公開日:2026.07.22 更新日:2026.07.22
NEW売主物件とは?仲介物件との違い・メリットデメリット・注意点
不動産情報を見ていると「売主物件」を見かけることがあると思います。これは、不動産の売主から直接購入できる不動産のことですが、通常の仲介物件と何が違うのでしょうか?
この記事では、売主物件の基本や仲介物件との違い、メリット・デメリット、購入前に確認したい注意点などを解説します。
目次
売主物件とは|仲介手数料が「無料・不要」になる理由は?

売主物件とは、物件の所有者から直接購入する不動産物件のことです。仲介業者を挟まないため、仲介手数料がかからないという大きなメリットがあります。
物件情報では「売主」「取引態様:売主」などと記載されていることが一般的です。このように売主自身が販売している物件では、仲介手数料が無料または不要とされる場合があります。
売主は個人の場合もありますが、不動産会社が土地や建物を仕入れ、リフォームや造成を行ったうえで販売しているケースもあります。
売主物件と仲介物件の違い
- 間に業者が入らない直接契約
- 仲介手数料が不要(無料)
- 物件の仕様や情報を直接確認しやすい
- 不動産会社が間に入って取引をサポート
- 法定上限の仲介手数料が必要
- 条件交渉や契約手続きの代行を受けられる
売主物件と仲介物件の違いは、売買契約に不動産会社の仲介が入るかどうかです。売主物件が売主と買主の直接取引であるのに対して、仲介物件は、売主と買主の間に仲介業者が入り、物件紹介や条件調整、契約手続きなどを仲介します。
どちらが良いかは、費用を重視するか、手続きのサポートを重視するかによって変わります。仲介手数料を抑えたい場合や、売主から物件の情報を直接確認したい場合は、売主物件が適しているでしょうし、条件交渉や契約手続きなどを相談しながら進めたい場合は、仲介物件のほうが向いているでしょう。
売主物件と仲介物件の費用面の差
売主物件は仲介物件に比べてどの程度費用を節約できるのか、実際に計算してみましょう。今回は3,000万円の物件を購入する場合を考えてみます。
| 比較項目 | 売主物件 | 仲介物件 |
|---|---|---|
| 物件価格 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 仲介手数料 | 原則不要 | 最大105万6,000円 |
| 登記費用・ローン関連費用・火災保険料など | 必要 | 必要 |
| 初期費用の特徴 | 仲介手数料を抑えやすい | 仲介手数料分の負担が増えやすい |
仲介手数料は、売買価格が400万円を超える場合「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額が上限の目安です。3,000万円の物件であれば、3,000万円×3%+6万円=96万円となり、消費税を加えると105万6,000円が上限になります。
なお、個人が売主となることが多い仲介物件では建物価格に消費税がかかりませんが、不動産会社が売主となる売主物件では、表示されている物件価格の中に「建物部分の消費税」が含まれています。また、住宅ローン控除の適用を受ける際、売主が消費税課税業者(不動産会社)であるかどうかによって、最大借入限度額などの税制上の特例枠が変わるケースがあるため、あらかじめ全体の資金計画をシミュレーションしておくことが大切です。
売主物件のメリット・デメリット

売主物件には、仲介手数料を抑えやすい、売主から物件の情報を直接確認しやすいといったメリットがありますが、一方で、仲介会社が間に入らない分、契約内容や保証範囲を買主側でも確認しなくてはならないデメリットがあります。
主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 仲介手数料が原則不要で、購入時の初期費用を抑えやすい | 契約内容や条件を買主側でも確認する必要がある |
| 売主から物件の仕様や工事内容、設備の状態などを直接確認しやすい | 売主は販売する側の立場なので、第三者による客観的な助言を得にくい |
| 売主が不動産会社や建築会社の場合、保証やアフターサービスが用意されていることがある | 売主ごとに保証内容や契約条件が異なり、比較しにくい場合がある |
売主物件は、費用を抑えやすい反面、買主自身で確認すべき範囲が広くなりやすい取引形態です。仲介手数料の安さだけで判断するのではなく、契約内容や保証範囲、購入後のサポートまで含めて比較すると、自分に合う物件かどうかを判断しやすくなります。
売主物件かどうかを見分ける方法
売主物件かどうかを見分けるには、物件情報に記載されている「取引態様」を確認します。取引態様とは、不動産会社がその物件にどのような立場で関わっているかを示す項目です。
主な取引態様の見方は、以下のとおりです。
| 取引態様 | 内容 | 仲介手数料の有無 |
|---|---|---|
| 売主 | 不動産会社や所有者が直接販売している | 原則不要 |
| 仲介・媒介 | 不動産会社が売主と買主の間に入る | 原則必要 |
| 代理 | 不動産会社が売主の代理として販売する | 条件によって異なる |
「代理」と記載されている場合は、売主の代理として不動産会社が販売している形ですが、仲介手数料の扱いは物件ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
よくある売主物件の種類

