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2022.01.26

遊休不動産と空き家の違いとは? 問題点と活用方法を解説

日本で空き家問題と並んで深刻になっている遊休不動産問題。

遊休不動産とは、店舗やビル、工場、倉庫や土地などのうち、企業活動にほとんど使用されておらず活用もされていない住居以外の不動産を指します。

今回は、なぜ遊休不動産問題と言われるのか、その問題点や遊休不動産をうまく活用していく方法などについて解説します。

1.遊休不動産と空き家の違いとは

物のない空き部屋

遊休不動産は、店舗やビル、工場、倉庫や土地など、企業活動にほとんど使用されておらず活用されていない住居以外の不動産を指すのに対し、空き家は住居用に建てられた住宅を意味します。

遊休不動産と並んで耳にすることの多い用語に、「遊休地」があります。遊休地は聞き慣れた言葉でいうと、空地のこと。住宅も建っておらず、駐車場や農地などとしても使われていない土地で、今後の利用計画も立っていないものを指します。

2.遊休不動産の問題点

空き店舗外観

総務省統計局の調査に「住宅・土地統計調査」がありますが、この調査は原則として住居に関する調査なので、空地を含む商業用不動産などの遊休不動産についての厳密な調査はされていません。

しかし、平成29年の国土交通省による調査結果「空き地等をめぐる現状について」によると、空き地等の利用形態として、自己・賃貸とも物置、駐車場等何らかの利用をしているものは5割強を占める一方、特に利用されていないものは4割強を占めています。

また、最近10年間で4割近くの自治体が「空き地等が増加している」と回答しており、一方で今後10年間では半数以上の自治体が現在よりも「空き地等が増加する」と回答しています。

厳密な調査結果がないとはいえ、遊休不動産と並ぶ空き地が増えているということは、遊休不動産も増加傾向にあることがうかがえます。

空き家問題と同じように、利活用されていない、今後もされる予定がない不動産の数が増えることによって生じる問題は多いです。

遊休不動産があると具体的にどのような問題点があるのでしょうか。

主に以下の問題点があります。

それぞれ見ていきましょう。

・犯罪の温床となるリスクがある
・景観が悪化する
・空き店舗が増えることで地域の活気がなくなる
・山火事、土砂災害のリスクがある
・マイナスの資産になってしまう

2-1.犯罪の温床となるリスクがある

空き家問題と同様に犯罪の温床となるリスクがあります。

日常的に建物が使われていないと、人の出入りが少なく放火や不法投棄などのターゲットになりやすくなります。

2-2.景観や環境が悪化する

誰も人がいない建物には、害虫・害獣が発生する場合もあり、周囲の景観や環境を悪化させます。物件を使用していなくても管理は必要になりますが、維持管理を行うことは簡単なことではありません。少しでも怠ると、老朽化した物件が自然災害で破損し、周囲の人に迷惑をかけてしまうリスクもあります。

2-3.空き店舗が増えることで地域の活気がなくなる

地域の商店街や商業用物件で空き店舗が多くなってくることで、地域内外の人を問わず廃れたイメージが植え付けられます。シャッター街とまでいかずとも、空き店舗がぽつぽつとあるだけで寂しい印象を与えます。

地域の活気がなくなり、地域全体の経済にも悪い影響を与えてしまいます。

2-4.山火事、土砂災害のリスクがある

遊休不動産には、山林や農地なども含まれます。

使用されていない山林が増えることで、山火事や土砂災害などに繋がりやすいという問題点もあります。

2-5.マイナスの財産になってしまう

最後は、遊休不動産を所有するオーナーにとっての問題点です。

利活用できる不動産を所有しているにもかかわらず、何もしない状態で保持していると固定資産税、都市計画税の課税対象となります。

収入にはならないのに、税金の支払いがあるということはマイナスであるということ。不動産を所有しているのであれば、活用していかなければ負の財産となってしまいます。

また、遊休不動産が農地である場合には、耕作放棄地と判断され、固定資産税が1.8倍に増税される可能性もあります。

遊休農地と判断されるのは、以下のケースです。

・1年以上放置されている状態にある
・今後も農業を行う計画がない

空き家の場合でも、使用されていない・管理がなされていないと特定空家等に指定され、増税となるリスクがあるのと同様に、遊休不動産でも使用されていないことで、さまざまな観点からマイナスの資産になっていってしまうのです。

