公開日:2026.07.19 更新日:2026.06.29
NEW【最新】全国の空き家率は13.8%!推移・現状と都道府県ランキング
総務省が発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家率は13.8%に達し、およそ7戸に1戸が空き家という結果になっています。とはいえ、多くの人は空き家問題が地方の話だと思っているのではないでしょうか。じつは空き家の数は都市部でも確実に増え続けているのです。
そこでこの記事では、令和5年住宅・土地統計調査のデータをもとに、全国の空き家率の現状や空き家の種類、都道府県別・地域別の傾向を解説します。数字だけでは見えにくい空き家問題の実態を、できるだけ分かりやすく見ていきましょう。
目次
全国の空き家率の状況(空き家戸数は過去最多の900万戸)

令和5年住宅・土地統計調査の確報集計(2025年9月公表)によると、全国の空き家数は900万2,000戸、空き家率は13.8%です。2018年の849万戸から51万戸増えており、空き家数・空き家率ともに過去最高となりました。
また、空き家の内訳を見てみると「賃貸用の空き家」と「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」で大半を占めていることが分かります。「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」とは、一般的に「その他空き家」と呼ばれるもので、相続後に放置された実家などがこれに該当します。
一方で、全国の総住宅数も増加を続けています。2023年時点の総住宅数は、2018年より261万戸増の6,502万戸を記録しています。空き家率の上昇幅が0.2ポイント上昇であるのに対して、空き家戸数の増加ペースが速いのは、この背景があるためです。
2023年12月の改正空家法により、放置すれば「特定空き家」になる恐れがある一歩手前の物件が「管理不全空き家」として新設されました。自治体から改善勧告を受けると、土地にかかっている固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)の対象から除外され、土地の固定資産税が最大6倍(都市計画税を含めるとさらに増額)になるリスクがあります。「売却も賃貸もしていないその他空き家」を抱えるオーナーにとって、非常に大きな大増税リスクとなっています。
全国の空き家率の推移(過去調査との比較)

出典:令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果 (総務省)
全国の空き家率は、長期的に上昇を続けています。総務省が取りまとめた上記のグラフを見ると、空き家率は1978年の7.6%から2023年の13.8%へ約1.8倍、空き家数は268万戸から900万戸へ約3.4倍に増えていることが分かります。
特に増加ペースが大きかったのは、1993年から1998年にかけてです。この5年間で空き家数は448万戸から576万戸へ約129万戸増え、空き家率も9.8%から11.5%へ1.7ポイント上昇しました。
その後、2015年には空家等対策特別措置法が全面施行され、自治体による空き家対策も本格化していきましたが、それでも空き家数は増加を続けています。この頃になると人口減少や高齢化が顕著になっていることから、空き家の増加に歯止めがかかりにくい状況になっていたと考えられます。
全国の空き家率が上昇し続けている最大の原因の一つが「実家の相続」です。特に、2024年4月1日から「相続登記の義務化」がスタートしており、正当な理由なく相続を知った日から3年以内に登記をしない場合、10万円以下の過料(ペナルティ)が科されることになりました。空き家率のデータを見るだけでなく、自身が相続人である場合は法的な義務が生じている点に注意が必要です。
都道府県別の空き家率ランキング

空き家率を都道府県別に見ると、空き家率が最も高い和歌山県と徳島県の21.2%と、最も低い沖縄県は9.3%の間には、じつに11.9ポイントもの差があります。
では、どのようなエリアで空き家率が高い、または低いのか、それぞれのトップ10を見ていきましょう。
空き家率が高い都道府県TOP10
令和5年住宅・土地統計調査によると、空き家率が最も高いのは和歌山県と徳島県で、いずれも21.2%でした。全国平均の13.8%と比べると、7ポイント以上高い水準です。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率 | 全国平均との差 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 和歌山県 | 21.2% | +7.4ポイント |
| 1位 | 徳島県 | 21.2% | +7.4ポイント |
| 3位 | 山梨県 | 20.5% | +6.7ポイント |
| 4位 | 鹿児島県 | 20.4% | +6.6ポイント |
| 5位 | 高知県 | 20.3% | +6.5ポイント |
| 6位 | 長野県 | 20.0% | +6.2ポイント |
| 7位 | 愛媛県 | 19.8% | +6.0ポイント |
| 8位 | 山口県 | 19.4% | +5.6ポイント |
