公開日:2026.09.17 更新日:2026.08.31
NEW共同オフィスとは?種類・設備・料金相場と選び方

共同オフィスを選ぼうとしても、コワーキングスペースやシェアオフィス、レンタルオフィスなど呼び方がさまざまで、違いがわかりにくいですよね。「安いから」と直感で選ぶと、追加オプションで予想以上の出費になるケースも少なくありません。
せっかく仕事をする場所を選ぶなら、できるだけ費用を抑えつつ、自分の働き方に無理なく合う環境を見つけたいところです。そのためには、施設の名称だけでなく、どのような席を使えるのか、いつ利用できるのか、仕事に必要な設備が揃っているのかといった実際の使い勝手まで比べてみる必要があります。
そこでこの記事では、共同オフィスの種類や設備、料金相場、メリット・デメリットを整理しながら、自分に合った施設を選ぶためのポイントを解説します。あわせて、空き家を共同オフィスとして活用する場合に確認しておきたいことも紹介します。
目次
共同オフィスとは

共同オフィスとは、1つのワークスペースや会議室、Wi-Fiなどを複数の事業者や個人で共用するオフィスの形態です。基本的には、机や椅子、Wi-Fi、電源など仕事に必要な設備があらかじめ用意されており、施設によっては会議室や電話ブース、複合機、法人登記、郵便物の受け取りといったサービスも利用できます。
自分で一からオフィス環境を整える必要がないため、できるだけ早く仕事を始めたい方や、初期費用を抑えて仕事場を確保したい方に向いています。フリーランスや個人事業主のほか、事業を立ち上げたばかりの企業、短期プロジェクトのチーム、在宅勤務以外の作業場所を探している方など、幅広い層に利用されています。
一般的な賃貸オフィスとの違い
【初期費用】低コスト(敷金・礼金不要または数ヶ月分程度)
【準備期間】契約後、即日〜数日で利用可能
【内装・家具】工事不要・デスクやWi-Fiなど完備
【契約の柔軟性】1名分・月単位での増減や短期間の契約が可能
【初期費用】高コスト(保証金6〜12ヶ月分+工事費など)
【準備期間】物件選定からオープンまで数ヶ月を要する
【内装・家具】自社で一から内装工事や什器手配が必要
【契約の柔軟性】年単位での長期契約が一般的(中途解約ペナルティ有)
一般的な賃貸オフィスとの主な違いは、仕事を始めるまでに必要な準備や費用の大きさです。
賃貸オフィスでは、自社だけで使う区画を借りたうえで、内装や家具、インターネット回線などを自分たちで整える必要があります。そのため、敷金・礼金・保証金だけでなく、内装工事や什器の購入などにも費用と時間がかかります。
一方、共同オフィスは、机や椅子、Wi-Fiなど仕事に必要な設備があらかじめ整っているため、初期費用や準備の手間を抑えやすいのが特徴です。必要な席数から利用を始め、人数の増減に合わせて契約内容を調整しやすい点も、一般的な賃貸オフィスにはない使いやすさといえます。
バーチャルオフィスとの違い
バーチャルオフィスとの大きな違いは、実際に仕事をするためのスペースが用意されているかどうかです。バーチャルオフィスは、事業用の住所や郵便物の受け取りなど、オフィスに必要な一部の機能を利用するサービスで、基本的には日常的に仕事をする場所としてのスペースは含まれません。
一方、共同オフィスは、机やWi-Fi、会議室などを使って、その場で実際に仕事ができます。施設によっては、法人登記や郵便物の受け取りにも対応しているため、作業場所を確保しながら、バーチャルオフィスに近い機能もあわせて利用できます。
共同オフィスの種類と違い

共同オフィスの主な種類は以下のとおりです。
- コワーキングスペース
- シェアオフィス・レンタルオフィス
- サテライトオフィス
それぞれ、利用できる席やスペース、料金体系、利用者同士の距離感などが異なります。あなたの働き方に合う施設を見つけられるよう、特徴をチェックしましょう。
また、似たサービスにレンタルスペースがありますが、こちらは仕事用の空間に限らず、「空いたスペースを時間単位で貸し出す(借りる)サービス」です。
コワーキングスペース
コワーキングスペースは、一つの空間を複数の利用者で共有し、空いている席を自由に使うフリーアドレス型が中心です。月額契約のほか、数時間や1日単位で利用できる「ドロップイン」に対応している施設もあり、必要なときだけ仕事場を確保したいフリーランスやリモートワーカーにも向いています。
