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公開日:2025.08.17 更新日:2025.08.04

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放置空き家とは?社会問題化する理由と解決方法をわかりやすく解説

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近年、少子高齢化や人口減少の影響で空き家が急増しています。特に管理されないまま放置されている空き家は、安全上の危険や防犯上の不安、トラブルの原因となるなど深刻な社会問題になっています。

本記事では、放置空き家とは何か、そのリスクや具体的な解決策について詳しく解説していきます。相続登記や特定空家の認定、活用方法などの法的手続きも含め、放置空き家の対処や管理に役立つ知識を総合的にご紹介します。

放置空き家とは?問題の背景と増加する理由

放置空き家の数が増加しているのは、社会や経済の変化に起因しています。まずは放置空き家自体の定義と、それが深刻な問題として取り上げられている背景を確認しましょう。

放置空き家とは、長期間にわたり人が住んでおらず、適切な管理や維持が行われていない住宅のことを指します。もともとは相続や転居などの理由で居住者がいないだけの空き家でも、修繕や清掃が滞っていると老朽化が進行します。これにより建物自体の安全が脅かされるほか、周辺の防犯や景観にも悪影響を与えるケースが少なくありません。空家等対策の推進に関する特別措置法では、管理不全の状態にある空き家が「特定空家等」とされ、行政指導や措置の対象となることがあります。さらに、少子高齢化や都市部への人口集中によって過疎地域の家屋が放置されるなど、社会構造の変化が原因となって空き家の数は増加の一途をたどっています。

放置空き家で生じる主なリスク

所有者による管理が行われない空き家は、建物や周辺環境にさまざまなリスクをもたらします。ここでは代表的なリスクを5つご紹介します。

放置空き家は、見た目の問題だけでなく、構造面や環境面で深刻な被害をもたらす可能性があります。建物の基礎や外壁、屋根などが老朽化すると、ちょっとした衝撃や災害でも倒壊につながる危険性が増します。また、不審者が入りやすい状態になれば空き巣や放火が起こるリスクも高まり、近隣住民にとって大きな不安要素となるでしょう。さらに、害虫や害獣が棲みつきやすい場所になりやすく、衛生状態の悪化や悪臭などの問題が発生することもあります。こうしたトラブルが続くと、結果的に近隣とのトラブルや行政からの指定による税負担増加、行政代執行の可能性や管理責任の追及など、経済的な不利益を被ることにもつながります。

倒壊・建物の劣化による安全上の問題

老朽化した空き家は、小さな地震や台風などの自然災害でも一気に倒壊する可能性があります。屋根材や外壁材が風で飛ばされたり落下したりすることで、通行人が被害を受ける事例も報告されています。所有者には建物の管理責任があるため、万が一他者に被害を与えた場合、空き家の倒壊による損害賠償など大きな負担を負うリスクが高まります。

犯罪や不法侵入の温床となる恐れ

人気のない空き家は、不審者が侵入しやすい環境になりがちです。空き家を拠点に違法行為がおこなわれたり、放火による火災のリスクが高まったりと、地域の治安そのものが悪化してしまいます。特に夜間や人目につきにくい住宅街の一角にある空き家では、こうした危険性が増すため、空き家対策として定期的な管理や巡回を行うことが重要です。

害虫・害獣被害と衛生問題

放置された家屋は、ネズミやゴキブリ、ハクビシンのような小動物が棲みつきやすく、糞尿や巣作りによる悪臭や感染症の発生源ともなります。さらに、雑草や庭木の手入れがされないまま伸び放題になっていると、蚊や害虫の繁殖を助長してしまうこともあります。こうした衛生面の乱れは近隣の住環境にも直接的な影響を及ぼすため、空き家の衛生問題は地域全体の課題となることもあります。早めの対策が重要です。

