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公開日:2026.03.29 更新日:2026.04.01

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空き家問題の解決策とは?放置リスクと売却・活用の判断基準、補助金制度を解説

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空き家問題の解決策は、大きく「売却」「賃貸・活用」「管理・維持」の3つに整理できますが、自身の物件にとってどの選択肢が最適なのか、判断に迷うオーナー様は少なくありません。実際、最適な選択肢は家の状態や地域の需要、手間とリスクの許容範囲などで変わるので、自分や家族だけでは次の一手を決められないことがあります。

そこでこの記事では、空き家が増える原因と放置リスクを整理したうえで、売却・賃貸活用・管理維持それぞれの進め方と向き不向き、公的支援の使いどころなど、自分の空き家問題を解決するための基礎知識を説明していきます。

空き家問題とは?主な原因と課題

空き家問題は相続や転居をきっかけに空き家になった物件が、そのまま放置され続けることで、周辺環境を悪化させたり、資産価値が下がったり、近隣トラブルに発展したりと、さまざまな問題が起こることをいいます。

総務省の「住宅・土地統計調査(令和5年)」によると、空き家率は過去最高の13.8%に達し、空き家数は約900万戸に達しています。それに伴って空き家問題も増加しており、全国的な対策が必要になっている状況です。

では、これらの問題はなぜ起こっているのでしょうか?ここでは主な3つの要因を見ていきましょう。

人口減少・高齢化社会と相続問題

空き家が増える最大の要因は、人口減少と高齢化の2点です。人口が減ればその分家は余りますし、高齢化が進むと老人ホームに入居する人や親族と同居する人が増えて、使われない家が増えます。

また、空き家を相続しても、相続人が遠方に住んでいたり、共有名義になって意思決定が遅れたりして、空き家が適切に管理されない事例もあります。空き家は一軒管理するだけでも多くの手間と費用がかかるので、人口減少や高齢化は、空き家問題が起こりやすい土台といえるでしょう。

リフォーム・解体費用の負担

空き家とその敷地を再利用するには、リフォームや解体が必要になりますが、どちらを行うにしても、最初にまとまった資金が必要になります。

リフォームでは特に、雨漏りやシロアリ、設備の老朽化といった根本的な問題があると、住める状態に戻すだけで想定以上の費用がかかります。

解体では、小規模な木造住宅でも100万円以上かかるのが一般的ですし、その他にも建設リサイクル法の届出、アスベスト事前調査・除去(該当する場合)、電気・ガス・水道の停止や撤去、境界確認や近隣対応、解体後の滅失登記などの諸費用が発生します。

転居や代替住宅選択の増加

転勤、結婚、介護、子育て環境の都合などで生活の状況が変わったことをきっかけに、実家を再利用するのが難しくなるケースもよくあります。昔は先祖代々の住宅に住むことも多くありましたが、最近では世代ごとに新たな家を取得するのが一般的なので、どうしても空き家は発生しやすくなります。

さらに、転居先が実家から遠いと、相続をした後も足が遠のいてしまい、いつの間にか空き家が荒れてしまう結果になりやすいです。特に高齢化が進んでいる地方部でよく見られる要因です。

空き家を放置するリスク

次に、空き家を放置した場合のリスクも見ておきましょう。空き家の「日常的に利用されない」という特徴は、思った以上に多くのリスクを内包しており、場合によっては取り返しの付かない事態を招くこともあります。

起こってからでは遅いこともあるので、あらかじめリスクを把握して対策を講じておきましょう。主なリスクは以下のとおりです。

  • 倒壊や老朽化:空き家は人が住まない期間が長いほど、雨漏り・腐食・シロアリ被害などに気づきにくく、劣化が加速しやすい。台風や積雪、地震などの外力が加わると、屋根材や外壁の剥落、塀の倒壊といった事故につながる恐れもある
  • 「特定空家等」または「管理不全空家等」に指定による増税:自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、状況によっては固定資産税の住宅用地特例が外れて税負担が増える
  • 近隣住民とのトラブルや防犯上のリスク:雑草の繁茂や害虫の発生、ゴミの不法投棄などが原因となり近隣トラブルが発生することがある。人の出入りがなくなることで空き巣や放火など防犯上のリスクも高まる
  • 資産価値の低下と経済的損失:放置期間が長いほど劣化が進みやすく、修繕費や解体費が膨らんだり、資産価値が低下したりする

