することになります。

また、所得要件やローン条件も重要です。住宅ローン控除の適用を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の緩和を受ける年は1,000万円以下)であること、かつ返済期間10年以上のローンであることが必須要件となります。親族や知人からの個人的な借入金は、たとえ契約書を作成して利息を支払っていても住宅ローン控除の対象とはなりません。制度の対象となるのは、銀行・信用金庫・住宅金融支援機構(フラット35)などの金融機関や、勤務先(社内融資)などの一定の「割賦販売業者等」からの借入に限られます。

加えて住宅ローン控除は、他の税制特例と同時に使えないケースもあります。住み替えや自宅売却を伴う場合は、「どの年にどの制度を使うか」で結果が変わることも。売却と購入のタイミングが重なるときは、年単位で整理しておくと後から混乱しにくくなります。

住宅の区分に応じた適用要件

住宅ローン控除は「住宅を買えば同じ条件で使える」という制度ではありません。新築・中古・買取再販・リフォームといった住宅の区分によって、確認すべき要件も必要書類も変わります。

中古住宅(既存住宅)の場合、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準に適合している住宅)であれば、一律で耐震要件を満たすものとされます。それ以前に建築された古い物件(旧耐震基準)の場合は、現行の耐震基準に適合していることの証明(耐震基準適合証明書の取得や建設住宅性能評価書など)が必要となり、これを満たせない場合は控除を受けられません。

買取再販住宅は、不動産会社が中古住宅を買い取り、リフォームして再販するもので、通常の中古とは要件が一部異なります。

相続した実家や中古の空き家を購入してリフォーム・増改築(既存住宅の増改築等)を行う場合、住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、建築基準法第2条に規定する「大規模の修繕・模様替え」や、建築物全体の耐震・省エネ・バリアフリー改修などの、税法で限定された工事内容でなければなりません。

さらに、補助金を差し引いた後の実質解体・リフォーム工事費用が「100万円超」であることを法的に証明するため、工事完了後に建築士や指定確認検査機関等から「増改築等工事証明書」を確実に取得しておく必要があります。

区分を誤ると、控除期間や借入限度額だけでなく必要書類まで変わるため、自分の住宅がどの区分なのかを初めに整理しておくことが重要です。

認定住宅・省エネ住宅(ZEH水準等)の証明書類

認定住宅やZEH水準住宅などは、一般住宅より控除限度額が優遇されるケースがあります。 ただし優遇を受けるには、その性能基準を満たしていることを証明する書類の提出が必要です。

代表的な書類としては、住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書ですが、どれが必要かは住宅の区分や取得方法によって変わり、落とし穴になりやすい部分です。

書類の取得先も複数に分かれているため、建築会社だけでは完結しないことがあります。登録住宅性能評価機関・建築士・指定確認検査機関など複数が関わるケースもあるため、契約時に「誰が、いつ、何を用意するか」を確認しておくと、引渡し前後の手続きがスムーズになります。

一番ありがちな失敗は、確定申告の直前に書類不足に気づくことです。引渡し後に追加取得しようとすると、発行に時間がかかって申告に間に合わないケースもあります。入居のタイミングと並行して、早めに証明書を準備しておきましょう。

居住年(令和4年以降)で変わる要件

2022年(令和4年)の税制改正により控除率は一律0.7%となりました。さらに2024年(令和6年)・2025年(令和7年)入居の場合、新築住宅の借入限度額が原則として引き下げられています(例:ZEH水準住宅は4,500万円から3,500万円に縮小)。

ただし、子育て世帯(19歳未満の子を有する世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)が令和6年に入居する場合、2023年(令和5年)の改正前水準(ZEH水準住宅であれば4,500万円)を維持する上乗せ特例が設けられています。過去の基準のまま資金計画を立てないよう注意しましょう。
「控除額が少ない」「昔調べた内容と違う」といった場合は、入居年が違うだけで適用ルールが変わっている可能性があります。住宅ローン控除は、“いつ入居したか”が起点になるため、まず自分の入居年を確認するところから始めましょう。

近年、特に影響が大きいのが、新築住宅の省エネ基準です。一定の基準を満たしていない場合は、控除対象外になるか借入限度額が下がります。そのため、住宅性能の区分と証明書類の有無は、セットで確認しておく必要があります。

床面積にも注意が必要です。判定に使われるのは不動産広告の表記(壁芯面積)ではなく、登記簿上の面積(内法面積)です。「パンフレットの表記では50㎡を超えていたのに、登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せたら50㎡未満で対象外だった」というケースは、マンションの専有面積の計算方法の違いにより頻発するトラブルです。

