公開日:2026.06.25 更新日:2026.06.25
NEW空き家率が高い都道府県ランキング!空き家対策の特例と最新データを解説
空き家率は5年ごとに実施される総務省統計局の「住宅・土地統計調査」で公表されています。では、最新の2023年調査では、どの都道府県の空き家率が高くなっているのでしょうか。
この記事では、住宅・土地統計調査のデータをもとに、空き家率が高い都道府県トップ10、空き家率が低い都道府県トップ10、空き家数そのものが多い都道府県トップ10を紹介します。あわせて、2018年から2023年にかけての変化や、都市部と地方で空き家率に差が出る理由も見ていきましょう。
目次
空き家率とは?ランキングのデータを読み解くための基本知識

空き家率とは、住宅総数に対して空き家がどれくらいあるかを示す割合です。計算式は「空き家数÷住宅総数×100」で、地域ごとの住宅の余りやすさを確認するときに使われます。
ここで気を付けたいのが、統計上の空き家には、賃貸用や売却用の住宅、別荘などの二次的住宅なども含まれることです。これらは日常的に管理されている、または市場に流通している物件であり、周囲に悪影響を及ぼす「管理不全の放置空き家」とは明確に区別する必要があります。
そのため、空き家率を見るときは、用途の内訳もあわせて確認することが大切です。同じ空き家率の数値であっても、リゾート地の別荘が多い地域と、相続後に適切な買い手・借り手が見つからず放置されている住宅が多い地域とでは、自治体や所有者が直面する課題の本質が全く異なります。
なお、都道府県や市区町村から「特定空家等」または「管理不全空家等」に指定され、改善勧告を受けると、土地に対する固定資産税の課税標準を最大6分の1に減額する「住宅用地の特例(住宅用地特例)」の適用対象から除外(解除)されてしまいます。これが、空き家オーナーが最も注意すべき税制上のペナルティです。
2023年最新|空き家率が高い都道府県トップ10一覧
総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年時点で空き家率が高い都道府県は、和歌山県・徳島県・山梨県などです。全国平均の空き家率である13.8%に対して、上位の県は5〜7ポイントほど上回る深刻な状況となっています。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率(2023年) | 空き家率(2018年) | 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率(2023年) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 和歌山県 | 21.2% | 20.3% | 12.0% |
| 1位 | 徳島県 | 21.2% | 19.5% | 12.2% |
| 3位 | 山梨県 | 20.5% | 21.3% | 8.7% |
| 4位 | 鹿児島県 | 20.4% | 19.0% | 13.6% |
| 5位 | 高知県 | 20.3% | 19.1% | 12.9% |
| 6位 | 長野県 | 20.0% | 19.6% | 8.9% |
| 7位 | 愛媛県 | 19.8% | 18.2% | 12.2% |
| 8位 | 山口県 | 19.4% | 17.6% | 11.1% |
| 9位 | 大分県 | 19.1% | 16.8% | 9.3% |
| 10位 | 香川県 | 18.5% | 18.1% | 9.7% |
空き家率が高い県の特徴
空き家率が高い都道府県の上位には、四国や中国地方、九州の県が多く入っています。これらの地域では人口減少や高齢化が進んでおり、使われなくなった住宅が残りやすいことが、空き家率の高さと関係していると考えられます。
ただし、空き家率が高い理由は地域によって異なります。たとえば山梨県や長野県のように、別荘などの二次的住宅の影響で空き家率が高く出やすい地域もあります。実際に、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率を見ると、山梨県は8.7%、長野県は8.9%まで下がります。
一方で、鹿児島県や高知県、徳島県のように、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率も高い地域では、長期不在や相続後に使われていない住宅が多い可能性があります。同じ空き家率20%前後でも、別荘地として使われている空き家が多い地域と、管理されにくい空き家が多い地域では、課題の中身が変わります。
空き家率が低い都道府県トップ10

総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年時点で空き家率が低い都道府県は、沖縄県・埼玉県・神奈川県などです。全国の空き家率13.8%と比べると、上位の県は4ポイント前後低い水準になっています。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率(2023年) | 空き家率(2018年) | 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率(2023年) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 9.3% | 10.4% | 4.0% |
