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公開日:2026.07.26 更新日:2026.07.18

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家を「タダであげます」と言われたら?0円物件をもらう前に確認すべきリスクと必要費用

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空き家の増加に伴って、ときおり「家をタダであげます」という言葉を聞くことがあります。いわゆる「0円物件」というもので、空き家の活用や田舎暮らしなどに興味がある人には、気になる選択肢になると思います。

しかし、家をタダでもらっても、取得後の費用や管理責任は付いてきます。登記や税金、修繕費、残置物の処分費などがかかる場合もあり、うかつに受けると負担ばかり増えてしまう恐れがあります。

そこで本記事では、家をもらう前に確認すべき費用・契約・物件状態のポイントなど「家をタダであげます」の裏に隠れた注意点を解説します。

「家をタダであげます」は本当にお得?譲り受ける前に確認したいこと

家型の木製オブジェの上に描かれたはてな(?)マーク(タダでもらえる0円物件に潜む疑問やリスクのイメージ)

家をタダであげますと言われたときは、まずは本当に受け取って大丈夫か、以下の4点を確認しましょう。

  • 維持管理費用や管理責任
  • なぜ無料で譲りたいのか
  • 無償譲渡か格安売買か
  • 住む・貸す・売る・解体するなどの出口戦略

0円物件で一番気を付けたいのは、やはり取得後の金銭的負担や維持管理の労力です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

維持管理費用や管理責任

家を取得した後にはさまざまな費用が発生します。代表的な項目には、所有権移転登記にかかる費用や固定資産税、都市計画税、修繕費、火災保険料、残置物の処分費などがあります。

さらに建物の状態によっては、住めるようにするだけでまとまったリフォーム費用がかかることもあります。特に屋根や外壁、床下などの重要な箇所に不具合があると、百万円単位で費用が膨らむ恐れがあります。

維持管理については、草木の繁茂や建物の劣化などに注意が必要です。放置すれば近隣トラブルや行政からの指導につながる可能性もあります。家をもらう際には、無料でもらえるかどうかよりも、管理し続けられるかを考えましょう。

なぜ無料で譲りたいのか(家を譲りたい理由)

家を無料で譲りたい人は、だいたい何らかの問題を抱えています。たとえば、相続したものの使い道がない(※2024年より相続登記が義務化されており、未登記のまま放置すると過料の対象となります)、遠方に住んでいて管理できない、固定資産税や修繕費の負担を手放したいなどがあります。

なかには、建物の老朽化が進んでいる、再建築ができない、接道や境界に問題がある、残置物が多いといった理由で買い手がつきにくくなっている物件もあります。こうした事情を把握しないまま引き受けると、後から負担コストが膨らむことになりかねません。

無償譲渡か格安売買か

「タダ」の家の主な取得方法

無償譲渡(贈与)

契約:贈与契約

対価:0円

注意点:不動産の評価額に応じて「贈与税」が課税される。瑕疵担保責任は原則免責となる場合が多い。

格安売買(低額譲渡)

契約:売買契約

対価:1円〜10万円等

注意点:時価との差額が「みなし贈与」と判断され、実質0円と同等の贈与税が発生するリスクがある。

「タダの家」といっても、実際の引き継ぎ方は物件によって異なります。所有者から無償で譲り受けるケースもあれば、1円や数万円などの低い金額で売買契約を結ぶケースもあります。

無償譲渡の場合は、売買代金を支払わずに所有権を移すため、基本的には贈与として扱われます。一方で、1円や10万円など低い金額でも代金を支払う場合は格安売買(売買契約)となりますが、時価との差額が実質的な贈与とみなされ(低額譲渡)、贈与税の対象となる点に注意が必要です。 

なお、どちらの方法でも、契約内容を明確にした書面の作成や所有権移転登記、税金の確認は欠かせません。また、名義変更の費用や取得後の固定資産税、管理責任は引き継ぐことになります。契約形態があいまいなまま進めると、税金や責任の範囲をめぐって後からトラブルになる可能性があるため、最初に確認しておきましょう。

住む・貸す・売る・解体するなどの目的 

家をもらう前に「住む・貸す・売る・解体する」という目的を決めておきましょう。これらの違いによって確認すべき点が大きく変わってきます。

自分で住む場合は、建物の安全性やインフラ、周辺環境、通勤・通学のしやすさが重要ですし、賃貸に出す場合は、需要や修繕費、収益性などを考える必要があります。また将来的に売却するつもりであれば、再建築可否や接道状況、境界の明確さも確認しておきたいところです。

家をタダでもらえる主な探し先

2棟の住宅のミニチュア模型を虫眼鏡でのぞき込む手(家をタダでもらえる主な探し先をイメージ)

