公開日:2026.09.26 更新日:2026.08.31
NEW二拠点生活で空き家を持つと年間いくら?維持費と移動費の内訳

「二拠点生活に憧れるけど、空き家の維持費がいくらかかるか不安」と悩んでいませんか?週末を好きな地域で過ごす暮らしは魅力的ですが、本宅に加えてどれくらい費用がかかるかは気になりますよね。
空き家は、購入価格が安ければ維持費が安いとは限りません 。所有しているだけでも固定資産税や保険料がかかり、利用するには水道光熱費や修繕費、草刈りなどの管理費も必要です。さらに、拠点までの距離や通う頻度によっては、交通費が空き家の維持費を上回ることもあります。
そこでこの記事では、年間費用のモデルケースをはじめ、空き家の固定費や修繕・管理費、移動・生活にかかる費用、無理のない予算の立て方、費用を抑える方法などを解説します。
目次
二拠点生活にかかる年間費用の全体像

まずはモデルケースを使って、二拠点生活にかかる年間費用の全体像を見てみましょう。
以下は、税金や保険料、水道光熱費、管理費などに加え、拠点間の交通費や現地での生活費を含めた年間予算の一例です。
| 費用項目 | 年額の例 |
|---|---|
| 固定資産税などの税金 | 6万円 |
| 火災・地震保険料 | 3万円 |
| 水道光熱費・通信費 | 12万円 |
| 管理・見回り費 | 12万円 |
| 修繕予備費 | 20万円 |
| 拠点間の交通費 | 24万円 |
| 現地の車・生活用品にかかる費用 | 15万円 |
| 合計 | 92万円 |
このモデルケースでは、年間費用は92万円、月平均にすると約7.7万円です。空き家の購入費とは別に、毎月これだけの金額を無理なく負担できるかが、二拠点生活を続けられるか判断する一つの目安になります。
ただし、実際の金額は、物件の評価額や建物の状態、拠点までの距離、移動手段、訪問回数などによって変わります。表の金額をそのまま当てはめるのではなく、検討している物件の税額や管理・修繕の見積もり、1回あたりの交通費に置き換えて、自分の場合の年間予算を計算してみましょう。
空き家を持つと毎年かかる固定費

年間費用の全体像がつかめたところで、ここからは内訳を個別に見ていきましょう。まず確認したいのが、所有や契約を続けているだけで発生する固定費です。
固定費は本宅の生活費に上乗せされ、毎年継続して支払うことになります。購入後に負担が重いと感じないよう、物件を選ぶ段階で金額を確認しておきましょう。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は土地と建物の所有者に課される税金で、都市計画税は、市街化区域内にある土地・建物などが対象になる税金です。それぞれの税率と計算方法は以下のとおりです。
- 固定資産税=課税標準額×1.4%
- 都市計画税=課税標準額×自治体が定める税率(上限0.3%)
住宅が建っている土地には「住宅用地に対する課税標準の特例(住宅用地特例)」が適用され、土地の固定資産税が最大6分の1(200㎡以下の小規模住宅用地の場合)、都市計画税が3分の1に減額されます。 ただし、放置によって周囲に危険を及ぼす「特定空き家」や、放置すれば特定空き家になる恐れがある「管理不全空き家」に指定されて自治体の勧告を受けると、この特例が解除されて土地の税金が大幅に上がってしまう点には注意が必要です。
例えば、土地の評価額が600万円、建物の評価額が300万円で、土地全体に小規模住宅用地の特例が適用される場合は、以下のようになります。
| 税金の内訳 | 計算方法 | 年額 |
|---|---|---|
| 土地の固定資産税 | 600万円 × 1/6 × 1.4% | 1万4,000円 |
| 建物の固定資産税 | 300万円 × 1.4% | 4万2,000円 |
| 土地の都市計画税 | 600万円 × 1/3 × 0.3% | 6,000円 |
| 建物の都市計画税 | 300万円 × 0.3% | 9,000円 |
| 合計 | 7万1,000円 |
※実際の税額は負担調整措置や自治体独自の軽減措置などによって異なる場合があります。
二拠点目の建物が住宅用地特例や不動産取得税の軽減対象になるかは、「セカンドハウス」として認められるかが分かれ目です。 税法上、単なる「別荘(保養目的)」は特例の対象外ですが、毎月1日以上の居住など一定の要件を満たして自治体に認められた「セカンドハウス(居住用)」であれば、住宅用地特例や税の軽減措置が適用されます。申請期限や必要書類(毎月の利用実績を証明する領収書や高速道路の利用明細など)は自治体ごとに異なるため、事前に税務課へ確認しておきましょう。
火災保険・地震保険
火災保険料は、建物の構造や所在地、築年数、補償範囲などによって変わります。水災や風災の補償を付けるか、自己負担となる免責金額をいくらにするかによっても保険料が変わるため、災害リスクと支払額のバランスを考えましょう。
また、二拠点目は利用頻度や不在期間によって、保険の引受条件が変わることがあります。実際の使い方を保険会社へ伝え、加入できる保険と補償内容を確認してください。
水道光熱費・通信費の基本料金
電気、ガス、水道、インターネット回線などは、ほとんど使わない月でも、契約を続けていれば基本料金がかかります。本宅と二拠点目で同じ契約が重なるため、一つひとつの金額は小さくても、年間ではまとまった負担になります。
使わない期間だけ契約を止めれば費用を抑えられますが、毎回再開手続きが必要です。また、電気や水道を止めると換気や定期的な通水ができず、家の劣化を早める恐れもあります。
管理委託費・見回り費
遠方に住んでいて頻繁に通えない場合は、管理会社などへ定期的な見回りを依頼する費用も見込んでおきましょう。換気や通水、ポストの確認、建物の外観点検などを任せれば、不具合や近隣トラブルの原因を早めに発見しやすくなります。
料金は、訪問回数と依頼する作業の範囲によって変わります。月1回の見回りに加え、台風や大雪のあとの臨時点検、緊急時の駆け付け、草刈りなどを依頼できるサービスもあります。契約前に、定額料金に含まれる作業と、別料金になる対応を確認しておきましょう。
二拠点生活で発生する変動費・突発費