| 2位 | 埼玉県 | 9.4% | 10.2% | 3.9% |
| 3位 | 神奈川県 | 9.8% | 10.8% | 3.2% |
| 4位 | 東京都 | 11.0% | 10.6% | 2.6% |
| 5位 | 愛知県 | 11.8% | 11.3% | 4.3% |
| 6位 | 滋賀県 | 12.1% | 13.0% | 7.2% |
| 7位 | 千葉県 | 12.3% | 12.6% | 5.0% |
| 7位 | 福岡県 | 12.3% | 12.7% | 4.6% |
| 9位 | 宮城県 | 12.4% | 12.0% | 4.6% |
| 10位 | 京都府 | 13.1% | 12.8% | 6.2% |
空き家率が低い県の特徴
空き家率が低い都道府県には、首都圏や大都市圏の県が多く入っています。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県のように人口や世帯数が多い地域では、住宅需要が比較的強く、空き家になっても次の入居者や買い手が見つかりやすいと考えられます。
また、愛知県や福岡県のように雇用機会が豊富で進学の受け皿となる大都市圏周辺地域は、流動的な住宅需要が常に存在するため、結果として空き家率が低水準に抑えられる傾向にあります。
ただし、空き家率が低いからといって、空き家問題が小さいとは限りません。東京都や神奈川県のように住宅総数が多い地域では、割合が低くても空き家の数そのものは多くなります。
空き家数が多い都道府県トップ10

空き家問題の規模を考えるときは、空き家率だけでなく空き家数そのものも確認する必要があります。総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年時点で空き家数が最も多いのは東京都で、89.8万戸でした。
| 順位 | 都道府県 | 空き家数(2023年) | 空き家数(2018年) | 空き家率(2023年) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 89.8万戸 | 81.0万戸 | 11.0% |
| 2位 | 大阪府 | 70.3万戸 | 70.9万戸 | 14.3% |
| 3位 | 神奈川県 | 46.6万戸 | 48.5万戸 | 9.8% |
| 4位 | 北海道 | 45.1万戸 | 38.0万戸 | 15.6% |
| 5位 | 愛知県 | 43.3万戸 | 39.4万戸 | 11.8% |
| 6位 | 千葉県 | 39.3万戸 | 38.3万戸 | 12.3% |
| 7位 | 兵庫県 | 38.5万戸 | 36.0万戸 | 13.8% |
| 8位 | 福岡県 | 33.4万戸 | 32.9万戸 | 12.3% |
| 9位 | 埼玉県 | 33.3万戸 | 34.6万戸 | 9.4% |
| 10位 | 静岡県 | 29.5万戸 | 28.2万戸 | 16.6% |
空き家数が多い都道府県を見ると、東京都・大阪府・神奈川県・愛知県など、住宅総数の多い大都市圏が上位に入っています。これは、空き家率が特別に高いというより、住宅ストックそのものが多いことに起因しています。
たとえば、東京都の空き家率は11.0%で全国平均の13.8%を下回っていますが、空き家数では全国最多の89.8万戸となっています。反対に、空き家率が高い和歌山県や徳島県は、割合では上位でも住宅総数が東京都ほど多くないため、空き家数のランキングでは上位に入りません。
空き家率と空き家数は結論が変わる
空き家率が高い問題と空き家数が多い問題では、そこに内包される課題が異なります。
空き家率は、住宅総数に対して空き家がどれくらいあるかを見る指標なので、地域の住宅需要や空き家の滞留しやすさを把握するのに向いていますが、空き家数は実際に存在する戸数を示すため、自治体や所有者が対応しなければならない規模を把握するのに向いています。
たとえ空き家率が低くても、空き家数が多ければ、老朽化した住宅の管理や防災・防犯・衛生面の対応が必要になる場面は増えてきます。
つまり、地域の構造的な課題を見るなら空き家率、実際の対応量を見るなら空き家数を確認するのが基本になります。都道府県別の空き家データを読むときは、どちらか一方だけで判断せず、割合と実数をセットで見ることで、地域ごとの実態をつかみやすくなります。
2018年→2023年の空き家率の推移

「令和5年住宅・土地統計調査」のデータをもとに、2018年から2023年にかけての空き家率の変化を見ていきましょう。今回は、上昇した地域と低下した地域それぞれのトップ10をまとめました。
なお、全国の空き家率は、2018年の13.6%から2023年は13.8%となり、5年間で0.2ポイント上昇しました。
空き家率が増加した都道府県トップ10
