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公開日:2026.11.01

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空き家リーシングとは?賃貸活用の手順・費用・リスク対策を徹底解説

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空き家リーシングとは、使っていない住宅を他者へ賃貸し、安定した家賃収入を得ながら建物を保全・活用する仕組みのことです。

売却と違って資産を手元に残せる一方、リフォーム費用や入居者管理などの実務も伴います。本記事では、空き家を安心して貸し出すための方法や費用相場、リスク対策、具体的な活用手順をプロの視点からわかりやすく整理しました。

「実家を相続したけれど、売るか貸すか迷っている」「空き家のまま放置して固定資産税や劣化が心配……」と言う方は、ぜひ参考にしてみてください。

空き家リーシングの主な方法4選|自主管理・管理委託・サブリース・借り上げの違い

管理・運用方式空室・滞納リスクオーナーの手間収益性の目安向いている人
自主管理自身が全額負担非常に大きい(募集・修理・集金)最大(手数料なし)物件近隣に住み、時間にゆとりがある方
管理委託自身が負担少ない(実務は管理会社に一任)中〜高(賃料の約5%を委託料負担)本業がある会社員や遠方所有者
サブリース事業者が負担(定額保証)ほぼゼロ(一括転貸)中〜低(保証賃料は相場の80〜85%程度)毎月の確実な収入を重視し、手間を省きたい方
自治体・企業借り上げ借り上げ主体が負担ほぼゼロ低〜中(相場より控えめな場合が多い)地域貢献や公的機関への賃貸を望む方

空き家リーシングの方法とは、空き家を賃貸物件として市場に供給し、入居者を募って管理・運用する手法のことです。運用の形態は「誰が管理実務を行い、誰が空室リスクを負うか」によって、主に「自主管理」「管理委託」「サブリース(一括借り上げ)」「公的借り上げ」の4つに大別されます。

自分で管理する(自主管理)

募集から契約、家賃回収、修理の手配、クレーム対応まで全てオーナー自身で行う方法が自主管理です。管理会社への手数料をゼロにできる一方、実家が遠い方や平日に動けない会社員の方には大きな負担になります。対応が遅れると入居者の不満や退去につながる点には注意が必要です。

プロに任せる(管理委託)

管理委託とは、家賃回収や入居者トラブル対応、建物保守といった管理実務を不動産管理会社へ委託する方法です。

一般的に毎月の賃料の5%前後を手数料として支払います。募集活動や契約実務をプロに一任できるため、本業で忙しい会社員や賃貸運営初心者の方でも無理なく賃貸経営を始められます。

業者に丸ごと貸して転貸してもらう(サブリース)

サブリースとは、不動産会社などの事業者が建物を一括で借り上げ、一般の入居者へ転貸(また貸し)する仕組みです。

オーナーには毎月定額の保証賃料が支払われるため、空室や家賃滞納のリスクを回避できます。ただし、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法/通称:サブリース新法)」に定められている通り、借地借家法第32条の規定により将来的に賃料減額請求を受けるリスクがあるほか、中途解約や免責期間の条件について重要事項説明書で十分に確認しておく必要があります。

公的機関や企業に借りてもらう(借り上げ)

自治体や民間企業に一定期間まるごと貸し出すのも方法のひとつ。家賃は相場より少し控えめになりがちですが、「地域のコミュニティ拠点」や「社宅」など使い道が最初から決まっているため、安心感を持って長く貸し出せるというメリットがあります。

空き家バンク&リースの仕組みと向いているケース

赤い屋根の家の模型と、背景で頬杖をつき悩む高齢夫婦

自治体や民間事業者の「空き家バンク」では、借り手探しから借り上げまでをワンストップで支援してくれるケースがあります。手間をかけたくない人ほどチェックしてみるのがおすすめです。

  • 空き家バンク
    自治体が空き家の情報をホームページなどで公開し、移住希望者などとマッチングさせる仕組みです。移住促進や地域活性が目的のため、一般の賃貸募集と比べて「田舎暮らしをしたい」など目的がハッキリしている人と出会いやすい反面、希望者が現れるまで時間がかかることがあります。
  • 空き家バンク&リース
    相談から点検、リフォームの提案、さらには業者による借り上げまでセットで面倒を見てくれるサービス。事業者がリフォーム代を一部工面してくれたり、一定期間借り上げてくれたりするため、自己資金が少ない方でも貸し出しまでスムーズに進められる可能性があります。