【状況別】空き家問題を解決する3つのアプローチ

空き家問題の解決方法は、大きく「売却」「賃貸・活用」「管理・維持」の3つに分けられますが、物件に対する最適解は家の状態と地域の需要、そして、どこまで手間とリスクを許容できるかで変わってきます。

そこでここでは、それぞれの選択肢について、向いているケースとメリット・デメリットを見ていきましょう。

1. 「売却」で手放す:将来的なリスクと管理負担を根本から解消

売却は、管理の手間や維持管理費の負担、所有者の精神的負担などからまとめて解放される方法です。利益よりも現状の負担をなくしたい場合や、遠方で管理が難しい場合などに向いています。

なお、売り方には以下のようにいくつか種類があります。

  • そのまま売却:建物を壊さず現状のまま売る方法。解体費用がかからない利点がある。ただし、買主がリフォーム費用を見込んで価格交渉をしてくるケースが多い
  • 解体して更地で売却:倒壊リスクがある場合や、再建築しやすい土地として売りたい場合に有効。買い手が付きやすくなる反面、解体費用を先に負担する必要がある
  • 不動産買取:不動産会社に直接買い取ってもらう方法。短期間で手放せるのが最大のメリット。ただし、買取価格は仲介相場よりも3割程度低いのが一般的

なお、譲渡所得の3,000万円特別控除を利用すると、相続した空き家を売却する際、一定の要件を満たせば所得税の負担を大幅に軽減できる特例が受けられる可能性があります。

2. 「賃貸」で活用する:空き家を収益物件へ

賃貸や活用は、空き家を「負担」から、継続的な収益を生み出す「資産」に変えられる可能性がある方法です。リフォーム費用を主とした初期投資が必要で、活用開始後は運用の手間が発生するため、需要の有無と収支の見通しが前提になります。

主な活用方法には以下のようなものがあります。

  • 賃貸・賃貸併用住宅:リフォームして賃貸に出す王道の活用方法。住宅需要が継続的にあるエリアほど安定しやすい
  • 空き家バンクへの登録:自治体の空き家バンク制度を使って借り手を探す方法。別荘やセカンドハウス、移住ニーズがある地域で検討しやすい
  • リノベーション(用途転用):古民家カフェ、シェアハウス、テレワーク拠点などに転用して、自ら経営する方法。資金や許認可、運営ノウハウなど多くの壁があるので「事業」として捉えるのが良い
  • 土地活用(解体して運用):更地にして駐車場にしたり、土地を探している業者に貸し出したりする方法。建物がないので、管理の手間が少なくなりやすい。ただし、収益額は建物活用より下がることがある

3. 「管理・維持」で残す:将来的に利用したい場合

管理・維持は、将来住む予定がある場合や、家族の事情で売却したり賃貸に出したりするのが難しいケースで選ばれやすい選択肢です。大切な実家をそのまま残せる方法ですが、維持するためのコストと手間が継続して発生するため、最低限の費用と管理体制を作ることが前提になります。

管理・維持する際の決め手は、定期点検とトラブル予防をどこまで仕組み化できるかです。自分で全て行うのはハードルが高いので、無理なく持ち続けられるように、空き家の管理を代行してくれる「空き家管理サービス」を利用するのが現実的です。

「アキサポ」なら持ち出し0円で空き家活用をはじめられる可能性も

「アキサポ」とは、空き家の専門業者が空き家活用の仲介を行う「空き家活用サービス」の一つです。アキサポが空き家を借り上げて、相談から改修、マッチングまで、アキサポ側の負担で事業を進めるので、空き家所有者は持ち出し0円から空き家活用を始められます。

さらに、借り手が見つかったあとは、月々の賃料の一部が空き家所有者に還元されます。

ここでは、実際に空き家問題を解決した事例として、アキサポを利用して空き家活用につながった事例を3つ紹介します。

今回紹介する事例は、「賃貸として住める状態に戻す」「テーマ性のあるシェアハウスに転用する」「民泊として成立する形に整える」など、同じ空き家でも、解決の方針が違うのがポイントです。

事例1:設備を一新して使い勝手の良い賃貸住宅へ再生(東京都足立区)

東京都足立区古千谷本町にある戸建て空き家を、賃貸住宅として再生した事例です。長期間空き家だったことで設備の劣化が進んでいたため、改修は設備まわりを中心に行い、住みやすさを整えています。あわせて、庭の草木の処理やカーポート撤去なども実施し、日常の使い勝手と安全面を補っています。

  • 建築年月:1975年3月
  • 駅徒歩:日暮里舎人ライナー「舎人」駅 徒歩13分/東武スカイツリーライン「竹ノ塚」駅 徒歩22分
  • 延床面積:約115.33㎡
  • 構造:木造2階建

