1. TOP
  2. 空き家活用サービス
  3. コラム
  4. 空き家活用コラム
  5. 空き家の水廻り管理方法は?通水の頻度や悪臭・漏水・凍結への対策

share

公開日:2026.10.29

NEW

空き家の水廻り管理方法は?通水の頻度や悪臭・漏水・凍結への対策

サムネイル

空き家を管理していると「水道は定期的に使ったほうがいいのか」「しばらく使わなくても問題ないのか」と迷うこともありますよね。人が住んでいない家では水廻りを使う機会がなくなるため、排水口の悪臭や配管の劣化、水漏れなどのトラブルが起きても気づきにくくなります。

特に注意したいのが、排水口の水がなくなる「封水切れ」や、長期間使わないことによる配管の不具合です。寒冷地では凍結によって配管が破損することもあり、放置期間が長いほど大きな修繕につながる可能性があります。

この記事では、空き家の水廻りを放置すると起こりやすいトラブルから、通水が必要な理由や頻度、正しい手順、場所別の管理方法、定期的に訪問できない場合の対策まで順に解説します。

空き家の水廻りを放置すると起こるトラブル

水あかや汚れが付着した洗面台の蛇口

空き家の水廻りは、使わないからといってそのままにしてよいわけではありません。長期間水を流さない状態が続くと、排水口の水がなくなったり、配管の劣化や漏水に気づけなかったりして、さまざまなトラブルにつながります。

ここでは、特に起こりやすい3つのトラブルを見ていきましょう。

排水口の封水切れによる悪臭

キッチンや浴室、洗面所、トイレなどの排水口には、下水からの臭いや害虫が室内へ入るのを防ぐために「封水」と呼ばれる水がたまっています。

空き家で長期間水を使わないと、この封水が蒸発して少なくなり、下水の臭いが室内へ上がってくることがあります。さらに、排水管を通じて害虫が侵入しやすくなる場合もあります。

配管の腐食・詰まり・害虫の侵入

水廻りを長期間使わない状態が続くと、配管の内部に汚れやサビがたまり、不具合につながることがあります。特に、もともと古い配管では劣化が進んでいても気づきにくく、再び水を流したときに漏れや詰まりが見つかることもあります。

また、封水が切れていると、排水管から害虫が侵入する可能性もあります。

水漏れや凍結による配管の破損

空き家では、水漏れが起きてもすぐに発見できないため、床や壁まで濡れてから気づくことがあります。配管の劣化や接続部分のゆるみなど、小さな異常でも長期間続けば建物への被害が広がる可能性があります。

また、冬に気温が大きく下がる地域では、配管内に残った水が凍結して膨張し、配管が破損することもあります。

空き家で定期的な通水が必要な理由

通水する目的確認・予防できること
排水口の封水を保つ下水からの悪臭や害虫(ゴキブリ・ハエなど)の侵入を防ぐ
給水の状態を確認する蛇口から正常に水が出るか、赤水やサビなどの異常がないかを確認する
排水の状態を確認する水がスムーズに流れるか、詰まりや逆流がないかを確認する
水漏れを早めに見つける蛇口の付け根や配管、シンク下などから漏水していないか確認する
水廻りの異変を確認する長期間使用していないことで起こる配管の劣化やサビに気づく

空き家で定期的に通水する主な目的は、排水口の封水を保つことと、水廻りの異常を早めに見つけることです。長期間水を使わないと封水が蒸発し、下水からの悪臭や害虫が室内へ入りやすくなることがあります。

また、実際に水を流すことで、蛇口から正常に水が出るか、排水が詰まっていないか、配管やシンク下から漏水していないかも確認できます。通水は単に水を流すだけでなく、水廻りの状態を定期的に点検する機会として考えるとよいでしょう。

通水の頻度は月1回程度を目安にし、キッチンや浴室、洗面所、トイレ、洗濯機置き場などをまとめて確認します。ただし、寒冷地や冬季に長期間空き家にする場合は、通水だけでは凍結を防げないため、水抜きなどの対策も必要です。

