1. TOP
  2. コラム
  3. 空き家相続コラム
  4. 土地名義変更費用はいくら?ケース別相場・税金の内訳と自分で抑える節約法

share

公開日:2026.09.06 更新日:2026.08.25

NEW

土地名義変更費用はいくら?ケース別相場・税金の内訳と自分で抑える節約法

サムネイル

土地名義変更費用とは、所有者を変更する際にかかる登録免許税や必要書類の取得費、司法書士の報酬などの合計額です。場合によっては、贈与税や不動産取得税、譲渡所得税、相続税などがかかり、思っていた以上に税金が高くなってしまうケースもあります。

そこでこの記事では、土地名義変更費用の内訳やケース別の相場、自分で登記する場合と司法書士に依頼する場合の違い、費用を抑える方法を解説します。まずは何にいくらかかるのか、全体像をつかんでいきましょう。

土地の名義変更(所有権移転登記)が必要なケース

疑問

土地の名義変更は、相続・贈与・売買などで土地の所有者が変わったときに必要な手続きです。かかる費用は、主に登録免許税・必要書類の取得費・司法書士報酬に分けられ、名義変更の理由によって金額が異なります。

まずは、土地の名義変更が必要になる代表的なケースを見ていきます。

相続による名義変更

相続によって土地を取得した場合は、亡くなった人から取得した人へ名義を変更します。この手続きを「相続登記」といいます。遺言がなければ、原則として相続人全員で遺産分割協議を行い、土地を取得する人を決めます。

費用は、集める戸籍の数や相続関係によって変わります。出生から死亡までの戸籍謄本などをそろえるため、転籍が多い場合や相続人が多い場合は、書類の取得費や司法書士報酬が増えることもあります。
なお、2024年4月から相続登記は義務化されました。原則として、相続で不動産を取得したと知ったときから3年以内に申請する義務があります。

贈与による名義変更

親から子、夫婦間などで土地を贈与する場合は、土地を受け取った人の名義に変更します。贈与によって土地の所有者が変わるため、法務局で所有権移転登記を行います。

贈与による名義変更では、相続登記と比べて登録免許税の税率が高いのが特徴です。また、土地の評価額などによっては、贈与税や不動産取得税がかかる場合もあります。

名義変更の際には、贈与があったことを確認するための贈与契約書のほか、登記識別情報(登記済証)や印鑑証明書などの書類が必要です。

離婚による財産分与の名義変更

離婚時の財産分与では、夫婦で所有していた土地をどちらか一方が取得するケースがあります。現在の名義人と実際に土地を取得する人が異なる場合は、所有権移転登記を行います。

登記には、離婚協議書や調停調書など、財産分与の内容を確認できる書類を使用します。また、土地を渡す側に譲渡所得税がかかるケースがあるなど、登記費用以外の負担が生じることもあります。

住宅ローンが残っている場合や、土地と建物の所有者が異なる場合は、金融機関との調整や別途手続きが必要になることもあるため、権利関係を確認しておきましょう。

売買による名義変更

土地の売買では、代金の支払いと土地の引き渡しだけでなく、売主から買主への所有権移転登記も必要です。一般的には決済日に、売買代金の支払いや物件の引き渡しとあわせて登記手続きを行います。

名義変更では登録免許税がかかるほか、買主には不動産取得税、売主には売却益に応じて譲渡所得税がかかる場合があります。

また、土地が複数の筆に分かれている場合や、私道持分・共有持分が含まれている場合は、登記する土地や持分についても確認が必要です。

土地の名義変更費用の内訳

薄緑色の背景に、白の電卓とその上に「地」「土」という白い漢字が書かれた2つの木製ブロックが置かれている。土地の名義変更にかかる費用の計算をイメージした画像。

土地の名義変更費用は、主に登録免許税などの「実費」と、司法書士へ依頼する場合の「専門家費用」に分けられます。なかでも登録免許税は金額への影響が大きいうえに、名義変更の理由によって税率も異なります。

登録免許税

登録免許税は、土地の名義変更を登記する際に納める税金です。原則として「固定資産税評価額×税率」で計算し、土地の市場価格ではなく、市区町村が定める固定資産税評価額をもとに算出します。

同じ評価額の土地でも、相続・贈与・売買など名義変更の理由によって税額は変わります。登録免許税の税率は、名義変更の理由によって法律で細かく定められています。

  • 相続:0.4%(固定資産税評価額の1,000分の4)
  • 贈与・離婚(財産分与):2.0%(固定資産税評価額の1,000分の20)
  • 売買:1.5%(本則2.0%。租税特別措置法第72条第1項により、2029年(令和11年)3月31日まで軽減税率1.5%が適用されます)

