公開日:2023.10.10 更新日:2026.07.22
空き家を民泊で活用する手順!種類やメリット・注意点を解説
民泊とは、一戸建てやマンションなどの住宅を活用して旅行者に宿泊サービスを提供する仕組みで、使われていない空き家の有効な活用手段としても注目されています。ホテルや旅館を建てる必要がなく、既存の住宅をそのまま活かせるため、「コストだけがかかる空き家」を「収益を生む物件」に変えられる点が大きな魅力です。
観光立国を目指す日本では、増え続ける外国人観光客の宿泊ニーズの受け皿として、民泊が大きな役割を担っています。アメリカ発の民泊サービス「Airbnb」の普及もあり、空き家を民泊として活用する動きが広がっています。
そこで本記事では、民泊の基礎知識や3つの種類、運営のメリット・デメリット、始めるまでの流れをわかりやすく解説します。さらに、費用を抑えて空き家を民泊として活用する方法や、実際の事例も紹介しますので、空き家の活用や民泊に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
民泊とは?ホテル・旅館との違い

民泊とは、ホテルや旅館のような専用の宿泊施設ではなく、一般の「住宅(一戸建てやマンション)」を活用して宿泊サービスを提供する仕組みのことです。既存の建物をそのまま活かせるため、初期投資を抑えて空き家を収益化できる有効な手段として注目されています。
この「既存の住宅をそのまま活かせる」という性質こそが、民泊が空き家活用と相性の良い理由です。新たに施設を建てる必要がなく、使われていない一戸建てやマンションを宿泊施設として運用できるため、初期投資を抑えながら収益化を目指せます。
また、ホテル・旅館が主に「宿泊と食事」を提供するのに対し、民泊は「暮らすように滞在できる」体験を提供できる点も違いのひとつです。キッチンや洗濯機を備えた住宅で長期滞在しやすいことから、特に外国人観光客や連泊需要の受け皿として支持されています。
民泊には3つの種類がある
民泊を始めるには、「旅館業法(簡易宿所)」「国家戦略特別区域法(特区民泊)」「住宅宿泊事業法(民泊新法)」の3つのうち、いずれかの法律にもとづく手続きが必要です。
どの法律を根拠にするかで、営業日数や宿泊日数、対象エリアなどの条件が大きく変わります。まずは3種類の違いを一覧で確認しましょう。
| 項目 | 簡易宿所 | 特区民泊 | 民泊新法 |
|---|---|---|---|
| もとづく法律 | 旅館業法 | 国家戦略特別区域法 | 住宅宿泊事業法(民泊新法) |
| 所管省庁 | 厚生労働省 | 内閣府 | 国土交通省・厚生労働省・観光庁 |
| 許認可 | 許可 | 認定 | 届出 |
| 住居専用地域での営業 | 不可 | 可能(認定を行う自治体が制限している場合あり) | 可能(条例により制限されている場合あり) |
| 営業日数 | 制限なし | 制限なし | 年間180日以内(条例で実施期間の制限がされている場合あり) |
| 最低宿泊日数 | 制限なし | 2泊3日以上 | 制限なし |
| 最低床面積 | 33㎡(宿泊者数10人未満の場合は、3.3㎡/人) | 原則25㎡/室 | 3.3㎡/人 |
| 衛生措置 | 換気、採光、照明、防湿、清潔などの措置 | 換気、採光、照明、防湿、清潔などの措置、使用の開始時に清潔な居室の提供 | 換気、除湿、清潔などの措置、定期的な清掃など |
| 非常用照明などの安全確保 | 義務あり | あり | あり(家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要) |
| 近隣トラブル防止措置 | 不要 | 必要(近隣住民への適切な説明、苦情対応体制の確保と周知など) | 必要(宿泊者への説明義務、苦情対応の義務) |
| 管理業務委託 | 規定なし | 規定なし | 規定あり |
簡易宿所(旅館業法)
簡易宿所は、旅館業法にもとづく許可を得て運営する形態で、民宿・ペンション・カプセルホテルなどが該当します。年間の営業日数や最低宿泊日数の制限がなく、1泊から通年で営業できるのが最大のメリットです。一方で、客室の床面積や換気・入浴設備などの基準が3種類の中で最も厳しく、住居専用地域では営業できないため、申請のハードルは高めです。
特区民泊(国家戦略特別区域法)
特区民泊は、国家戦略特区に指定され、かつ特区民泊条例を定めた自治体でのみ認められる形態です(東京都大田区、大阪府、福岡市、千葉市、新潟市など)。年間の営業日数に制限がなく通年営業できる一方、最低宿泊日数が「2泊3日以上」と定められており、1泊のみの宿泊は受け入れられません。外国人旅客向けの多言語案内などの体制も必要です。長期滞在の観光客やビジネス利用をターゲットにする形態といえます。
なお、特区民泊は自治体ごとに制度が異なり、近年は住民トラブルの増加を背景に新規受付を終了する自治体も出ています。参入を検討する際は、対象エリアかどうかと最新の受付状況を、必ず管轄自治体に確認してください。
民泊新法(住宅宿泊事業法)
民泊新法は、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法にもとづき、既存の住宅を届出だけで民泊として貸し出せる形態です。3種類の中で手続きのハードルが最も低く、住居専用地域でも営業でき、建物の用途変更も不要です。自宅の一部や空き家を使えば物件の購入費がかからず、初期費用を抑えて始められます。一方、営業できるのは年間180日以内に制限され、家主が居住していない場合は、国土交通大臣の登録を受けた「住宅宿泊管理業者」への管理委託が義務づけられています。
適切な届出や許可を得ずに民泊を行うと違法民泊となる
住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されたことで、現在では民泊を始めるためのハードルはかなり低くなっていますが、適切な届出や許可を得ずに宿泊サービスを提供する「違法民泊」はまだまだ存在しています。しかし、違法民泊は犯罪行為となるので、絶対に行わないように注意しましょう。
具体的には、無許可・無届けで民泊を行った場合、旅館業法に則り、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります。住宅宿泊事業法にもとづく届出に虚偽があった場合も、住宅宿泊事業法に則り、無許可・無届けで民泊を行った場合と同様の罰則が科されることがあります。
また、住宅宿泊事業法にもとづく民泊新法の運営では、国土交通大臣の登録を受けた「住宅宿泊管理業者」に管理業務を委託する義務があるので注意が必要です。民泊運営者自身が住宅宿泊管理業者でなかったり、民泊を行う住まいに家主が住んでいなかったりする場合、住宅宿泊管理業者への委託を行わないと、50万円以下の罰金を科せられることがあります。
民泊運営のメリット・デメリット

