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公開日:2026.05.25 更新日:2026.05.26

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不動産売却の税金計算ガイド【2026年最新】譲渡所得のシミュレーションと節税特例を解説

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不動産売却を検討する際、多くの人が気になるのが「税金はいくらかかるのか」「手元にいくら残るのか」という点です。不動産を売却して利益が出た場合、その利益には譲渡所得税(所得税・住民税)が課税されます。

ただし、不動産売却の税金は売却価格にそのまま課税されるわけではなく、取得費や売却費用を差し引いた「譲渡所得」をもとに計算されます。また、マイホームの場合は3,000万円特別控除や10年超所有の軽減税率などの特例を利用することで、税金が0円になるケースも少なくありません。

一方で、購入時の契約書がない場合は「概算取得費5%」が適用され、税金が想定以上に高くなることもあります。さらに、売却で損失が出た場合でも、確定申告を行うことで所得税の還付を受けられる制度もあります。

この記事では、2026年の税制をもとに、不動産売却の税金の計算方法・シミュレーション・節税特例・確定申告の流れまでをわかりやすく解説します。

1. 不動産売却の税金はいくら?まずはシミュレーションで確認

不動産売却の税金早見表

譲渡所得長期税率税額
500万円20.315%約101万円
1000万円20.315%約203万円
2000万円20.315%約406万円
3000万円20.315%約609万円

さらに、短期の場合

譲渡所得短期税率税額
500万円39.63%約198万円

たとえばこんなケースで考えてみましょう!

項目内容
売却価格(譲渡価額)5,000万円
取得費3,000万円
譲渡費用200万円
譲渡所得5,000万 −(3,000万+200万)= 1,800万円
税率(長期譲渡所得)20.315%
税額366万円

※所有期間5年超の場合

マイホームの場合はさらに次の特例が適用できます。

マイホーム売却の税金シミュレーション(3,000万円特別控除)

項目内容
譲渡所得1,800万円
3,000万円特別控除−3,000万円
課税譲渡所得0円
税金0円

2. 不動産売却で発生する税金の全体像

不動産売却に関連する税金は、支払うタイミングによって大きく3つのフェーズに分けられます。全体像を把握しておくことで、資金計画のミスを防ぐことができます。

2-1. 【契約・決済時】必ずかかる税金

売却手続きの中で発生する税金です。利益の有無にかかわらず、原則として全員が負担します。

■ 印紙税 不動産売買契約書に貼付する収入印紙の費用です。契約金額に応じて税額が決まります。2026年3月31日までに作成された売買契約書には軽減税率が適用されており、たとえば売却価格が5,000万円超〜1億円以下の場合は3万円となります。

■ 登録免許税 住宅ローンが残っている場合、売却時に金融機関の抵当権を抹消するためにかかる税金です。不動産1件あたり1,000円ですが、手続きを依頼する司法書士への報酬を合わせると、数万円程度の費用を見込んでおく必要があります。

■ 消費税 個人が自宅(マイホーム)を売却する場合、建物代金に消費税はかかりません。ただし、不動産会社への仲介手数料や、住宅ローンの繰り上げ返済手数料などには消費税が課税される点に注意が必要です。

2-2. 【売却の翌年】利益が出たときにかかる税金

不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合にのみ課税される税金です。売却翌年の確定申告で申告・納付します。

税金の種類概要
譲渡所得税(所得税)譲渡所得に対して課される国税
復興特別所得税所得税額の2.1%を上乗せ(2037年12月31日まで)
住民税譲渡所得に対して課される地方税

これら3つはまとめて「譲渡所得税」と呼ばれることが多く、税率は不動産の所有期間によって異なります。

3. 譲渡所得税の計算方法と「5年・10年の壁」

不動産売却で利益が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」が課されます。税額を正確に把握するには、「いくら利益が出たか(譲渡所得)」を正しく計算することが出発点です。

3-1. 譲渡所得を算出する計算式

税金は売却代金そのものではなく、実質的な利益に対してかかります。計算式は以下のとおりです。

譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)

項目内容
譲渡価額物件の売却代金(実際に受け取った金額)
取得費購入代金+購入時の仲介手数料+リフォーム費用など。建物部分は減価償却後の金額で計算
譲渡費用売却のために直接要した費用。仲介手数料・印紙税・測量費・建物解体費など

たとえば、3,000万円で売却した物件の取得費が2,200万円、譲渡費用が100万円であれば、譲渡所得は700万円となり、この700万円に対して税率が適用されます。

実務の落とし穴|取得費が不明な場合

購入時の売買契約書を紛失している場合、原則として売却価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」が適用されます。