必要書類の取得費用(戸籍・住民票・評価証明など)

土地の名義変更では、戸籍謄本や住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書、登記事項証明書などをそろえるための取得費用がかかります。

代表的な必要書類と取得手数料の目安は、次のとおりです。

必要書類取得手数料の目安
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)1通450円
除籍謄本・改製原戸籍謄本1通750円
住民票1通200~400円程度
印鑑証明書1通200~400円程度
固定資産評価証明書1件200~400円程度
登記事項証明書1通600円(窓口請求の場合)

※住民票・印鑑証明書・固定資産評価証明書などの手数料は、自治体や取得方法によって異なります。

特に相続登記では、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍など、複数の書類が必要になることがあります。無駄な取得費を抑えるには、あらかじめ登記事項証明書で土地の所在や地番、所有者などを確認してから取得するのがおすすめです。

司法書士報酬

土地の名義変更に必要な書類作成や登記申請を司法書士に依頼した場合、その対価としてかかる費用が司法書士報酬です。一般的な所有権移転登記では5万〜10万円程度がひとつの目安ですが、金額は一律ではありません。相続・贈与・売買などの理由や不動産・相続人の数、手続きの複雑さによって変わります。

相続登記では、戸籍の収集や相続人の調査、遺産分割協議書の作成などをまとめて依頼すると、10万〜15万円程度になるケースもあります。

その他の実費(郵送・交通費など)

郵送料や交通費、コピー代などの実費がかかります。金額は手続き方法や移動距離によって異なりますが、合計で数百〜数千円程度がひとつの目安です。遠方の役所へ書類を請求したり、法務局へ何度も足を運んだりすると、その分費用も増えます。

さらに、売買や贈与で契約書を作成する場合は、書類の種類や契約金額に応じて印紙税がかかることもあります。

名義変更の理由別にかかる税金

ここからは名義変更の理由別に、どのような税金がかかるのかを見ていきましょう。

名義変更の理由主にかかる税金登録免許税の税率不動産取得税の有無
相続相続税(基礎控除超の場合)0.4%原則非課税
贈与贈与税(110万円超の場合)2.0%課税される
離婚(財産分与)譲渡所得税(渡す側・利益有の場合)2.0%条件により非課税
売買譲渡所得税(売主)・不動産取得税(買主)1.5%(軽減適用時)課税される(軽減あり)

不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物を取得した人に課される都道府県税です。売買や贈与では課税されることがありますが、相続による取得は原則として非課税です。

登記時に納める登録免許税とは異なり、取得後に納税通知書が届いてから支払うのが一般的です。住宅用の土地などは軽減措置を受けられる場合もあります。適用条件によって税額が変わるため、対象になるか事前に調べておくとよいでしょう。

譲渡所得税(所得税・住民税)

土地を売却して利益が出た場合は、売主に所得税や住民税がかかります。税額は売却価格そのものではなく、取得費や売却にかかった費用などを差し引いた譲渡所得をもとに計算します。

税率は土地の所有期間によって異なり、短期譲渡所得か長期譲渡所得かで税負担が変わります。また、一定の条件を満たせば控除や特例を利用できるケースもあります。取得費の資料が不足している、共有名義になっているなど計算が難しい場合は、税理士への相談も検討しましょう。

相続税

土地を含む相続財産の総額が基礎控除を超える場合には、相続税がかかります。相続登記とは別の手続きとなり、登記の有無にかかわらず申告・納税が必要になるケースがあります。

相続登記の申請期限は原則3年以内ですが、相続税の申告・納税は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。期限が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

土地の評価額や適用できる特例によって、相続税額は大きく変わります。課税が見込まれる場合は、相続登記と並行して税額の目安も把握しておきましょう。

贈与税

土地の贈与を受けた場合は、受け取った側に贈与税がかかることがあります。暦年課税では年間110万円の基礎控除があり、土地は評価額が高くなりやすいため、登記費用より税負担が大きくなるケースもあります。

注意したいのは、現金のやり取りがなくても、無償で土地の名義を移せば贈与とみなされることです。名義変更をする前に、土地の評価額と税額の目安を把握しておきましょう。

司法書士に依頼する場合の費用相場と依頼範囲

土地の名義変更を司法書士に依頼する場合、報酬の目安は5万〜10万円程度です。ただし、司法書士報酬は一律ではなく、名義変更の理由や依頼する作業の範囲、手続きの複雑さによって変わります。

