公開日:2025.08.27 更新日:2025.08.04
NEW家を売る前に知っておきたい税金まとめ|計算方法・控除・確定申告の基本から節税のヒントまで

家を売る際は、譲渡所得税や住民税などの税金だけでなく、特例や控除の適用によって税額が大きく変わることもあります。所有期間や取得費、譲渡費用による計算の仕組みを理解し、確定申告や節税対策に備えておくことが大切です。この記事では、不動産売却時に押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
目次
家を売ると必ずかかる税金と可能性のある税金の基本

家を売る際に避けて通れないのが、“必ずかかる税金”と売却金額や条件次第で“発生する可能性のある税金”です。
思わぬ出費で損をしないためにも、まずはそれぞれの税金の仕組みをきちんと理解しておきましょう。
家を売却したら必ずかかる譲渡所得税とは
家を売って利益が出た場合には、基本的に「譲渡所得税」が発生します。これは、所得税・住民税・復興特別所得税をまとめて課税する仕組みで、所有期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分かれ、税率も異なります。
譲渡所得の額は、購入時の「取得費」や売却時の諸経費を差し引いて算出しますが、取得費が不明な場合は売却価格の5%を「概算取得費」として計算するケースもあります。
なお、マイホームの売却なら「3,000万円の特別控除」が使えることも。この特例を活用すれば、課税額がゼロになるケースもあります。これは所得税(復興特別所得税を含む)と住民税をまとめて課税する仕組みです。まずは、譲渡所得税が家を売るときの基本だと覚えておきましょう。
家の売却時にかかる可能性がある税金【印紙税・登録免許税・消費税など】
家を売る際には、条件や手続きの内容によって「印紙税」や「登録免許税」などの税金が追加でかかるケースもあります。これらは売買契約書の作成や所有権の移転などに伴う費用で、売却価格や契約の種類によって金額も変わってきます。
たとえば印紙税は、売買契約書に記載される金額に応じて段階的に課税される仕組み。高額な売却になるほど税額も上がるため、事前のチェックは必須です。
また、物件価格には消費税がかからないことが多いものの、不動産会社に支払う仲介手数料には消費税がかかります。売却に関わる税金は、思ったより多かった……とならないよう、こうした諸費用も売却プランに組み込んでおくのが安心です。
家を売る税金の計算前に確認したい基本用語
家を売ったときに出る利益は「譲渡所得」と呼ばれ、税金の計算ではこの金額がベースになります。譲渡所得は、売却価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて求めます。
取得費には、購入時の価格に加えて仲介手数料やリフォーム費、改良費なども含まれることがあります。一方、譲渡費用には売却時の仲介手数料、印紙税、測量費用などがあてはまります。
それぞれの費用が認められる範囲は細かく決められているため、領収書や契約書は保管しておくことが大切。あらかじめ基本用語を押さえておくと、家を売る際の税負担を避けるうえで役立つでしょう。
家を売却する時に発生する手続き上の費用と諸経費

家を売るときは譲渡所得税だけでなく、契約書や登記などの手続き費用も発生します。印紙税や登録免許税、仲介手数料など、見落としがちな諸経費についても事前に確認しておきましょう。
印紙税とは?かかる金額と注意点
印紙税とは、売買契約書などの文書に貼る印紙代として課される税金です。家を売却する際には、契約書に記載された金額に応じて税額が決まっており、高額な売却ほど印紙税も高くなります。契約書の金額に合った正しい印紙を貼ることが大切です。
万が一、印紙を多く貼りすぎた場合は、手続きをすれば還付を受けられる場合があります。逆に不足していると、契約書が不備とされ、過怠税が課されるリスクもあるため注意が必要です。
また、仲介業者や相手方と複数の契約書を作成するケースもあるため、それぞれの書類にどの金額の印紙が必要かを正確に確認しておきましょう。
登録免許税の計算法と抹消登記時の負担
登録免許税は、所有権の移転登記や抵当権の抹消登記などにかかる税金です。所有権移転時は、不動産の固定資産税評価額に税率をかけて計算します。
家を売る際には、抵当権が残っている場合に売主が抹消登記を行うのが一般的。ローンを完済していても、抹消登記をしないと第三者から借入が残っているように見えてしまうため、注意が必要です。
登記費用は高額ではないものの、司法書士への報酬が加わると出費がかさむことも。依頼前に見積もりを取っておくと安心です。
仲介手数料にかかる消費税
家を不動産会社に仲介してもらうと、売却金額に応じて仲介手数料が発生します。手数料の上限は法律で定められており、「成約価格が400万円を超える場合、成約価格の3%+6万円(税別)」の計算式で決まります。
注意したいのは、この仲介手数料には消費税が加算されるという点。物件価格には非課税でも、サービスへの対価にはしっかり課税されるため、想定より費用が膨らむケースもあります。
契約前には、仲介手数料の金額や消費税の扱いについて書面で確認しておくと安心です。最終的な手取り額を意識しながら、しっかりと計画を立てましょう。
その他に発生する可能性のある諸費用
家を売る際には、想定外の費用がかかることもあります。たとえば、内装や設備の一部リフォーム、引越し費用、不用品の処分代などが挙げられます。
また、広告費やホームステージングなど、高く売るための工夫にかかる費用も検討ポイントです。これらは売主の判断で行うケースが多いため、予算とのバランスを見極めることが大切です。
思わぬ出費を予防するためにも、事前に大まかな資金計画を立てておくと安心です。必要に応じて不動産会社や専門業者に見積もりをとり、全体の費用感を把握したうえで売却を進めましょう。
家の売却益にかかる譲渡所得税の仕組み