これらの仕組みは、「実家が遠くて通えない方」や「相続したばかりで途方に暮れている方」に最適。家賃で収益を上げることより、「手間を減らして安全に維持したい」という方にマッチします。

空き家を貸す前に確認する物件状態(老朽化・設備・残置物・境界)

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事前の物件確認を怠ると、予期せぬ追加工事や入居直後のクレームに直結します。賃貸化にあたってあらかじめ確認・解決しておくべき重要項目は以下の4点です。

建物の傷み具合(老朽化)

まず確認したいのが、雨漏り・シロアリ被害・床の傾斜・構造柱の腐食です。

これら構造部分の不具合を放置したまま内装だけを直しても、安全に生活することはできません。大規模な補修が必要になると費用も膨らむため、まずは建築士などの専門家による建物点検を受け、構造の安全性を確かめましょう。

水回りや電気の設備

設備確認では「設置されているか」ではなく「正常に動作するか」が判断基準です。

特に給湯器、換気扇、水道管の破損は、入居直後の重大なトラブルにつながります。募集開始前に必ず通水・通電テストを行い、耐用年数を迎えている設備は前もって交換計画を立てておきましょう。

室内に残った荷物(残置物)

家具や家電、仏壇、農機具などの「残置物」は、内見時の印象を損なうだけでなく入居後のトラブル要因となります。

品物ごとに「残す・捨てる・譲る」を明確に仕分けましょう。撤去処分費用を貸主と借主のどちらが負担するのかを事前に確定させ、原則として空の状態で引き渡すのが鉄則です。

近隣との境界線や権利

隣の敷地との境界が曖昧だと、フェンスや樹木、雨樋の越境などが火種になり、近隣トラブルへ発展することも。民法233条(竹木の枝の切除等)の改正により、越境された枝の切除ルールが明確化されたものの、貸主には目的物を使用収益させる義務があります。境界確認書(筆界確認書)の有無を確認し、越境物がある場合は土地家屋調査士や弁護士へ相談して事前に解消しておきましょう。

リーシングにかかる費用と収支(修繕・リフォーム・管理費・税金)

木目調の机の上に並んだ家のミニチュア置物と白い電卓、塗装用の刷毛

空き家を貸すときは、家賃収入だけでなく、最初にかかる工事費や毎月の維持費、税金まで引いた「本当の手残り」を計算するのが基本です。

  • 初期のリフォーム費用
    生活に直結する「雨漏り」「水道・排水」「電気」の修理を最優先にします。見た目の壁紙を変えることよりも、住み始めてからすぐに壊れて電話がかかってくる事態を防ぐ工事にお金をかけるのがコツ。
  • 毎月・毎年の維持コスト
    管理会社への手数料をはじめ、入居者募集の広告料、火災保険、草刈りや庭木の剪定、浄化槽の清掃代などがかかります。「家賃×12ヶ月」の満額が入ると思い込んでいると、細かい出費が重なって手元にお金が残らない失敗に陥りがちです。
  • 税金(固定資産税や所得税)
    毎年の固定資産税に加えて、得られた家賃収入には所得税などがかかります。ただし、リフォームにかかった費用などは必要経費として計上できるため、工事の見積書や領収書はしっかり保管しておきましょう。

収支試算では、満室前提ではなく、数ヶ月の空室期間や突然の修理代をあらかじめ見込んでおくと、長期的に失敗を防ぎやすくなります。

賃貸経営リスクと対策(空室・滞納・近隣トラブル・原状回復)

注意点

空き家の賃貸は定期的な収入が見込める一方、いくつか避けて通れないリスクもあります。事前の準備でトラブルの芽を摘んでおきましょう。

入居者が決まらない(空室リスク)

空室リスクは、募集の出し方よりも「物件の出し方」で決まることが多いです。「誰に住んでほしいか」を具体的にイメージし、その層が気にするポイントに投資と訴求を集中させます。たとえばファミリー向けなら駐車場を整備し、単身者向けならインターネットを整えるなど、相手が求めるポイントに絞って手入れを行いましょう。

家賃を払ってもらえない(滞納リスク)

家賃が滞ると、収入が途絶えるだけでなく次の入居者の募集も止まってしまいます。対策として、入居審査の精度を上げることや、万が一のときに家賃を立て替えてくれる「家賃保証会社」へ加入しておくのがおすすめです。