利用者同士の交流を重視し、イベントやコミュニティ活動を行っている施設があるのも特徴です。ただ、会話や人の出入りが多い施設では集中しにくい場合もありますので、静かな環境を重視する方は、見学時に施設の雰囲気も確認しておくとよいでしょう。
シェアオフィス・レンタルオフィス
シェアオフィスやレンタルオフィスは、ラウンジや会議室などを共用しながら、自分や自社で使える席・区画を確保しやすいタイプです。半個室や個室を利用できる施設も多く、共用オフィスの利便性を取り入れながら、仕事に集中できる環境やプライバシーも確保しやすくなります。
そのため、個人だけでなく、小規模なチームや法人の仕事場としても利用しやすいでしょう。法人で利用する場合は、受付や郵便物の受け取り、来客時に使える会議室、法人登記への対応など、日々の業務に必要なサービスが揃っているかも確認しておきたいところです。
サテライトオフィス
サテライトオフィスは、本社やメインオフィスとは別に設ける仕事場で、企業の分散勤務や出張時の拠点などに利用されるものです。複数の拠点を利用できるサービスもあり、従業員が自宅や訪問先に近い場所で働ける環境を整える目的でも活用されています。
本社へ毎日出勤する必要がなくなるため、通勤時間の短縮や柔軟な働き方につなげやすいのが特徴です。また、営業先の近くに一時的な仕事場を確保したり、複数地域に勤務拠点を設けたりと、企業の働き方に合わせてさまざまな使い方ができます。
共同オフィスの料金相場と費用内訳

共同オフィスの料金は、種類によって大きく異なります。比較的安価なのはコワーキングスペースで、シェアオフィス・レンタルオフィスは個室を確保できるため高額になりやすいです。それぞれの料金の目安と料金体系は以下のとおりです。
| 種類 | 料金の目安 | 主な料金体系 | 受けられる主なサービス |
|---|---|---|---|
| コワーキングスペース | 月1万〜3万円 | 月額制、時間・1日単位のドロップイン | フリーアドレス席、Wi-Fi、電源、共用ラウンジ、会議室など |
| シェアオフィス・レンタルオフィス | 1席あたり月3万円〜(個室・都心部は10万円〜) | 月額制が中心 | 固定席・個室、Wi-Fi、会議室、受付、郵便受取、法人登記など |
| サテライトオフィス | 1時間700〜2,000円 / 月3万〜5万円 | 従量課金制、月額定額制、法人契約 | オープン席・個室、Wi-Fi、会議室・電話ブース、複数拠点利用など |
なお、共同オフィスでは月額料金とは別に、入会金や保証金、会議室、法人登記、郵便物の受け取り、ロッカーなどの費用が発生する場合があります。料金を比較するときは、基本料金だけでなく、必要なサービスを含めた総額を見ることが大切です。
共同オフィスを利用するメリット
共同オフィスには、一般的な賃貸オフィスよりも少ない負担で仕事場を確保しやすいというメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。
- 初期費用・固定費を抑えやすい
内装工事や家具、インターネット回線などを一から用意する必要がなく、必要な席数だけ契約できるため、初期費用や毎月の負担を抑えやすい - 人数や期間に合わせて利用しやすい
月額契約のほか、ドロップインや短期利用に対応する施設もあり、事業規模や働き方の変化に合わせやすい - 仕事に必要な設備をすぐに使える
Wi-Fiや電源、机・椅子に加え、会議室や電話ブース、複合機などを備えた施設も多く、契約後すぐに仕事を始めやすい - 利用者同士の交流が生まれることがある
日常的な交流やイベントを通じて、異業種の利用者と知り合う機会が生まれる
共同オフィスを利用するデメリットと注意点
一方で、複数の利用者が同じ施設を使う共同オフィスならではのデメリットもあります。
- プライバシーや情報管理に配慮が必要
周囲にほかの利用者がいるため、画面の覗き見や会話の聞き取り、書類の置き忘れなどによる情報漏えいには注意が必要 - 混雑や設備の利用制限がある
フリーアドレスでは空席が少なくなったり、会議室や電話ブースを希望する時間に使えなかったりすることがある - 利用者層や施設の雰囲気に左右されやすい
