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公開日:2026.06.14 更新日:2026.07.22

住宅借入金等特別控除とは?2026年最新の適用要件・計算方法・必要書類

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住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、住宅ローンを利用して住宅を新築・購入・リフォームした場合に、一定条件を満たすことで所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。ただし、入居した年や住宅性能、省エネ基準の有無によって、控除額や対象条件が変わるため、自分は対象になるのか分かりにくい…と感じやすい制度でもあります。

この記事では、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の仕組みから、対象となる人・住宅の適用要件、控除額の計算方法、確定申告や年末調整の手続き、必要書類までを解説します。制度を賢く活用するために、事前に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

住宅借入金等特別控除の概要と仕組み

お金と電卓や家、車で生活にかかる費用のイメージ

住宅ローン控除は、マイホーム取得時の税負担を軽減する代表的な制度です。住宅ローンを組んで住宅を購入・新築・増改築し、一定の条件を満たせば、年末のローン残高の0.7%にあたる金額を所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引けます。令和8年度の税制改正で、2030年(令和12年)12月31日までの入居まで適用期限が延長されました。

控除額は、毎年の住宅ローン残高などをもとに計算されます。ただし、入居した年や住宅性能、省エネ基準への適合状況によって控除期間や借入限度額が変わるため、「自分はどの区分に当てはまるのか」を最初に整理しておくことが重要です。

また、住宅ローン控除は自動では適用されません。初年度は原則として確定申告が必要で、給与所得者でも1年目の申告を済ませてはじめて、2年目以降の年末調整へ移行できます。「対象条件を勘違いしていた」「必要書類が足りなかった」で手続きが滞らないよう、制度の全体像を先に押さえておきましょう。

住宅借入金等特別控除の対象税目(所得税・住民税)

住宅ローン控除は、まず所得税から差し引かれ、引ききれない分が翌年度の住民税から控除されます。給与所得者の場合は、年末調整や確定申告のあと、源泉徴収されていた税金が還付される形で実感するのが一般的です。

ただし住民税側には上限があるため、控除額が大きくても全額を使い切れるとは限りません。また、この制度は「支払う税額があってはじめて使える」ため、育休や転職などで所得税額が少ない年は、控除枠を余らせてしまうこともあります。医療費控除やふるさと納税など他の控除を利用している場合も、最終的な税額に影響します。

大切なのは、「控除がいくら使えるか」だけでなく「自分はいくら税金を払っているか」まで含めて見ておくことです。

所得税で控除しきれない場合の住民税控除

住民税控除は、所得税で引ききれなかった分を翌年度の住民税から差し引く仕組みですが、控除できる金額には上限があります。上限は、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)です。そのため、住宅ローン残高が多くても、引ききれなかった分がすべて住民税から戻るわけではありません。

たとえば、育休や転職で年収が下がった年、扶養家族が多い場合、医療費控除など他の控除額が大きい場合は、所得税で控除しきれない可能性があります。

給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で所得税側の控除が反映され、住民税側は自治体が自動的に計算します。住民税の通知書を見て「控除が反映されていない?」と感じたときは、申告内容の不備や住宅区分の認識違いのほか、住民税側の控除上限に達しているケースも考えられます。

住宅借入金等特別控除の対象者

住宅ローン控除を受けられるのは、住宅ローンを利用して住宅を取得し、実際にその家に住んでいる個人です。「自分が住むための住宅」であることが前提のため、投資用物件セカンドハウスなど、生活の拠点とは言いにくいケースは対象外になることがあります。一般的には、取得後に住民票を移し、日常生活の拠点として住んでいれば利用しやすくなります。ローン側の要件としては、返済期間10年以上であることが代表的です。

ただし、「住宅を購入すれば必ず使える」わけではありません。取得後すぐに賃貸へ出した場合、ほとんど住んでいない場合、親族間の借入で購入した場合などは、要件を満たさない可能性があります。また、この制度は「税額から差し引く」仕組みのため、所得税や住民税を一定額支払っていることも前提です。育休や転職で所得が下がった年は、控除枠を満額使い切れないこともあります。