近隣トラブル

ゴミ出しのマナーや深夜の騒音、駐車トラブルなどは、空き家オーナーにとっては見えにくいものの、物件の評判に大きく影響を与えます。入居前にルールを明文化し、入居中に注意喚起できる管理体制を用意しておくことで防ぎやすくなります。

退去時の修理代トラブル(原状回復)

「どこまでを入居者の負担で原状回復させるか」は、賃貸借終了時に最も紛争になりやすいポイントです。

民法上、通常損耗(普通に使っていて生じる汚れ)や経年劣化の復旧費用は賃料に含まれており、賃借人に原状回復義務はありません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に則り、入居時の現況確認書や写真記録を作成したうえで、特約を設ける場合は有効要件を満たすよう適正に設計しましょう。

空き家リーシングで知っておくと得する公的な活用制度

手のひらに載せた家の模型を使って顧客に説明を行うスーツ姿の男性(不動産取引や相談のイメージ)

空き家を貸す人を応援するため、国や自治体には様々なサポート制度が用意されています。

以下のような公的制度や補助金は、「工事を始める前に申請しないと無効になる」というルールが一般的です。あらかじめ、自治体の窓口や管理会社に確認・相談した上で進めるようにしましょう。

住宅セーフティネット制度を活用する

住宅セーフティネット制度とは、高齢者や子育て世帯など、住まい探しに困りがちな方を受け入れる賃貸住宅を登録・支援する仕組みです。2025年10月に施行された「改正住宅セーフティネット法」により、安否確認や見守りを行う「居住サポート住宅」制度の新設や、国交大臣認定の公的な「認定家賃債務保証業者制度」、支援法人による残置物処理の仕組みが整えられ、貸主が懸念しがちな孤独死・家賃滞納・残置物リスクへの公的支援が大幅に強化されました。改修補助金とあわせて活用することで、築古の空き家でも安心して貸し出しやすくなります。

非営利法人へ貸す

地域のサロンや子育て支援の拠点として、非営利団体に丸ごと使ってもらう方法も。用途がはっきりしているため活用につながりやすいのが特徴です。家賃を高く取ることよりも、「地域の役に立ちたい」「建物を大切に使い続けてほしい」と願うオーナーに喜ばれています。

契約設計では、用途制限と改修の取り扱いが重要です。例えば飲食の有無、来客数、騒音の可能性、消防や用途変更の要否などを事前に確認し、法人側の事業計画と建物の許容範囲をすり合わせます。

あわせて、近隣説明も成功のポイント。地域拠点の運営は周囲の理解があるほど長続きするため、法人側と一緒に、運営ルールや連絡先、駐車・ゴミ出しの方針などを説明しておくと、トラブルが起きても解決が早く、結果的にリーシングの安定につながります。

サブリース事業者・借り上げサービスを活用する

サブリースや借り上げサービスは、専門業者が一定期間借りてくれるため、遠方在住や高齢で管理が難しいケースで選ばれやすい方法です。

メリットとしては、空室リスクの低減、運営負担の軽減、一定の賃料収入の見通しが立ちやすい点が挙げられます。また、サービスによっては改修費を賃料の一部でまかなう設計があり、手元資金の制約がある場合でも貸し出しまで進められる可能性があります。

注意すべきは、契約条項に集約される点。賃料見直し条項があると、市況悪化時に賃料が下がる可能性があります。契約期間が定期借家かどうか、修繕範囲が貸主・借主どちらか、途中解約の条件や違約金、原状回復の考え方も、収支とトラブルの出方を左右します。契約前に、想定される最悪ケースまで含めて説明を受け、納得できる条件かを確認するようにしましょう。

空き家の相談から貸し出しまでの5ステップ

空き家リーシング 実現までの5ステップ
Step 1
相談・現状整理
権利関係・図面・残置物・修繕履歴を把握し、賃貸の目的を整理します。
Step 2
賃料査定・収支計画
周辺相場の調査と改修費の見積もりを取り、管理方式(委託やサブリース)を決定します。
Step 3
改修・残置物撤去
雨漏りや水回り設備など、生活に不可欠なインフラ補修と室内荷物の撤去を行います。
Step 4
入居者募集・内見対応
仲介ポータルや空き家バンク等へ掲載し、入居審査を厳格に進めます。
Step 5
賃貸借契約・引き渡し
契約条件・原状回復特約を取り交わして物件を引き渡し、管理運用を開始します。