会話や人の出入りが多い施設では、仕事内容によっては集中しにくい場合がある。照明や空調、周囲の音なども、仕事のしやすさに影響しやすい
共同オフィスが向いている人・企業
共同オフィスは、専用のオフィスを構えるほどではないものの、仕事に適した環境を確保したい人や企業に向いています。特に、利用人数や働く場所が変わりやすい場合は、必要な分だけ柔軟に使えるメリットを感じやすいでしょう。
スタートアップ・少人数企業
スタートアップや少人数企業は、事業の成長に合わせて従業員数が変わりやすいため、最初から広い賃貸オフィスを借りると、使わない席やスペースが生まれることがあります。
その点、共同オフィスなら、少ない席数から利用を始め、人数が増えた段階で固定席や個室へ移るといった使い方ができます。会議室や受付、法人登記などに対応する施設もあるため、小規模でも仕事に必要なオフィス機能を整えやすい点もメリットです。
フリーランス・個人事業主
フリーランスや個人事業主にありがちな、自宅では仕事に集中しにくい、生活と仕事の切り替えが難しいといった悩みにも、共同オフィスは向いています。仕事専用の場所を持つことで、家事やテレビ、家族の生活音などに気を取られにくくなりますし、仕事場へ向かうこと自体がオン・オフの切り替えにもなります。逆に、在宅だとだらだら仕事を続けてしまう方にも向いているでしょう。
また、自分だけの事務所を借りるよりも費用を抑えやすい点も大きな利点です。ドロップインに対応している施設なら必要なときだけ利用できますので、集中したい日や打ち合わせがある日だけ使うというのも良い手です。
リモートワーカー・副業利用者
リモートワーカーや副業利用者にも、自宅とは別の作業場所として共同オフィスが向いています。家族がいる時間帯や自宅でオンライン会議をしにくい場合でも、電話ブースや個室のある施設なら、仕事に集中しやすい環境を確保できます。
数時間だけ利用できる施設も多いため、終日オフィスを借りる必要がない人でも使いやすいのが特徴です。自宅と仕事場を分けることで、生活と仕事の切り替えもしやすくなります。
サテライト拠点を設けたい企業
本社以外にも従業員が働ける場所を用意したい企業にも、共同オフィスは適しています。自社で各地域にオフィスを借りるよりも、初期費用を抑えながら短期間で拠点を用意しやすいため、必要な地域へスピーディーに展開できます。
また、必要な地域や人数に合わせて柔軟に増減できるメリットもあります。出張先で一時的に使う、特定エリアだけ拠点を増やすといった運用もしやすく、固定的なオフィスを増やすよりもフレキシブルに働く場所を確保できます。
共同オフィスの選び方

共同オフィスを選ぶときは、料金の安さだけでなく、自分がどのように使いたいのかを基準に比較することが大切です。通いやすさや設備、利用時間、施設の雰囲気などをまとめて確認すると、自分に合う施設を絞り込みやすくなります。
| 確認項目 | 主に見るポイント | 選ぶときの考え方 |
|---|---|---|
| 立地・利用時間 | 自宅や駅からの距離、乗り換え、営業時間、休日利用 | 毎日使うなら通いやすさ、商談が多いなら来客のアクセスも重視する |
| 料金プラン・契約条件 | 月額・時間利用、入会金、保証金、最低利用期間、解約条件 | 利用頻度が少ないなら時間利用、継続利用なら月額プランも比較する |
| 設備・席の種類・混雑状況 | 固定席・個室、会議室、電話ブース、Wi-Fi、電源、混雑状況 | 普段の仕事内容に必要な設備を無理なく使えるかを見る |
| 利用者層・雰囲気 | 会話量、人の出入り、照明、空調、スタッフの対応 | 集中を重視するなら静かな施設、交流を求めるならコミュニティ型が向く |
| セキュリティ・法人登記 | 入退室管理、監視カメラ、ゲスト管理、Wi-Fi、登記対応 | 機密情報を扱う場合や法人利用では、セキュリティと登記可否を重視する |
写真や設備一覧だけでは分からない部分も多いため、候補が絞れたら実際に見学や体験利用をしてみるとよいでしょう。普段利用する時間帯に足を運べば、混雑状況や周囲の音、椅子の使い心地、通信環境なども確認できます。
空き家を活用して共同オフィスをつくる方法