毎年ほぼ一定額を支払う固定費とは異なり、建物の修繕や庭の手入れにかかる費用は、セカンドハウスの状態や季節によって変わります。何も問題が起こらなければ支出の少ない年もありますが、設備の故障や自然災害が重なると、一度にまとまった費用が必要になることもあります。
特に二拠点目の住まいは不在期間が長く、不具合の発見が遅れやすい点に注意が必要です。起こりやすい問題と必要な管理を把握し、年間予算とは別に修繕や緊急対応のための予備費を確保しておきましょう。
屋根・外壁・水回りなどの修繕費
セカンドハウスを長期間不在にしていると、屋根や外壁、雨樋などの雨水を防ぐ部分に加え、給排水管や給湯器などの設備にも不具合が生じることがあります。小さなひび割れや雨樋の詰まりであれば比較的軽い補修で済みますが、放置して雨漏りや木材の腐食まで進むと、壁や天井を含む大がかりな工事が必要になりかねません。
不在期間が長いほど、こうした異変に気づくタイミングは遅くなります。住んでいれば音や臭い、湿気などから気づける雨漏りや漏水も、二拠点目では数か月見過ごしてしまう可能性があります。滞在時に建物の内外を確認するだけでなく、台風や大雪のあとに臨時点検を行える体制も整えておきましょう。
草刈り・剪定・害虫害獣・雪対策にかかる費用
雑草や庭木を放置すると、枝の越境や落ち葉の飛散によって近隣へ迷惑をかけるほか、害虫や害獣が住み着く原因にもなります。つる植物が外壁や雨樋まで伸びれば、建物の劣化につながることもあります。
こうした問題を防ぐために、あらかじめ雑草が伸びやすい時期や剪定に適した時期、積雪地域で除雪が必要になる時期などを確認し、年間の管理予定を立てておきましょう。すべて自分で対応するのが難しい場合は、夏の草刈りや冬の雪下ろしなど、訪問しにくい時期の作業だけ業者へ依頼する方法もあります。
防犯・清掃・ごみ処分・近隣対応にかかる費用
郵便物がたまっていたり、庭や建物が荒れていたりすると、長期間不在であることが周囲から分かりやすくなり、防犯面の不安が高まります。また、台風で建材が飛散する、雨樋から水があふれる、害虫が発生するといった問題が起きれば、近隣への対応も必要です。
このような問題が発生してから業者を緊急手配すると、通常より高額な費用がかかる場合があります。費用節約のためにも、適切な管理ができる頻度での訪問を心がけましょう。難しい場合は、定期的な見回りを依頼したほうが、最終的な支出を抑えられる場合もあります。
二拠点生活で見落としやすい移動・生活の費用

