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公開日:2022.01.27 更新日:2026.07.22

不動産価格指数とは?見方や公示地価との違いをわかりやすく解説

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不動産の売却や購入を考えるとき、「取引のベストなタイミングはいつか」「適切な価格はいくらか」を見極めることは、とても重要なポイントです。その判断材料として役立つのが、国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」です。

不動産価格指数とは、実際の取引価格をもとに不動産価格の動向を指数化した統計データで、全国・エリア別の価格の推移を時系列で把握できます。最新の不動産動向を客観的に押さえたいときに便利な指標です。

この記事では、不動産価格指数の基礎知識、算出方法、具体的な見方、公示地価との違い、利用するメリットまで、これから不動産取引を考える方にもわかりやすく解説します。

不動産価格指数とは

横一列に並ぶ『不動産価格』と上昇グラフが描かれた木製ブロック、それを指し示すビジネスパーソンの指、ビルや住宅、円マーク(¥)のイラスト

まずは、不動産価格指数を理解するうえで押さえておきたい以下の4つの基本情報を、順に解説します。

  • 1. 不動産価格指数とは何か
  • 2. 目的・作成された経緯
  • 3. 公表される頻度
  • 4. 指数の内容

不動産価格指数とは何か

不動産価格指数とは、国土交通省が毎月公表している統計データで、実際の取引価格をもとに不動産価格の動向を指数化したものです。年間約30万件の取引価格をベースに、「住宅」「商業用不動産」の2種類に分けて公表されています(2012年8月に試験運用を開始し、2015年3月から本格運用)。

不動産価格指数の目的・作成された経緯

不動産価格指数の目的は、変動する不動産価格の動向を、迅速かつ的確に把握・公表することです。

背景には、世界的な金融・経済危機を受けて、国際的に共通のルールで不動産価格を把握・公表すべきという流れがありました。日本でも国土交通省が中心となり、2010年度から指標の整備に着手。EU統計局(Eurostat)などがまとめた国際指針(住宅価格指数に関するハンドブック)に沿って、実際の取引価格情報をもとに作成されています。

不動産価格指数が公表される頻度

不動産価格指数は、基本的に毎月公表され(まれに2か月分をまとめて公表することもあります)、公表のタイミングは毎月25日〜末日ごろが大半です。ただし、公表されるデータはリアルタイムではなく、公表日と対象期間には3か月程度のタイムラグがあります(例:2025年12月に公表されたデータは2025年9月分)。

不動産価格指数の内容

まず、不動産価格指数では対象となる不動産を「住宅」「商業用不動産」の2種類に分別した上で、さらに細かく以下の種類に分けて指数および直近の動向を記しています。

大分類対象となる不動産の種類
住宅住宅地(更地)/戸建住宅(建物付きの土地)/マンション
商業用不動産オフィス/倉庫/工場/マンション・アパート(一棟)/商業地/工業地

各指数は、基準となる2010年の平均を100とした数値で表され、あわせて対前月比も記載されます。そのため、前月と比べた価格の動きをひと目で把握できます。

また、不動産の種類だけでなく、エリア別にも指数と動向を確認できるよう、以下のエリアに分けてデータが示されています。

エリア区分内容
全国日本全体の指数
ブロック別北海道地方、関東地方、近畿地方など全9ブロック
都市圏別南関東圏、名古屋圏、京阪神圏の3都市圏
都道府県別東京都、愛知県、大阪府の3都府県のみ

不動産価格指数と公示地価の違い

不動産価格指数と並び、不動産動向を知るためのデータとして「公示地価」と呼ばれるものがあります。

比較項目不動産価格指数公示地価
示す内容基準値と比較した価格の「指数」標準地の具体的な「土地の価格」
対象土地・建物・マンションなど広域の取引動向標準地の土地(地点単位)
公表頻度基本的に毎月年1回(1月1日時点)
主な用途時系列での市場動向の把握土地の適正価格を判断する目安
公表機関国土交通省国土交通省(土地鑑定委員会)

不動産価格指数と公示地価の最大の違いは、不動産価格指数が「毎月・広域の取引動向を指数で示す」のに対し、公示地価は「年1回・標準地の土地価格を金額で示す」点です。

公示地価とは、地価公示法に基づき国土交通省の土地鑑定委員会が毎年3月に公示する、1月1日時点の標準地の正常な価格です。土地の適正価格を判断する客観的な目安として用いられます。

両者の主な違いは、次の2点に整理できます。

  • 示す内容:公示地価は「具体的な土地の価格」、不動産価格指数は「基準値と比較した指数」
  • 公表頻度:公示地価は「1月1日時点の年1回」、不動産価格指数は「基本的に毎月」

公示地価が地点単位で土地の正常価格を把握できるのに対し、不動産価格指数は土地に限らず広域的な取引動向を月単位で把握できます。年1回の公示地価では月ごとの変動が分からないため、時系列に沿った細かな価格の流れを追いたいときは、不動産価格指数が便利です。

不動産価格指数の算出方法

家とルーペと電卓

不動産価格指数は、国土交通省の「不動産の取引価格情報提供制度」で蓄積された取引事例データ(取引価格情報)をもとに算出されます。
※商業用不動産は、上記に不動産信託受益権取引に係る情報を加えて算出します。

ここでは、そのベースとなる「不動産の取引価格情報提供制度」の概要と、指数に用いる取引事例データ作成の流れを解説します。

不動産の取引価格情報提供制度とは

不動産の取引価格情報提供制度とは、不動産市場の信頼性・透明性を高め、取引の円滑化・活性化を図ることを目的に、2006年(平成18年)4月から始まった国の制度です。取引の当事者へのアンケート調査をもとに、実際の取引価格情報を蓄積・提供しています。

