公開日:2026.08.12 更新日:2026.07.27
NEW不動産投資の始め方|初心者が押さえる資金・物件選び・失敗回避

不動産投資初心者とは、実務経験がない状態で不動産運用を検討・開始する人のことです。
家賃収入で安定した収益が得られ、資産形成にもつながりそう…そんな期待から、不動産投資を検討する人は多くいます。しかし同時に、物件選びや資金計画、ローンの組み方に不安はつきものです。
この記事では、不動産投資のしくみや始め方をはじめ、自己資金の目安、物件選び、融資の受け方、失敗を避けるポイントまでを解説。「会社員でも始められるの?」「年収や貯金はどれくらい必要?」「やめとけと言われるのはなぜ?」そういった疑問にもお答えしていきます。
目次
不動産投資の仕組みと収益の出し方

不動産投資とは、アパートやマンションなどの物件を購入し、第三者に貸し出すことで収益を得る投資手法です。収益は大きく2つに分けられます。
家賃収入(インカムゲイン)
入居者から毎月家賃を受け取ることで、長期的な家賃収入を目指す投資方法です。景気変動の影響を比較的受けにくく、入居者がいる限り安定した収入源となるのが特徴です。本業を続けながら副収入を得たいときや、老後の資産形成を考えるときにも向いているでしょう。
売却益(キャピタルゲイン)
購入した物件を、購入価格より高く売却し、その差額で利益を得る投資方法です。短期間で大きな利益を狙いたい方や、市場動向を見ながら柔軟に売却タイミングを判断できる方に向いています。
不動産投資のメリット
最大のメリットは、家賃という比較的予測しやすい収入源を得られることです。入居者がいる間は収入を見込みやすく、長期的な資金計画も立てやすくなります。
融資をうまく活用すれば、自己資金だけでは届かない規模の物件を購入し、家賃収入を返済に充てながら資産形成を目指すこともできます。
実物資産であるため、物価が上がってお金の価値が下がる「インフレ」の対策になる点も大きな魅力といえるでしょう。
不動産投資のデメリットと対策
一方で、空室や家賃下落、修繕費の発生など、収益が想定どおりにならないリスクもつきものです。家賃が下がってもローン返済や管理費などの支出は続きます。
満室を前提にするのではなく、空室や家賃下落を織り込んだ資金計画が必要です。給湯器やエアコンの交換、外壁修繕など、突発的な費用が発生することもあるため、もしものときに備えた資金も確保しておきましょう。
また、不動産は売りたいときにすぐ売却できるとは限りません。売却しやすい立地や物件を選び、購入するときから出口戦略まで見据えて計画しましょう。
不動産投資の主な種類と初心者向きの選び方

不動産投資は、物件の種類によって必要な資金や管理の負担、リスクが異なります。初心者は利回りだけで判断するのではなく、本業と両立しやすいかどうかや、需要の安定性も踏まえて選びましょう。
ここからは、それぞれの特徴や向いている人について見ていきます。
区分マンション投資
マンションの1室を所有して賃貸に出す方法です。比較的少額から始めやすく、管理組合の仕組みによって共用部の管理負担が軽い点は、初心者にも向いているといえます。
駅近など需要の高いエリアであれば、入居率が安定しやすく、売却時も買い手が見つかりやすい傾向があります。一方で、管理費や修繕積立金は毎月発生し、将来的に増額される可能性もあります。
一棟マンション・一棟アパート投資
建物を一棟丸ごと所有するため、区分マンションより大きな家賃収入が期待できます。一方で、空室や修繕の影響も大きく、複数の空室が発生すると、収益が大きく落ち込んでしまう可能性があります。
外壁や屋上、防水、給排水設備などの大規模修繕では、まとまった費用が必要になります。想定される修繕の時期や費用をあらかじめ確認し、資金計画に余裕を持てるかどうかが重要です。
戸建て投資
戸建て住宅を購入して貸し出す投資方法です。物件価格を抑えられるケースもあり、ファミリー層からの需要が見込めるエリアでは長期入居の期待ができるでしょう。
リスクとしては、エリアや物件ごとの差が大きく、収益性にばらつきが出やすいことです。修繕は必要に応じてオーナーの判断になり、対応の遅れは空室や家賃収入の低下につながることも。
将来的な売却も視野に入れ、自宅として購入したい人の需要が期待できる立地や物件選びが投資成果に直結します。
不動産小口化商品・REIT
少額から分散投資でき、入居者対応や修繕手配も不要であることから、初心者でも始めやすい投資方法です。
ただし、実物不動産のように不動産投資ローンを活用したレバレッジ運用は基本的にできません。少ない自己資金で大きく資産を増やしたい方にはマッチしない方法でしょう。
初心者に多い投資目的と目標設定