さらに、使える控除額は「誰の名義で借りるか」「共働きでどうローンを組むか」によっても変わります。住宅購入時は、物件価格だけでなく、働き方や世帯全体の税負担まで含めて考えておきたいところです。

住宅借入金等特別控除の適用要件|新築・中古物件の床面積基準

家の模型とメジャーのイメージ

住宅ローン控除の要件は、「誰が住むのか」「どんな住宅か」「どのローンか」の3点で決まります。どれか一つでも外れると対象外になることがあるので、まずはこの3つを軸に確認していきましょう。

特に注意したいのが、新築住宅の省エネ性能です。2024年(令和6年)1月以降に建築確認を受けた新築のうち、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は、原則として控除の対象外になります。ただし、2023年(令和5年)12月31日までに建築確認を受けた住宅などは、経過措置として借入限度額2,000万円・控除期間10年で認められます。入居年や建築確認日で扱いが変わる点は、後述します。

共通の適用要件

まず大前提は、「実際にその住宅に住んでいること」です。基準になるのは登記日や引渡日ではなく、取得後に一定期間内へ入居し、その年の年末まで住み続けているかどうかです。

次に、床面積の要件です。令和8年(2026年)〜令和12年(2030年)入居は、床面積40㎡以上に緩和されました。ただし条件があります。

  • 40㎡以上でよいのは、合計所得金額1,000万円以下で、子育て世帯等の上乗せ枠を使わない場合
  • 子育て世帯等の借入限度額の上乗せを受ける場合は、50㎡以上が必要

面積は登記事項証明書の「床面積」で判定します(マンションは壁の内側で測る「内法面積」)。店舗併用住宅などでは、建物全体の床面積の2分の1以上が自分の居住用でなければなりません。なお、控除の計算も建物全体ではなく、居住用部分の床面積割合に応じて按分します。

所得とローンの条件も必須です。

  • 合計所得金額が2,000万円以下(40㎡以上50㎡未満の緩和を受ける年は1,000万円以下)
  • 返済期間10年以上のローンであること

対象になるローンは、銀行・信用金庫・住宅金融支援機構(フラット35)などの金融機関や、勤務先の社内融資といった一定の借入に限られます。親族や知人からの借入は、契約書を作って利息を払っていても対象になりません。

最後に、他の税制特例と同時に使えないケースがある点にも注意します。自宅の売却と購入が重なるときは、「どの年にどの制度を使うか」で結果が変わるため、年単位で整理しておくと混乱を防げます。

住宅の区分に応じた適用要件

住宅ローン控除は、住宅の区分(新築・中古・買取再販・リフォーム)ごとに、確認すべき要件も必要書類も変わります。

中古住宅(既存住宅)で押さえたいのは、耐震要件です。1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準)なら、一律で要件を満たすとされます。それ以前の旧耐震の物件は、現行の耐震基準に適合している証明(耐震基準適合証明書など)が必要で、これを用意できないと控除は受けられません。

買取再販住宅は、不動産会社が中古を買い取ってリフォーム・再販したもので、通常の中古とは要件が一部異なります。

相続した実家や中古の空き家を購入してリフォーム・増改築する場合は、工事の中身が問われます。建築基準法上の「大規模の修繕・模様替え」や、耐震・省エネ・バリアフリー改修など、税法で定められた工事でなければ対象になりません。さらに、補助金を差し引いた後の工事費用が100万円超であることを示すため、工事完了後に「増改築等工事証明書」を取得しておく必要があります。

区分を誤ると、控除期間や借入限度額だけでなく必要書類まで変わります。まずは自分の住宅がどの区分かを、はっきりさせておきましょう。

認定住宅・省エネ住宅(ZEH水準等)の証明書類

認定住宅やZEH水準住宅は、一般住宅より控除限度額が優遇されます。ただし優遇を受けるには、性能を満たしていることを示す書類(住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書など)の提出が必要です。