特に40㎡台の物件は、制度適用の境界にかかりやすく、契約前に登記上の面積見込みを確認しておくと、あとから条件違いに気づく事態を防げます。

控除期間と控除額の計算方法

住宅ローン控除は、「借入額が大きいほど多く戻る」という単純な仕組みではありません。基本の計算式は「年末時点のローン残高×控除率」ですが、入居年・住宅性能・借入限度額・所得税額によって、実際の控除額は変わります。

住宅の性能区分(2024年〜2025年入居)借入限度額(一般世帯)控除期間住民税からの控除上限
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円13年間所得税の課税総所得金額等の5%(最大9.75万円)
ZEH水準省エネ住宅3,500万円13年間同上
省エネ基準適合住宅3,000万円13年間同上
その他の住宅(非省エネ・原則対象外)0円(※経過措置除く)0年適用なし

認定住宅やZEH水準住宅は、一般住宅より借入限度額が高く設定され、その分だけ控除額が大きくなります。

控除額の考え方、控除期間、住宅区分ごとの違いを順に見ていきます。

計算式の基本(年末残高×控除率)

住宅ローン控除の計算式は「年末時点のローン残高 × 控除率」が基本です。ただしローン残高だけで決まるわけではなく、住宅の取得価格や借入限度額も計算に関わります。

補助金や給付金を受けている場合は注意が必要です。一定の補助金は取得費用から差し引いて計算されるため、「ローン残高は大きいのに控除額が思ったより少ない」という結果になることがあります。

また、計算時には端数処理や上限設定も入るため、残高証明書の数字がそのまま控除額になるわけではありません。確定申告書作成コーナーで自動計算はできますが、どの数字を基準に計算されているかを把握しておくと、入力ミスや書類の不一致にも気づきやすくなります。

最大控除額の考え方

住宅ローン控除の最大控除額は、借入限度額×控除率で単純に求められるものではありません。各年の控除上限に加えて「その年の所得税・住民税の範囲内でしか控除できない」という制約が、実際の控除額を左右します。

試算の手順としては、まず住宅区分と入居年から借入限度額・控除期間を確認します。そのうえで、返済予定表で年末残高の推移を見ながら「その年に控除を使い切れるか」を確認していきます。

ペアローン・連帯債務・連帯保証での控除の受け方の違い

① ペアローンの場合
夫婦それぞれが独立した「主たる債務者」としてローンを組むため、夫婦双方が自身の借入残高に応じて個別に住宅借入金等特別控除の適用を受けることが可能です。

② 連帯債務の場合
1つのローン契約に対して2人が連帯して債務を負うため、各自の負担割合(登記事項証明書上の所有権持分比率と整合している必要があります)に応じてローン残高を按分し、それぞれが控除を申告します。

③ 連帯保証人の場合
主たる債務者の返済を「保証」しているに過ぎず、法的な債務者(借入人)ではないため、連帯保証人は住宅借入金等特別控除の対象外(一切控除を受けられない)となります。

住宅の種類別の控除額・借入限度額の見方

住宅ローン控除の借入限度額は、住宅の区分によって変わります。新築か中古か、省エネ性能があるかどうかで、控除額・控除期間がそれぞれ異なります。

新築住宅・買取再販住宅における省エネ性能の区分は次の3つ。
①認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)
②ZEH水準省エネ住宅
③省エネ基準適合住宅

※前述の通り、2024年以降に建築確認を受けた「その他の住宅」は新築の場合、原則対象外となります。
区分がひとつ違うだけで借入限度額や控除期間に差が出るため、「自分の住宅がどれに当たるか」は早めに確認しておく必要があります。

取得形態によっても扱いは変わります。新築は控除期間が長く、中古は短め。買取再販やリフォームは、一定要件を満たしているかどうかで適用内容が決まります。

気をつけたいのは、「省エネ住宅」「ZEH仕様」といった広告表現がそのまま税制上の区分に対応するわけではない点です。実際の区分は、対応する証明書類を取得できるかどうかで決まります。

購入時点で区分が曖昧な場合は、売買契約書・工事請負契約書の記載内容、建築確認や性能証明の有無が判定材料になります。ハウスメーカーや不動産会社から受け取った書類は一括して大切に保管しておきましょう。

住宅借入金等特別控除の手続き(確定申告・年末調整)

初年度は住宅区分に応じた証明書類や残高証明書など、複数の書類が必要になります。特に迷いやすいのが書類の準備。

確定申告の基本的な流れや必要書類、年末調整で継続する際のポイントを整理していきます。

初年度の申告方法

住宅ローン控除は、初年度のみ確定申告が必要です。初年度は、住宅の取得内容や住宅区分、利用しているローンの内容などを申告し、控除適用を開始する手続きになります。

確定申告の手続きは、必要書類をそろえたうえで、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Tax(電子申告)を利用して進めるのが一般的です。オンライン申告でも、書類によっては別途郵送や持参が必要になるものがあるため、事前に確認しておきましょう。

