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公開日:2025.08.18 更新日:2026.06.08

管理不全空き家とは?特定空き家との違いや増税リスク・対策を解説

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2023年の空家法改正により「管理不全空家」という区分が新設され、特定空家になる前段階での行政指導が可能になりました。放置するリスクは以前にも増して高まっています。

この記事では、管理不全空家の定義・特定空家との違い・固定資産税の優遇措置解除リスク・行政指導の流れをわかりやすく解説します。実際のトラブル事例や、指定を避けるための具体的な対策、専門家への相談ポイントもあわせて紹介します。空き家の管理や今後の活用・売却を検討している方はぜひ参考にしてください。

管理不全空き家が注目される背景と法改正の概要

近年、人口減少・高齢化・相続による所有者不明などを背景に、空き家問題が深刻化しています。住宅の老朽化・倒壊リスク・景観の悪化といった問題が顕在化する中、2015年に「空家等対策特別措置法」が施行され、特定空家への指導・勧告・行政代執行といった措置が整備されました。

しかし、特定空家に認定される前段階の空き家は法的措置の対象になりにくく、劣化が進んでも放置されがちな課題がありました。そこで2023年の法改正により「管理不全空家」という区分が新設され、特定空家になる前の段階から自治体が指導・勧告を行いやすくなりました。空き家問題の未然防止を目的とした、段階的な管理体制への移行が大きな特徴です。

特定空き家と管理不全空き家の違い

比較項目管理不全空き家特定空き家
物件の状態適切な管理がされておらず放置が続いている状態(放置空き家の予備軍)倒壊の危険、衛生上著しく有害など、周囲に重大な悪影響がある状態
行政処分の流れ助言・指導 → 勧告助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行
固定資産税の優遇解除勧告を受けた時点で住宅用地特例が解除(最大6倍に増税)勧告を受けた時点で住宅用地特例が解除(すでに解除されていない場合)
強制処分の有無なし(放置を続けると特定空き家に移行するリスクがある)あり(命令違反への50万円以下の過料や、行政による強制解体など)

管理不全空き家と特定空き家は、空き家が抱える問題やリスクへの対処段階が異なるため、認定条件や税制の扱いも変わってきます。所有者としては、それぞれの違いを理解し、適切な管理体制を整えることが重要です。

特定空き家とは、建物の老朽化や倒壊の危険など周囲に重大な被害を及ぼす恐れがある空き家を指すのに対し、管理不全空き家は特定空き家になる前段階の物件にあたります。この区分により、放置による被害が拡大する前に修繕や管理の措置を取りやすくすることが可能となりました。

また、管理不全空き家のうちは指導や勧告の対象であり、特定空き家ほど強制力は強くない一方で、早期対応を怠ると次の段階へ移行するリスクが高まります。特に固定資産税の優遇措置解除や罰則の発動が現実味を帯びてくるため注意が必要です。

管理基準および認定条件の違い

管理不全空き家は、適切な管理が継続的に行われておらず、建物の老朽化や周囲への衛生上の影響が懸念される場合に該当するとされています。

敷地の雑草や廃棄物の放置、外壁の劣化などが確認されることが多く、自治体が現地調査を行い認定するケースも増加傾向にあります。具体的には、自治体が写真や立入調査をもとに状態を確認し、所有者に対して改善指導を行う流れが一般的です。一方、特定空き家は建物の崩壊リスクが高いなど、より深刻な状態であり、周辺環境への被害が一層懸念される物件を指します。

固定資産税や罰則の違い

管理不全空き家と特定空き家の最大の相違点は、固定資産税や行政代執行の適用段階にあります。管理不全空き家であれば、まずは自治体からの指導や助言が行われ、ただちに高額な固定資産税が課されるわけではありません。この段階で対応することで、特例の解除や罰則を回避できる余地があります。

しかし、管理不全空き家の段階であっても、自治体からの改善勧告を受けると固定資産税の優遇措置が解除されてしまいます。放置を続けて特定空き家に移行すれば、さらなるペナルティや行政代執行による解体費用の請求リスクも生じるため、早期対応が重要です。

空家等対策特別措置法で定められるポイント

「空家等対策特別措置法」では、自治体が管理不全空家や特定空家に対して助言・指導・勧告・命令・代執行の措置を取れると定めています。

手順は段階的で、まず助言・指導で改善を促し、それでも改善されなければ勧告・命令へと移行します。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が最大6倍に増加します。倒壊の危険性が高い場合は行政代執行が行われ、解体費用は所有者負担となります。

2023年の法改正で新設された「管理不全空家」の区分により、特定空家に至る前段階から自治体が介入しやすくなりました。放置を続けると短期間で特定空家へ移行するリスクがあるため、日頃の管理を怠らず行政からの通知には迅速に対応することが重要です。

管理不全空き家に指定されるとどうなる?