やっかいなのは、どの書類が必要かが住宅の区分や取得方法で変わり、取得先も分かれている点です。登録住宅性能評価機関・建築士・指定確認検査機関などが関わることもあり、建築会社だけでは完結しません。契約時に「誰が・いつ・何を用意するか」を確認しておくと安心です。

ありがちな失敗は、確定申告の直前に書類不足へ気づくこと。発行に時間がかかって間に合わないこともあるため、入居準備と並行して早めに証明書をそろえておきましょう。

居住年(令和4年以降)で変わる要件

住宅ローン控除は「いつ入居したか」が起点です。2022年(令和4年)改正で控除率は一律0.7%になり、その後も入居年ごとに借入限度額が見直されています。

子育て世帯(19歳未満の子がいる世帯)・若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)への上乗せは、令和8年(2026年)入居でも継続します。判定は入居年の12月31日時点です。「昔調べた内容と違う」と感じたら、入居年でルールが変わっている可能性があるので、まず自分の入居年を確認しましょう。

影響が大きいのが、新築住宅の省エネ基準です。基準を満たさないと、対象外になるか借入限度額が下がります。住宅性能の区分と証明書類の有無は、セットで確認しておきましょう。

床面積の判定にも落とし穴があります。使われるのは広告の表記(壁芯面積)ではなく、登記簿上の面積(内法面積)です。「パンフレットでは50㎡超だったのに、登記簿では50㎡未満で対象外だった」というトラブルは、マンションでよく起こります。特に40㎡台の物件は境界にかかりやすいので、契約前に登記上の面積の見込みを確認しておくと安心です。

令和8年度税制改正の大綱の概要

控除期間と控除額の計算方法

住宅ローン控除は、「借入額が大きいほど多く戻る」という単純な仕組みではありません。基本の計算式は「年末時点のローン残高×控除率」ですが、入居年・住宅性能・借入限度額・所得税額によって、実際の控除額は変わります。

住宅の性能区分(新築・買取再販/2026年入居)子育て世帯・若者夫婦世帯その他の世帯控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅5,000万円4,500万円13年
ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円13年
省エネ基準適合住宅3,000万円2,000万円13年
その他の住宅(非省エネ)原則対象外(0円)原則対象外(0円)

新築の省エネ基準適合住宅は令和9年(2027年)入居分まで対象です。子育て世帯等の上乗せ枠を使う場合は、床面積50㎡以上が条件になります。住民税からの控除上限は、いずれも所得税の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)です。

住宅の性能区分(中古・既存住宅/2026年入居)子育て世帯・若者夫婦世帯その他の世帯控除期間
認定住宅・ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円13年
省エネ基準適合住宅3,000万円2,000万円13年
その他の住宅2,000万円2,000万円10年

中古(既存住宅)は、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準)であれば耐震要件を満たすものとされ、それ以前の物件は耐震基準適合証明書などの提出が必要です。令和8年(2026年)入居からは、認定住宅・ZEH水準住宅・省エネ基準適合住宅の控除期間が10年から13年に延長され、子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せも新設されました。子育て世帯等の上乗せ枠を使う場合は床面積50㎡以上が条件です。住民税からの控除上限は、いずれも所得税の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)です。

計算式の基本(年末残高×控除率)

住宅ローン控除の計算式は「年末時点のローン残高 × 控除率」が基本です。ただしローン残高だけで決まるわけではなく、住宅の取得価格や借入限度額も計算に関わります。

補助金や給付金を受けている場合は注意が必要です。一定の補助金は取得費用から差し引いて計算されるため、「ローン残高は大きいのに控除額が思ったより少ない」という結果になることがあります。

また、計算時には端数処理や上限設定も入るため、残高証明書の数字がそのまま控除額になるわけではありません。確定申告書作成コーナーで自動計算はできますが、どの数字を基準に計算されているかを把握しておくと、入力ミスや書類の不一致にも気づきやすくなります。