売主物件でよく見られるのは、買取再販の中古マンションや、ビルダー・ハウスメーカーが販売する建売住宅です。ここでは、それぞれの特徴や確認すべきポイントを押さえておきましょう。
買取再販の中古マンション
買取再販の中古マンションとは、不動産会社が中古マンションを買い取り、リフォームやリノベーションを行ったうえで再販売する物件です。室内がきれいに整えられていることが多く、購入後すぐに住み始めやすい点が特徴です。
この物件の特徴は、売主である不動産会社が工事内容を把握しているケースが多いことです。自社で買い取った物件にリフォームやリノベーションを行ってから販売するため、どの部分を直したのか、設備をいつ交換したのか、保証の対象がどこまでなのかを確認しやすくなります。購入前に工事内容や保証範囲を確認しておけば、入居後に修繕が必要になりそうな箇所も見極めやすいでしょう。
一方で、販売価格にはリフォーム費用や販売会社の利益などが含まれているため、同じエリアの中古マンションより価格が高めに設定されている場合があります。物件価格だけで判断せず、リフォーム内容や保証範囲、周辺相場とあわせて確認しましょう。
ビルダー・ハウスメーカーの建売住宅
ビルダー・ハウスメーカーの建売住宅も、よくある売主物件のひとつです。建売住宅は、土地と建物をセットで販売する住宅で、完成済みまたは完成予定の物件を購入する形になります。
この物件の特徴は、売主であるビルダーやハウスメーカーが建物の仕様や保証内容を把握していることです。自社で建築した住宅を販売するため、使われている設備や建材、保証の期間、引き渡し後の点検内容などを確認しやすくなります。
また、完成済みの建売住宅であれば、実際の室内や日当たり、周辺環境を確認したうえで購入を判断できます。ただし、間取りや設備を自由に変更できる範囲は限られるため、自分の希望条件に合っているかを事前に確認しておくことが大切です。
売主物件の購入で注意すべきポイント

売主物件の取引条件を確認する際には、特に以下の3点を意識しましょう。
- 契約内容が売主有利になっていないか確認する
- 契約不適合責任と保証内容を確認する
- 第三者の専門家にチェックを依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
契約内容が売主有利になっていないか確認する
売主物件を購入するときは、契約内容が売主に有利な内容になっていないかを確認しましょう。売主と直接契約する場合、価格や引き渡し時期、設備の扱い、キャンセル時の条件などを買主側でもしっかり把握しておく必要があります。
たとえば、引き渡し後に設備の不具合が見つかった場合、どこまで売主が対応してくれるのかは契約内容によって変わります。また、エアコンや照明、給湯器などの付帯設備が引き渡し対象に含まれるのか、撤去されるのかも確認しておきたいポイントです。
口頭で説明を受けただけでは、あとから認識のズレが生じることがあります。気になる点は売買契約書や重要事項説明書、付帯設備表などで確認し、不明点があれば契約前に質問しておきましょう。
契約不適合責任と保証内容を確認する
売主物件では、引き渡された物件が契約内容に合っていなかった場合に、買主が修補や代金減額などを請求できる制度である「契約不適合責任」と保証内容の確認も欠かせません。
このとき、実際にどこまで対応してもらえるかは、契約内容や保証の範囲によって変わります。中古住宅の場合は特に、雨漏り、給排水管の不具合、シロアリ被害、設備の故障などについて、対象範囲や期間、免責事項を確認しておきましょう。
なお、売主が不動産会社や建築会社の場合は、独自の保証やアフターサービスが付くこともあります。ただし、保証期間が短かったり、対象外の設備があったりするケースもあるため、「保証あり」という言葉だけで安心せず、保証書や契約書で具体的な内容の確認を忘れないでください。
第三者の専門家にチェックを依頼する
取引に不安が残る場合は、第三者の専門家にチェックを依頼するのも有効です。売主から詳しい説明を受けられる物件でも、買主だけで建物の状態や契約内容を判断するのは難しい場合があります。
たとえば、中古物件の状態が気になる場合は、住宅の現状を確認してくれるホームインスペクションを利用すると、劣化状況や修繕が必要になりそうな箇所を確認しやすくなります。
また、契約内容に不安がある場合は、不動産会社以外の専門家や司法書士、弁護士などに相談する方法もあります。すべてを専門家に任せる必要はありませんが、高額な買い物だからこそ、分からない部分をそのままにせず、必要に応じて第三者の確認を入れておくと安心です。
よくある質問
ただし、サイトによっては売主物件だけを簡単に絞り込めない場合があります。その場合は、検索キーワードに「売主」「仲介手数料不要」「自社売主」などを入れて探す方法があります。
建売住宅を探す場合は、ビルダーやハウスメーカーの公式サイトを確認するのも有効です。中古マンションや中古戸建てを探す場合は、買取再販を行っている不動産会社のサイトもあわせて確認すると、売主物件を見つけやすくなります。
たとえば、販売開始から時間が経っている物件や、決算期・キャンペーン時期の建売住宅では、価格交渉の余地が出ることがあります。一方で、リフォーム済み物件や人気エリアの物件は、価格があらかじめ調整されていることもあり、大きな値引きが難しいケースもあります。
値引きを相談する場合は、周辺相場や類似物件の価格を確認したうえで、無理のない範囲で交渉しましょう。価格だけでなく、設備の追加や諸費用の一部負担など、条件面で相談できる場合もあります。
まとめ|売主物件は仲介手数料だけでなく契約内容まで確認して選ぼう
売主物件は、売主から直接購入できるため仲介手数料を抑えやすい点が魅力です。
ただし、仲介手数料がかからないからといって総額が安くなるとは限りません。物件価格にリフォーム費用や保証費用が含まれている場合もあるため、物件価格・諸費用・保証内容をあわせて比較することが大切です。
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この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。