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公開日:2023.02.07 更新日:2026.07.22

空き家の定義とは?特定空き家との違い・放置リスクをわかりやすく解説

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空き家とは、法律上「建築物やその敷地のうち、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」と定義され、実務ではおおむね1年以上使われていない建物が該当します。「空き家」という言葉は広く知られていますが、その明確な定義や、危険な「特定空き家」との違いまで説明できる人は、意外と多くありません。

日本の空き家は今なお増え続けており、行政やメディアが「空き家問題」のリスクをさまざまな形で報じています。しかし、空き家の定義を正しく理解していないと、知らないうちに固定資産税の増額や行政処分といったリスクを抱えてしまう可能性があります。

そこで本記事では、空家等対策特別措置法に基づく空き家の定義や判断基準、危険度の高い「特定空き家」「管理不全空家」との違い、そして空き家を放置した場合のリスクまで、わかりやすく解説します。

意外と知らない「空き家」の定義とは?

木造の外壁と瓦屋根を持つ一戸建ての古い家屋

「空き家」の定義

空き家(空家等)とは、法律上「居住その他の使用がなされていないことが常態である建築物やその敷地」と定義されています。この定義は「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」の第二条に、次のように記されています。

「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。 出典:空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索)

この条文を整理すると、空家等とは次の3つの条件をすべて満たすものを指します。

  • 1. 建築物、またはこれに附属する工作物である(敷地を含む)
  • 2. 居住その他の使用がなされていないことが常態である
  • 3. 国または地方公共団体が所有・管理していない

「空き家」の判断基準

実務で空き家かどうかを判断する基準は、「おおむね1年以上、生活や営業に使われていない建物(附属する門・塀・敷地を含む)」に該当するかどうかです。法律の条文は専門的で表現があいまいな部分もあるため、国土交通省の資料などをもとに、具体的な判断基準を整理します。

定義の要素具体的な判断基準
建築物又はこれに附属する工作物屋根と柱または壁を持つもの。附属する門や塀、敷地も含む
居住その他の使用がなされていない日常生活や営業など、建物が現に使われていない
常態であるおおむね1年を通して使用実績がない状態

危険な「特定空き家」とは?定義と管理不全空家との違い

錆びついた白い鉄製フェンスに囲まれた、2階建ての古い一戸建て住宅

特定空き家とは、そのまま放置すれば倒壊の危険や衛生上の問題、景観の悪化などを引き起こすおそれがあると行政に判断された空き家のことです。単なる空き家と異なり、行政から指導・勧告・命令・代執行の対象となり、固定資産税の優遇も外れるため、特に注意が必要です。

空き家はそれ自体にもリスクがありますが、本当に気をつけるべきは「特定空き家、またはその前段階の管理不全空家に該当するかどうか」です。まずは、両者の違いを押さえておきましょう。

【令和5年12月13日〜】管理不全空家が新設されました

令和5年(2023年)12月13日の空家等対策特別措置法の改正で、「管理不全空家」という区分が新たに設けられました。管理不全空家とは、放置が進むと特定空き家になるおそれがある、特定空き家の前段階の空き家です。

この改正により、行政は特定空き家になる前の段階から、所有者に対して指導や勧告を行えるようになりました。管理不全空家として勧告を受けると、特定空き家と同様に固定資産税の優遇が外れるため、「まだ特定空き家ではないから大丈夫」とは言えなくなっています。指定の基準は特定空き家とは別に、ガイドライン(別紙1〜4)に定められています。

「特定空き家」の定義

特定空き家とは、空家等対策特別措置法第二条第二項で、次のように定義された空き家を指します。

「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

整理すると、空き家のうち次のいずれかの状態にあるものが、特定空き家に該当します。

  • 1. そのまま放置すれば倒壊など、著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 2. そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 3. 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている状態
  • 4. その他、周辺の生活環境の保全のために放置が不適切な状態

これらの具体的な指定基準は、管理不全空家と同じくガイドラインの別紙1〜4に定められています。

空き家と判断されると何が起こるのか、そのリスクは?

木目調のテーブルの上に置かれた『注意点』と書かれた3つの木製ブロック

空き家・特定空き家に潜むリスクとは?

ここまで空き家と特定空き家の定義を見てきましたが、実際にこれらに当てはまる空き家には、どのようなリスクがあるのでしょうか。リスクは、すべての空き家に共通するものと、特定空き家に指定されることで生じるものの2種類に分けられます。

すべての空き家に共通する3つのリスク

次の3つは、特定空き家に限らず、放置されたすべての空き家に潜むリスクです。

  • 1. 倒壊リスク:建物は年月とともに老朽化するため、手入れの行き届かない空き家は倒壊の危険が高まります。
  • 2. 犯罪リスク:人の出入りが少ない空き家は、不法侵入や不法投棄、不審火、窃盗など、犯罪の温床になる可能性があります。
  • 3. 衛生リスク:放置された空き家は害虫・害獣が発生しやすく、異臭や近隣への被害など、衛生上の悪影響を及ぼしやすくなります。

