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公開日:2021.05.14 更新日:2026.09.29

空き家とは?意味・増える理由・放置の問題と使い道をわかりやすく解説

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空き家とは、わかりやすくいうと、人が住んでいない住宅のことです。相続したまま使っていない実家だけでなく、入居者を募集している賃貸住宅や、売りに出されている家も、統計上は空き家に含まれます。

ニュースなどで「空き家問題」や「空き家活用」という言葉を耳にして、なぜ空き家が増えているのか、使われていない家をどう活かせるのか、気になっている方もいるでしょう。

この記事では、空き家活用の専門家であるアキサポが、空き家の意味や増えている理由を身近な例を交えて解説します。管理にかかる費用や活用方法も紹介しますので、空き家について知るきっかけにしてください。

空き家とは?身近な例でわかりやすく解説

草が伸びた敷地に建つ、外壁やひさしが傷んだ平屋

「空き家」と言ってもその実態はさまざまです。所有者はいるものの放置されている住宅もあれば、売却のために一時的に空き家になっている物件や、借り手のいない借家なども空き家の一つです。

まずは、ニュースなどで使われる広い意味の「空き家」と、法律上の「空家等」を分けて理解しておきましょう。

一般的には相続した実家や入居者のいない住宅などを指す

日常会話で使う「空き家」は、相続したものの使っていない実家や、一時的に入居者のいない住宅、親が施設へ入居して戻る予定のない家などを指します。家具や家電が置かれていても、実際に人が暮らしていなければ空き家になり得ます。

それとは別に、全国の住宅の状況を調べる総務省の「住宅・土地統計調査」独自の区分もあります。区分は以下の4種類です。

種類身近な例
賃貸用の空き家入居者を募集しているアパートの空室や貸家
売却用の空き家売りに出され、買い手を待っている住宅
二次的住宅週末や休暇に使う別荘など、普段は人が住んでいない住宅
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家相続後に使い道が決まっていない家、長期不在となっている住宅など

このように、空き家という言葉には、次に使う人を探している家も、定期的に利用される別荘も含まれます。

法律上は、使われていない状態が続く建物と敷地が対象

空き家の管理や対応などについて定めた「空家等対策特別措置法」において「空家等」は、住まいや店舗などとして使われていない状態が常態となっている建物と、その敷地などを対象とすると規定されています。住宅以外の建物も含まれますが、国や地方公共団体が所有・管理するものは除かれます。

なお、法律上の判断では、不在の日数だけでなく、建物の使われ方や管理の状況なども確認されます。旅行や短い出張で家を空けているだけなら、通常は空家等には当たりません。そのため、統計で数えられる空き家と、法律に基づいて対策の対象となる空家等の範囲は異なる場合があります。

法律上の判断基準や「特定空家等」「管理不全空家等」との違いは、空き家の定義を詳しく解説した記事をご覧ください。

空き家はどのくらいある?全国の空き家数・空き家率を都道府県別に比較

空き家は地方における問題だと考えている方もいるかもしれませんが、実際は都市部も含めた全国的な問題になっています。

総務省の2023年(令和5年)住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%でした。住宅のおよそ7戸に1戸が空き家という計算です。2018年の848万9,000戸から5年間で51万3,000戸増え、空き家数・空き家率ともに過去最高となっています。

都道府県別の状況は以下のとおりです。

都道府県空き家数空き家率都道府県空き家数空き家率
北海道45.2万戸15.6%三重県14.3万戸16.3%
青森県9.9万戸16.7%滋賀県8.2万戸12.3%
岩手県10.0万戸17.3%京都府18.0万戸13.1%
宮城県14.0万戸12.4%大阪府70.2万戸14.2%
秋田県7.0万戸15.8%兵庫県38.7万戸13.8%
山形県6.2万戸13.5%奈良県9.4万戸14.6%
福島県13.1万戸15.2%和歌山県10.5万戸21.2%
茨城県19.6万戸14.1%鳥取県4.1万戸15.7%
栃木県16.4万戸16.9%島根県5.5万戸17.0%
群馬県16.1万戸16.7%岡山県15.7万戸16.5%
埼玉県33.0万戸9.3%広島県23.1万戸15.8%
千葉県39.4万戸12.3%山口県14.1万戸19.4%
東京都89.7万戸10.9%徳島県8.3万戸21.3%
神奈川県46.7万戸9.8%香川県9.2万戸18.6%
新潟県15.5万戸15.3%愛媛県14.6万戸19.8%
富山県7.0万戸14.7%高知県7.9万戸20.3%
石川県8.6万戸15.6%福岡県33.5万戸12.4%
福井県5.3万戸15.6%佐賀県5.3万戸14.5%
山梨県8.7万戸20.4%長崎県11.3万戸17.3%
長野県20.9万戸20.1%熊本県12.7万戸14.9%
岐阜県14.8万戸16.1%大分県11.6万戸19.1%
静岡県29.6万戸16.7%宮崎県9.1万戸16.3%
愛知県43.3万戸11.8%鹿児島県18.4万戸20.5%
沖縄県6.5万戸9.4%