たとえば3,000万円で売却した場合、取得費はわずか150万円として計算されるため、課税される譲渡所得が大幅に膨らみ、税負担が数百万円単位で増えることもあります。

購入時の書類が見当たらない場合は、以下の資料で購入額を証明できる可能性があります。売却前に必ず確認しましょう。

・当時の通帳・銀行の送金記録
・購入時のパンフレット・重要事項説明書
・住宅ローンの借入金額がわかる書類
・登記事項証明書(取得原因・日付の確認)

3-2. 所有期間で税率が約2倍変わる「短期」と「長期」

譲渡所得が確定したら、次に適用税率を確認します。不動産の税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって以下のように区分されます。

区分所有期間税率の内訳合計税率
短期譲渡所得譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%39.63%
長期譲渡所得5年超所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%20.315%

税率の差は約2倍。先ほどの例(譲渡所得700万円)で比較すると、短期なら約277万円、長期なら約142万円と、135万円もの差が生じます。

5年前後で売却を検討している場合は、売却のタイミングを数カ月ずらすだけで税負担を大幅に抑えられる可能性があります。「1月1日時点」という判定基準を念頭に置き、慎重に売却時期を見極めることが重要です。

📌「10年の壁」|マイホームはさらに優遇税率あり

所有期間10年超のマイホームを売却した場合、3,000万円特別控除(後述)を適用した後の利益に対して、さらに低い軽減税率が適用されます。

譲渡所得の金額税率
6,000万円以下の部分14.21%
6,000万円超の部分20.315%

この特例を活用できるかどうかも、節税戦略を考えるうえで重要なポイントです。

4. マイホーム売却を有利にする「5つの節税特例・控除」

マイホーム(居住用財産)を売却する場合、投資用不動産の売却にはない強力な税制優遇措置が複数用意されています。

これらの特例を正しく活用できるかどうかで、納税額に数百万円単位の差が生まれることも珍しくありません。特例は大きく「譲渡益(プラス)が出た場合」と「譲渡損(マイナス)が出た場合」の2つに分かれます。

4-1. 譲渡益(プラス)が出た場合に使える特例

① 3,000万円の特別控除マイホームを売却した際、所有期間にかかわらず譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。たとえば譲渡所得が2,500万円であれば、控除後の課税対象はゼロとなり、譲渡所得税が一切かからないことになります。適用件数・節税効果ともにマイホーム売却における最強の特例といえます。

主な適用要件

・売却する物件が、現在または直前まで自分の居住用であること
・売却した年、その前年または前々年に、3,000万円特別控除などの適用を受けていないこと
・売り手と買い手が親族など特別な関係でないこと

📌居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが要件です。引越し後も時間的な猶予があります。

② 10年超所有の軽減税率の特例マイホームを10年超所有して売却した場合、3,000万円特別控除を適用した後の利益に対して、通常より低い軽減税率が適用されます。

譲渡所得の金額軽減税率通常の長期税率との差
6,000万円以下の部分14.21%約6%低い
6,000万円超の部分20.315%通常と同じ

①の3,000万円控除と併用が可能なため、長期居住のマイホームを売却する場合は必ずセットで検討しましょう。

③ 特定の居住用財産の買い換え特例

マイホームを売却して新居に買い換える際、売却益への課税を将来(次の売却時)に先送りできる特例です。

たとえば売却益が3,000万円あっても、要件を満たせば今回の売却では課税されず、将来新居を売却したときにまとめて精算される仕組みです。手元キャッシュを新居購入に充てたい場合に有効な選択肢となります。

ただし課税が「免除」ではなく「繰り延べ」である点に注意が必要です。また①の3,000万円控除との併用はできません。

4-2. 譲渡損(マイナス)が出た場合に使える特例

売却して赤字が出た場合でも、確定申告を行うことで給与所得など他の所得と損失を相殺(損益通算)し、所得税・住民税を軽減できる制度があります。「損をしたのだから申告は不要」と考えがちですが、確定申告しなければこの恩恵は受けられません。

④ 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(住宅ローンあり)

住宅ローンが残っているマイホームを売却して損失が出た場合に使える特例です。

・損益通算|売却した年の給与所得などと損失を相殺し、所得税・住民税を軽減
・繰越控除|相殺しきれなかった損失を、最長3年間翌年以降に繰り越してさらに控除

たとえば売却損が1,200万円、年収600万円の給与所得者であれば、売却年と翌年以降合わせて最大数十万円の税還付が見込まれるケースもあります。

主な適用要件

・売却する物件に10年以上の住宅ローン残債があること
・売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超であること
・売却年の合計所得金額が3,000万円以下であること(繰越控除の各年)