空き家で通水するときの正しい手順

空き家の通水作業 3つの手順
1
元栓と水道メーターを確認する
元栓を開けます。蛇口がすべて閉まっているのにメーターが動く場合は、漏水している可能性があります。
2
蛇口を一か所ずつ開けて確認する
水の色や臭い、水圧に異常がないか、水が排水口へスムーズに(ゴボゴボ音なく)流れるか見ます。
3
封水と水漏れを確認する
十分な水を流して排水トラップの封水を補います。シンク下や配管の接続部に水漏れがないか確認します。

空き家で通水するときは、長期間使っていなかった配管に異常がないか確認しながら、順番に水を流していきましょう。基本的な流れは以下のとおりです。

  • 元栓と水道メーターを確認する
    水道の契約状況と元栓が開いているかを確認します。すべての蛇口を閉めた状態でも水道メーターが動いている場合は、どこかで漏水している可能性があるため注意が必要です。
  • 蛇口を一か所ずつ開けて給水・排水を確認する
    キッチンや浴室、洗面所などの蛇口を順番に開け、水が正常に出るか確認します。あわせて、水の色や臭い、水圧に異常がないか、水が排水口へスムーズに流れるかも見ておきましょう。
  • 排水口の封水と水漏れを確認する
    キッチンや浴室、洗面所、トイレなどに十分な水を流して封水を補います。通水後は、蛇口の付け根やシンク下、配管の接続部分、床などが濡れていないか確認し、水漏れがないことも確かめてください。

通水中に異常が見つかったときの対処法

資料を持つ相談相手の説明を、顎に手を当てて聞く女性

点検中に水漏れや排水の逆流を見つけた場合は、水を流す作業をいったん中断しましょう。流れの悪さを確かめようと何度も水を足すと、あふれた水で床や収納を濡らすおそれがあります。異常があった設備を使わず、設備業者へ状況を伝えて、使用を再開してよいか確認してください。

連絡する際は、異常が起きた場所、水を出しているときだけ発生するのか、周囲のどこまで濡れているかを整理しておくと説明しやすくなります。写真も残し、最後に問題なく使えた時期や、過去に修理した箇所がわかれば、あわせて伝えましょう。水の濁りや臭いが気になる場合も、見た目だけで飲めると判断せず、地域の水道窓口に相談してください。

異常がなかった場合も、訪問日と確認した設備を記録しておくと、次回の点検に役立ちます。毎回同じ場所を撮影しておけば、新しい水染みができていないかなど、前回との違いを比較しやすくなるでしょう。

確認箇所別の水廻りの管理方法

空き家の水廻りは、場所によって起こりやすいトラブルが異なります。通水するときは水を流すだけで終わらせず、それぞれの場所で漏水や排水、封水などに異常がないか確認しておきましょう。

ここでは、キッチン・浴室・洗面・トイレ・洗濯機置き場・屋外水栓に分けて、見ておきたいポイントを紹介します。

確認する場所主なチェックポイントと管理方法
キッチン排水がスムーズか(詰まり音がないか)、シンク下の配管に水漏れがないか
浴室・洗面所封水を補い、カビ防止のために換気を行う。髪の毛などの詰まりがないか確認
トイレ便器内に封水があるか、タンクや給水管から水漏れしていないか
洗濯機置き場洗濯機がない場合でも排水口に少量の水を流し、封水を保って悪臭を防ぐ
屋外水栓水漏れがないか。寒冷地の場合は冬場に向けて水抜き(凍結防止)を行う

キッチン|排水口・シンク下の漏水を確認する

キッチンでは、まず蛇口から正常に水が出るか、排水口へスムーズに流れるかを確認します。水を流したときにゴボゴボと音がしたり、流れが悪かったりする場合は、排水管に詰まりが起きている可能性があります。

あわせて、シンク下の配管や接続部分に水漏れがないかも確認しましょう。普段使われていない空き家では、小さな漏水でも長期間気づかれず、収納内部や床まで傷めることがあります。

浴室・洗面|排水口と換気状態を確認する

浴室や洗面所では、排水口へ水を流して封水を補い、悪臭や害虫の侵入防止措置を行いましょう。このとき排水が遅い場合は、髪の毛や汚れなどによる詰まりがないかも確認しておきましょう。

また、水を流した後は室内に湿気が残りやすいため、換気も行っておきます。窓を開けたり換気設備を使用したりして、カビや結露が発生しにくい状態を保ちましょう。

トイレ|封水・水漏れ・止水を確認する

トイレでは、便器内に封水が残っているかを確認し、少なくなっている場合は水を流しておきましょう。封水がなくなると、排水管から臭いや害虫が上がってくることがあります。