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)」 総務省統計局

空き家率では徳島県の21.3%や和歌山県の21.2%など、地方で高い傾向がある一方、空き家数では東京都が89.7万戸、大阪府が70.2万戸、神奈川県が46.7万戸など、都市部で高くなっています。割合では地方部の高さが目立つものの、戸数で見ると大都市にも多くの空き家があり、全国共通の課題であることがわかります。

なお、900万2,000戸のうち、賃貸用・売却用・二次的住宅を除く空き家は385万6,000戸です。使い道が決まっていない住宅なども含まれ、2018年から36万9,000戸増加しています。

空き家が増えている理由は?

「少子高齢化」と書かれた資料と高齢者のミニチュア

空き家が増えている背景には、相続後に住む人がいなくなることや、売却・賃貸が進まないことなど、さまざまな事情があります。ここでは、住宅が空き家になり、その状態が長く続いてしまう主な理由を見ていきましょう。

相続をきっかけに住む人がいなくなる

空き家が生まれる大きなきっかけの一つが相続です。国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」では、所有する空き家の取得方法として「相続」が57.9%と最も多くなっています。

親が施設へ移ったり亡くなったりした後、子どもが実家を引き継いでも、すでに自宅を持っていたり、仕事の都合で遠方に暮らしていたりすると、その家に住むとは限りません。家財の片付けや家族での話し合いにも時間がかかるため、使い道を決めないまま実家だけが残るケースがあります。

住宅の傷みや需要とのずれで売却・賃貸が進みにくい

空き家になった後に売却や賃貸を考えても、すぐに次の使い手が見つかるとは限りません。国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」では、今後空き家を賃貸・売却する意向がある世帯が感じている課題として「住宅の傷み」が43.3%、「借り手・買い手の少なさ」が40.3%と、空き家の流通に関する課題が大きな割合を占めています。

特に、築年数が古く修繕が必要な家や、交通・買い物の利便性が低い家では、買い手や借り手は価格や家賃だけでなく、建物の状態や実際の暮らしやすさも見ながら購入・入居を判断します。求める条件とのずれが大きい家ほど選ばれにくく、売却や賃貸が決まらないまま空き家の状態が長引くことがあります。

費用や家財の整理が負担になり、処分を決めにくい

空き家を手放したり活用したりするには、解体や修繕だけでなく、残された家財の処分などにも費用と手間がかかります。

国土交通省の調査でも、今後も空き家として所有する理由として「物置として必要」が55.8%と最も多く「解体費用をかけたくない」も47.3%にのぼっています。そのほか、住宅の古さや更地にした後の使い道、家財の処理など、複数の事情が挙げられています。

空き家を放置すると、どんな問題が起きる?

空き家は、管理されない期間が長くなるほど建物の劣化や庭木の繁茂が進み、修繕にかかる負担も大きくなります。さらに、部材の落下や害虫、不法侵入など、近隣の生活環境や安全にまで影響が及ぶことがあります。建物の設置や管理の不備によって他人に損害を与えた場合は、所有者などが損害賠償責任を負うこともあります。

代表的な問題と、所有者や周囲への影響は以下のとおりです。

放置によって起こりやすいこと所有者や周囲への主な影響
屋根・外壁などの劣化部材が落下し、隣家や通行人に被害を及ぼすおそれがある
庭木・雑草の繁茂、ごみの蓄積枝の越境や害虫、悪臭が発生し、近隣の生活環境に影響する
防犯性の低下不法侵入や不法投棄が起こるきっかけになる
雨漏り・配管などの不具合の見落とし発見が遅れて修繕範囲や費用が広がり、売却や賃貸が難しくなる場合がある

空き家を持っていると、どんなお金がかかる?