家を売ることで得られた利益には、譲渡所得税がかかります。所得税・住民税・復興特別所得税を含む税率や計算方法を把握することが大切です。ここからは、譲渡所得とは何か、所有期間で変わる税率などを詳しく見ていきましょう。
譲渡所得とは何か?家を売る際の基本を押さえよう
譲渡所得とは、不動産を売って得た利益のことです。「売却価格-(取得費+譲渡費用)」で算出され、この金額がプラスになると課税対象になります。
ポイントは、取得費を正確に把握できるかどうか。購入時の契約書や領収書がない場合は、売却額の5%を目安とした「概算取得費」を使うことになりますが、実際より利益が大きく見えて税額が増えることも。
後から慌てて書類を探すことのないよう、購入時の資料やリフォーム費用の証明書類などは、事前にまとめて保管しておくのがおすすめです。
家を売る際の所有期間によって変わる譲渡所得税率
家を売却した際の譲渡所得税は、所有期間によって税率が変わります。5年以下の所有なら「短期譲渡所得」となり、税率は約39%前後と高め。一方、5年を超えると「長期譲渡所得」として扱われ、約20%に抑えられます。
この5年の区分は、「購入日から売却した年の1月1日時点」で判定される点に注意が必要です。所有期間の計算は、引き渡し日ではなく契約締結日を基準とする場合もあるため、確認しましょう。売却のタイミングを少し調整するだけで、税率がぐっと下がる可能性もあります。
もし5年の境目が近い場合は、スケジュールを見直して節税につなげるのがおすすめ。計画的な判断が、手取り額に大きく影響します。
短期譲渡所得と長期譲渡所得の違い
家を売却して得た利益は、所有期間に応じて「短期譲渡所得」か「長期譲渡所得」に区分され、それぞれ税率が異なります。
短期譲渡所得(所有期間5年以下)は、投資的な売買とみなされるため、所得税・住民税・復興特別所得税を含めて高い税率がかかります。
一方、5年を超えて所有した長期譲渡所得では、住宅資産としての利用が前提とされるため、税率は抑えられます。
この所有期間による違いは、売却後の手取り額に直結します。売却を検討する際は、まず自分が短期譲渡か長期譲渡に該当するかを確認しておきましょう。
家を売る時に注意すべき住民税・復興特別所得税の加算
家を売却して譲渡所得が出た場合、課税されるのは所得税だけではありません。住民税や復興特別所得税も加算される点に注意が必要です。
基本的に、長期譲渡所得なら所得税15%・住民税5%・復興特別所得税2.1%、短期譲渡所得ではそれぞれ30%・9%・復興特別所得税2.1%が課されます(※税率は課税額や税制改正により変動する可能性があります)。
見落としがちな加算税も含めたうえで、最終的な税負担をしっかり把握することが大切です。国税庁や自治体のホームページでは、簡易的に計算できるツールも提供されているため、家を売る前に活用しながら正確な資金計画を進めましょう。
譲渡所得税の具体的な計算方法とシミュレーション