| 9位 | 大分県 | 19.1% | +5.3ポイント |
| 10位 | 香川県 | 18.5% | +4.7ポイント |
上位を見ると、西日本や中山間地域、地方部を抱える県が目立ちます。こうした地域では、若年層の流出や高齢化による相続の増加、住宅需要の縮小などが重なりやすく、空き家が増えやすい状況が揃っていると考えられます。
ただし、これらのエリアは、必ずしも「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」が多いわけではありません。たとえば山梨県では空き家率20.5%に対して「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」は8.7%、同じように長野県は空き家率20.0%に対し「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」は8.9%となっています。
このように、別荘地を抱える地域では、ふだん人が住んでいない住宅が空き家として集計されるため、空き家率が高く出やすくなっています。
空き家率が低い都道府県TOP10
空き家率が低い都道府県のトップ10は、沖縄県の9.3%を筆頭に、次いで埼玉県、神奈川県、東京都などの人口が多いエリアが続いています。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率 | 全国平均との差 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 9.3% | -4.5ポイント |
| 2位 | 埼玉県 | 9.4% | -4.4ポイント |
| 3位 | 神奈川県 | 9.8% | -4.0ポイント |
| 4位 | 東京都 | 11.0% | -2.8ポイント |
| 5位 | 愛知県 | 11.8% | -2.0ポイント |
| 6位 | 滋賀県 | 12.1% | -1.7ポイント |
| 7位 | 千葉県 | 12.3% | -1.5ポイント |
| 7位 | 福岡県 | 12.3% | -1.5ポイント |
| 9位 | 宮城県 | 12.4% | -1.4ポイント |
| 10位 | 京都府 | 13.1% | -0.7ポイント |
大きな都市を抱えるエリアが中心となっており、賃貸住宅や中古住宅の需要によって空き家率が低くなっていると考えられます。沖縄県がトップの理由は、高齢化率の低さや若年層の多さ、人口増加率の高さなどが原因として考えられます。
直近の国勢調査データでも沖縄県内市町村の高齢化率は全国平均を大きく下回っており、これが空き家率の低さに直結しています。
地域別にみる空き家率(地方ブロック別)
| 地方ブロック | 人口減少率(2025年国勢調査速報) | 空き家率の傾向 | 主な要因 |
| 北海道・東北 | -4.6% 〜 -8.1% | 15.2% 〜 17.3% | 人口流出に伴う需要減 |
| 関東(1都3県) | +1.4% 〜 -0.8% | 9.4% 〜 11.0% | 旺盛な賃貸・中古需要 |
| 北関東 | -2.6% 〜 -3.7% | 14.1% 〜 16.9% | 中心部への人口集中 |
| 中部 | -1.2% 〜 -6.0% | 11.8% 〜 20.5% | 別荘地保有および工業都市差 |
| 近畿 | -0.8% 〜 -6.3% | 12.1% 〜 21.2% | 都市部と紀伊半島の極端な差 |
| 中国・四国 | -4.2% 〜 -7.0% | 15.8% 〜 21.2% | 高齢化と相続実家の放置 |
| 九州・沖縄 | +0.1% 〜 -6.1% | 9.3% 〜 20.4% | 沖縄の人口増と他県の減少 |
地域別に空き家率を見るときは、人口減少率と合わせて確認すると、空き家が増えやすい背景をつかみやすくなります。ここでは、各地域の空き家率と2025年国勢調査の結果から算出した人口減少率を見ながら、データから分かる傾向を見ていきましょう。
北海道・東北
北海道・東北の空き家率と人口減少率は、以下のとおりです。
- 北海道:空き家率15.6%/人口減少率-4.6%
- 青森県:空き家率16.7%/人口減少率-7.9%
- 岩手県:空き家率17.3%/人口減少率-7.0%
- 宮城県:空き家率12.4%/人口減少率-3.2%
- 秋田県:空き家率15.7%/人口減少率-8.1%
- 山形県:空き家率13.5%/人口減少率-7.0%
- 福島県:空き家率15.2%/人口減少率-6.6%
北海道・東北は、全体的に人口減少率が大きく、空き家率も宮城県と山形県以外は平均を超えています。全体的に住宅需要が減少しやすい状況にあるといえるでしょう。
関東
関東の空き家率と人口減少率は、以下のとおりです。
- 茨城県:空き家率14.1%/人口減少率-2.6%
- 栃木県:空き家率16.9%/人口減少率-3.5%
- 群馬県:空き家率16.7%/人口減少率-3.7%
- 埼玉県:空き家率9.4%/人口減少率-0.8%
- 千葉県:空き家率12.3%/人口減少率-0.4%
- 東京都:空き家率11.0%/人口増加率1.4%
- 神奈川県:空き家率9.8%/人口減少率-0.5%