最大控除額の考え方

住宅ローン控除の最大控除額は、借入限度額×控除率で単純に求められるものではありません。各年の控除上限に加えて「その年の所得税・住民税の範囲内でしか控除できない」という制約が、実際の控除額を左右します。

試算の手順としては、まず住宅区分と入居年から借入限度額・控除期間を確認します。そのうえで、返済予定表で年末残高の推移を見ながら「その年に控除を使い切れるか」を確認していきます。

ペアローン・連帯債務・連帯保証での控除の受け方の違い

借り方控除の受け方
ペアローン夫婦それぞれが主たる債務者。各自の借入残高に応じて双方が控除を受けられる
連帯債務1つの契約を2人で負担。所有権の持分割合に応じて残高を按分し、それぞれが申告する
連帯保証保証人は法的な債務者ではないため、控除の対象外

住宅ローン控除は、誰がどうローンを組むかによって、受けられる人や金額が変わります。

  • ① ペアローン:夫婦それぞれが独立した「主たる債務者」としてローンを組むため、双方が自分の借入残高に応じて個別に控除を受けられます。
  • ② 連帯債務:1つの契約を2人で連帯して負うため、各自の負担割合(登記事項証明書上の所有権持分と整合している必要があります)に応じて残高を按分し、それぞれが控除を申告します。
  • ③ 連帯保証人:主たる債務者の返済を「保証」しているだけで法的な借入人ではないため、控除の対象外です(一切受けられません)。

住宅の種類別の控除額・借入限度額の見方

借入限度額は、住宅の区分によって変わります。まずは、新築か中古か、そして省エネ性能があるかどうかで、控除額と控除期間が決まると押さえておきましょう。

新築住宅・買取再販住宅の省エネ性能の区分は、次の3つです。

  • ① 認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)
  • ② ZEH水準省エネ住宅
  • ③ 省エネ基準適合住宅

前述のとおり、2024年以降に建築確認を受けた新築の「その他の住宅」は、原則として対象外です。区分がひとつ違うだけで借入限度額や控除期間に差が出るため、「自分の住宅がどれに当たるか」は早めに確認しておきましょう。

取得形態によっても扱いは変わります。かつては「新築は控除期間が長く、中古は短め」とされていましたが、令和8年(2026年)入居からは中古でも認定住宅・ZEH水準住宅・省エネ基準適合住宅は控除期間が13年に延長されました(性能を満たさない中古の「その他の住宅」は10年のまま)。買取再販やリフォームは、一定の要件を満たすかどうかで適用内容が決まります。

気をつけたいのは、「省エネ住宅」「ZEH仕様」といった広告表現が、そのまま税制上の区分に対応するわけではない点です。実際の区分は、対応する証明書類を取得できるかどうかで決まります。区分が曖昧なときは、売買契約書・工事請負契約書の記載、建築確認や性能証明の有無が判定材料になります。ハウスメーカーや不動産会社から受け取った書類は、まとめて大切に保管しておきましょう。

住宅借入金等特別控除の手続き(確定申告・年末調整)

初年度は住宅区分に応じた証明書類や残高証明書など、複数の書類が必要になります。特に迷いやすいのが書類の準備。確定申告の基本的な流れや必要書類、年末調整で継続する際のポイントを整理していきます。

📝住宅ローン控除の手続きの流れ

1年目

初年度は確定申告

住宅区分の証明書類や年末残高証明書などをそろえ、確定申告書等作成コーナーやe-Taxで申告します。

2年目〜

給与所得者は年末調整

税務署から届く控除証明書と、金融機関の年末残高証明書を勤務先へ提出して継続します。住民税分は自治体が自動計算します。

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確定申告が必要になる例外

個人事業主、給与収入2,000万円超、副業所得20万円超、医療費控除やふるさと納税(ワンストップ未利用)を毎年受ける人などは、2年目以降も自分で確定申告します。

初年度の申告方法

住宅ローン控除は、初年度のみ確定申告が必要です。住宅の取得内容や住宅区分、利用しているローンの内容などを申告し、控除の適用を開始する手続きです。

進め方は、必要書類をそろえたうえで、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Tax(電子申告)を利用するのが一般的です。ただしオンライン申告でも、書類によっては別途、郵送や持参が必要になることがあるため、事前に確認しておきましょう。