近隣住民への迷惑とクレーム

外観の荒廃や悪臭、騒音などのトラブルが起これば、当然周辺住民からの苦情やクレームを引き起こします。特に、建物の倒壊リスクがあると考えると、隣接する宅地や生活道路に悪影響が及ぶ可能性も否めません。このような近隣トラブルは長期化すると関係性が悪化し、自治体や警察などを巻き込む大きな問題へと発展するケースもあります。空き家問題が深刻化する前に適切な対応が必要です。

特定空き家指定による固定資産税増額

行政が特定空き家に指定すると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍に増額される可能性があります。また、改善勧告が無視されれば、行政指導の段階を経て、罰金や過料、さらには行政代執行となるペナルティが科される場合もあります。さらに、命令違反が続けば行政代執行により強制的に撤去され、その費用を請求される恐れもあります。結果として維持コストが大幅に増加し、空き家を使わないまま手放すことになるなど、資産価値の面でもデメリットが大きい点に注意が必要です。

知っておきたい「特定空き家」の基準と指定される流れ

特定空き家とは、行政が重点的に対策を行う必要があると判断した空き家を指します。ここでは、その基準や指定のプロセスを確認しましょう。

特定空き家に指定されると、行政からの助言・指導・勧告を経ても改善措置が取られない場合、最終的には行政代執行による強制解体や、罰金・過料が科されるリスクがあります。特定空き家の指定は、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいて行われます。特定空き家の定義は、建物が危険な状態である、衛生上の問題がある、周囲の景観を著しく損なっているといった条件を満たす場合に適用されます。指定を受ける前に対処することで、税金の優遇措置が失われることや強制的な処分を免れることが期待できるため、早めの対応ができるよう基準を理解しておくことが大切です。

特定空き家に該当する主な条件

特定空き家に該当する一例として、建物の屋根や外壁の崩落が進行しやすい、著しく不衛生な状態、景観を害するほどの破損や放置が挙げられます。また、雑草の繁茂や害虫の発生による周辺住民への悪影響なども対象となり得ます。こうした空き家は「特定空き家等」と認定され、行政の調査が入り、特定空き家として改善勧告を受ける可能性が高まります。

特定空き家に指定された場合の行政指導・罰則

特定空き家に指定されると、まず助言や指導、勧告が行われます。改善が見られない状態が続くと、自治体による行政代執行で強制解体される場合もあり、その費用は後から所有者に請求されます。また、命令違反に対しては罰金や過料が科されることもあるため、指定される前に計画的な管理や適切な対応を心がけることが重要です。行政代執行は最終手段であり、所有者にとって大きな負担となる可能性があります。

放置空き家が増える社会的・経済的背景

空き家が増加するのは、個人の問題だけではなく社会全体の構造的な変化も関係しています。代表的な要因を見てみましょう。

空き家問題は、単なる不動産管理の問題ではなく、人口動態や地域経済の変化と深く結びついています。特に少子高齢化による地域コミュニティの縮小や、地方から都市部への人口流入などの要因によって、住む人がいなくなった物件が増えやすい傾向にあります。また、消費者の新築志向によって中古住宅の需要が低迷し、空き家がたまりやすくなる構造も背景として無視できません。こうした状況は、空き家問題を社会問題として深刻化させる要因の一つです。

少子高齢化と都市部への人口集中

地方では若年層の人口が減少し、高齢者が残される地域が多くなっています。こうした地域では住まいを維持管理できないまま空き家が生まれやすく、そのまま放置されるケースが少なくありません。都市への人口集中が進むことで、地方との人口差がさらに広がり、空き家の問題がより深刻化していく要因となります。空き家問題は地域経済の衰退とも密接に関連しているため、自治体や行政による対策が重要です。

住宅への新築志向と既存の空き家増加

日本では、新築物件を好む傾向が長く続いており、古い住宅をリフォームして活用するよりも新たに家を建てる選択をする人が多いのが実情です。中古物件に対するニーズが低いと、結果として売れ残った家屋が空き家として残されてしまい、老朽化が進むにつれて管理が困難になるケースが増えてしまいます。こうした背景は中古住宅市場の活性化を妨げ、空き家問題を長期化させる一因です。