関東では、東京圏と北関東で差が出ています。東京都は人口が増加しており、埼玉県・千葉県・神奈川県も人口減少率は比較的小さいため、空き家率は低めです。一方で、栃木県や群馬県は空き家率が16%台となっており、同じ関東でも住宅需要の強さに差があることが分かります。
中部
中部の空き家率と人口減少率は、以下のとおりです。
- 新潟県:空き家率15.3%/人口減少率-6.0%
- 富山県:空き家率14.7%/人口減少率-4.7%
- 石川県:空き家率15.6%/人口減少率-3.9%
- 福井県:空き家率15.5%/人口減少率-4.9%
- 山梨県:空き家率20.5%/人口減少率-3.7%
- 長野県:空き家率20.0%/人口減少率-4.5%
- 岐阜県:空き家率16.0%/人口減少率-4.4%
- 静岡県:空き家率16.6%/人口減少率-4.5%
- 愛知県:空き家率11.8%/人口減少率-1.2%
中部は、県による差が大きい地域です。新潟県では人口減少率が-6.0%と大きく、住宅需要の縮小が空き家の増加につながりやすい状況が見えてきます。一方で、山梨県や長野県は人口減少率が中部の中で突出して大きいわけではないものの、空き家率は20%前後と高水準です。
近畿
近畿の空き家率と人口減少率は、以下のとおりです。
- 三重県:空き家率16.4%/人口減少率-4.3%
- 滋賀県:空き家率12.1%/人口減少率-1.5%
- 京都府:空き家率13.1%/人口減少率-2.9%
- 大阪府:空き家率14.3%/人口減少率-0.8%
- 兵庫県:空き家率13.8%/人口減少率-2.6%
- 奈良県:空き家率14.6%/人口減少率-4.2%
- 和歌山県:空き家率21.2%/人口減少率-6.3%
近畿では、和歌山県の空き家率と人口減少率の高さが目立ちます。空き家率は21.2%と全国的にも高く、人口減少率も-6.3%となっているため、住宅需要の縮小が空き家の増加につながりやすい地域といえるでしょう。
一方で、大阪府は人口減少率が-0.8%と小さいものの、空き家率は14.3%と全国平均を上回っています。大阪府は総住宅数が多く、賃貸や売却に出ている住宅も空き家率に含まれます。その一方で、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」は4.6%と全国平均の5.9%を下回っています。
そのため、大阪府の空き家率は、人口減少よりも都市部特有の住宅の入れ替わりや、賃貸・売却用住宅の流動性が影響していると考えられます。
中国・四国
中国・四国の空き家率と人口減少率は、以下のとおりです。
- 鳥取県:空き家率15.8%/人口減少率-5.4%
- 島根県:空き家率17.0%/人口減少率-6.2%
- 岡山県:空き家率16.4%/人口減少率-4.2%
- 広島県:空き家率15.8%/人口減少率-4.2%
- 山口県:空き家率19.4%/人口減少率-5.8%
- 徳島県:空き家率21.2%/人口減少率-6.1%
- 香川県:空き家率18.5%/人口減少率-4.5%
- 愛媛県:空き家率19.8%/人口減少率-5.6%
- 高知県:空き家率20.3%/人口減少率-7.0%
中国・四国は、人口減少率と空き家率の両方が高い地域です。徳島県と高知県では空き家率が20%を超えており、山口県や愛媛県、香川県も全国平均を大きく上回っています。
また、人口減少率も各県で-4%台から-7%台となっており、空き家問題が地域の人口構造と結びついていることが分かりやすいブロックといえるでしょう
九州・沖縄
九州・沖縄の空き家率と人口減少率は、以下のとおりです。
- 福岡県:空き家率12.3%/人口減少率-1.0%
- 佐賀県:空き家率14.5%/人口減少率-3.7%
- 長崎県:空き家率17.3%/人口減少率-6.1%
- 熊本県:空き家率15.0%/人口減少率-3.5%
- 大分県:空き家率19.1%/人口減少率-4.2%
- 宮崎県:空き家率16.3%/人口減少率-4.7%
- 鹿児島県:空き家率20.4%/人口減少率-4.7%
- 沖縄県:空き家率9.3%/人口増加率0.1%
九州・沖縄は、県による差が大きい地域です。鹿児島県や大分県、長崎県は空き家率が高く、人口減少率も比較的高いですが、一方で、福岡県は人口減少率が-1.0%と小さく、空き家率も12.3%と低めです。
さらに、沖縄県では人口増加率0.1%となっており、空き家率も9.3%と全国で最も低くなっています。
まとめ:全国の空き家率は地域の実態が反映されている
全国の空き家率は13.8%となり、空き家数も900万戸と過去最多になっています。ただし、今回見てきたように、その実情は都道府県や地域ブロックによって大きく異なります。人口減少が進む地域では空き家率が高くなりやすい一方で、都市部では住宅の入れ替わりによって空き家率が高く出るケースもあります。
そのため、全国の空き家率を見るときは、地域差や空き家の種類、人口動向まで合わせて確認することが大切です。そうすることで、単なるランキングではなく、日本の住宅がいまどのように変化しているのかを読み取りやすくなるでしょう。
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この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。