譲渡所得税の計算は順を追えばシンプルです。所得の出し方、控除、税率、試算の方法まで順番にご紹介します。
Step1:譲渡所得を求める
まずは、家の売却価格から取得費と譲渡費用を引いて、譲渡所得を算出します。取得費には購入代金や仲介手数料、リフォーム費用などが含まれることがあり、譲渡費用には家を売る時の仲介手数料や印紙税、測量費などが該当します。
正確な譲渡所得を計算するためには、領収書や契約書などの書類をしっかり保管しておくことが大切です。不明なままにすると、課税額が必要以上に多くなる可能性もあるため注意しましょう。
なお、計算結果がマイナスになると、条件次第で損益通算や繰越控除の対象になることがあります。節税につながるチャンスを逃さないためにも、該当するか確認しておくと安心です。
Step2:特別控除額を差し引く
マイホームとして使っていた家を売却する場合、「3,000万円特別控除」が適用される可能性があります。これにより、譲渡所得が3,000万円以内であれば、所得税や住民税がかからないケースもあります。
ただし、特例を受けるには過去に同様の控除を使っていないことや、一定の所有期間・居住期間などの要件をクリアする必要があります。具体的には、売却した年の前年および前々年にこの特例または特定居住用財産の買換え等の特例を適用していないことなどが挙げられます。
また、他の特例と併用できるかどうかはケースごとに異なります。手続きのミスや適用漏れを防ぐためにも、自分の状況を整理したうえで、国税庁の公式ガイドラインをチェックしておくことが大切です。
Step3:税率を掛ける
特別控除を差し引いたあとの譲渡所得に対して、所有期間が5年以下か超えるかで「短期譲渡」か「長期譲渡」かを判定し、それぞれの税率をかけます。短期は約39%、長期は約20%が目安です。
この段階で出るのは所得税だけでなく、住民税や復興特別所得税も含めた合計の税額になります。税率は税制改正の影響で微調整されることもあるため、最新情報の確認が必要です。
家を売る金額が高額になると、わずかな税率の差でも手取りに大きな影響が出ることがあります。特別控除の有無や税率を把握したうえで、事前に資金計画を立てましょう。
Step4:シミュレーションで試算してみよう
たとえば家を3,000万円で売り、取得費や譲渡費用が合計1,500万円だった場合、譲渡所得は1,500万円。このとき「3,000万円特別控除」が使えれば、課税対象は0円になり、税金がかからないこともあります。
一方で5,000万円で売却し、取得費などが2,000万円だった場合、譲渡所得は3,000万円。特別控除が使えれば安心ですが、短期譲渡で使えなかったり、保有期間の条件を満たさないと、そのまま3,000万円が課税対象になり、数百万円単位の税金が発生することも。
このように、同じ売却でも条件次第で税額が大きく変わります。まずはシミュレーションで、ざっくり試算してみるのがおすすめです。
家を売る際に使える控除や特例を知っておこう

家を売るときは、条件を満たせば控除や特例で税負担を減らせることも。ここからは「3000万円特別控除」や「買い換え特例」など、知っておきたい制度をご紹介します。
3000万円特別控除の条件と注意点
「3,000万円特別控除」は、マイホームを売ったときに最大3,000万円まで譲渡所得から差し引くことができる制度。高額物件の売却でも、この控除が使えれば課税額がぐっと抑えられるでしょう。
ただし、自分が実際に住んでいた家であることや、過去2年以内に同じ特例を使っていないことなど、細かい条件があるので要チェック。また、親族への売却や、持ち主と住んでいる人が違う場合などは適用が難しいことも。
併用できない特例もあるので、必ず事前に税理士や国税庁の情報を確認してから進めるのが望ましいでしょう。
10年超所有の軽減税率の特例
マイホームを10年以上所有していた場合に使えるのが、軽減税率の特例。通常の長期譲渡所得よりもさらに税率が低くなり、節税効果はかなり大きくなります。
たとえば課税譲渡所得が6,000万円までなら、所得税10%、住民税4%、復興特別所得税2.1%で合計約14.1%の税率が適用され、一般の長期譲渡所得よりも優遇されます。(※税率は課税額や税制改正により変動する可能性があります)ただし、この特例も「居住用の財産」が対象なので注意が必要です。
「10年超」の判断は購入日からの年数で計算されるため、あと少しで10年というタイミングで家を売ってしまうと、せっかくの優遇が受けられないことも。この10年超の軽減税率の特例は、買換え特例とは併用できないため注意が必要です。タイミングひとつで数百万円単位の差になることもあるので、家を売る時期はしっかり見極めましょう。
買い換え特例の活用方法
マイホームを売って新しく家を買う場合、「買い換え特例」を使えば譲渡所得税の支払いを先送りにでき、資金に余裕を持たせることが可能です。
ただし、この特例を利用するためには、新居の購入価格や居住用の条件、買い換えのタイミングなどが厳密に定められています。
この特例を使えば当面の税負担は減りますが、将来その新居を売るときに、先送りされた課税が一気に発生する点は覚えておきましょう。
相続や空き家を売る場合の特例
相続した家や空き家を売却する場合にも、使える特例があります。たとえば、相続した空き家を売却する際は、被相続人が居住していた家であり、1981年5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋であること、譲渡日までに耐震改修を行うか解体することなどの条件を満たせば、「3,000万円の特別控除」が適用されるケースも。
これは空き家問題の対策として設けられた制度で、条件をクリアできればかなりの節税メリットがあります。
ただし、登記や相続税の申告といった手続きが絡むため、思わぬところで対応が滞るケースもあるかもしれません。早めに司法書士や税理士に相談し、要件を満たすように準備を進めましょう。
譲渡損失の損益通算や繰越控除
家を売って譲渡損失が出た場合、「損益通算」や「繰越控除」を使えることがあります。他の所得と相殺したり、翌年以降の税金を軽くできる可能性があるので要チェックです。
しかし、居住用の家であることや、新たに住宅ローンを組んでいることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。住宅ローン控除と併用できるケースもあるので、節税効果はかなり大きくなることも。
特に高額な家を売って損が出た場合、税負担がぐっと抑えられる可能性もあるので、自分が対象になるかどうか、確定申告前にしっかり確認しておきましょう。
家を売る際の注意点・よくある疑問