⑤ 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(住宅ローンなし)

譲渡資産の所有期間が5年を超え、かつ売却価格が取得費を下回る等の場合に損益通算・繰越控除を利用できる特例です。④と仕組みは同様ですが、適用要件が異なります。

特例の選び方|どれが自分に合うか

状況優先的に検討する特例
利益あり・所有10年未満①3,000万円特別控除
利益あり・所有10年超①+②の併用
利益あり・買い換えあり③買い換え特例(①との比較検討)
損失あり・ローン残債あり④損益通算+繰越控除
損失あり・ローン残債なし⑤損益通算+繰越控除

各特例には細かい要件があり、複数の特例を同時に使えない組み合わせもあります。どの特例が最も有利かは個々の状況によって異なるため、金額が大きい場合は税理士への相談を検討することをおすすめします。

⑥ 空き家の3,000万円特別控除(相続空き家特例)

相続によって取得した空き家を売却する場合に使える特例です。通常の3,000万円特別控除(①)とは別制度で、自分が居住していなかった親の家でも適用できる点が大きな特徴です。

主な適用要件

・相続した家屋が1981年5月31日以前に建築された旧耐震基準の建物であること
・相続開始直前に被相続人が一人で居住していたこと(老人ホーム入居中も一定条件で可)
・売却前に耐震リフォームを実施するか、建物を解体して更地で売却すること
・相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
・売却代金の合計額が1億円以下であること

2024年改正による控除額の変更

2024年1月1日以降の売却分から、相続人の人数によって控除額が変わります。

売却時の相続人数控除額
1〜2人3,000万円
3人以上2,000万円

複数の兄弟で相続した実家を売却するケースでは、控除額が縮小される点に注意が必要です。

📌 通常の3,000万円特別控除
(①)との重複適用はできません。また、相続税の取得費加算の特例との併用可否は個別の状況によって異なるため、税理士への確認を強くおすすめします。

5. 不動産売却の税金対策で注意すべき点

節税特例を最大限に活用するには、制度の内容を知るだけでなく、実務上の落とし穴を事前に把握しておくことが重要です。ここでは、税務の現場で特に見落とされやすい注意点を3つ解説します。

5-1. 併用できない特例がある

節税特例の中には、同時に使えない組み合わせがあります。代表的なのが「3,000万円特別控除」と「買い換え特例」の関係です。どちらも強力な優遇措置ですが、一方を選んだらもう一方は使えません。

どちらが有利かは、売却価格・取得費・新居の購入価格・今後の売却予定など、個別の事情によって異なります。以下を目安に判断しましょう。

状況有利な特例の目安
売却益が3,000万円以下3,000万円特別控除(課税ゼロになる可能性)
売却益が大きく、買い換え予定あり買い換え特例(課税を将来に先送り)
将来の売却時に益が出にくい見込み3,000万円特別控除(繰り延べより今使う方が有利)

試算せずに「なんとなく買い換え特例を選んだ」ために数百万円の損をするケースは珍しくありません。必ず両方を試算したうえで選択することが重要です。

5-2. 領収書・書類の整理が直接的な節税につながる

リフォーム費用・設備の追加工事費・購入時の仲介手数料などは、取得費として計上することで課税対象の譲渡所得を圧縮できます。しかし、領収書や契約書などの証拠書類がなければ、税務署に認められません。

特に見落とされやすい取得費の例を以下に挙げます。

・購入時に支払った仲介手数料
・購入時の印紙税・登記費用・司法書士報酬
・所有期間中に行ったリフォーム・増改築費用
・購入前のホームインスペクション費用

「領収書を捨ててしまった」「工事業者が廃業していて証明できない」という事態は、売却を決めてから慌てても手遅れになるケースがほとんどです。不動産を所有している間から書類を整理・保管する習慣が、将来の節税に直結します。

5-3. 相続不動産の売却は特有のルールがある

親から相続した不動産を売却する際は、通常の売却とは異なる税務上のルールが適用されます。主なポイントは以下の2点です。

① 所有期間は亡くなった親のものを引き継ぐ

相続不動産の所有期間は、被相続人(亡くなった方)が取得した日から起算されます。親が30年前に購入した不動産を相続翌年に売却しても、所有期間は「30年超」として長期譲渡所得の税率(20.315%)が適用されます。

② 相続税の取得費加算の特例

相続税を支払っている場合、相続開始から3年10ヶ月以内に売却することで、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。これにより課税される譲渡所得が圧縮され、二重課税的な負担を軽減することができます。