売買契約書・登記事項証明書・年末残高証明書の内容が一致しているか、提出前に一度照合しておくと、差し戻しを防げます。

2年目以降の年末調整の流れ

給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除の手続きをします。税務署から届く「住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関から送付される「年末残高等証明書」を勤務先へ提出し、控除を継続します。

注意したいのが提出期限です。勤務先の年末調整スケジュールに間に合わなかった場合は、その年は自分で確定申告が必要になります。

転職や借換えをしている年は、手続きが少し変わります。転職した場合は提出先が変わり、借換えをした場合は残高証明書が複数に分かれます。

年末に届く郵送物はひとまとめにして保管し、提出前に必要な書類がそろっているか確認しておきましょう。

申告先(税務署・勤務先)

初年度は税務署へ確定申告を行います。提出方法は、税務署窓口への持参・郵送・e-Taxの3通り。必要書類も税務署提出を前提に準備しましょう。

給与所得者の2年目以降は前述の通り、勤務先への年末調整が基本です。控除証明書と残高証明書を提出すると、給与計算の中で所得税の控除が反映されます。住民税側の控除は自治体が自動計算するため、勤務先への別途申請は不要です。

個人事業主(非給与所得者)はもちろん、会社員であっても「副業による所得(雑所得等)が年間20万円を超える人」、その年の「給与総収入金額が2,000万円を超える高額所得者(所得税法第121条)」、あるいは医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例未利用)の適用を毎年受ける人は、2年目以降であっても勤務先の年末調整において住宅借入金等特別控除の処理を完結させることができません。これらの要件に該当する人は、毎年自身で確定申告書を税務署へ提出し、税額控除を反映させる必要があります。

住宅借入金等特別控除の申請に必要な提出書類

住宅ローン控除の手続きは、共通で必要な書類に加え、住宅区分や省エネ性能によって追加書類が必要になることがあります。

共通書類・住宅区分ごとの提出書類・登記事項証明書の確認ポイントを順にチェックしていきましょう。

共通の提出書類

まず共通で必要になるのが、次の書類です。

①住宅借入金等特別控除額の計算明細書
②金融機関から届く年末残高等証明書(複数ローンの場合はそれぞれ)
③売買契約書または工事請負契約書の写し

※補助金や贈与を受けている場合、③は取得費用の計算にも使われます。

これらに加えて、床面積や取得日の確認のため登記事項証明書も必要です。発行元が金融機関・法務局・不動産会社と複数に分かれるため、「どこから何を取得するか」を事前にリストアップしておくと、直前に慌てずに済むでしょう。

住宅区分ごとの提出書類

認定住宅や省エネ住宅では、共通書類に加えて住宅性能を証明する書類も必要になります。代表的なのが、認定通知書、住宅性能評価書、住宅省エネルギー性能証明書などです。これらは税務署ではなく、建築会社や性能評価機関などが発行する書類で、どこで取得できるのか分かりにくい部分。契約時に確認しておくのが確実です。

中古住宅では耐震基準適合証明書、増改築・リフォームでは増改築等工事証明書など、住宅区分によって追加書類が変わります。工事をしたという事実だけでは対象にならない場合もあるため、制度上どの区分に当たるかを先に整理しておきましょう。

よくありがちなのが「書類はあるのに様式が違った」というケースです。税務署が求める正式名称と発行者を事前に確認し、不足があれば早めに依頼しておくと、申告直前の差し戻しを防ぐことができます。

登記事項証明書のポイント

登記事項証明書は、床面積要件と取得日の確認に使われる書類です。 床面積は広告やパンフレットの表記ではなく「登記上の面積」で判定されるため、数字が一致しないことがあります。

マンションは共用部分を除いた専有部分、店舗併用住宅は居住割合も確認対象になります。共有名義でも、床面積は持分ごとではなく建物全体で判断される点は見落としやすい部分です。

申告方法によっては、不動産番号の記載で登記事項証明書の添付を省略できます。ただし、省略できるかどうかは状況次第。確定申告書作成コーナーや提出案内を確認しながら進めましょう。

災害等があった場合の措置

地震・台風・水害などで住宅に被害が出て住み続けられなくなった場合、一定条件を満たせば住宅ローン控除の特例を受けられることがあります。災害によって居住継続が難しくなった事情を考慮し、控除期間などに配慮した特例が設けられています。