3.遊休不動産を活用する方法

見晴らしの良い農耕地

何もしないで放置しておくと、管理費用もかかりますし、毎年の税金の支払いもあります。

「何もしない」というのがいちばん良くない選択ですので、何らかの活用方法を見出し遊休不動産を正の財産にするという手段をとりましょう。

遊休不動産の活用方法について解説します。

・売却する
・賃貸に出す
・土地活用をする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.売却する

不動産を所有しているだけで今後活用する意思がないのであれば、売却をするというのもひとつの選択肢。

何もしないままに遊休不動産を所有していると、ただただ税金の支払いをしたり、維持管理に時間とお金をとられたりと、一方的に支出し続けることになります

ただ所有しているだけだと、「何とかしないといけないのは分かっているけど、どうしたら…」という思いを持ち続けなければならなく、気持ち的にもつっかえ棒がずっとある状態でなかなかすっきりしないものです。

そのままの状態でも買い手が付きそうかどうか不動産屋に相談してみたり、必要に応じてリノベーションをしてからの売却を検討してみたりする方法があります。

3-2.賃貸に出す

遊休不動産を手放したくない場合には、賃貸に出すのも一手段です。

貸すことによって自分の手元に不動産を残しつつ安定的な収入を得られながら、所有者の方が維持管理をする必要もありません。土地の荒廃化、建物の老朽化を防ぐ点でもよいでしょう。

リノベーションをして、カフェやショップ、宿泊施設などをやりたい人へ向けて貸し出すこともできます。

近年需要の高まっている貸しオフィス事業や、コワーキングスペース事業などを行ったり、地域内で複合商業施設として再開発を行ったりする事例もあります。

3-3.土地活用をする

遊休不動産を貸し出してビジネスに使っていきたいと考えても、飲食店や貸しオフィス事業などでは収益が見込めないとなった場合には、土地活用を検討することもできます。

土地活用には、以下のような選択肢があります。

・駐車場
・コインランドリー
・トランクルーム
・太陽光発電地

もちろん遊休不動産がある場所の周辺環境において、需要があるかどうかをしっかりと見極める必要があります。

駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。

月極駐車場は、周囲に駐車場がない住宅街が向いています。

コインパーキングは、何かの用事がある時に一時的に利用するなどの利用法が考えられるため駅や繁華街が近く、周囲に駐車スペースのないマンションやアパートが多い住宅街などに向きます。

日当たりが良い土地で、立地があまりよくないのであれば太陽光発電地とするのもおすすめです。太陽光発電で生じた電力エネルギーは国が買い取ってくれるため、賃貸のように人がいなく借り手がつかないというリスクがありません。

日当たりが悪く土地も狭いが周囲にマンションは多い、そんな場合にはトランクルームにするのもいいでしょう。立地が多少悪くても大丈夫なので、比較的検討しやすい選択肢になります。

4.まとめ

マンション外観

遊休不動産は、せっかく不動産を所有しているにもかかわらず活用されていない状態のものです。

もちろん事情は人それぞれですが、空き家問題と並んで建物の老朽化を早めてしまったり、周辺環境の悪化を招いてしまったりと、「何もしない」というのはあまりよくありません。

所有する不動産の種類や立地、地域経済の需要によってベストな活用方法を模索することをおすすめします。

アキサポでは個人のお客様だけではなく、企業様からのご相談もお受けしています。お困りの遊休不動産をお持ちでしたら、ぜひご相談ください。