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事例2:築50年の空き家を“筋トレするシェアハウス”として再生(東京都文京区)

東京都文京区大塚にあった空き家を、シェアハウスとして再生した事例です。広めの延床面積と倉庫スペースを活かし、パーソナルトレーナー付きのトレーニングジムを備えたシェアハウスとして活用しています。単に「住めるように戻す」だけでなく、使い方を変えることで借り手のイメージを具体化したケースです。

  • 建築年月:1973年3月
  • 駅徒歩:都電荒川線「東池袋4丁目」駅 徒歩5分/東京メトロ有楽町線「東池袋」駅 徒歩6分
  • 延床面積:約149.30㎡
  • 構造:木造瓦葺2階建

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事例3:インバウンド需要の急回復を踏まえ「アキサポ」初となる民泊施設として再生(東京都渋谷区)

東京都渋谷区本町にある空き家を、民泊施設として再生した事例です。京王新線「初台」駅から徒歩7分の立地で、周辺には新国立劇場やオペラシティなどの文化施設もあるエリアです。

改修は内部が中心となっており、内装の全面的な改修をはじめ、水回り設備の更新や、Wi-Fi・デスクなどの整備を行いました。

  • 建築年月:築48年(お問合せ時)
  • 駅徒歩:京王新線「初台」駅より徒歩7分
  • 延床面積:75.24㎡
  • 構造:軽量鉄骨陸屋根2階建

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国や地方各自治体の空き家支援制度・補助金

空き家問題は全国的に発生している深刻な問題であるため、国や地方自治体では多くの支援制度や補助金を用意しています。一つの制度で100万円前後の支援を受けられることもあるので、積極的に活用しましょう。

ただし、自治体ごとの制度設計が異なるケースが多いので「使えるかどうか」は都度確認する必要があります。

ここでは代表的な制度として以下の3つを紹介します。

  • リフォーム補助金
  • 空き家解体補助金
  • 空き家の取得・移住に関する補助金

リフォーム補助金

リフォーム補助金は、住宅をリフォームする際に、耐震や断熱、バリアフリー、省エネ化といった特定の目的があることを条件に支給される補助金です。補助金の目的はあくまでリフォームなので、空き家に限定されないことが多く、幅広い物件で活用が期待できます。

ただし、自分で住むことを前提にしているケースが多く、空き家をリフォームして売却したり貸し出したりする場合には利用できないこともあります。具体的な条件は自治体ごとに異なるので、空き家がある自治体の窓口で直接確認しましょう。

空き家解体補助金(老朽危険空家解体撤去補助金など)

解体補助金は、老朽化した空き家の倒壊リスクや景観悪化を防ぐ目的で、解体費用の一部を支援する制度です。交付される額は自治体によって異なりますが、50万円前後のことが多いです。

物件が対象になるかどうかは、建物の状態(老朽度)や立地、管理状況などの要件で決まることが多く、事前調査や写真提出を求められる場合もあります。

補助金を申請する前に解体してしまうと対象外になりやすいため、まずは自治体窓口で要件確認をしてから進めていくのがよいでしょう。

空き家の取得や移住に関する補助金

空き家の取得や移住に関する補助金は、地方部への移住やU・Iターンなどを行う人を対象に、移住費用や建物の取得費用などを支援する制度です。空き家の購入費や改修費の一部を支援するタイプのほか、引っ越し費用、家賃補助、子育て世帯向けの加算など、自治体の課題に合わせてメニューが細かく用意されているケースもあります。

注意点は、補助の対象が「移住者(転入者)」や「若年・子育て世帯」などに限定されることが多いことです。さらに、居住期間の条件や、耐震性・改修内容・空き家バンク登録物件に限るといった住宅の要件が付くこともあります。

まとめ・総括

ここまで解決策の特徴やメリットなどを見てきましたが、実際に空き家問題を解決へと導くためには「売却」「賃貸・活用」「管理・維持」という3択と、自分の目的や許容できる負担など噛み合うことが欠かせません。ここがズレたまま進めてしまうと、思うような結果が得られなかったり、解決に至らなかったりする恐れがあります。

 相続人同士の権利関係の整理や、膨大な遺品整理・改修プランの策定など、個人では対応が難しい課題に直面しているなら、最初から専門家に頼るのも現実的です。アキサポのように空き家の状況整理から売却や活用まで一緒に検討できる相談先を見つけておけば、いざというときにスムーズなスタートが切れるはずです。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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