特例を受けられるかどうかは、被害の程度・居住不能となった状況・住宅の再建や代替取得の状況によって変わります。通常の住宅ローン控除よりも事実関係の整理が細かく求められるため、被災時は罹災証明書だけでなく、居住状況や被害内容がわかる写真・修繕記録も残しておきましょう。

適用条件と必要書類はケースによって異なります。該当する可能性がある場合は、国税庁の案内を確認しつつ、所轄の税務署へ早めに相談しましょう。

注意事項(適用できないケース・よくあるミス)

条件を満たしているつもりでも、適用対象外になるケースがあるのが住宅ローン控除です。特に多いのが「自己居住」の認識違い。住民票だけ移して実際には住んでいない、取得後すぐに賃貸へ出した、といった場合は対象外になります。

ローンの種類にも注意が必要です。親族からの借入や、一定条件を満たさない勤務先ローンは控除対象外になります。借換えや複数ローンがある場合は、どの借入が対象かを先に整理しておきましょう。

書類まわりで多いミスは、追加書類の不足・床面積の判定ミス・補助金や贈与の反映漏れです。特に省エネ住宅では、住宅区分に該当していても、制度上必要な性能証明書を提出できなければ、その区分として認められません。購入前の段階で、必要書類を取得できるかどうかまで確認しておくことで、こうした申告直前の書類不足を防げます。

よくある質問

最後に、問い合わせの多いポイントをまとめます。

<入居時期 >
判定の基準は鍵の引渡し日や登記日ではなく、実際に居住を開始した日です。引越しが遅れた場合、入居年の判定に影響することがあるため、年をまたぐ引越しは注意が必要です。

<共働き・共有名義>
控除はローンを負担する人が受けるのが原則です。住宅が共有名義であっても、住宅ローンを組んだのが片方だけであれば、控除を受けられるのはそのローンの債務者本人のみとなります。ペアローンや連帯債務は負担割合の確認や必要書類が増えるため、初年度の申告前に整理しておきましょう。

<借換え>
原則としてローンの借換えを行うと元のローンは消滅するため控除は終了しますが、「新しいローンが元のローンの返済のためのものであること」「新しいローンの返済期間が10年以上であること」の双方を満たせば、残りの控除期間について継続適用が可能です。

ただし、借換えによって金利が下がりローン総額や期間が変わった場合、控除額の再計算(元のローンの直前残高をベースにした按分計算)が必要になるケースがあります。

<補助金・贈与>
補助金や贈与は取得対価の計算に影響します。決定通知書や贈与税申告書の写しは、金額と根拠書類を紐付けて手元に保管しておきましょう。

<転職・年末調整ができない年>
手続きが確定申告に戻ります。書類が期限に間に合わない場合、後日提出が認められるケースもあります。まずは何が不足しているかを特定し、関係機関への発行依頼と税務署への確認を並行して進めましょう。

まとめ|住宅借入金等特別控除の5つの要点

最後に、5つのポイントに絞って整理します。

①対象者
取得した住宅に実際に居住する個人で、入居年の所得要件を満たすことが前提です。生活の拠点が明確でない場合や、投資・賃貸目的が混在する場合は対象外になるリスクがあります。

②要件
人の条件(居住・所得)、住宅の条件(床面積・性能・区分)、借入の条件(返済期間10年以上など)をすべて満たす必要があります。まずは自分の住宅が新築・中古・買取再販・増改築等のどれか、性能区分は何かを確定させ、必要書類と控除の枠組みを見通しましょう。

③控除額の計算
基本は「年末残高×控除率」ですが、借入限度額・各年上限・所得税額・住民税上限によって実際の控除額が決まります。計算上の金額がそのまま戻るわけではない点に注意が必要です。

④手続き
初年度は確定申告、2年目以降は給与所得者なら年末調整が基本です。転職・借換え・育休など、イレギュラーな年は手続きが変わるため、早めに確認しておきましょう。

⑤必要書類
共通書類(計算明細書・年末残高等証明書・契約書写し・登記事項証明書)に加え、住宅区分ごとの追加書類が必要です。取得先が複数に分かれるため、何をどこから入手するかをリストアップしておくと、申告直前に慌てずに済みます。

住宅購入や空き家活用のご相談は「アキサポ」へ

住宅借入金等特別控除は、住宅区分・性能・借入条件によって必要書類も手続きも変わります。自分が対象になるのかや何から確認すればいいのかは、多くの方が動き始めてから初めて気づく部分です。

「アキサポ」では、物件探しから購入・リフォーム・活用相談まで幅広くサポートしています。住宅借入金等特別控除や空き家活用を見据えた住まい選びをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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