📌 この特例は申告期限(相続税の申告から原則10ヶ月以内)を過ぎると使えなくなるわけではありませんが、売却のタイムリミットである「3年10ヶ月」は思いのほか短く感じられます。相続後は早めに売却の是非を検討することをおすすめします。

相続不動産の売却は、相続税・譲渡所得税・小規模宅地等の特例など複数の税制が絡み合うため、税理士への早期相談が特に重要です。

6. 失敗しないための「確定申告」完全手順

不動産売却における税務手続きの最後のステップが確定申告です。

「難しそう」「自分には関係ない」と後回しにしがちですが、申告を怠ると節税特例が一切使えなくなるうえ、無申告加算税などのペナルティが課されるリスクもあります。売却後にあわてないよう、手順と注意点を事前に把握しておきましょう。

6-1. 確定申告が必要なケース

以下のいずれかに該当する場合、確定申告が必要です。

ケース申告の要否
売却益が出た(特例なし)必要(納税のため)
売却益が出たが特例で税額がゼロ必要(特例適用のため)
売却損が出た(損益通算を使う)必要(還付・節税のため)
売却損が出た(特例を使わない)原則不要

特に注意が必要なのが、「3,000万円特別控除を使って税額がゼロになるケース」です。税金がかからないからといって申告を省略すると、特例の適用が認められず、後から課税される事態になりかねません。「ゼロでも申告する」を鉄則として覚えておいてください。

6-2. 申告・納付のスケジュール

不動産を売却した翌年の以下のスケジュールで手続きが発生します。資金計画に組み込んでおくことが重要です。

時期手続き内容
売却翌年の2月16日〜3月15日確定申告の提出・所得税の納付
売却翌年の5月末〜6月初旬住民税の納税通知書が届く
売却翌年の6月〜翌々年3月住民税を4回に分けて納付(普通徴収の場合)

見落とされやすいのが住民税の納付時期です。所得税は確定申告期間中に納付しますが、住民税は売却翌年の6月以降に順次納付します。売却代金をすでに使い切っていた、というケースも実際に起こりえます。

売却益に対する住民税の概算額(長期譲渡の場合|税率5%)をあらかじめ手元に残しておくことを強くおすすめします。

6-3. 確定申告に必要な書類

申告に必要な書類は、売却する物件の状況や使用する特例によって異なります。以下を参考に、早めに準備を進めましょう。

■ 全員が必要な基本書類

・売買契約書のコピー(売却時・購入時の両方)
・譲渡費用の領収書(仲介手数料・印紙税など)
・取得費を証明する書類(購入時の契約書・領収書・通帳記録など)
・登記事項証明書(全部事項証明書)

■ 特例を使う場合に追加で必要な書類

使用する特例追加で必要な主な書類
3,000万円特別控除住民票の写し(売却した家の住所が確認できるもの)
10年超所有の軽減税率戸籍の附票など、居住期間を証明する書類
買い換え特例新居の売買契約書・登記事項証明書など
損益通算・繰越控除住宅ローンの残高証明書・金融機関の書類

書類の取得には時間がかかるものもあります。特に登記事項証明書や戸籍の附票は法務局・市区町村への請求が必要なため、売却が決まった段階で準備を始めることをおすすめします。

6-4. 申告方法|e-Taxが最もスムーズ

確定申告の提出方法は主に3つあります。

方法特徴
e-Tax(オンライン)マイナンバーカードがあれば自宅から申告可能。最もスムーズ
税務署へ持参担当者に確認しながら提出できる。混雑期は待ち時間に注意
郵送申告期限までの消印が有効。控えの返送用封筒を同封する

不動産売却の申告は通常の給与所得者の申告より書類が多く、計算も複雑です。

譲渡所得の金額が大きい場合や特例の適用が絡む場合は、税理士への依頼も選択肢のひとつです。費用は数万円〜十数万円が目安ですが、申告ミスによるペナルティや過払いのリスクを考えると、費用対効果は十分に見込めます。

7. 不動産売却時の税金に関するよくある質問(FAQ)

Q. 土地と建物で税金の計算方法は違いますか?

A. 適用される税率は同じですが、計算上の取り扱いに重要な違いがあります。

建物は時間の経過とともに価値が減少するという考え方から、所有期間中に「減価償却」を行います。具体的には、購入時の建物代金から毎年一定額が差し引かれ、帳簿上の建物価値(取得費)が年々低下します。