無計画に募集を始めると、条件設定や修繕方針がぶれて長期空室になりがちです。基本の流れを5段階で整理したので、事前にしっかり把握しておきましょう。

最初は相談と現状整理です。空き家の所在地、築年数、権利関係、ライフライン、残置物、修繕履歴をまとめ、貸す目的を決めます。収益化なのか、維持管理の負担軽減なのか、将来は自分や家族が戻る可能性があるのかで、契約形態や投資判断が変わります。

次に行うのが、査定と方針決定です。周辺賃料の相場を確認し、想定賃料と必要な修繕費、募集期間の目安を出して、収支が成り立つかを確認します。この段階で、管理委託にするか自主管理にするか、サブリース等を使うかも並行して検討するとスムーズです。

募集は、ターゲット設定と見せ方がポイント。写真や間取りだけでなく、駐車場、日当たり、周辺施設、リフォーム内容、入居後のサポート体制など、選ばれる理由を具体化します。内見対応の速度と丁寧さは成約率に直結するため、遠方なら管理会社の体制も確認しておいた方がよいでしょう。

契約では、賃料・敷金礼金だけでなく、禁止事項、修繕負担、解約予告、原状回復、特約の整合を取ります。運用開始後は、家賃管理と設備故障対応に加え、定期巡回や近隣配慮で「問題が大きくなる前に芽を摘む」ことが、長期的な安定収入につながります。

「売る」か「貸す」か迷ったときの判断基準

POINTと書かれたブロック

空き家の活用は、貸して収益化することだけが正解ではありません。売却・更地・保有継続などの選択肢と比べながら検討するのが健全です。以下のポイントを参考にして、適切に判断しましょう。

  • 手元に残るお金(税金)で比べる
    貸した場合は毎月の家賃から経費や税金を引いた分が手残りになります。一方、売却した場合はまとまった現金が一気に入ってきます。空き家を売ったときの特別控除(減税特例)が使えるかどうかも、判断を左右する大きなポイントです。
  • 建物の健康診断(インスペクション)を受ける
    インスペクションは、貸す場合にも売る場合にも有効です。貸すなら修繕予算が立てやすくなり、売るなら買い手に安心してアピールできるようになります。特に築古で検査済証がない、増改築歴があるなど不確実性が高い物件ほど、状態の見える化が重要です。
  • 管理にかかる自分のストレスを考える
    「遠くに住んでいて見に行けない」「仕事で忙しい」「兄弟で相続して意見が合わない」といった場合、賃貸経営を続けるのは大きなストレスになりがち。精神的な負担を減らしたいなら、管理委託や借り上げで負担を外部化する、あるいは売却で早期に整理するなど、自分の生活にあう選択を優先するとよいでしょう。
空き家リーシングのよくある質問
Q1. ボロボロで雨漏りしている空き家でもリーシング(賃貸化)は可能ですか?
可能です。ただし、貸主には安全に居住できる状態を維持する修繕義務(民法606条)があるため、屋根や水回りの補修は欠かせません。自己資金を抑えたい場合は、借主が修繕を行う「DIY型賃貸」や、事業者が費用を負担してリフォーム・一括借り上げを行うサービスを検討することをおすすめします。
Q2. 一度貸し出した後、将来自分で使いたいときに退去してもらえますか?
普通借家契約を結んでいる場合、貸主からの解約には正当事由(借地借家法28条)が必要となり、容易に退去を求めることはできません。将来的にご自身やご家族が居住する可能性がある場合は、更新がなく期間満了で確実に終了する「定期借家契約(借地借家法38条)」を締結してください。
Q3. 空き家を貸す際、リフォーム費用に使える補助金はありますか?
国の「住宅セーフティネット制度」による改修費助成や、自治体の「空き家利活用改修補助金」などが活用できるケースがあります。補助制度の多くは「着工前の申請」が厳格な交付要件となっているため、リフォーム工事業者や自治体窓口へ事前に相談することが必須です。

空き家リーシングのポイントまとめ

空き家を貸し出す際は、管理の手間を減らすために無理せずプロを頼るのも賢い選択です。リフォームは見た目のキレイさよりも、雨漏りや水回りといった生活に直結する箇所の修理を優先しましょう。

また、毎月の維持費や空室期間を見込んで控えめな収支計画を立てておくことが、長く安定して収入を得るポイント。家賃の滞納や退去時の揉め事を防ぐためにも、保証会社の利用や室内の事前撮影といった対策を怠らないことが大切です。

本記事を参考にして、自身のライフスタイルに合った方法を選び、無理のない運用を目指しましょう。

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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