空き家を放置しないための管理方法

空き家を完全に解体・売却する前に、定期的な管理を行うことで、劣化やトラブルのリスクを抑えられます。ここでは、防犯・衛生を含めた効果的な管理方法を紹介します。

放置をせずに管理をすることで、建物の安全性を確保すると同時に、周辺の治安や衛生状態を良好に保つことができます。特に遠方に住んでいる場合や、常に現地に足を運べない状況では、定期的なチェックやメンテナンスが難しくなる傾向があります。そのため、専門家や管理サービスを賢く活用することで、不要なリスクを減らしながら空き家を適正に維持できます。空き家の管理は、将来的な資産価値の維持や特定空き家指定の回避にもつながる重要な対策です。

定期的な巡回とメンテナンスの重要性

月に一度や季節の変わり目など、計画的に空き家を巡回し、建物の痛みや設備の不具合を早期に発見することが大切です。雨漏りがある場合は早急に修繕し、建物の劣化を防ぎましょう。また、庭や敷地内の雑草刈りや清掃などを行うことで、害虫や害獣の発生を防ぎ、近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことが可能です。加えて、防犯対策として郵便物の整理や夜間の見回りを行うことも有効です。

管理サービス・専門家を利用するメリット

空き家の管理を専門の業者に依頼すれば、定期巡回や清掃、設備点検などを継続的に行ってくれます。自分で管理をする負担を軽減できるうえ、劣化が進んでいる場合にはリフォームの提案なども受けられるため、建物の価値を保ちやすくなります。特に遠方に住んでいる場合や、スケジュール的な制約がある方にとってはより安心で効率的な方法といえます。管理サービスは費用がかかりますが、将来的な倒壊や行政指導のリスクを考慮すると有効な手段です。

空き家相続の注意点:登記・税金・不用品処分・法律リスク

相続で取得した家を放置するとリスクが増大します。2024年の法改正により相続登記が義務化され、3年以内に手続きが必要です。相続空き家の有効活用や適切な手続きについて理解しておきましょう。

相続をきっかけに空き家を所有する場合、そのまま放置してしまうと所有者の責任が増え、固定資産税や相続税の負担が続きます。早めに相続登記を行うことで名義を明確にし、不要なトラブルを避けられるほか、活用や売却の自由度も高まります。また、不用品の処分や建物の安全対策も滞りなく行うことで、地域への悪影響を最小限にとどめることができるでしょう。

相続登記の手順と必要書類

相続によって空き家を取得した場合、まず戸籍謄本や住民票、遺産分割協議書などの必要書類を準備し、法務局で登記手続きを行います。相続登記を怠ると、2024年4月1日から義務化された不動産登記法に基づき、10万円以下の過料が課される可能性があります。この義務は法律の施行日(2024年4月1日)より前に相続が発生した不動産にも適用されるため、長年放置している未登記の不動産も対象です(この場合、施行日から3年間の猶予期間が与えられます)。

手続きを放置すると名義が曖昧になり、将来的な売却や解体がスムーズに進まなくなるリスクが高まります。相続発生から時間が経つほど書類の収集も複雑化するため、早めの準備が欠かせません。

固定資産税と相続税の基本知識

相続した空き家であっても、所有者として固定資産税の支払い義務は発生します。さらに、相続税の対象となるケースでは、遺産総額や評価額によって税額が決まり、申告期限(相続開始から10か月)を過ぎると加算税や延滞税が課せられるリスクがあります。余計な費用負担を避けるためにも、取得時点での評価や税金管理をしっかりと把握しておくことが重要です。