不動産投資において、目的と目標は非常に重要です。曖昧なままでは、取得すべき物件の種類や投資金額を決められず、営業トークを鵜呑みにしてしまうことにつながりかねません。
ここでは、初心者に多い代表的な投資目的と目標設定をまとめました。
年金対策・副収入
年金対策や副収入が目的なら、毎月いくら手元に残したいかを目標におきます。空室や設備交換なども見込んだ資金計画にしておくと、想定外の赤字を避けやすくなります。
資産形成・インフレ対策
資産形成が目的なら、現金だけに偏らない資産配分を意識することが基本です。評価する際は、毎月の手残りだけでなく、ローン返済によって資産が積み上がっているかも確認しましょう。
節税・相続
節税だけを目的に不動産投資を始めるのは避けましょう。減価償却による節税効果は物件や年収によって異なり、売却するときの税負担についても考えておく必要があります。
相続対策では、評価額だけでなく、納税資金や資産の分けやすさも重要です。税理士などの専門家に相談しながら進めていきましょう。
自己資金はいくら必要?元手と初期費用の目安

不動産投資における自己資金は、一般的に「ローンの頭金」と「最初に必要となる諸費用」に充てられます。
頭金・諸費用・運転資金
頭金とは、不動産購入に必要な費用のうち、ローン借入額を除いた「自分で現金で用意するお金」のことです。
物件購入にあたり必要になる各種費用はこちらです。
- 不動産会社への仲介手数料
- 司法書士報酬
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 火災保険料や地震保険料
- ローンを借りる時の事務手数料など
さらに、空室や修繕、設備交換に備え、数か月分の支出をまかなえる運転資金を確保しておくと安心です。
少額で始める方法
少額で始めるなら、区分マンション投資からスタートし、管理や収支の流れを経験しながら運用する方法がおすすめです。
さらに少ない資金で始めたい場合は、1万円〜数万円程度から投資できる「REIT(不動産投資信託)」や、1口数十万円から現物不動産を共同所有できる「不動産小口化商品(不動産特定共同事業法に基づく商品)」を活用して、仕組みを学ぶのもおすすめです。
現金購入とローン活用の考え方
現金購入は返済がないため資金繰りが安定しやすく、空室にも対応しやすいメリットがあります。ただし、手元資金が減るため、急な修繕費などへの備えが必要になります。
ローンを活用すれば、自己資金を温存しながら資産形成を目指せますが、毎月の返済が求められます。返済を滞らせるリスクはないかを基準に判断しましょう。
レバレッジと返済リスク
少ない自己資金で大きな資産を動かす手法をレバレッジといいます。うまく運用できれば資産形成を効率よく進められますが、空室や家賃下落、金利上昇が起きれば損失の拡大は免れません。万が一のケースを想定したシミュレーションは必須になります。
フルローン・オーバーローンの注意点
物件価格を全額借り入れられるため、初期費用を抑えられるのがフルローンです。注意点としては、返済額や利息負担が増え、毎月の手残りが少なくなることです。
オーバーローンは諸費用まで借りることができ、自己資金をほとんど用意せず始められます。ただし、売却時にローン残高が売却価格を上回るリスクがあります。
不動産投資ローン審査で見られるポイント(年収・属性)
不動産投資ローンでは、どれほどの返済能力があるのかに加えて、購入する物件の価値がチェックされます。
年収・年齢・職業の目安
不動産投資ローンでは、年収や勤続年数、勤務先、完済時の年齢などが重視されます。なぜなら、返済能力が高くなるほど、突発的な支出にも対応しやすくなり、返済が滞るリスクが低くなると考えられているからです。
信用情報と既存借入
不動産投資ローンでは、年収や勤務先だけでなく、現在の借り入れ状況も審査の対象です。自動車ローンやカードローンなどの既存借入も返済能力を判断する材料になります。延滞履歴があると審査に響く可能性があるため注意しましょう。
不動産投資の始め方と流れ
ここからは実際に不動産投資を始めるときの、大まかな流れをご紹介します。
情報収集とエリア選定
エリア選びは空室リスクや資産価値に直接的に関わってきます。チェックするポイントは、人口動態や賃貸需要、家賃相場、再開発、駅へのアクセスなどです。安定した需要が見込める地域を選びましょう。あわせて、生活施設や治安、競合物件の状況など、入居者目線で住みやすさを確認することも大切です。
不動産会社の選び方と面談の進め方
不動産会社は1社だけで判断せず、複数社を比較することをおすすめします。面談では、メリットだけでなく、空室や家賃下落、修繕費、金利上昇などのリスクを具体的に説明してくれるかを確認しましょう。そのほか、購入後の管理や売却までサポートしてもらえるかも確認しておくと安心です。
物件選定と収支シミュレーション
表面利回りだけでなく、家賃収入から管理費や修繕費、税金、保険料、空室リスクなどを反映した実際の収支で物件を判断しましょう。シミュレーションでは、家賃下落や修繕費の増加も想定します。収支が悪化しても運用を続けられるかが大切です。
購入手続きと契約の注意点
購入前には、重要事項説明で修繕履歴や管理状況、滞納の有無などに目を通しておきます。契約では、手付金やローン特約、契約解除の条件なども忘れずにチェックしましょう。
購入後の運用と管理
物件の購入後は、入居者募集や家賃回収、修繕対応などの運用がはじまります。管理会社へ任せる場合でも、入居率や空室期間、修繕対応などを定期的にチェックしましょう。あわせて年に一度ほど、家賃相場や金利、修繕計画などの見直しもおこないます。
物件選びで見るべき指標