提出前には、売買契約書・登記事項証明書・年末残高証明書の内容が一致しているかを一度照合しておくと、差し戻しを防げます。

2年目以降の年末調整の流れ

給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で手続きできます。税務署から届く「住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関から届く「年末残高等証明書」を勤務先へ提出し、控除を継続します。

注意したいのは提出期限です。勤務先の年末調整に間に合わないと、その年は自分で確定申告することになります。

また、転職や借換えをした年は手続きが少し変わります。転職した場合は書類の提出先が変わり、借換えをした場合は残高証明書が複数に分かれます。年末に届く郵送物はひとまとめに保管し、提出前にそろっているか確認しておきましょう。

申告先(税務署・勤務先)

初年度は、税務署へ確定申告します。提出方法は、窓口への持参・郵送・e-Taxの3通りです。

給与所得者の2年目以降は、前述のとおり勤務先での年末調整が基本です。控除証明書と残高証明書を提出すれば、給与計算のなかで所得税の控除が反映されます。住民税分は自治体が自動で計算するため、勤務先への別途申請は不要です。

ただし、次に当てはまる人は、2年目以降も年末調整では完結できず、毎年自分で確定申告が必要です。

  • 医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)を毎年受ける人
  • 個人事業主など給与所得者でない人
  • 副業による所得(雑所得等)が年間20万円を超える人
  • その年の給与収入が2,000万円を超える人

住宅借入金等特別控除の申請に必要な提出書類

チェックリストのイメージ

住宅ローン控除の手続きでは、共通の書類に加えて、住宅区分や省エネ性能に応じた追加書類が必要になります。ここでは、共通書類・住宅区分ごとの書類・登記事項証明書のポイントを順に見ていきます。

共通の提出書類

まず、どのケースでも共通して必要になるのが次の書類です。

  • ① 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • ② 年末残高等証明書(金融機関から届く。複数ローンならそれぞれ)
  • ③ 売買契約書または工事請負契約書の写し

③は、補助金や贈与を受けている場合、取得費用の計算にも使われます。

これらに加えて、床面積や取得日の確認のために登記事項証明書も必要です。発行元が金融機関・法務局・不動産会社と分かれるため、「どこから何を取得するか」を先にリストアップしておくと、直前で慌てずに済みます。

住宅区分ごとの提出書類

認定住宅や省エネ住宅では、共通書類に加えて性能を証明する書類が必要です。代表的なのは、認定通知書・住宅性能評価書・住宅省エネルギー性能証明書など。これらは税務署ではなく、建築会社や性能評価機関などが発行するため、取得先が分かりにくい部分です。契約時に確認しておくと確実です。

住宅区分によっても追加書類が変わります。中古住宅なら耐震基準適合証明書、増改築・リフォームなら増改築等工事証明書などです。工事をした事実だけでは対象にならない場合もあるため、自分の住宅が制度上どの区分に当たるかを先に整理しておきましょう。

ありがちなのが、「書類はあるのに様式が違った」というケースです。税務署が求める正式名称と発行者を事前に確認し、不足があれば早めに依頼しておくと、申告直前の差し戻しを防げます。

登記事項証明書のポイント

登記事項証明書は、床面積要件と取得日の確認に使う書類です。床面積は広告やパンフレットの表記ではなく「登記上の面積」で判定されるため、数字が一致しないことがあります。

見落としやすいのが、次の3点です。

  • マンションは、共用部分を除いた専有部分で判定する
  • 店舗併用住宅は、居住割合も確認対象になる
  • 共有名義でも、床面積は持分ごとではなく建物全体で判断する

なお、申告方法によっては、不動産番号を記載すれば登記事項証明書の添付を省略できます。ただし省略できるかは状況によるため、確定申告書等作成コーナーや提出案内を確認しながら進めましょう。