たとえば相続登記では、相続人の確定や戸籍の確認、遺産分割協議書の作成など、登記申請前の作業まで依頼すると、その分費用が高くなる傾向があります。相続人や不動産の数が多いケースでは、10万円を超えることもあります。

依頼内容主な作業費用の傾向
登記手続きをまとめて依頼必要書類の収集、書類作成、登記申請など高くなりやすい
一部のみ依頼申請書の作成、登記申請など依頼範囲に応じて抑えやすい
自分で登記書類収集から登記申請まで自分で対応司法書士報酬は不要

見積もりを比較する際は、基本報酬だけでなく、次のような追加費用の有無もチェックしておきましょう。

  • 不動産の数による加算
  • 相続人の人数による加算
  • 共有持分・私道持分の登記
  • 住所変更登記など別の登記手続き
  • 戸籍収集や郵送などの実費

自分で名義変更できる?手続きの流れと必要書類

基本的な流れは次のとおりです。必要書類は名義変更の理由によって異なります。

自分で進める土地名義変更の7ステップ
1
登記事項証明書を入手し、対象の土地(地番・所有者)を特定する
2
名義変更の理由(相続・贈与・売買・財産分与)を整理する
3
役所や法務局で必要な書類(戸籍・住民票・評価証明等)を集める
4
法務局の様式に沿って「登記申請書」を作成する
5
収入印紙などを準備し、登録免許税を納付する
6
土地の所在地を管轄する法務局へ書類を提出・申請する
7
登記完了後、識別情報通知書などの完了書類を受け取る

土地の名義変更は、司法書士に依頼せず自分で手続きすることも可能です。司法書士報酬を節約できるのはメリットですが、書類の準備や申請には手間がかかり、不備があれば法務局から補正を求められることがあります。手順を把握してから進めましょう。 

ケース主な必要書類
相続戸籍謄本、遺言書または遺産分割協議書、印鑑証明書など
贈与贈与契約書、印鑑証明書、住民票など
売買売買契約書、印鑑証明書、住民票など

このほか、固定資産評価額がわかる書類などが必要になる場合があります。対象の土地が複数の筆に分かれていたり、私道持分があったりすると、登記漏れにつながることもあるため注意しましょう。

申請先は住所地ではなく、土地の所在地を管轄する法務局です。自分で進めるのが難しいと感じた場合は、途中から司法書士へ依頼することもできるため、無理のない方法を検討しましょう。

土地の名義変更をしないリスク(相続登記の義務化・過料)

土地の名義変更をしないまま放置すると、売却や担保設定などの手続きが滞ることがあります。いざ土地を売却・活用しようとしたときに、関係者が亡くなっていたり必要書類がそろわなかったりすると、手続きに時間や費用がかかることもあります。

特に注意が必要なのが「相続登記の義務化」です。 不動産登記法の改正により、2024年4月1日から相続登記の申請が法律上の義務となりました。不動産を取得したと知った日から3年以内に正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料(罰則)の対象となります。 制度開始前(2024年3月31日以前)に発生した過去の相続についても義務化の対象であり、猶予期間(原則2027年3月31日まで)内に登記を完了させる必要があります。

さらに、相続登記を放置したまま次の相続が発生すると、相続人が増えて権利関係が複雑になります。連絡が取れない相続人が出たり、遺産分割協議がまとまりにくくなったりすると、土地についての意思決定も難しくなり、結果的に手続きの負担や費用が増える可能性があります。

土地の名義変更費用を抑える方法

白い背景に、ブタの貯金箱、コインの詰まったガラス瓶、一万円札の札束、電卓、そして電卓の上に置かれた小さな家の木製模型。土地の名義変更にかかる費用や、登録免許税、司法書士費用などの計算・準備をイメージした画像。

土地の名義変更費用は、登録免許税の軽減・免税措置を利用する、書類の取り直しを減らす、司法書士への依頼範囲を調整するなどの方法で抑えられる可能性があります。

登録免許税の免税措置・特例を確認する

登録免許税には、一定の条件を満たすと免税や軽減を受けられる制度があります。土地の評価額によっては税額が大きくなるため、利用できる制度がないか調べておきましょう。

例えば、相続登記では不動産の活用を促す特例措置として、不動産の価額(固定資産税評価額)が100万円以下の土地については登録免許税が全額免除(非課税)となります(2027年3月31日までの時限措置)。また、土地の売買による所有権移転登記にも、一定期間、税率を軽減する特例が設けられています。