なお、通水時には、便器の周囲や給水管、タンク付近に水漏れがないかも確認しましょう。特に長期間空き家にする場合は、漏水が起きても発見が遅れやすいため、使用しない間は止水栓や元栓を閉めておく方法もあります。定期的に通水するか、水を止めた状態で管理するかは、空き家を訪れる頻度や季節などに合わせて決めましょう。

洗濯機置き場・屋外水栓|排水口と凍結に注意する

洗濯機を撤去している空き家では、洗濯機置き場の排水口も確認しておきましょう。長期間使わないと封水が減り、排水口から悪臭が上がってくることがあります。通水の際に少量の水を流し、封水を保っておくと安心です。

屋外水栓では、蛇口や配管に水漏れがないかを確認します。特に冬場に気温が下がる地域では、配管内に残った水が凍結し、破損につながることがあります。そのため、長期間使用しない場合は、水抜きなどの凍結対策もあわせて行いましょう。

空き家へ定期的に訪問できない場合の管理方法

テーブル越しに笑顔で説明するスーツ姿の女性

空き家が遠方にある場合や仕事で忙しい場合など、定期的に訪問できない場合は、通水や点検を続けるのが難しくなります。しかし、そのまま長期間空けてしまうと、漏水や悪臭、凍結などのトラブルに気づくまで時間がかかるため、訪問頻度に合わせて管理方法を決めておきましょう。

ここでは、定期的な訪問が難しい場合に検討したい管理方法を紹介します。

水道を止めるか契約を残すか判断する

長期不在時の水道管理は、「休止(使用中止)」か「契約継続+元栓閉栓」かを判断します。水道局へ休止届を出さずに元栓だけを閉めても、契約上は基本料金が発生し続ける点に注意が必要です。なお、配管腐食や悪臭を放置して近隣に悪影響を及ぼすと、改正空き家法に基づく「管理不全空家」として市区町村から指導を受け、改善されずに「勧告」を受けると、固定資産税等の住宅用地特例(減額措置)が解除されるリスクもあります。

今後も定期的に訪問できるのであれば、水道を使える状態にしておくことで、封水の補充や配管の状態確認を続けられますが、数か月以上ほとんど訪れない場合は、漏水が起きても発見が遅れやすいため、元栓を閉めて管理するほうが安心なケースもあります。

空き家管理代行・見守りサービスを利用する

自分で定期的に訪れるのが難しい人のためのサービスとして、空き家管理代行や見守りサービスがあります。

サービスの内容は、外観や戸締まりの確認、郵便物の整理、室内の換気・通水、雨漏りや漏水のチェックなどです。対応内容はサービスによって異なるため、水廻りの管理を目的にする場合は、通水まで含まれているかを確認しておきましょう。

巡回頻度は月1回程度のプランが多く、料金も依頼内容によって変わります。たとえば、日本郵便の「郵便局の空き家みまもり」では月1回の基本サービスが4,280円/月、通風・通水のオプションが5,000円/月で、合わせて9,280円/月(税込)となっています。

管理を依頼する範囲と緊急時の対応を決める

空き家の水廻り管理を業者に依頼するときは、点検する設備と、異常が見つかった場合の対応を事前に決めておきましょう。作業範囲が曖昧だと、点検してほしい場所が対象に含まれていなかったり、修理が必要になった際に対応が遅れたりするおそれがあります。

点検箇所は、キッチンやトイレに加え、洗濯機置き場の排水口や屋外水栓なども含めて一覧にすると、確認漏れを防ぎやすくなります。現地で作業できるよう、元栓の位置や水道の契約状況を伝え、鍵の受け渡し方法も決めておきましょう。作業後に、通水した場所や異常の有無を写真付きで報告してもらえるかも確認します。

また、漏水などが見つかった場合に備え、緊急連絡先と、所有者に連絡がつかないときの対応も相談しておくことも大切です。修理業者の手配まで任せられるか、応急処置や修理に別途費用がかかるか、どの段階で所有者の承認を得るかを決めておけば、離れた場所からでも対応を進めやすくなります。