不用品の処分と家屋の安全対策

相続空き家には前居住者が使っていた家具や雑貨が残されていることが多く、それらを整理・処分する作業が必要となります。自治体や専門業者のサービスを活用し、効率的に不用品処分を進めましょう。また、老朽化している箇所がないか建物を詳しく点検し、屋根や壁の修繕を行うなど安全対策を施すことで、空き家による被害やトラブルを最小限に抑えることが可能です。空き家対策特別措置法の対象となると固定資産税の優遇措置が解除される場合もあるため注意が必要です。

放置空き家の解決策:売却・賃貸・解体・再活用

空き家を自分で適切に管理できない場合は、思い切って売却や賃貸への転用、解体やリフォームなどの方法があります。各方法には税負担や法的制約があるため、専門家と相談しながら目的に応じて最適な手段を選びましょう。

空き家問題を解消するには、所有者が積極的に活用策を検討することが不可欠です。使い手がいない場合でも、売却することで資金を確保したり、賃貸物件として収益を得たりする道が開けます。また、コンディションによっては解体して更地にすることや、リフォーム・リノベーションによって価値を再生させる方法も選択肢となるでしょう。放置期間が長引くほど固定資産税や修繕費が増加するため、計画的な対応が重要です。

売却するメリットと注意点

空き家を売却すると、固定資産税などの維持費を減らしながら一時的な資金を得られます。ただし、築年数が古い物件は査定額が低くなる傾向があるため、適正価格で売れるかどうか見極める必要があります。また、譲渡所得税や仲介手数料などの諸費用も発生するため、売却後の手取り額をしっかり把握してから判断することが重要です。

賃貸やサブリースで活用する方法

空き家を賃貸物件とする場合、定期的な家賃収入が期待できます。一方で、借主との契約管理や修繕責任など、所有者に求められる業務も増える点がデメリットです。サブリースを利用すれば、管理会社が一定の家賃保証や管理を代行するケースもありますが、その分手数料が必要になります。契約内容によっては家賃が減額されるリスクもあるため、メリットとリスクを十分に比較して選ぶとよいでしょう。

解体・更地化のメリット・デメリット

老朽化が著しくリフォーム費用が高額になりそうな場合、解体して更地にする選択肢があります。維持費や倒壊リスクがなくなる一方で、住宅用地特例が解除され固定資産税が最大約6倍に増える点に注意が必要です。長期間使わない土地を保有するとコストが増える可能性があります。将来の利用計画がない場合は、売却や活用方法の検討も並行して進めましょう。

リフォームや空き家バンクを利用した再活用

立地や建物の状態によっては、大規模リフォームを行うことで新たな需要を生み出すことができます。たとえば、ただし民泊として利用する場合は旅館業法や自治体条例に適合する必要があります。地域コミュニティの拠点として活用するなど、多方面での利用が視野に入るでしょう。また、自治体が運営する空き家バンク制度に登録すれば、移住希望者や事業者とのマッチングをサポートしてもらえるため、空き家の魅力を再発見しやすくなります。

まとめ

放置空き家は、さまざまなリスクと社会問題を引き起こします。空家等対策特別措置法にもとづく是正勧告や行政代執行のリスクを理解し、早めに管理や解決策を検討し、地域にも個人にもメリットをもたらす活用や処分の方法を選択しましょう。

空き家の所有者には建物と周辺環境への管理責任が伴い、放置するほどにリスクやコストが増大します。特定空き家に指定されると住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大6倍に増加するほか、最悪の場合は行政代執行で解体費用の請求を受ける可能性もあるでしょう。空き家が生まれる背景には少子高齢化や空き家への需要不足などがあり、個人の取れる範囲を超えた要因も存在します。しかし、定期的なメンテナンスや相続手続きを早めに行い、売却やリフォームを含む活用法を検討すれば、放置空き家を地域に貢献する資産へと転換できる可能性があります。将来的な経済的負担や法的なトラブルを防ぐためにも、空き家を抱えた際には、私たち「アキサポ」のような専門家に相談しながら計画的に対策を講じることが重要です。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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