二拠点生活を始めると、拠点間の移動や現地での生活にもお金がかかります。特に移動費は、拠点までの距離や通う頻度によって大きく変わり、場合によっては建物の維持費を上回ります。一般的な相場だけで考えず、誰が、どの交通手段で、年に何回訪れるのかを想定して計算しましょう。
新幹線・高速道路・ガソリンなどの移動費
新幹線や飛行機を利用する場合は、1回の往復運賃に年間の訪問回数と人数を掛けて、1年間の移動費を見積もります。自家用車で通う場合は、高速道路料金やガソリン代に加え、走行距離の増加に伴う点検費やタイヤなどの消耗品代も考慮しましょう。
また、年末年始や大型連休などは、航空券や一部の交通機関の料金が高くなることがあります。安い時期の料金だけで計算せず、実際に訪れる時期の金額を確認することが大切です。
現地の車・駐車場・冬用タイヤなどの費用
駅やバス停から距離がある場合は、現地での移動手段として、車がもう1台必要になることがあります。この場合、車両の購入費以外にも、駐車場代や自動車税、保険料、車検・整備費、ガソリン代などがかかります。さらに積雪地域では、冬用タイヤやタイヤの保管、除雪用品にも費用がかかります。
一方、滞在日数が少なければ、車を所有するよりも、訪問するたびにレンタカーやカーシェア、タクシーを利用したほうが負担を抑えられる場合があります。
家具・家電・日用品を二重に持つ費用
二拠点目でも普段どおりに暮らすには、冷蔵庫や洗濯機、寝具、調理器具、掃除用品などをもう一組そろえる必要があります。そのため、利用を始める初年度は購入費がまとまって発生します。
ただし、本宅と同じものを最初からすべて用意する必要はありません。まずは寝具や照明、調理器具など、滞在に欠かせないものからそろえ、必要に応じて買い足しましょう。本宅で使っていない家具・家電を移したり、中古品や家具付き物件を活用したりすれば、初期費用を抑えられます。
セカンドハウスの維持費を左右する3つの要素

ここまで見てきた固定費や修繕・管理費、移動費などは、物件の立地や建物の状態、利用方法によって変動します。そのため、一般的な相場やモデルケースだけを参考にすると、実際の維持費との間に大きな差が生じることもあります。
では、どのような条件が費用に影響し、具体的にどのような支出につながるのでしょうか。ここでは、特に維持費を左右しやすい3つの要素を見ていきましょう。
立地・拠点間の距離・気候
維持費への影響が特に大きいのが、セカンドハウスの立地です。本宅から遠いほど1回あたりの交通費が増え、移動にも時間がかかります。気軽に訪問できない場所では、換気や清掃、建物の点検を管理会社へ依頼する機会も増えるため、物件価格が安くても年間の負担が大きくなることがあります。
また、地域の気候や災害リスクによっても、必要な管理は変わります。積雪地域では除雪や水道管の凍結対策、海沿いでは塩害を受けた金属部分の補修、湿気の多い地域では換気やカビ対策が必要です。必要な費用を見積もるには、現地のハザードマップの確認や、不動産会社への相談などが有効です。
築年数・建物の状態・敷地の広さ
築年数が古い物件では、屋根や外壁、給湯器、給排水管などが耐用年数を迎えている可能性が高く、その分だけ修繕リスクも高まります。ただし、建物の劣化具合は、これまでの手入れの頻度や方法によっても変わるので、修繕履歴を確認して、どの部分がいつ補修・交換されているのかを把握しておきましょう。
現在の建物の状態も、今後の維持費を大きく左右します。雨漏りやシロアリ被害、床の傾き、配管の劣化などがあれば、購入後すぐに修繕費が必要になるかもしれません。
また、敷地が広い物件ほど、草刈りや樹木の剪定、落ち葉の清掃に手間と費用がかかります。擁壁や塀、物置などがあれば、それぞれの点検や補修も必要です。建物の広さだけでなく、敷地全体を自分で管理できるのか、業者へ依頼する場合はいくらかかるのかまで確認しておきましょう。
利用頻度・管理方法・ライフラインの契約
立地や建物の状態が同じでも、セカンドハウスをどのくらいの頻度で利用し、誰が管理するかによって維持費は変わります。
たとえば、管理委託費用については、週ごとや月ごとに訪問できれば自分で対応ができるかもしれませんが、数カ月に一度程度では、外部に委託する必要が出てくるでしょう。
また、利用頻度は、電気や水道、ガス、インターネットなどの契約を維持するかどうかにも関わります。使わない期間に契約を停止すれば基本料金を抑えられますが、訪れるたびに再開手続きが必要になるほか、凍結防止や定期的な通水が難しくなることもあります。料金の安さだけで判断せず、滞在時の使いやすさと建物の管理に必要な契約を見極めましょう。
二拠点生活の年間予算を立てる方法