特定空き家・管理不全空家に指定されるリスク

上記に加えて注意したいのが、特定空き家や管理不全空家に指定されるリスクです。特定空き家の対象となる4つの状態は前述のとおりで、いずれも空き家を放置し、適切な管理を怠った結果として至るものです。裏を返せば、日頃の管理次第で回避できるリスクといえます。

また、特定空き家の条件に至っていなくても、その前段階である管理不全空家に該当する場合があります。管理不全空家も勧告を受ければ税負担が増えるため、「まだ危険な状態ではない」と油断せず、ガイドライン(別紙1〜4)を参考に、空き家を健全な状態に保つことが大切です。

「特定空き家」に指定されるとどうなる?

特定空き家に指定されると、空家等対策特別措置法に基づき、行政から段階的に次のような措置がとられます。

特定空き家に指定された後の行政措置の流れ
1

助言・指導

まず、状態の改善を求める助言や指導が行われます。

2

勧告

改善されない場合、勧告が行われます。この時点で住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大6倍になります。

3

命令

勧告に従わない場合は命令が出されます。違反すると50万円以下の過料の対象となります。

4

行政代執行

命令にも従わない場合、行政が所有者に代わって解体などを実施し、その費用が所有者に請求されます。

ポイント:この措置は「管理不全空家」に勧告が行われた場合も同様に、住宅用地特例が解除されます。早めの管理・活用で、こうしたリスクは回避できます。

つまり特定空き家に指定されると、行政から指導・勧告が行われるだけでなく、それに従わない場合は、過料の対象となる「命令」や、強制力をもって解体などが行われる「代執行」にまで進む可能性があります。命令に違反した場合は、50万円以下の過料が科されます。

さらに、指定後の助言・指導や勧告に適切に応じないと、固定資産税や都市計画税を軽減する「住宅用地特例」が解除される可能性があります。この特例が外れると、土地の固定資産税は最大6倍にまで跳ね上がるため、金銭面でも大きな負担となります。

住宅用地特例による減税効果

区分・状態固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(200㎡までの部分)評価額の1/6に減額評価額の1/3に減額
一般住宅用地(200㎡を超える部分)評価額の1/3に減額評価額の2/3に減額
特定空き家・管理不全空き家として勧告を受けた場合減額なし(本則課税)減額なし(本則課税)

この表からもわかるとおり、住宅用地特例が解除されると、土地の固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍にまで跳ね上がる可能性があります。特定空き家に指定されると、行政処分のリスクだけでなく、こうした大きな金銭的負担も背負うことになるのです。

なお、この特例解除は特定空き家だけの話ではありません。前段階である管理不全空家であっても、勧告の措置を受ければ、特定空き家と同様に住宅用地特例が解除されます。「まだ特定空き家ではないから」と放置せず、早めに対処することが、税負担を抑えるうえでも重要です。

空き家の定義に関するよくある質問

Q

法的に「空き家」とはどのような状態を指しますか?

空家等対策特別措置法では、建築物やその敷地のうち「居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」と定義されています。実務では、電気・ガス・水道の使用実績や住民票の有無などを総合的に判断し、おおむね1年以上を通して使用実績がないことが基準となります。

Q

「特定空き家」と「管理不全空家」は何が違いますか?

特定空き家は、倒壊の危険や衛生上の問題などがすでに生じている、危険度の高い空き家です。管理不全空家は、放置すれば特定空き家になるおそれがある前段階の空き家で、令和5年の法改正で新たに設けられました。どちらも勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。

Q

特定空き家に指定されると税金はどうなりますか?

改善を求められても応じず「勧告」を受けると、住宅用地特例(固定資産税を最大6分の1に軽減する措置)が解除されます。その結果、土地の固定資産税は小規模住宅用地で最大6倍、都市計画税は最大3倍に増える可能性があります。

リスクが高まる前に、空き家活用の検討を

今回は、空き家および特定空き家の定義と、空き家が抱えるさまざまなリスクについて解説しました。空き家は、倒壊・犯罪・衛生といったリスクを抱えるうえに、特定空き家や管理不全空家に指定されて勧告を受けると、固定資産税が最大6倍になる税負担のリスクまで生じます。

空き家は、所有しているだけでも維持・管理に手間とコストがかかり続けます。だからこそ、リスクが深刻になる前に、売却・賃貸・活用といった形で早めに動き出すことが、資産を守るうえでも大切です。とはいえ、「何から始めればいいのか」「自分の空き家に合った方法がわからない」という方も多いはずです。

現状、空き家の使い道が定まっていない方や、活用に悩んでいる方は、この機会に「アキサポ」にご相談ください。株式会社ジェクトワンが運営するアキサポは、空き家に関するさまざまなお悩みに寄り添い、物件の状態や立地に合わせて、活用・賃貸・売却などの最適なプランをご提案します。

特定空き家に指定される前に、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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