民泊ビジネスには、注目度の高さに見合うメリットがある一方、特有のリスクも存在します。運営を検討する上で知っておくべき主要なポイントを整理しました。
メリット
- 空き家を「収益物件」に変えられる
所有しているだけで固定資産税や維持費がかかる空き家を有効活用し、宿泊料として現金収入を得られます。コストの塊だった不動産を、利益を生み出す資産へと転換可能です。 - 地域の活性化・地方創生に貢献できる
インバウンド(訪日外国人)をはじめとする観光客を呼び込むことで、地域の飲食店や観光施設に経済効果をもたらします。ビジネスの収益だけでなく、「地域貢献」というやりがいも得られます。 - 民泊適地として物件の資産価値が上がる
民泊の営業規制(条例など)が厳しいエリアでは、すでに民泊の設備や運営実績が整っている不動産は希少価値が高くなります。将来的に「民泊に最適な物件」として、好条件で売却できる可能性が高まります。
デメリット
- 施設の汚損や破損のリスクがある
ゲストによる不適切な使用、壁や家具の破損、ゴミの放置といったトラブルのリスクは避けられません。特に文化の異なる外国人観光客が多いため、ハウスルールの多言語化や、事前のトラブル対策が必須です。 - 初期のリノベーション費用がかかる
空き家をそのまま民泊として貸し出すのは困難です。ゲストに選ばれるための衛生面・デザイン性の確保や、法令(消防法など)に適合させるための改修が必要となり、時には数百万円〜1千万円以上の初期投資が必要になります。
住宅宿泊事業法(民泊新法)で民泊を始める流れ
住宅宿泊事業法に基づいて民泊を開業する際の手順は、大きく以下の4ステップです。
民泊開業までの4ステップ
空き家を民泊に活用する完全ガイド~基礎知識から運営ノウハウまで~
費用を抑えて空き家で民泊を始める方法
空き家を活用した民泊運営において、最大のネックとなるのが「初期費用」です。民泊を始めるには事前のリノベーションが必要ですが、費用が数百万円単位にのぼることも多く、所有者様にとっては大きな負担となります。
そこで、初期費用を抑えて空き家を有効活用できるサービス「アキサポ」をご紹介します。
アキサポとは?
「アキサポ」は、空き家を借り受け、所有者様の自己負担(初期投資)ゼロ(※)でリノベーション工事を行った上で、一定期間転貸するサービスです。
(※)建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
リノベーションだけでなく、「現地の市場調査」から「プランニング」「利用者の募集」まで、空き家活用に必要なすべての工程をワンストップで対応。面倒な手続きをまとめて任せられる点が特徴です。
アキサポを活用する5つのメリット
豊富な知識を持つ専門スタッフが、立地や建物の特性を活かしたベストな民泊・空き家活用をサポートします。
- 自己負担ゼロ(※)でのリノベーションにより、初期費用を抑えてスタートできる
- 使い道に困っている空き家でも、立地に応じた有効活用ができる
- 空き家を利活用することで、毎月安定した家賃収入が得られる
- 売却、建物管理、解体、残置物処理など、幅広いお困りごとも一括解決
- 契約期間終了後には、資産価値の高まった物件が手元に戻る