二拠点生活を無理なく続けるには、1年間に必要な金額だけでなく、いつ、何にお金がかかるのかを把握することが大切です。次の3点を押さえて予算を立てましょう。
- 毎月・毎年・数年ごとの費用に分ける
水道光熱費や管理費は毎月、税金や保険料は毎年、外壁塗装や設備交換は数年ごとの費用として整理します。数年に一度の支出も年額に換算して積み立てておけば、まとまった出費に備えやすくなります。 - 突発的な修繕に備えて予備費を確保する
雨漏りや給湯器の故障などは、予定外のタイミングで発生します。建物の状態を踏まえて修繕予備費を確保し、通常の生活費とは分けて管理しておきましょう。 - 交通費まで含めて継続できるか確認する
1回の往復交通費に年間の訪問回数と人数を掛け、現地での移動費も加えます。建物の維持費だけで判断せず、二拠点生活にかかる総額を毎年無理なく負担できるか確認してください。
二拠点生活の費用を抑える方法
費用を抑えるには、目の前の支出を減らすだけでなく、長期的に負担の少ない持ち方や管理方法を選ぶことが重要です。たとえば、以下のような方法を検討してみましょう。
利用期間が短い場合、固定資産税や修繕リスクがない「賃貸」の方が総額を抑えられるケースがあります。
自分で草刈りや点検に行く「交通費・時間」と、現地の管理会社に任せる「委託料」を比較しましょう。
定期的な換気と通水はカビや配管の劣化を防ぎ、将来の大規模な修繕費(数百万円)の発生を予防します。
自分が使わない期間だけ貸し出し、家賃収入を維持費に充てる方法も有効です(※要自治体への届出)。
維持が難しい場合の選択肢
予算や生活環境が変わり、セカンドハウスの維持が負担になることもあります。使わないまま所有を続けると管理費や劣化リスクが増えるため、次の選択肢を早めに検討しましょう。
- 使わない期間だけ貸し出す
自分が利用しない期間に貸し出せば、家賃収入を維持費に充てられる可能性があります。ただし、短期間の宿泊場所として宿泊料を受け取って貸し出す場合は、旅館業法上の許可や住宅宿泊事業法に基づく届出などが必要になるため、事前に自治体へ確認しましょう。
- 売却・買取を検討する
今後利用する見込みが少ない場合は、維持費が積み重なる前に手放す方法もあります。時間をかけて買主を探す仲介と、不動産会社が直接買い取る方法を、売却価格や手続きにかかる期間で比較しましょう。 - 解体して更地にする
建物の老朽化が著しい場合は、解体して更地として活用・売却する選択肢もあります。 ただし、建物を解体すると「住宅用地特例」の対象から外れるため、土地の固定資産税の課税標準額が更地評価(本来の評価額)に戻り、翌年度からの税負担が実質最大で約3〜4倍程度(負担調整措置等の影響を考慮した実税額ベース)に増加する可能性があります。「6倍」というのは課税標準額の倍率であり、実際の納税額そのものが単純に6倍になるとは限らないため、解体後の税負担や活用方法を事前にシミュレーションすることが重要です。
二拠点生活向けの空き家を探すならアキサポへ相談を
二拠点生活向けの空き家を選ぶときは、購入価格だけでなく、本宅からの距離や建物の状態、管理のしやすさまで確認することが大切です。物件価格が安くても、交通費や修繕費がかさめば、購入後の負担が想定以上に大きくなることがあります。
アキサポでは、全国の販売中の空き家情報を掲載しています。希望する地域や予算、建物の広さなどから候補を探せるほか、セカンドハウスを目的とした物件リクエストも可能です。どのような地域で、どのくらいの頻度で過ごしたいのかを整理したうえで、無理なく続けられる二拠点目を探してみてください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