管理不全空き家に指定されると、自治体からの指導や勧告を受けるとともに、固定資産税の優遇が解除されるリスクが高まります。指定を受けると、所有者としての管理責任が改めて問われることになり、計画的な対応が求められます。

まず、管理不全空き家と判断されると、所有者には修繕や清掃などの改善措置が要求される場合があります。それでも対応が不十分とみなされると、勧告へと移行し、特定空き家に認定される可能性が高くなります。

特定空き家への移行は、行政代執行など強制力のある措置が用いられるリスクも含んでおり、より深刻な問題として取り扱われる点に注意が必要です。特に自治体の公的記録に指定履歴が残るため、今後の管理や売却にも影響する場合があります。

また、管理不全空き家に指定された段階で、固定資産税の軽減措置が見直されやすくなることも懸念材料です。特に住宅用地としての優遇措置を失った場合、土地の固定資産税がこれまでの数倍に跳ね上がることも考えられます。この負担増は、経済的理由で放置せざるを得ない所有者にとって深刻な問題です。こうしたデメリットを避けるためにも、早期の対策や専門家への相談を検討することが大切です。

指導・勧告を受けた場合の流れ

管理不全空き家から行政代執行までの4ステップ
ステップ1:助言・指導
適切な管理が行われていない空き家に対し、自治体から改善の窓口案内や修繕を促す指導が行われます。
ステップ2:勧告(※ここで増税ペナルティ)
指導に従わない場合、管理不全空き家としての「勧告」を受けます。この時点で固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除され、土地の税負担が最大6倍になります。
ステップ3:特定空き家への指定・命令
さらに放置されて倒壊の危険などが高まると「特定空き家」に指定されます。過料(罰則)を伴う法的な改善命令が出されます。
ステップ4:行政代執行(強制解体)
命令を無視し続けた場合、自治体が強制的に建物を解体します。撤去にかかったすべての費用は所有者に一括請求されます。

指導・勧告のプロセスでは、まず自治体から改善の助言や要請が行われ、それに応じない場合や改善が見られない場合に勧告へと進む仕組みです。改善指導に応じず勧告を受けると、特定空き家に移行する前の「管理不全空き家」の段階で固定資産税の優遇措置が解除されます。それでも無視し続けて状態が悪化すれば「特定空き家」に指定され、命令や最終的には行政代執行による強制解体へと進みます。

命令段階では履行期限が明示され、期限までに改善しない場合は強制執行となります。自治体が段階的に措置を講じる背景には、所有者の早期対応を促すと同時に、地域住民の安全や美観を守る目的があります。

固定資産税が最大6倍になるリスクとは?

管理不全空家や特定空家に認定されると、住宅用地の特例による固定資産税の軽減措置が解除され、税額が最大6倍に増加するケースがあります。

税負担の急増が解体・売却の余裕を奪い、さらなる放置を招く悪循環に陥る可能性もあります。早めに専門家へ相談し、現実的な対応策を検討することが重要です。

管理不全空き家を回避するための具体的対策

管理不全空き家に指定されないためには、適切な管理や活用策を講じることが重要です。空き家を「放置しない」という意識を持ち、計画的に対応することがリスクを最小化する第一歩になります。

日常的な巡回・清掃や定期的な建物の点検を行うだけでも、空き家の状態を良好に保つことができます。屋根や外壁の傷みを早期に発見し、簡易補修を行うだけで老朽化の進行を大きく抑えられる場合があります。長期的に使わない物件であれば、売却やリフォーム、賃貸活用なども検討し、管理の手間や費用を抑えるのも一つの方法です。相続問題などで所有者が複数にわたる場合には、権利関係を明確にし、適切な話し合いを行うことで管理や処分に関する方針を決めておくことも大切になります。これにより、意思決定が停滞するリスクを軽減できます。

売却や解体を含む有効活用策

管理不全空き家を放置するよりも、劣化が進む前に売却を検討することで建物の価値が目減りする前に資産化することが可能です。

リフォームして賃貸として活用する方法もありますが、修繕費用や運用の手間を見積もった上でメリット・デメリットを考慮する必要があります。最近では空き家専門の買取業者に相談し、スピーディーに現金化するケースも増えています。もし老朽化が深刻な場合には解体し、更地として活用する選択肢もあり、負担となる固定資産税を抑えやすくなるというメリットがあります。更地にすることで近隣住民への影響を最小限に抑える効果も期待できます。

行政・専門家への相談窓口の活用

相続・登記など法的な問題が絡む場合は、司法書士や弁護士への早めの相談が重要です。自治体の補助金制度や解体支援策を活用できるケースもあるため、最新情報の確認もあわせて行いましょう。

行政や専門家のサポートを上手に活用しながら空き家の管理・活用の方針を決めることが、管理不全空家への指定リスクを下げる近道です。

管理不全空き家に関するよくある質問
Q. どのような状態だと「管理不全空き家」に指定されますか?
窓ガラスの破損、外壁の一部剥離といった建物の老朽化放置や、敷地内の雑草が生い茂っている状態、ゴミの放置など、適切な維持管理がなされていないと自治体に判断された場合に指定の対象となります。
Q. 管理不全空き家に指定されると、すぐに税金が高くなりますか?
指定後すぐではなく、自治体からの改善指導を受けても対応せず「勧告」処分を受けた時点で、固定資産税の住宅用地特例(軽減措置)が解除され、土地の税金が最大6倍になります。特定空き家になる前の段階で増税されるため早めの対応が必要です。
Q. 管理不全空き家への指定を回避するための効果的な対策は?
定期的な換気や草刈りといった自主管理を行うか、遠方で管理が難しい場合は空き家管理代行サービスの利用が有効です。また、将来的に使う予定がない場合は、劣化が進み価値が下がる前に売却や解体、賃貸運用などを検討しましょう。

まとめ・総括

2023年の空家法改正で管理不全空家が定義されたことで、所有者には以前にも増して早期対応が求められるようになりました。放置すれば固定資産税の優遇解除・税負担増加・行政指導による対応の制限といったリスクが現実のものとなります。

売却・解体・リノベーションによる活用など、空き家を資産として再生する選択肢もあります。「どうすればいいか分からない」という段階からでも、「アキサポ」にお気軽にご相談ください。状況に合った最適なプランをご提案します。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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