空き家を活用した民泊施設、シェアスペース等の成功事例
先にアキサポの概要、活用することによって得られるメリットなどを紹介しましたが、「なかなか具体的なイメージが湧かない」という方もいらっしゃるでしょう。
アキサポが手がけた空き家活用の成功事例をいくつか紹介しますので参考にしてみてください。
1. 築115年超の京町家をラグジュアリーな一棟貸し宿泊施設に

築115年超の京町家をラグジュアリーな一棟貸し宿泊施設に
京都上ル合同会社、有限会社ヴァルクとの3社共同事業です。築115年を超える歴史ある町家を後世に残すため、「保存と再生」をテーマにリノベーションを実施。京都白川の風情ある地域性を活かした、1日1組限定の高級宿泊施設へと生まれ変わりました。
2. 60年間続いたクリーニング店は横須賀市内初の空き家を活用したシェアキッチンへ再生

60年間にわたり地元で親しまれた好立地な旧クリーニング店の活用事例です。「上町」の町おこしをコンセプトに、元の店舗の風合いをあえて残したリノベーションを実施。1階をシェアキッチン、2階をシェアオフィスとし、多様な用途で地域に開かれた施設へと再生しました。
3. 創業80年の履物屋を、食の起業を支えるシェアキッチンへ一新

商店街で80年余り続いた履物屋が空き家になる前に着手した事例です。「地域活性化に役立ててほしい」という所有者様の想いを受け、地元企業と連携。飲食店開業前のテスト店舗やお料理教室、食育イベントなどに幅広く使えるシェアキッチンへと生まれ変わり、地域の新たな活動拠点となっています。
空き家民泊に関するよくある質問
まとめ:空き家民泊を始めるなら、初期費用を抑えられる「アキサポ」へ
民泊は、所有している空き家を収益物件に変えられる魅力的な事業です。しかし、外国人観光客や宿泊ゲストに選ばれる施設にするためには、数百万円規模の高額なリノベーション費用が大きな壁となります。
「資金面で民泊運営を諦めたくない」という方は、ぜひアキサポにご相談ください。
アキサポなら、所有者様の自己負担ゼロ(※)で立地に応じた最適なリノベーションを行い、民泊や賃貸としての運用をワンストップでサポートします。
(※)建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
民泊はもちろん、売却や解体、その他の有効活用など、空き家に関するお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にアキサポへお問い合わせください。あなたの空き家を、価値ある資産へと再生させましょう。
この記事の監修者
岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。