なお、家族や親族も管理に関わる場合は、業者の巡回日とあわせて訪問予定や点検結果を共有し、確認する場所の漏れや作業の重複を防ぎましょう。

凍結に備えて水抜きと漏水対策を行う

冬場に気温が下がる地域では、配管内に水が残っていると、凍結によって配管が破損し、気温が上がった後に漏水することがあります。そのため、冬の間ほとんど訪問しない場合は、元栓を閉めたうえで配管内の水を抜くなど、地域の気候に合わせた対策を行いましょう。

凍結対策の方法は建物や設備によって異なるため、必要に応じて水道業者や管理会社へ確認しておくと安心です。長期間空けるほど異変の発見も遅れやすくなるため、訪問できない期間を想定して事前に水廻りの状態を整えておきましょう。

給湯器などの設備ごとに長期不在時の扱いを確認する

給湯器や温水洗浄便座などを長期間使わないときは、取扱説明書に沿って水抜きや電源の管理を行いましょう。同じ種類の設備でも機種によって手順が異なるため、設置されている機器に合った対応が必要です。

確認する際は、メーカー名と型番を調べ、取扱説明書の「長期間使用しないとき」や「凍結予防」の項目を参照します。水抜きが必要か、電源を入れたままにするかなど、不在中に保つべき状態を設備ごとに整理してください。説明書が見つからない場合は、メーカーの公式サイトで型番を検索したり、問い合わせ窓口で確認したりといった対応方法があります。

自分で判断や作業が難しい場合は、不在期間と電気・水道の契約予定を設備業者に伝え、必要な処置を相談しましょう。作業後は、どの設備に何を行ったかと、使い始める際の手順を記録しておくと、家族や管理会社にも引き継ぎやすくなります。

空き家の水廻り管理でよくある質問
Q1. 長期間空き家にする場合、水道の契約は解約した方がいいですか?

A1. 訪問や清掃の予定、管理代行の利用、設備の状態に合わせて判断しましょう。契約を残し、不在時だけ元栓を閉めて訪問時に通水する方法もあります。使用中止・休止を申し込む場合も、封水切れや凍結への対策は別に必要なので、水道局や設備業者に確認しておきましょう。

Q2. トイレの水が蒸発する封水切れを防ぐにはどうすればいいですか?

A2. 定期的に便器内の水を確認し、少なくなっていたら補うことが基本です。長期間使わない場合の処置は機種によって異なるため、取扱説明書やメーカーの案内を確認しましょう。蒸発防止の処置をした場合でも、水漏れや凍結を含めた点検は必要です。

Q3. 水漏れで床が腐食・シロアリ被害に遭った空き家でも売却できますか?

A3. 現状のままでも売却(現状有姿売買)は可能です。ただし民法上の「契約不適合責任」に注意しなければなりません。水漏れ履歴や床下の腐食事実を隠して売却すると、買主から修補請求や代金減額請求、契約解除・損害賠償請求を受ける法的リスクがあります。重要事項説明や告知書(物件状況報告書)へ正確に記載し、契約不適合責任の免責特約(免除特約)を付加できる買取業者への直接売却なども有力な選択肢です。

まとめ|定期的な通水と点検で空き家の水廻りを守ろう

空き家の水廻りは、長期間使わないことで封水切れや漏水、配管の詰まりなどが起こることがあります。人が住んでいないぶん発見も遅れやすいため、定期的な通水と点検を続けることが大切です。

通水する際は、水を流すだけでなく、排水の状態や異臭、水漏れがないかもあわせて確認しましょう。月1回程度を目安に状態を見ておけば、小さな異常にも早めに気づけます。

定期的な訪問が難しい場合は、水道を止めて管理したり、空き家管理サービスを利用したりする方法もあります。訪問できる頻度や季節に合わせて、無理なく続けられる管理方法を決めておきましょう。

管理を続けること自体が負担に感じる場合や、水廻りのトラブルをきっかけに「そもそも所有し続けるべきか」を見直したい場合は、アキサポの空き家の相談窓口もご活用ください。物件の状態を伺いながら、管理以外の選択肢も含めてご相談いただけます。

水廻りの管理、負担に感じていませんか?
通水や点検を続けるべきか、売却や活用に踏み出すべきか迷ったら、アキサポの空き家の相談窓口へ。物件の状況を伺いながら選択肢を整理します。
空き家の相談窓口はこちら

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

コラム一覧

関連記事

関連記事