その結果、実際に支払った購入代金より取得費が低く計算されるため、売却益が出やすくなります。特に購入から年数が経った物件を売却する場合は、想定より税負担が大きくなるケースがあるため、事前に減価償却後の取得費を確認しておくことが重要です。

📌 減価償却の計算式|建物購入価額 × 0.9 × 旧定額法の償却率 × 経過年数。木造住宅の償却率は0.031、鉄筋コンクリート造は0.015が目安です。

Q. 固定資産税の精算金にも税金はかかりますか?

A. はい、課税対象になります。

不動産売却の決済時には、買主から売主へ固定資産税・都市計画税の日割り精算金が支払われるのが慣例です。この精算金は、税務上「売買代金の一部」とみなされるため、譲渡価額に含めて譲渡所得を計算する必要があります。

金額としては数万円〜十数万円程度のケースが多く、税額への影響は限定的ですが、計上漏れは税務調査の指摘対象になりえます。不動産会社や税理士に確認しながら、正確に計上するようにしましょう。

Q. 売却した年に別の不動産も購入した場合、税金はどうなりますか?

A. 売却と購入はそれぞれ独立して課税されます。

不動産の購入自体に譲渡所得税はかかりません。ただし、買い換え特例を利用する場合は、売却と購入の両方の要件を満たす必要があり、新居の購入価格が売却価格を下回ると、その差額に対して課税が繰り延べられず、今回課税対象となる点に注意が必要です。

また、新居を住宅ローンで購入した場合は住宅ローン控除が利用できますが、3,000万円特別控除と同じ年に併用すると、住宅ローン控除が制限される場合があります。売却と購入が同一年に重なる場合は、どの特例の組み合わせが最も有利かを必ず試算してください。

Q. 相続した不動産を売却した場合、確定申告はどうすればいいですか?

A. 通常の売却と同様に、売却翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告が必要です。

相続不動産の場合、取得費は被相続人(亡くなった方)が購入したときの代金をもとに計算します。購入が数十年前であるケースも多く、当時の売買契約書の有無が税額に大きく影響します。契約書が見つからない場合は「概算取得費(売却価格の5%)」が適用され、税負担が大幅に増える可能性があります。

また、相続税の取得費加算の特例(相続開始から3年10ヶ月以内の売却が条件)や、空き家の3,000万円特別控除など、相続不動産特有の特例も存在します。適用できる特例の見落としを防ぐためにも、税理士への相談を強くおすすめします。

まとめ|不動産売却の税金は「事前の準備」で大きく変わる

本記事では、不動産売却にかかる税金について以下の内容を網羅的に解説しました。

・契約・決済時にかかる印紙税・登録免許税・消費税の全体像
・譲渡所得の計算方法と、所有期間による税率の違い(短期39.63%/長期20.315%)
・3,000万円特別控除・軽減税率・買い換え特例など5つの節税特例の活用法
・併用不可の特例・領収書管理・相続不動産など、実務上の注意点
・確定申告の手順・必要書類・納付スケジュール

不動産売却の税金は、何も対策しなければ数百万円単位の負担になることがある一方、正しい知識と準備があれば合法的にゼロに近づけることも可能です。その差を生むのは、制度の複雑さではなく、事前に動けたかどうかという点につきます。

税金対策の第一歩は、「自分の物件がいくらで売れるか」を正確に把握することです。譲渡価額が決まらなければ、譲渡所得の計算も特例のシミュレーションも具体的に進められません。まずは不動産一括査定サービスを活用して複数社の査定額を比較し、適正価格の目安を把握しましょう。査定は無料で、売却の意思決定をする前の情報収集として気軽に利用できます。

売却価格の見通しが立ったら、次のステップとして税理士や不動産会社への相談をおすすめします。特に以下のケースでは、専門家のサポートが税負担の大きな差につながります。

・売却益が大きく、複数の特例の比較検討が必要な場合
・相続不動産の売却で、取得費や特例の適用が複雑な場合
・売却と新居購入が同年に重なり、特例の組み合わせに迷う場合

「売ってから考える」では手遅れになるケースも少なくありません。領収書の保管・所有期間の確認・特例の要件チェックなど、今日からできる準備を始めることが、将来の節税に直結します。

本記事の内容を参考に、税金の仕組みを正しく理解したうえで、理想のライフプランの実現に向けた不動産売却を進めてください。

空き家や相続不動産の売却を検討している場合は、空き家・相続物件の売却に特化した会社に相談することが重要です。築古・遠方・訳あり物件の扱いに慣れているかどうかで、査定額はもちろん、売却までのスムーズさも大きく変わってきます。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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