物件の良し悪しは利回りだけで判断できません。キャッシュフローや賃貸需要、修繕費なども含めて総合的に判断しましょう。
利回りの見方(表面利回り・実質利回り)
物件情報サイトによく掲載されている表面利回りは、物件を探すときの指標として役立ちます。ただし、この数字には管理費や修繕費などのコストが含まれていません。物件を比較検討するときには、管理費や修繕費、税金、空室による損失などを反映した実質利回りも、あわせて確かめておきましょう。
キャッシュフローと返済比率
家賃収入から経費とローン返済を差し引いた、毎月の手残りがキャッシュフローです。この数字は、不動産投資を続けていく持久力に直結します。平常時だけでなく、空室や家賃下落が起きた場合でも耐えられるかどうかが重要です。
賃貸需要・家賃相場・空室率
将来の収益性を見極める重要な指標が空室率・家賃相場・賃貸需要です。周辺の募集家賃や競合物件、入居者層を確認し、継続的な需要が見込めるかを判断しましょう。また、空室期間や広告費、原状回復費も踏まえて収支を試算しましょう。
修繕費・管理費・税金の見積もり
想定していた収益を確保できない…そんな状況を避けるためには管理費や修繕費、税金の正しい見積もりが欠かせません。
特に区分マンションでは、管理費や修繕積立金、一棟物件では大規模修繕費などがまとまって必要になります。購入前に固定資産税や保険料も含めて年間の支出を把握しておきましょう。
不動産投資のリスクと回避策

不動産投資のリスクを完全になくすことはできませんが、適切な対策を講じることでその影響を抑えることは可能です。代表的なリスクと回避策をご紹介します。
空室リスク
不動産投資の代表的なリスクのひとつが、家賃収入が減少する空室です。駅へのアクセスや生活利便性など、入居者の需要が見込める立地を選び、周辺の家賃相場を踏まえたうえで、適正な賃料を設定しましょう。
家賃滞納リスク
家賃滞納が起こると、収入が遅れるだけでなく、督促などの対応負担も生じます。対策としては、保証会社を利用するのがおすすめです。家賃を回収できないリスクを軽減しやすくなります。
修繕・老朽化リスク
建物の老朽化は避けられません。修繕費は必ず計画に見込んでおき、購入する前に修繕の履歴や長期修繕計画を確かめておきましょう。
さらに、購入後に雨漏りなどの不具合が見つかった場合の「契約不適合責任(昔の瑕疵担保責任)」のトラブルを防ぐためにも、専門家が建物を調べる「インスペクション」を事前に行い、物件の欠陥を把握しておくリスク管理が不可欠です。
金利上昇リスク
ローンを利用する場合、金利が上昇すると返済額が増える可能性があります。固定金利と変動金利、それぞれの特徴を理解したうえで、返済額が増えた場合でも対応できるような資金計画を立てておきましょう。
災害リスク
自然災害は発生頻度こそ高くありませんが、大きな損害につながる可能性があります。ハザードマップで災害リスクを確認し、火災保険や地震保険の補償内容もあらかじめチェックしておきましょう。
流動性・売却価格変動リスク
不動産は株式のようにすぐ売却できる資産ではありません。需要のある立地や管理状態の良い物件を選び、購入時から出口戦略を考えておきましょう。
初心者が失敗しやすいパターン