傷んだ家の模型と「TAX」の文字、右肩上がりの赤い矢印

空き家は不動産という立派な資産ではありますが、所有している限り、さまざまなお金がかかるのも事実です。

ここでは、空き家の維持にかかる費用を、税金と管理・修繕費に分けて見ていきましょう。

税金:固定資産税や都市計画税など

住宅用地の特例と空き家の管理
建物を残している場合(特例適用)
住宅用地の特例の対象となる土地では、固定資産税の課税標準額が軽減されます。住宅1戸につき200㎡までの部分は6分の1です。
解体して更地にした場合
建物を解体して更地にすると、原則として住宅用地の特例は使えなくなります。
特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けた場合
建物を解体していなくても、自治体から必要な措置をとるよう勧告を受けた場合は、住宅用地の特例の対象から外れることがあります。

空き家であっても、土地や建物を所有している限り、原則として固定資産税がかかります。さらに、市街化区域内の土地や建物には、自治体によって都市計画税が課される場合があります。

税率の基本的な考え方は、以下のとおりです。

  • 固定資産税:課税標準額 × 標準税率1.4%
  • 都市計画税:課税標準額 × 税率(上限0.3%)

固定資産税の1.4%は標準税率であり、実際の税率は自治体によって異なる場合があります。都市計画税についても、0.3%を上限として自治体が条例で税率を定めています。所有している空き家に実際いくら課税されているかは、毎年届く納税通知書で確認できます。

また、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、税負担が軽減されます。住宅1戸につき200㎡までの小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準額が6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されます。200㎡を超える部分についても、一定の範囲でそれぞれ3分の1、3分の2となります。

ただし、建物を解体して更地にすると、原則として住宅用地の特例は使えなくなります。また、「特定空家」や「管理不全空家」として自治体から必要な措置をとるよう勧告を受けた場合も、特例の対象から外れることがあります。

管理費や修繕費、現地までの交通費など

空き家を所有している場合、税金以外にも維持・管理においてさまざまな費用が発生します。主な費用は以下のとおりです。

費用の種類主な内容
日常の管理費清掃、草刈り、庭木の剪定、管理会社への委託料
光熱費・保険料管理に必要な電気・水道の料金、建物の利用状況に合う保険
交通費・宿泊費遠方の家を点検・管理するための移動や宿泊
修繕費雨漏り、外壁、給排水設備などの補修

なお、これらの費用は、建物の状態や庭の広さ、現地までの距離、管理の頻度によって大きく変わります。また、雨漏りや外壁の傷みなどが見つかれば、日常的な管理費とは別にまとまった修繕費が必要になる場合もあるため、年間でどの程度の維持費がかかっているかを一度整理しておくとよいでしょう。

空き家の使い道は?主な選択肢は売る・貸す・自分で使う

白い家形の切り抜きを受け渡す手元

空き家の使い道は、大きく「売る」「貸す」「自分で使う」の3つに分けられます。どの方法が合うかは、今後も家を残したいか、管理や修繕の負担を続けられるか、売却・賃貸の需要があるかなどによって変わります。

それぞれの特徴を比べながら、自分の状況に合った使い道を考えてみましょう。

使い道主なメリット考えておきたいこと
売却する売却代金を得られ、引き渡し後の管理負担を手放せる売れる価格や期間は立地・状態・条件によって変わる
貸して活用する所有を続けながら家賃収入を得られる修繕費や空室期間、貸主としての管理を見込む
自分や家族で使う住まい、週末の滞在先、仕事場などに利用できる利用頻度に見合う改修費・維持費かを考える

家を残しておきたいなら賃貸や家族での利用が候補になり、今後使う予定がなく管理も難しいなら売却が選択肢になります。建物の傷みが大きい場合は、解体して土地として売る・使う方法もありますが、費用や税負担に加え、建て替えが可能な土地かどうかも確認が必要です。

また、空き家を貸す場合は、住宅としての利用だけでなく、店舗や事務所、仕事場などに活用できる可能性もあります。向いている用途は、立地や建物の構造、周辺需要などによって変わるため、専門家と相談しながら検討するのがよいでしょう。