災害等があった場合の措置

災害のイメージ

地震・台風・水害などで住宅に被害が出て住み続けられなくなった場合でも、一定の条件を満たせば住宅ローン控除の特例を受けられることがあります。居住の継続が難しくなった事情を考慮し、控除期間などに配慮した特例が設けられているためです。

特例を受けられるかどうかは、被害の程度・居住できなくなった状況・住宅の再建や代替取得の状況によって変わります。通常よりも事実関係の整理が細かく求められるため、被災したときは罹災証明書だけでなく、居住状況や被害内容がわかる写真・修繕記録も残しておきましょう。

適用条件と必要書類はケースごとに異なります。該当しそうな場合は、国税庁の案内を確認しつつ、所轄の税務署へ早めに相談するのが確実です。

注意事項(適用できないケース・よくあるミス)

条件を満たしているつもりでも、対象外になることがあるのが住宅ローン控除です。特に多いのが、次のようなつまずきです。

  • 自己居住の認識違い:住民票だけ移して実際には住んでいない、取得後すぐ賃貸へ出した、といった場合は対象外
  • ローンの種類:親族からの借入や、一定条件を満たさない勤務先ローンは対象外。借換えや複数ローンがあるときは、どの借入が対象かを先に整理する
  • 書類まわりのミス:追加書類の不足、床面積の判定ミス、補助金や贈与の反映漏れ

特に省エネ住宅は要注意です。住宅区分に該当していても、制度上必要な性能証明書を提出できなければ、その区分としては認められません。購入前の段階で、必要な書類を取得できるかどうかまで確認しておくと、こうした申告直前のつまずきを防げます。

🏠住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)に関するよくある質問

Q. 2026年に入居しても住宅ローン控除は使えますか?

使えます。令和8年度税制改正で適用期限が5年延長され、2026年(令和8年)1月1日〜2030年(令和12年)12月31日の入居が対象です。控除率は年末ローン残高の0.7%で、子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せも継続します。

Q. 2026年入居の借入限度額はいくらですか?(新築)

一般世帯は、認定住宅4,500万円・ZEH水準3,500万円・省エネ基準適合2,000万円です。子育て世帯・若者夫婦世帯は、認定住宅5,000万円・ZEH水準4,500万円・省エネ基準適合3,000万円に上乗せされます。控除期間はいずれも13年です。省エネ基準を満たさない「その他の住宅」の新築は原則対象外です。

Q. 床面積の要件は何㎡以上ですか?

令和8年〜令和12年入居は、合計所得金額1,000万円以下で子育て世帯等の上乗せ枠を使わない場合、新築・既存を問わず40㎡以上に緩和されました。上乗せ枠を使う場合は50㎡以上が必要です。判定は広告の表記ではなく、登記簿上の面積(マンションは内法面積)で行います。

Q. 条件を満たしているのに対象外になるのはどんなときですか?

多いのは「自己居住」の認識違いで、住民票だけ移して実際に住んでいない、取得後すぐ賃貸に出した場合は対象外です。親族からの借入や一定条件を満たさない勤務先ローンも対象外になります。また、省エネ住宅は区分に該当していても、必要な性能証明書を提出できなければその区分として認められません。購入前に必要書類を取得できるか確認しておくと安心です。

まとめ

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、対象者・住宅の性能区分・借入条件によって、控除額も必要書類も変わります。まずは自分の入居年と住宅区分を確認し、令和8年(2026年)入居の借入限度額や床面積要件、初年度の確定申告に必要な書類を早めに整理しておきましょう。控除は「使える枠」だけでなく「実際に払っている税額」まで見て考えることが大切です。

とはいえ、自分が対象になるのか、何から確認すればよいのかは、動き始めてから気づくことが少なくありません。アキサポでは、物件探しから購入・リフォーム、空き家の活用相談まで幅広くサポートしています。

住宅ローン控除や空き家活用を見据えた住まい選びをお考えの方は、方向が決まっていない段階でもお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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