ここからは、実際に家をタダでもらえる可能性がある探し先として、以下の4点を説明します。

  • 「アキサポ」などの空き家マッチングサービス
  • 自治体の空き家バンク
  • 地域の不動産会社

「アキサポ」などの空き家マッチングサービス

家をタダでもらえる物件や格安の空き家を探すなら、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐ「空き家マッチングサービス」を利用する方法があります。たとえば「アキサポ」では0円物件は扱っていませんが、50万円以下で購入できる格安物件を扱っています。

また、空き家マッチングサービスでは、一般的なポータルサイトには出ていない空き家が見つかることもあります。格安物件まで視野を広げると選択肢が一気に広がるので、ぜひ一度チェックしてみてください。

アキサポの物件を見てみる

自治体の空き家バンク

空き家バンクでは、0円物件や、数万円から数十万円程度の格安物件が掲載されることがあります。自治体が関わっているため、地域の補助金制度や移住支援、改修費補助などの情報をあわせて確認しやすいのも利点です。

ただし、空き家バンクはあくまで物件情報をつなぐ窓口であり、自治体が契約内容や物件の状態まで保証してくれるわけではありません。現状渡しの物件も多いため、内見時には雨漏りやシロアリ、残置物、インフラ、境界、登記の有無などを確認し、必要に応じて専門家にも相談しておきましょう。

地域の不動産会社

地域の不動産会社や地元の掲示板にも、表に出ていない0円物件や格安物件の情報が集まることがあります。特に地方では、所有者がインターネットに物件情報を出さずに、地元の不動産会社や知人経由で引き取り手を探しているケースもあります。

不動産会社に相談する場合は、住みたい地域や建物の状態、リフォームに使える予算などをある程度決めておくと見つけてもらいやすくなります。なお、地域の掲示板や移住相談窓口、商工会、自治会などに情報が出ている場合もあります。

「家をタダであげます」物件によくある条件

電卓の上の積み上げられたコインに座るビジネスパーソンのミニチュア(「家をタダであげます」物件によくある条件をイメージ)

タダで譲っている家には、価格が0円の代わりに、何かしらのマイナス条件が付いていることがあります。ここでは、0円物件や格安物件で見られやすい条件を整理しておきましょう。

現状渡し・残置物引き取り

現状渡しとは、売主や譲渡人が修繕や片付けをせず、今ある状態のまま引き渡すことです。

特に注意したいのが、家具や家電、生活用品などの残置物で、処分費用や運び出しの手間を受け取る側が負担することになっていると、片付けだけで数十万円かかることもあります。

そのため、契約前には残置物を誰が処分するのか、費用はどちらが負担するのかを確認しておきましょう。また、確認したことは口約束で済ませず、契約書や覚書に残しておくと後のトラブルを防ぎやすくなります。

修繕前提(DIY可)

0円物件や格安物件のなかには、内装や設備などに不具合があり、住むための修繕を前提としているものや、DIY可という条件で状態が悪いことをカバーしようとしている物件もあります。

DIYが好きな人であれば、自分で再生していく楽しさがあるかもしれません。ただし、構造部分の傷みや雨漏り、シロアリ被害、給排水設備の劣化など、DIYでの対応が難しい、専門家の技術が必要な箇所もあることを覚えておきましょう。

オーナーチェンジ・賃貸中の引き継ぎ

家が賃貸中の場合は、入居者との契約を引き継ぐ「オーナーチェンジ」のケースがあります。取得後は新しい所有者として家賃を受け取り、建物の管理や修繕を引き継ぎます。

賃貸中の物件は、すぐに家賃収入が見込める一方で、自分で住みたいと思ってもすぐには使えない点に注意が必要です。また、入居者との契約内容や家賃の滞納状況、敷金の引き継ぎ、修繕義務なども確認しておかなければなりません。

移住・活用の希望条件(地域との合意)

所有者や地域側が「地元に住んでくれる人に譲りたい」「地域のために活用してほしい」などの条件を提示してくるケースです。空き家バンクや移住支援と関係する物件では、移住や定住、地域活動への参加が期待される場合もあります。

これらの条件は法律上の義務ではなくても、地域との関係を考えるうえでは重要になってきます。取得後の使い方が所有者や地域の期待と大きくズレていると、関係が悪化することもあるため、譲り受ける前に、期待されている使い方のイメージをすり合わせておきましょう。

家がタダでも費用がかかる項目

虫眼鏡に映る注意標識(ビックリマーク)とそれを見つめる人々のミニチュア(タ家がタダでも費用がかかる項目のイメージ)

家をタダで譲り受けても、取得や維持にかかる費用まで無料になるわけではありません。物件価格が0円でも、登記費用や税金、修繕費、残置物の処分費などは受け取る側の負担になることがあります。