家を売るときに見落としがちな注意点や、よくある疑問を事前にチェックしておきましょう。こちらでは「取得費が不明な場合」や「住宅ローン控除との併用可否」など、気になるポイントを詳しく解説します。
取得費が不明な場合の計算方法
購入時の契約書が見つからない、相続で手に入れた家の購入価格が分からない……そんなときに使えるのが「概算取得費」。これは売却価格の5%を取得費とみなす方法です。
ただし、実際の取得費がもっと高かったとしても、5%で計算されるため課税額が増えてしまうことも。結果的に、思わぬ税負担につながる可能性があります。
年数が経っていても、過去の領収書や見積書を探してみる価値は十分にあります。リフォーム費用も取得費として認められるケースがあるので、まとめて整理しておくと安心です。
住宅ローン控除との併用はできる?できない?
住宅ローン控除は、家を買った人にとって心強い減税制度ですが、売却して利益が出ると譲渡所得税がかかります。両者を同時に利用できるかどうかは、それぞれの要件によります。
基本的に、住宅ローン控除はその家を手放した時点で終了となります。また、家を売るとき「3,000万円特別控除」などの特例と併用できるかは、制度の要件や国税庁のガイドラインに沿って判断する必要があります(例:3,000万円特別控除と住宅ローン控除は原則併用できません)。
自分のケースがどうなるか不安なときは、不動産会社や税理士に相談するとスムーズ。自分の状況を整理し、可能な限り税制を最大限に活用しましょう。
家を売却して譲渡益が出なくても確定申告は必要?
実は損が出た場合でも申告しておくと得になるケースがあります。
たとえば、譲渡損失が出ていても「損益通算」や「繰越控除」を使えば、他の所得と相殺して税金を減らせる可能性があります。また、マイホームを売ったときの特例を使う場合も、利益の有無に関わらず確定申告が必要なケースがあります。
たしかに手続きは面倒ですが、将来の節税につながることも多く、譲渡益が出なかった場合でも申告の検討をおすすめします。
家を売る時期の見極めで節税効果を高めるコツはある?
いつ売るかによって、税金の負担をぐっと抑えられることもあります。なかでも「5年」「10年」という所有期間の区切りは、税率や軽減措置に大きく関わるため家を売る時期の判断を慎重に行う必要があります。
また、税金面だけでなく、不動産市場の動向や金利、自分自身のライフプランなどもふまえて見極めることが大切です。市場が好調なときに売却すれば利益は増えますが、そのぶん課税額も大きくなる可能性があります。
複数の不動産会社に話を聞き、必要に応じて税理士などの専門家にも相談しながら、シミュレーション結果を踏まえた意思決定が重要です。
確定申告と税金の納付スケジュール