数字の一部だけを見る、都合の良い前提だけで考える、確認を後回しにする…これらは初心者が陥りやすい失敗の典型例です。
利回りだけで判断する
利回りが高い物件には、築年数が古い、賃貸需要が低い、修繕費がかかるなどの理由がある場合がほとんどです。収益性を判断するときは、表面利回りだけでなく、実質利回りや空室率、修繕費、税金なども含めましょう。
資金計画が甘い
物件購入後は、諸費用や税金、空室、修繕費など、さまざまな支出が発生します。想定外の支出があっても生活費に響かないよう、余裕をもって資金を確保しましょう。
出口戦略がない
計画性がないまま、手間とコストだけがかかってしまっては、いずれ不良資産となりかねません。保有を続けるのか、売却するのか、それとも買い換えるのか。あらかじめ考えておく必要があります。
不動産会社・管理会社選びで失敗する
「節税になる」「すぐ埋まる」「今だけ」といった、根拠の弱い営業トークをそのまま信じてしまうのは危険です。
必ず複数の不動産会社や管理会社を見比べて、物件のメリットだけでなくリスクも丁寧に説明してくれるかを確かめましょう。
個人で買うか法人で買うかの判断基準
不動産投資は、同じ物件であっても「個人名義」と「法人名義」のどちらで所有するかによって、税金の扱いや融資条件、経費の取り扱いなどが、大きく変わってきます。
| 比較項目 | 個人名義 | 法人名義 |
|---|---|---|
| 始めやすさ | ◎ 手続きが比較的シンプルで、初心者でも始めやすい | △ 法人設立や会計・税務の手続きが必要 |
| 税金 | 所得が増えると税負担が大きくなる場合がある | 利益の残し方や役員報酬など、税務上の選択肢が広がる |
| 融資 | 個人の年収や勤務先などの属性が重視される | 法人の実績や事業計画なども審査対象になる |
| 維持コスト | ランニングコストを抑えやすい | 法人維持費や会計・税務の費用がかかる |
| 規模拡大 | 保有戸数が増えると税負担や融資面で制約を受けることがある | 複数物件の取得や事業拡大を進めやすい場合がある |
| 向いている人 | 初めて不動産投資を始める人、小規模で運用したい人 | 将来的に規模を拡大したい人、事業として運用したい人 |
大切なのは節税だけで判断するのではなく、税務や融資、管理コスト、出口戦略まで含めて検討することです。将来的な買い増しや資産管理も見据えながら、必要に応じて税理士などの専門家に相談するのもよいでしょう。
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由
「不動産投資はやめとけ」と言われる背景には、空室や修繕費、ローン返済といったリスクの存在があります。ただしその多くは、不動産投資そのものが問題なのではなく、知識不足や資金計画の甘さによって招いた失敗であることがほとんどです。
購入前には、次のポイントを確認しましょう。
- 周辺の売買価格や家賃相場を調べ、提案された価格が相場からかけ離れていないかどうか
- 収支シミュレーションに、空室率や修繕費、税金などの費用がきちんと反映されているか
- 売却時の想定価格やローン残高を踏まえて、出口戦略まで考えられているか
- 金利上昇や空室が発生した場合でも、無理なく運用を続けられる資金計画になっているか
- メリットだけでなく、リスクについても具体的な説明を受けたうえで判断する
まとめ|不動産投資初心者が最初にやるべきこと
不動産投資は、まず目的を明確にしたうえで、資金計画を立てていくことが大切です。毎月の収支や許容できるリスク、将来の売却まで見据えた運用計画を考え、無理のない借入額を設定しましょう。
また、複数の不動産会社を比べてみて、リスクや収支を具体的な数字で説明してくれる会社を選ぶことも重要です。
今回ご紹介したポイントをひとつずつ確かめながら、納得できる不動産投資をめざしていきましょう。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