空き家はどう変わる?アキサポの活用事例を紹介

ここでは、アキサポが過去に手掛けた空き家活用事例をいくつかご紹介します。

古い家の特徴を残した事例と、地域で新しい役割を担った事例から、空き家の使い道を具体的に見てみましょう。

築115年超の京町家を、一棟貸しの宿泊施設へ

築115年超の歴史ある京町家を後世に残すため、リノベーション~活用までを手掛けた事例です。

活用するうえで大切にしたのは、地域の「空き家対策」および文化・街並みの象徴である京町家の「保存・再生」の2つの観点。

古民家ならではの伝統文化の本質を残しながら、さらに魅力を引き出すアイデアを随所に盛り込み、現在では1日1組限定のラグジュアリーな宿泊施設へと生まれ変わりました。

京町家の保存・再生事例を詳しく見る

商店街の空き物件を、起業を支えるシェアキッチンへ

東京都豊島区南長崎の商店街にあった空き物件を、公民連携でシェアキッチンとして活用した事例です。

南長崎は、手塚治虫や藤子不二雄、石ノ森章太郎らが暮らした「トキワ荘」があったことで知られる一方、当時は商店街の人通りが減り、地域に新たな賑わいを生み出すことが課題となっていました。

そこで、豊島区の「創業チャレンジ支援施設開設事業補助金プロジェクト」を活用し、商店街の空き物件を起業支援型のシェアキッチンとして再生。地元商店街や地域でまちづくりに取り組む人たちも加わり、地域ぐるみでプロジェクトが進められました。

オープン後はシェアキッチンとしてだけでなく、起業塾などの創業支援や地域交流の場としても活用されました。

以下の記事でコマワリキッチンの活用に関するエピソードなどを紹介しています

シェアキッチンで空き家活用|地域住民の交流の場、新たなスポット

※ コマワリキッチンは2024年12月31日をもって閉店しています。

視認性の悪さを生かし、不法投棄が続いた物件をバイクガレージへ

不法投棄に悩まされるなど、10年以上放置された物件をバイクガレージに活用しました。

元々は健康食品の倉庫兼事務所でしたが、立地が奥まった場所であることから視認性が悪く、さらにシャッターもなく長年雨風に晒された挙句、不法投棄に悩まされることになりました。

そこで、奥まった立地、視認性の悪さなど一見デメリットに見える特徴を逆手に取り、「バイクガレージ」への活用を決定。

当初のデメリットだった「人目にさらされにくい」という立地の特徴を生かし、大型バイクガレージへと再生した事例です。

不法投棄が続く空き家をバイクガレージへ活用した事例を見る

空き家についてのよくある質問
Q1. 月に1回、数時間だけ風通しに行っている実家は「空き家」になりますか?

A1. 換気や点検のために訪問していても、普段人が住んでいなければ空き家に当たることがあります。法律上の「空家等」に該当するかは、居住やその他の利用がない状態が続いているかなど、実際の使われ方を踏まえて判断されます。管理のための訪問だけで対象外になるとは限りません。

Q2. 空き家の固定資産税を払わないとどうなりますか?

A2. 納期限を過ぎると督促を受け、延滞金がかかる場合があります。滞納が続くと、不動産や預貯金などの財産を差し押さえられることもあります。支払いが難しい場合は放置せず、空き家がある自治体の納税相談窓口へ早めに相談しましょう。

Q3. 古すぎて売ることも貸すことも難しい空き家はどうすればいいですか?

A3. まずは建物の状態と地域の需要を不動産会社などに確認し、現状での売却、修繕しての活用、解体して土地として売る方法を比較しましょう。専門業者による買取も選択肢ですが、買い取れるかや契約条件は物件ごとに異なります。解体には費用がかかり、税負担や建て替えの可否にも関わるため、先に見積もりと条件を確認することが大切です。

まとめ|空き家の現状を知り、これからの使い道を考えよう

空き家になった家にも、住まいや店舗などとして再び使える可能性があります。まずは家の状態と管理の負担を確認し、家族が今後使う予定や、残しておきたいという気持ちも含めて、使い道を考えてみましょう。

アキサポでは、空き家に関するさまざまなお悩み・疑問を随時受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

宅建士 二級建築士 岡崎 千尋

岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。

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