2018年から2023年にかけて空き家率の上昇幅が大きかった都道府県は、大分県・北海道・秋田県などです。特に大分県は16.8%から19.1%へと上昇し、2.3ポイントの増加となっています。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率(2023年) | 空き家率(2018年) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 大分県 | 19.1% | 16.8% | +2.3pt |
| 2位 | 北海道 | 15.6% | 13.5% | +2.1pt |
| 2位 | 秋田県 | 15.7% | 13.6% | +2.1pt |
| 4位 | 長崎県 | 17.3% | 15.4% | +1.9pt |
| 5位 | 山口県 | 19.4% | 17.6% | +1.8pt |
| 6位 | 青森県 | 16.7% | 15.0% | +1.7pt |
| 6位 | 福井県 | 15.5% | 13.8% | +1.7pt |
| 6位 | 徳島県 | 21.2% | 19.5% | +1.7pt |
| 9位 | 島根県 | 17.0% | 15.4% | +1.6pt |
| 9位 | 愛媛県 | 19.8% | 18.2% | +1.6pt |
空き家率が減少した都道府県トップ10
一方で、2018年から2023年にかけて空き家率が低下した都道府県もあります。低下幅が大きかったのは、沖縄県・神奈川県・滋賀県・大阪府などです。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率(2023年) | 空き家率(2018年) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 9.3% | 10.4% | -1.1pt |
| 2位 | 神奈川県 | 9.8% | 10.8% | -1.0pt |
| 3位 | 滋賀県 | 12.1% | 13.0% | -0.9pt |
| 3位 | 大阪府 | 14.3% | 15.3% | -0.9pt |
| 5位 | 埼玉県 | 9.4% | 10.2% | -0.8pt |
| 5位 | 山梨県 | 20.5% | 21.3% | -0.8pt |
| 7位 | 茨城県 | 14.1% | 14.8% | -0.7pt |
| 8位 | 栃木県 | 16.9% | 17.3% | -0.4pt |
| 8位 | 福岡県 | 12.3% | 12.7% | -0.4pt |
| 10位 | 千葉県 | 12.3% | 12.6% | -0.3pt |
都市部と地方で空き家率にはどれくらい差がある?
空き家率は、都市部と地方で大きな差があります。地方圏の上位県と首都圏を比べると、和歌山県・徳島県が21.2%、山梨県が20.5%だったのに対し、埼玉県は9.4%、神奈川県は9.8%、東京都は11.0%と、空き家率に10ポイント前後の差があります。
この差が生まれる大きな理由は、住宅需要の強さです。首都圏や大都市圏では、進学・就職・転勤などで人の移動が多く、空き家が出ても次の入居者や買い手が見つかりやすい傾向があります。一方で、地方では人口減少や高齢化によって住宅を使う人が減り、相続後の家や古い住宅がそのまま残りやすくなります。
地方で空き家率が高くなりやすい3つの問題
地方で空き家率が高くなりやすいのは「住む人が減っても住宅の数がすぐには減らない」という仕組みの影響が大きいです。人口減少や高齢化が進む地域では、新たに家を使う世帯が少なくなる一方、親世代が住んでいた家や相続した住宅はそのまま残ります。
また、売却や賃貸に出しても買い手・借り手が見つかりにくいのも大きな要因です。駅や商業施設、病院から離れた地域では、建物が使える状態でも生活利便性の面で選ばれにくく、いつまでも空き家として放置されることがあります。
さらに、売れない空き家をどうするかの判断が難しい問題もあります。管理には手間がかかりますし、建物の解体撤去には木造一戸建てであっても100万〜数百万円規模の自己負担が生じる上、家を解体して更地にすると土地の固定資産税の優遇措置が外れてしまう税制上のジレンマがあるため、「活用予定はないが、解体もできない」という悪循環に陥りがちです。
まとめ|空き家率は順位だけでなく、内訳と実数もあわせて確認しよう
今回は、総務省統計局の「住宅・土地統計調査」をもとに、空き家率が高い都道府県・低い都道府県、空き家数が多い都道府県のランキングを見てきました。
空き家率は地域ごとの住宅需要や空き家の滞留状況を見るうえで役立ちますが、賃貸用や売却用の住宅、別荘などの二次的住宅も含まれます。そのため、順位だけで地域の課題を判断するのではなく、用途別の内訳まで確認することが大切です。
また、空き家率が低い地域でも、住宅数が多ければ空き家数そのものは大きくなります。地方では空き家率の高さ、都市部では空き家数の多さが課題になりやすく、割合と実数のどちらを見るかによって、見えてくる問題は変わります。
これらのことから、都道府県別のデータを確認するときは、空き家率・空き家数・用途別の内訳をあわせて見るようにしましょう。数字の背景まで読み取ることで、地域ごとの空き家問題をより現実に近い形で理解しやすくなります。