免税・軽減措置を調べる際は、次の順番で整理するとスムーズです。

1.固定資産評価証明書などで土地の評価額を把握する
2.相続・売買など名義変更の理由を整理する
3.適用できる免税・軽減措置と期限を調べる
4.申請に必要な書類をそろえる

制度には適用条件や期限があります。使えると思っていたのに対象外だった…とならないよう、公的情報を確認しましょう。判断が難しい場合は、法務局や司法書士へ相談するとよいでしょう。

必要書類の取得を効率化する

必要書類の取得費は1通あたりでは少額でも、取り直しや郵送が重なると費用と手間が増えてしまいます。まずは登記事項証明書などで対象となる土地を特定し、必要な書類と通数を整理してからまとめて取得すると効率的です。

相続登記で戸籍を集める際は、戸籍法改正により導入された「戸籍証明書等の広域交付制度」を活用すると便利です。 本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの市区町村窓口へ本人が直接出向けば、全国の戸籍謄本・除籍謄本等を1か所でまとめて請求できます(※本人または配偶者・直系尊属・直系卑属による直接請求のみ対象。兄弟姉妹の相続や弁護士・司法書士等の職務上請求、郵送請求は広域交付の対象外となる点にご注意ください)。 自治体によっては住民票などのコンビニ交付も利用可能です。

登記事項証明書などはオンラインで請求できます。利用できる制度や取得方法を使い分け、書類取得にかかる費用と手間を抑えましょう。

司法書士の依頼範囲を限定する/相見積もりする

司法書士報酬を抑えたい場合は、戸籍や住民票などの必要書類を自分で集め、登記申請書の作成や申請のみを依頼する方法があります。

また、複数の司法書士から相見積もりを取るのもおすすめです。その際は、対象となる不動産や相続人の数、私道・共有持分の有無、書類収集を含むかなど、条件をそろえたうえで総額を比べましょう。

よくある質問:誰が費用を払う?いつ払う?
Q. 土地の名義変更費用は誰が払う?

名義変更費用を誰が負担するかは、売買・相続・贈与・財産分与などの理由や当事者間の合意によって異なります。

ケース 費用を負担する人の傾向
売買 買主が負担することが多い
相続 土地を取得する相続人が負担することが多い
贈与 土地を受け取る人が負担することが多い
離婚・財産分与 当事者間の合意によって決める

ただし、必ずこのとおりに負担するとは限りません。相続人全員で費用を分けたり、贈与する側が負担したりするケースもあります。後から「誰がいくら払うのか」で揉めないよう、登録免許税・必要書類の取得費・司法書士報酬など、費用ごとに負担者を決めておくとよいでしょう。

Q. 土地の名義変更費用はいつ払う?

支払うタイミングは、費用の種類によって異なります。

費用 主な支払いタイミング
登録免許税 登記申請時
必要書類の取得費 書類を取得するとき
司法書士報酬 依頼時・登記完了時など
不動産取得税 取得後、納税通知書が届いた後
相続税・贈与税・譲渡所得税など それぞれの申告・納税期限まで

司法書士報酬の支払い時期は事務所によって異なるため、依頼前に確認をとっておきましょう。また、不動産取得税など名義変更後に支払う税金もあります。登記時に必要な費用だけでなく、後から発生する税金も見込み、余裕をもって資金を準備しておきましょう。

土地名義変更費用のポイントまとめ

土地名義変更費用は、主に登録免許税・必要書類の取得費・司法書士報酬で構成されます。相続・贈与・売買・財産分与など、名義変更の理由によって登録免許税の税率や必要書類が異なるため、まずは自分のケースでどのくらいかかるのか把握しておきましょう。

さらに、不動産取得税や贈与税、譲渡所得税、相続税など、登記費用とは別の税金がかかる場合もあります。名義変更後に支払いが発生するものもあるため、税金まで含めて資金を見積もっておくことがポイントです。

費用を抑えるなら、登録免許税の免税・軽減措置、必要書類の効率的な取得、司法書士への依頼範囲や相見積もりなどを検討しましょう。

特に相続登記は義務化されており、放置すると過料だけでなく、相続人が増えて手続きが複雑になる可能性もあります。まずは費用や必要書類を整理し、早めに名義変更を進めましょう。

この記事の監修者

宅建士 二級建築士 山下 航平

山下 航平 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。

コラム一覧

関連記事

関連記事