家を売った後は、譲渡所得の有無にかかわらず確定申告が必要になることも。申告の対象や書類の準備、納付期限の注意点まで、知っておきたい手続きを解説します。
確定申告が必要となるケース
家を売って利益が出たときはもちろん、「3,000万円特別控除」などの特例を使う場合や、損失を損益通算・繰越控除したい場合にも確定申告が必要です。
申告しないと特例が使えず、結果的に損をしてしまう可能性も。手間を惜しまず、きちんと手続きを行いましょう。
また、申告内容によっては住民税にも影響が出ることがあります。会社員だからといって安心せず、自分に必要な申告を忘れずに済ませておくことが大切です。
必要書類と申告手順の流れ
確定申告には、売買契約書や登記事項証明書、取得費・譲渡費用の領収書などが必要です。マイホームを売った場合は、実際に住んでいたことを証明する書類を求められることもあります。
申告書は税務署や国税庁のサイトから入手でき、「不動産の譲渡」に関する欄を正確に記入するのがポイント。
締め切りは翌年2月中旬〜3月中旬が目安です。書類の準備に意外と時間がかかることもあるので、早めの行動が安心です。
税金の納付方法と納付期限に注意
税額が決まったら、原則として確定申告の締め切り日までに所得税を納付します。銀行やコンビニのほか、電子納税(e-Tax)を使って自宅からの納付も可能です。
住民税は、確定申告の内容をもとに自治体が計算し、翌年度から課税されます。納付書は後日郵送されるので、届いたら忘れずに期限内に支払いましょう。
期限を過ぎると延滞税や加算税がかかることもあるため、予定外の出費を防ぐためにもスケジュールをしっかり確認し、遅れのないように対応しましょう。
家を売却し新居購入で活用できる制度のポイント

家を売って新しく住宅を購入する場合は、税金の優遇制度を上手に活用するのがポイントです。住宅ローン控除や買い替え特例の違い、使える条件を確認して、しっかり備えておきましょう。
住宅ローン控除の基本をおさらい
住宅ローン控除は、新築や中古の住宅を購入した際に組んだローン残高に応じて、所得税や住民税から一定額が差し引かれる制度です。控除額や期間は購入時期や物件の種類によって異なり、年末時点のローン残高が基準となります。
所得税から引ききれない場合は、住民税から控除できるのが特徴。ただし、対象は「自分が住む家」に限られ、投資用物件は対象外です。
家の買い替えを検討している場合は、売却にかかる譲渡所得税だけでなく、新居の購入にあたって使える減税制度も含めて見直すと、トータルコストを大きく削減できる場合があります。
買い替え特例との違いを確認しよう
「買い替え特例」と「住宅ローン控除」はどちらも節税に役立つ制度ですが、目的や仕組みがまったく異なります。
買い替え特例は、売った家の譲渡所得への課税を将来に繰り延べる制度。一方、住宅ローン控除は、新しく購入したマイホームのローン残高に応じて、所得税や住民税を軽減する仕組みです。
条件次第では両方の制度を使える場合もありますが、併用できないケースや要件の重複もあるため注意が必要。制度を正しく活用するためにも、事前に国税庁の情報や税理士への相談が安全策です。
特例・控除の適用要件は再チェック
家を売る際や新居購入に使える特例や控除には、時期や居住の実態など、細かい適用条件があります。
特にマイホーム関連の特例では、実際に住んでいたかどうかがカギになるため、本人や家族の居住実績が必要。住民票などで居住期間を証明できるよう準備しておくことが望ましいでしょう。条件を見落とすと、後から税務署に指摘されて追加で納税が発生することもあります。
スムーズに制度を活用するためにも、必要な書類は早めに揃えて、適用要件を満たしているか事前にしっかり確認しておきましょう。
税金以外にかかる費用・手続き

家を売るときは、税金だけでなく手続きや諸費用の準備も大切。抵当権の抹消、一括返済、引越しや仲介手数料など、見落としやすいポイントもあわせて確認しておきましょう。
抵当権抹消や一括繰上げ返済の手続き
住宅ローンが残っている家を売る場合、売却で得た資金を使って一括返済することが多いでしょう。完済後は抵当権抹消登記が必要です。これを忘れると物件にローンの担保が残ったままとみなされます。
抹消には登録免許税や司法書士の報酬がかかり、金融機関によっては一括繰上げ返済の手数料が発生することも。スムーズに進めるには、不動産会社や司法書士に早めに相談し、売却益の使い方も含めて事前にしっかり計画しておくことが大切です。
リフォームや引越し費用
少しでも高く家を売りたい場合、見た目や住み心地をよくするためにリフォームを行うケースも少なくありません。内容によっては、数十万円〜数百万円と費用に差が出るので、予算とのバランスが大切です。
また、家を売却した後の引越し費用も忘れずに。荷物の量や引越し時期によって金額は大きく変わるため、複数の業者から見積もりを取っておくとよいでしょう。
エアコンなどの設備を残すか、新居へ持っていくかによっても費用に差が出るため、事前の計画が重要です。全体の出費を見通したうえで、タイミングと内容をしっかり検討しましょう。
不動産会社との媒介契約・仲介手数料
家を売る際、不動産会社に仲介をお願いするなら「媒介契約」を結ぶのが一般的です。契約の種類には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介があり、それぞれ情報公開の範囲や依頼方法が異なります。
仲介手数料は法律で上限が決まっており、売却価格に応じた割合+消費税がかかる点にも注意が必要です。
契約形態や手数料の条件は、売却活動のスピードや結果に影響することも。自分に合った不動産会社を選び、契約内容をしっかり比較・検討しましょう。
節税を成功させるためのポイント