主な費用の目安は、以下のとおりです。

費用項目金額
登記・名義変更司法書士報酬5万〜15万円程度+登録免許税(贈与の場合は固定資産税評価額の2.0%) 
固定資産税課税標準額×1.4%(標準税率。※住宅が建っている土地には「小規模住宅用地の特例」等による減額措置がありますが、管理不全空き家に指定されると特例の対象外となるため注意が必要です)
都市計画税課税標準額×0.3%(0.3%が上限額であり、自治体によって異なる)
不動産取得税 固定資産税評価額×4%(宅地や住宅は特例により3%、さらに軽減措置あり。ただし贈与の場合は免税特例の適用外となる場合がある) 
修繕費壁紙や畳の張り替え、建具調整などの部分補修で10万〜50万円程度。屋根・外壁・水回り・床下まで直す場合は100万円以上
解体費木造住宅で坪単価3万~5万円程度(一戸あたり100万〜200万円程度)
残置物処分費10万〜50万円程度
仲介・契約書作成費用数万円〜数十万円程度
贈与税税務上の評価額から基礎控除110万円を差し引いた金額に対して10~55%の税率が課される1円や数万円などの格安で売買する場合でも、時価と売買価格の差が大きいと、その差額部分が贈与とみなされることがある

0円物件をもらう前にチェックすべきポイント

0円物件をもらう前には、建物の状態だけでなく、土地・インフラ・権利関係・契約条件なども確認しておきましょう。特に確認しておきたいポイントは以下のとおりです。

チェック項目具体的な確認内容
土地・権利関係隣地境界の確定状況、接道義務の充足、共有名義の有無
再建築の可否都市計画法および建築基準法上の再建築不可物件ではないか
建物の構造・不具合雨漏り、シロアリ被害、腐朽、傾きの有無
インフラ状況上下水道(浄化槽か)、ガス、電気、通信網の引き込み
契約条件(特約)契約不適合責任の免責事項、残置物処理の負担区分

特に注意したいのは、再建築できない土地や権利関係が複雑な物件です。0円で取得できても、将来売却や建て替えができなければ、管理だけを続けることになる可能性があります。

また、現状渡しの物件では、雨漏りや設備故障、残置物などを受け取る側が引き継ぐケースもあります。口約束のまま進めると、後から「聞いていなかった」というトラブルになりやすいため、契約前に確認した内容は契約書や特約に残しておきましょう。

もらった家を活用するには?

タダでもらった家は、自分で住むだけでなく、賃貸に出す「活用」という選択肢もあります。ただし、0円物件は修繕や管理を前提とするケースも多く、取得後の使い道を決めないまま所有すると、固定資産税や維持管理の負担だけが残ることがあります。

活用方法に迷う場合は、アキサポのような空き家活用の専門家を頼るのも一つの手です。アキサポでは、空き家の活用や賃貸化、リフォームなどを含めた相談ができるため、「この家をどう使えばよいか分からない」「手間をかけずに活用したい」といった場合にも相談しやすいです。

タダでもらった家を負担で終わらせないためには、取得前後の段階で活用方法まで考えておくことが大切です。自分で使い切れない場合でも、専門家に相談することで、賃貸や再生など別の可能性が見えてくるかもしれません。

よくある質問

Q1:0円物件でも維持費はかかるのでしょうか?

はい。固定資産税・都市計画税に加え、2026年現在は空家対策特別措置法により、管理不十分な空き家(管理不全空き家)は優遇措置が解除され、税負担が最大6倍になるリスクがあります。その他、火災保険や継続的な修繕費も必要です。

Q2:もらってから「やっぱりいらない」と手放すことはできますか?

一度所有権を移転すると、所有者としての管理責任が一生涯発生します。寄付や売却ができない場合、負の動産(負動産)化する恐れがあるため、取得前に「解体して更地にする」などの出口戦略を確定させておくことが不可欠です。

Q3:贈与税は必ずかかるのでしょうか?

贈与税には年間110万円の基礎控除があります。ただし、建物の「固定資産税評価額」に加えて土地の評価額が合算されるため、110万円を超える場合は申告が必要です。また、格安売買であっても時価との差額が「みなし贈与」と判断されるケースがあるため注意してください。

まとめ:家をタダでもらう・あげる前に費用と条件を確認しよう

家をタダでもらえる話は魅力的ですが、物件価格が0円でも、登記費用や税金、修繕費、残置物の処分費などは発生します。さらに、境界や接道、再建築可否、権利関係に問題があると、取得後の活用や売却が難しくなることもあります。

そのため、0円物件を検討するときは、「なぜ無料で譲りたいのか」「取得後にいくらかかるのか」「住む・貸す・売る・解体するなどの出口があるのか」を事前に確認することが大切です。費用や条件を見える化しておけば、タダという言葉に流されず、自分にとって本当に引き受けられる物件か判断しやすくなります。

また、もらった家を自分で使い切れない場合は、賃貸化や空き家活用を検討する方法もあります。活用方法に迷うときは、アキサポのような空き家活用の専門家に相談し、修繕や管理、賃貸化まで含めて無理のない使い道を考えてみましょう。

アキサポに相談してみる

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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