公開日:2024.11.15 更新日:2026.07.17
空き家ビジネスは儲かる?7つの活用法と成功のポイントを解説

空き家ビジネスとは、使われていない空き家を賃貸・宿泊・店舗などに活用して収益を得る取り組みです。結論から言えば、立地や地域のニーズに合った活用法を選び、補助金で初期費用を抑えれば、収益化は十分に可能です。しかも、地域の課題解決につながる社会貢献型のビジネスとしても注目されています。
ただし、成功できるかどうかは「どんなビジネスを選ぶか」で大きく変わります。この記事では、空き家ビジネスが広がった背景、7つの具体的な活用法、そして成功のポイントまでを順に解説します。
空き家ビジネスが広がった背景

総務省による「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家の数は900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を記録しました。こうした状況のもと、所有している空き家をビジネス活用する方や、空き家を買い取ってビジネスを始める方が増えています。
空き家ビジネスの広がりに大きな影響を与えたのが、2014年に制定され2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」です。
この法律は、適切に管理されていない空き家が、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることを踏まえ、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、および空き家の活用促進を目的としています。
特定空家等の認定制度が、空き家ビジネス普及を後押し
空家等対策特別措置法により、自治体は倒壊のおそれなどがある空き家を「特定空家等」や「管理不全空家等」に認定できます。勧告を受けると固定資産税・都市計画税の住宅用地特例が外れ、建物が残っていても土地の税負担が大きく増えます。
この増税リスクを避けようと、空き家を活用・売却する所有者が増え、結果的に空き家ビジネスの普及につながりました。加えて、空き家活用は地域の活性化や交流人口の増加にも寄与するため、社会貢献度の高いビジネスとしても注目されています。
さらに2023年12月施行の改正法では、活用促進区域制度などが新設され、より実情に沿った制度へと改善されました。今後は自治体・企業による空き家ビジネスへの取り組みが一段と強化されると見込まれます。
空き家ビジネスの成功のポイント
空き家ビジネスを成功させるためには、どのようなビジネスを行うか、そして資金をどう準備するかがカギとなります。ここでは、空き家ビジネスを成功させるために必ず押さえておきたい、2つの重要なポイントについて解説しましょう。
✅空き家ビジネス成功の2つのポイント
立地に合ったビジネスを選ぶ
都市部は賃貸・シェアハウス、観光地は宿泊・飲食など、立地条件と地域ニーズから最適なモデルを選びます。
補助金で初期費用を抑える
国や自治体の空き家活用支援制度を使えば、改修などの初期費用を軽減できます。着手前に最新の公募状況を確認しましょう。
空き家の立地に適したビジネスを選ぶ
空き家ビジネスを成功させるためにまず重要なのは、空き家の立地条件と地域のニーズを十分に考慮し、その場所に最適なビジネスモデルを選択することです。場所ごとにどんな活用法が適しているのか、一般的な傾向を見ていきましょう。
| 立地 | 向いているビジネス |
|---|---|
| 都市部 | 賃貸、シェアハウス、ゲストハウス、コワーキングスペース |
| 観光地の近く | 宿泊施設・民泊施設、外国人向け体験型宿泊、カフェ・レストラン |
| 郊外 | 地域交流拠点、高齢者向けデイサービス、コインランドリー |
| 田舎 | グリーンツーリズム施設、特産品を活かしたカフェ・直売所 |
空き家活用に役立つ補助金を利用する
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 空き家対策総合支援事業(国土交通省) | 自治体を通じて、空き家の活用・除却にかかる費用の一部を補助 |
| 東京都 空き家ポテンシャル発掘支援事業 | 区市町村と連携する民間事業者向け。改修費を補助率2/3・上限250万円/棟(耐震改修は1棟200万円まで上乗せ) |
| 兵庫県 空き家活用支援事業 | 空き家の改修費用の一部を補助 |
空き家ビジネスの初期費用を抑え、事業の立ち上げをスムーズに行うために、空き家活用に役立つ補助金制度を利用することも必要です。
国土交通省の「空き家対策総合支援事業」では、空き家の活用や除却に関する費用の一部を補助しています。
また、多くの自治体が、独自の空き家活用支援制度を設けています。例えば、兵庫県の「空き家活用支援事業」は、空き家の改修費用の一部を補助する制度です。東京都の「空き家ポテンシャル発掘支援事業」では、区市町村と連携して空き家を活用する民間事業者に対し、改修費を補助率2/3・1棟あたり上限250万円(耐震改修を行う場合は1棟あたり200万円を上限に上乗せ)で補助しています。
空き家ビジネスの具体例
空き家ビジネスが可能な具体例を多く知っていれば、それだけビジネスを成功させるための選択の幅を広げることができます。続いては、ビジネスモデルとして参考になる、空き家の7つの活用法を紹介します。