節税対策は税率だけを見ていては不十分。家を売る時期の見極め方や、親族間での売買・贈与にまつわるリスクまで、多角的に押さえておきたいポイントをご紹介します。
家を売る時期の最適化と損益通算の活用
譲渡所得税は、所有期間が5年を超えると税率が大きく下がります。さらに10年を超えると軽減税率の特例が使えるため、家を売る時期を少し調整するだけで節税につながることもあります。
一方で、売却して損が出た場合でも「損益通算」を使えば、他の所得と相殺でき、税負担を軽くすることが可能。一定の条件を満たせば、翌年以降に繰り越して控除することもできます。
ただし、不動産価格の動きは読みづらく、高く売れたとしても税額が増えるケースも。節税だけでなく、自分のライフプランや資金計画もふまえたうえで、売却のタイミングを見極めましょう。
親族間売買・贈与の違いと注意点
親族同士で家を売買する場合、市場価格(時価)よりも大幅に安い金額で取引すると「贈与」とみなされて、贈与税や譲渡所得税が発生するリスクがあり、税務調査で時価での取引を求められる可能性もあります。
また、不動産の評価や契約書の内容によっては税務調査の対象となり、あとから時価に基づく課税を求められることも。親族間の取引でも、しっかり契約書を交わし、適正な価格で取引することが大切です。
もし贈与を選ぶ場合は、贈与税の非課税枠や相続時精算課税制度なども絡んでくるため、早めに専門家へ相談して最適な方法を選択しましょう。
家を売却した後の住民税と税務調査への備え

家を売ったあとも税金対策は続くため、所得税だけでなく住民税や税務調査への備えも重要です。最後に、住民税の算出方法や売却後に確認されやすいポイントについて見ていきましょう。
住民税の算出方法と支払いタイミング
住民税は、譲渡所得を含む総所得額をもとに自治体が計算し、翌年度に課税されます。会社員で給与天引きされている場合でも、前年より大きな利益が出ると住民税も増加します。
確定申告で譲渡所得を申告すると、その情報が自治体に共有され、翌年6月頃から住民税の支払いがスタート。通常は月ごとの分割や特別徴収で納めることになります。
売却益によっては、思っていた以上に住民税の負担が増えることもあるため、あらかじめ資金を準備しておくと安心です。
売却後の税務調査で確認されるポイント
家を売ったあとに税務調査が入ると、売却価格や取得費が正しく申告されているか、特例の適用条件を満たしているかなどがチェックされます。
万が一、虚偽の記載が発覚すると、追徴課税や罰則(加算税や延滞税など)の対象になる可能性も。特に親族間の売買や、相場から大きく外れた金額での売却は、税務署に不審に思われやすいため要注意です。
取引内容の根拠となる契約書や領収書、書類一式はきちんと保管しておきましょう。あとから慌てて用意すると不備が出やすいため、売却時から準備を整えておくのが大切です。
家を売るときの税金対策。損しないための最終チェックを
家を売却することは、人生の中でも大きな決断のひとつ。売る前にかかる費用や申告の流れ、譲渡所得に関する基本を把握しておけば、あとから慌てることもなく、安心して手続きを進められます。
どんな特例や控除が使えるのか、所有期間によって税額がどう変わるのか、どのタイミングで動けば負担を減らせるのかを知っておくことが、結果的に損をしないポイントに。
確定申告や必要書類の準備も含め、早めの情報収集と計画的な対応が重要です。不動産会社や税理士など、信頼できる専門家に相談するのも有効な選択肢。物件の種類や状況に応じて、自分に合った進め方を選びましょう。
この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。