項目内容
制度の開始2006年(平成18年)4月
情報提供地域全国
情報提供内容土地、土地と建物、中古マンションなどの実際の取引価格など
実施機関国土交通省
情報提供方法不動産情報ライブラリ(2024年4月〜/旧・土地総合情報システム)
累計取引事例データ件数約547万件(2025年3月31日時点)

この制度では、アンケート調査で得た「取引価格・取引時期・所在地・床面積・建築年・最寄り駅」などの情報が集約されています。実際の取引を反映した「生」のデータである点が特徴です。

不動産価格指数で用いる取引事例データ作成の流れ

不動産価格指数で用いられる取引事例データは、以下3段階のステップで作成されています。

取引事例データ作成の3ステップ

STEP 1

登記異動情報の把握

法務省から提供される所有権移転登記の情報をもとに、取引があった不動産を把握します。

STEP 2

アンケート調査票の回収

取引の当事者(買主)へ毎年約30万件のアンケート調査を行い、取引価格などの生の情報を集めます。

STEP 3

現地調査による補完

過去のデータや一部の項目については、現地調査で得た情報を加えて推計の精度を高めます。

主にSTEP1・2をもとに推計し、必要に応じてSTEP3を加えて算出されます。

不動産価格指数の見方

不動産価格指数の見方は、「指数の数値」と「対前月比」の2つを押さえるのが基本です。指数は不動産の種別・エリア別に示され、対前月比を合わせて見ることで直近の動きまで把握できます。

まず「指数の数値」は、2010年の平均を100とした値です。100を超えていれば2010年平均より価格が上昇していることを意味します。たとえば国土交通省が公表した2025年9月分(全国)では、住宅総合が145.4、住宅地が120.7、戸建住宅が118.6、マンション(区分所有)が222.2となっており、特にマンションの上昇が目立ちます。

次に「対前月比」は、前月の指数と比べた増減を表します。国土交通省の公表資料では、数値の前に「▲」が付いているものがマイナス、付いていないものがプラスです。

なお、同じ「住宅総合」でも、全国・ブロック・都道府県でプラスとマイナスが分かれることがあります。全国の数値だけでなく、自分が関係するエリアの指数と対前月比まで確認すると、価格の流れをより正確につかめます。

不動産価格指数を利用するメリット

メリット具体的な活用イメージ
適切な不動産取引の判断に活かせる所有物件のエリア指数が上昇傾向なら強気の売却価格設定、購入検討エリアが下降傾向なら購入時期を遅らせる、といった判断ができる
不動産取引による金融危機回避に役立つ国が価格動向をこまめに把握・公表することで、不動産バブルなどのリスク対策に活用できる

不動産価格指数を利用する主なメリットは、「適切な不動産取引の判断に活かせる」「不動産による金融危機の回避に役立つ」の2点です。公表データは実際の取引情報をもとに国土交通省がまとめるため信頼性が高く、種類別・エリア別に市場の最新動向を把握できます。

1つ目は、取引の判断材料になることです。種類別・エリア別の動向を時系列で追えるため、「所有物件のあるエリアの指数が上昇傾向なら売却価格をやや強気に設定する」「購入したいマンションのエリアが下降傾向なら、値下がりを見込んで購入時期を検討する」といった判断に活かせます。

2つ目は、金融危機の回避に役立つことです。国が価格動向をこまめに把握・公表することは、不動産市場の過熱やバブルへの対策を立てるうえで大きな意味を持ちます。もともと不動産価格指数は、世界的な金融・経済危機を教訓に提唱された指標だからです。

不動産価格指数に関するよくある質問

Q

不動産価格指数とは何ですか?

A

国土交通省が毎月公表している統計データで、実際の取引価格をもとに不動産価格の動向を指数化したものです。2010年の平均を100として、住宅・商業用不動産ごと、また全国・ブロック別・都市圏別などのエリアごとに価格の推移を時系列で把握できます。

Q

不動産価格指数と公示地価は何が違いますか?

A

不動産価格指数は毎月公表され、土地・建物・マンションなど広域の取引動向を「指数」で示します。一方、公示地価は年1回(1月1日時点)に、標準地の土地価格を具体的な「金額」で示すものです。月ごとの細かな動きを追いたいときは不動産価格指数が役立ちます。

Q

不動産価格指数はどこで確認できますか?

A

国土交通省の公式サイトで毎月公表されており、誰でも無料で確認できます。公表は毎月25日〜末日ごろが多く、公表日と対象期間には3か月程度のタイムラグがあります。あわせて、実際の取引価格は「不動産情報ライブラリ」(旧・土地総合情報システム)でも調べられます。

まとめ

不動産価格指数は、アンケート調査などで寄せられた取引価格・取引時期・所在地・床面積・建築年といった、実際の取引にもとづく「生」の情報から算出されています。

年1回公表される公示地価と違い、不動産価格指数は毎月のデータが公表されるため、不動産取引の最新動向を押さえるうえで重要な参考材料になります。不動産の価格は常に変動するものなので、不動産価格指数や公示地価など複数の情報を参考にしながら、適切な取引の判断に役立てましょう。

一方で、こうした指数を調べる中で「相続した不動産をどうしよう」「使っていない空き家を持て余している」という悩みが出てくる方も少なくありません。もし活用に迷っている空き家があれば、空き家活用サービス「アキサポ」にご相談ください。

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この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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