🏠空き家ビジネス 7つの活用法
賃貸物件
安定した家賃収入。DIY型賃貸で維持費も節約。
コワーキング
テレワーク需要が拡大。レンタルオフィス化も可能。
宿泊施設
民泊・ゲストハウス。古民家宿は差別化しやすい。
シェアハウス
若者・単身者向け。コンセプト特化で差別化。
介護施設
デイサービス等。社会的ニーズが高い。要バリアフリー化。
飲食店
古民家カフェ等。許認可・法規対応が必要。
トランクルーム
初期投資が比較的少なく、立地を選びにくい物件でも可能。
賃貸物件
戸建ての空き家をリフォームして貸し出せば、毎月安定した家賃収入が得られます。2LDK以上ならファミリー向け戸建て賃貸に、入居者が自由に改装できるDIY型賃貸借なら維持を入居者に任せてランニングコストを抑えられます。
実際に、無垢材のこだわり住宅を大反響の賃貸に再生した事例や、7年以上借り手がつかなかった空き家を現況活用で貸し出した事例もあります。
コワーキングスペース
テレワークの普及で需要が高まる活用法です。高速インターネットや会議室を整えれば付加価値が高まり、個室・固定席を設けて月単位・年単位で貸すレンタルオフィス化も可能です。元社員寮を全77室の大型シェアハウスへ再生した事例では、共用部に入居者専用のコワーキングスペースを設けています。
宿泊施設
民泊やゲストハウスとして運営すれば、観光客や長期滞在者向けに収益化できます。特に古民家改修は地域の魅力を活かした特色ある宿泊体験をつくれるのが強みです。築33年の空き家を高級一棟貸し宿にした事例や、築115年超の京町家をラグジュアリーな一棟貸し宿にした事例が参考になります。
シェアハウス
若者や単身者向けの住まいとして提供でき、共用スペースを設ければ入居者同士の交流やコミュニティ形成にもつながります。クリエイター向けや外国人向けなどコンセプトを持たせれば差別化も可能です。築56年の空き家を女性専用古民家シェアハウスにした事例や、築50年の空き家を“筋トレするシェアハウス”に再生した事例があります。
介護施設
高齢化で需要が高まる活用法で、デイサービスや小規模多機能型居宅介護などに転用できます。バリアフリー化や安全設備の導入は必要ですが、社会的ニーズの高い事業です。詳しくは空き家をデイサービス施設として活用する手続きとメリットで解説しています。
飲食店
カフェやレストラン、バーなどへの改修も選択肢です。古民家カフェはレトロな雰囲気で人気を集めやすく、地域の特産品を活かせば活性化にも貢献できます。飲食店営業許可や建築基準法・消防法への対応は必要ですが、経営ノウハウがある方には有力です。履物屋を飲食起業の拠点となるシェアキッチンにした事例や、物販所兼社宅をシェアハウス+フレンチ料理店にした事例もあります。
トランクルーム
規模や構造が合えば初期投資が比較的少なく、継続的な収益が見込めます。収納需要の高い都市部・住宅密集地なら、立地条件が良くない物件でも活用可能です。解体して屋外型コンテナにする方法もあり、いずれもトランクルーム会社への貸し出しやフランチャイズ契約で運営できます。詳しくは空き家をトランクルームに活用する方法・メリットと注意点をご覧ください。
🏠空き家ビジネスに関するよくある質問
Q. 空き家ビジネスは儲かりますか?
立地や地域ニーズに合った活用法を選べば収益化は可能です。賃貸やトランクルームは比較的低リスク、宿泊や飲食は収益性が高い一方で許認可や改修費がかかります。事前に法規制・改修コストを含めてシミュレーションすることが成功の前提です。
Q. 空き家にはどんな活用法がありますか?
代表的なのは、賃貸物件・コワーキングスペース・宿泊施設・シェアハウス・介護施設・飲食店・トランクルームの7つです。都市部は賃貸やシェアハウス、観光地は宿泊や飲食、郊外・田舎は地域交流拠点やグリーンツーリズムなど、立地に応じて選びます。
Q. 空き家ビジネスに使える補助金はありますか?
国土交通省の「空き家対策総合支援事業」や、各自治体独自の活用支援制度が利用できます。たとえば東京都は民間事業者向けに改修費を補助(上限250万円/棟など)。制度は年度で内容が変わるため、着手前に最新の公募状況を確認しましょう。
空き家ビジネスを、儲かるビジネスにしよう
空き家ビジネスは、収益性と地域貢献を両立できる活用法として注目されています。成功のカギは、立地や物件の状態、地域ニーズに合ったビジネスモデルを選ぶこと。賃貸・コワーキング・宿泊・シェアハウス・介護・飲食・トランクルームなど、候補をなるべく多く挙げ、必要な許認可や法規制、改修コスト、補助金の活用まで含めてシミュレーションすることが大切です。
とはいえ、「自分の空き家がどのビジネスに向くのか」「収支は成り立つのか」を一人で見極めるのは簡単ではありません。空き家を活用して収益化したい方も、これから空き家を買い取ってビジネスを始めたい方も、アキサポにご相談ください。リノベーション費用を全額負担(自己負担0円)での活用プランのご提案から、物件の紹介まで、空き家ビジネスをトータルでサポートします。
「空き家を活かして収益化したい」「そもそも何に使えるのか相談したい」――どの段階でも大丈夫です。
アキサポはリノベーション費用を全額負担(自己負担0円)での活用プランから物件紹介まで、空き家ビジネスをトータルでサポートします。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