共同オフィスは既存の施設を利用するだけでなく、使われていない空き家を改修して新たにつくることもできます。地域の仕事場や企業のサテライト拠点として活用できれば、空き家に新しい役割を持たせることも可能です。
使われていない空き家を放置すると、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき「管理不全空家」に指定され、自治体からの改善勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(1/6軽減等)が解除されて税金が跳ね上がるリスクがあります。共同オフィスとして有効活用することは、節税対策や地域の「空家等活用促進区域」による規制緩和の活用にも繋がります。ここでは、空き家を共同オフィスへ安全に再生するためのポイントを解説します。
共同オフィスに向く立地・建物か確認する
まずは、その空き家が共同オフィスとして使いやすい立地や建物かを確認しましょう。駅や幹線道路からのアクセスや、駐車場や通信環境の確保、近隣の飲食店やコンビニなどもチェックしておきたいポイントです。
建物については、採光や換気、空調を確保できるか、会議室や静かな作業スペースを分けられるかといった点を見ておきましょう。あわせて、用途地域の制限上、事務所として利用できる建物かを確認します。
戸建て住宅などを共同オフィス(事務所や店舗)へリノベーションする場合、用途や規模に応じて建築基準法や消防法の手続きが必要です。特に「店舗」や「カフェ」などを併設する特殊建築物への用途変更で、該当床面積が200㎡を超える場合は建築確認申請が必要となります(※純粋な事務所への変更は確認申請不要ですが、2025年4月施行の改正建築基準法による大規模改修時の新ルールや、消防署への防火対象物使用開始届出などは面積を問わず必須です)。
必要な改修と運営方法を整理する
共同オフィスとして使うには、室内の設備を整えるだけでなく、予約や決済、清掃、防犯、鍵の管理など、日々の運営方法も決めておく必要があります。
特に築年数の古い空き家では、断熱性や電気容量、通信回線がオフィス利用に十分でないこともあります。そのため、初期の改修内容だけでなく、運営開始後にかかる光熱費や通信費、保険料、設備の保守費まで見ておくことが必要です。
「アキサポ」の空き家活用サービスを利用する
空き家を共同オフィスにしたいと思っても「この建物で本当に活用できるのか」「どこまで改修が必要なのか」といった不安から、実際に動き出すのをためらっている方は多いと思います。
そんなときこそ、空き家活用の専門家である「アキサポ」に相談してみてください。アキサポは、使われていない空き家と活用したい人をつなぐ「空き家活用サービス」で、物件探しから改修プラン、維持管理までをワンストップで相談できます。
実際に、築52年の旧社宅をクリエイター向けのシェアオフィスへ再生した事例もあります。この物件は10年以上使われず、インフラ設備の老朽化から大規模な改修が必要だった建物でしたが、渋谷駅徒歩5分という立地を活かした貸しオフィスへと生まれ変わりました。
また、アキサポでは空き家物件の販売や賃貸物件の紹介も行っていますので「共同オフィスにできそうな物件を探したい」といった段階からの相談も問題ありません。難しく考えずに、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ|共同オフィスは「どう使いたいか」を基準に選ぼう
共同オフィスを選ぶ際に大切なのは、自分が希望する働き方に合った場所を選ぶことです。費用を抑えたい、集中できる場所がほしい、法人の拠点として使いたいなど、目的がはっきりすれば、必要な設備や料金プランも自然と絞り込めます。
まずは、自分が共同オフィスを使う頻度や人数、必要な設備を書き出し、候補となる施設を比べてみましょう。気になる施設があれば、実際に見学や体験利用をしてみると、料金表や写真だけでは分からない使い勝手も見えてきます。
また、所有している空き家を共同オフィスとして活用する方法もあります。アキサポでは無料で相談を受け付けておりますので、空き家の活用や物件探しをご検討の際にはぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。





