公開日:2026.06.10 更新日:2026.06.10
NEW空き家の探し方おすすめ5選!古い物件の注意点と失敗しないコツ
空き家探しは、「どこで探すか」で見つかる物件や契約条件が大きく変わります。理想の物件に出会うためには、ひとつの方法に絞らず、自治体の空き家バンク、不動産会社、移住相談窓口など、複数のルートを並行してチェックすることがポイントです。
この記事では、空き家探しを始める前に整理したい「地域・予算・購入か賃貸か」の考え方から、具体的な探し方、内見時の確認ポイント、契約までの流れを解説。初めて空き家を探す方でも、進め方がイメージできる内容にまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
目次
空き家探しの前に決めること(地域・予算・購入か賃貸か)

空き家探しを始める前にまず整理しておきたいのが、「地域・予算・購入か賃貸か」です。条件が曖昧なまま探し始めると、物件を見るたびに判断基準がぶれやすく、内見や問い合わせに時間を取られてしまいます。
大切なのは理想を増やすことではなく、優先順位を決めること。暮らし方を具体的にイメージしておくことで、自分に合った空き家を見つけやすくなります。
ここからは、空き家探しで失敗しにくくなる3つのポイントを順番に解説していきます。
希望エリアの決め方(暮らし・仕事・交通・災害)
希望エリアは、都道府県を先に決めるのではなく、「どんな暮らしをしたいか」から逆算して絞るのが現実的です。通勤・通学の有無、買い物や病院までの距離、公共交通の利便性、車が必要かどうかなど、日常生活を基準に考えることで、自分に合った地域が見えやすくなります。
また、地域によって気候や災害リスクも大きく異なります。雪国では除雪や冬場の移動負担、沿岸部では塩害や高潮、山間部では土砂災害など、住んでから初めて気づく課題も少なくありません。物件価格だけで判断せず、暮らしやすさまで含めて確認することが重要です。
最後は現地へ足を運び、周辺環境を自分の感覚で確かめることも大切。坂道の多さや騒音、夜の暗さ、近隣の雰囲気などは、地図や写真だけでは分からない部分です。時間帯を変えて複数回見ておくと、住み始めてから、やっぱりイメージと違った…といったギャップを防ぐことができます。
予算の考え方(物件価格以外にかかる費用)
空き家の予算は、物件価格や家賃だけで判断すると、後から想定外の出費が発生しやすくなります。購入の場合は、登記費用や仲介手数料、税金、火災保険、引っ越し費用に加え、老朽化した設備の交換や修繕費がまとまって必要になるケースも少なくありません。
また、賃貸であっても初期費用や改修費がかかる場合があります。DIY可能な物件では自由度が高い一方で、どこまで自己負担になるかは契約内容次第。状態によっては、購入と変わらない費用感になることもあります。
さらに見落としやすいのが、住み始めた後の維持管理費です。草刈りや樹木の剪定、浄化槽の管理、屋根や外壁の補修など、空き家は継続的に手間とコストが発生します。
適切な管理を行わず空き家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、放置された物件が「特定空家等」または「管理不全空家等」に指定され、自治体から修繕等の「勧告」を受けると、地方税法上の「住宅用地に対する課税標準の特例(地方税法第349条の3の2)」の適用対象外となります。これにより、土地の固定資産税が実質的に最大6倍(都市計画税は最大3倍)に跳ね上がる法的・税制上のペナルティを受けるリスクがあります。
初期費用だけでなく、数年単位で維持費まで見通しておくことで、無理のない物件を選びやすくなります。
買うか借りるかの判断軸(目的・期間・改修自由度)
空き家を「買うか借りるか」は、価格だけでなく、利用目的や住む期間、どこまで自由に改修したいかで判断することが大切です。長く住む予定がある場合や、店舗・民泊など事業利用を考えている場合は、自由度の高い購入が向いています。一方で、地域との相性がまだ分からない段階なら、賃貸やお試し移住から始める方法も現実的です。
| 比較項目 | 空き家を「購入」する場合 | 空き家を「賃貸」する場合 |
|---|---|---|
| メリット | 間取り変更や断熱改修が自由。資産になる | 初期費用を抑えられる。エリアとの相性を試せる |
| デメリット・リスク | 修繕・維持管理・固定資産税の全責任を負う | 改修制限(原状回復義務)があり自由度が低い |
| 向いている人 | 長期定住、店舗や民泊など |
また、DIY可能物件では「どこまで工事できるか」「費用負担は誰か」など、契約内容の確認も重要です。
特に空き家は、契約後すぐ住めるとは限りません。改修や手続きにかかる時間まで含めて、無理のない計画を立てることが失敗を防ぐポイントになります。
空き家の探し方①:自治体の「空き家バンク」を活用する

自治体の空き家バンクは、空き家情報と移住支援制度をまとめて確認できる代表的な探し方。地域の暮らしに関する情報も得やすく、地方移住を視野に入れている場合は、まず確認しておきたい方法のひとつです。
ただし、掲載情報は簡易的なケースも多く、写真だけでは建物状態まで分からないこともあります。ここからは、空き家バンクの特徴や探し方のコツ、確認したい支援制度について解説します。
空き家バンクの特徴(掲載物件の傾向と注意点)
空き家バンクは、一般の不動産サイトには掲載されない物件に出会えるのが特徴。古民家や農地付き住宅など、地域ならではの物件を探せますが、建物状態や契約条件にはばらつきがあります。
また、最低限の情報しか掲載されていないケースも多く、雨漏りや設備状態、境界線、残置物の扱いなど、重要な情報が載っていないことも。写真や価格だけで判断せず、気になる点は事前に確認することが大切です。
特に個人間売買が多い空き家バンクでは、売主の「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」が「特約により全面免除」される「現況有姿」での引き渡しが一般的です。購入後に隠れた不具合(雨漏りやシロアリ被害、配管の重大な腐食など)が見つかっても売主に修繕請求や契約解除ができないリスクがあるため、修繕負担の範囲も物件ごとに確認が必要です。
問い合わせ段階で条件を整理しておくと、その後の内見や交渉を進めやすくなります。
探し方のコツ(地域別・条件別・新着チェック)
空き家バンクは、新着情報をこまめにチェックすることが重要です。条件の良い物件は掲載後すぐに問い合わせが入りやすいため、気になる物件は早めに動くことで選択肢を広げやすくなるでしょう。
また、探す前に必須条件と妥協できる条件を整理しておくと、情報が少ない物件でも判断しやすくなります。例えば、道路幅や上下水道、駐車スペースなど生活に直結する部分を優先し、内装や間取りは改修前提で考えるといった工夫がおすすめです。
問い合わせ時は、利用目的や入居時期、予算感を簡潔にまとめておくとスムーズ。あわせて、図面や修繕履歴、設備状況などを確認しておくことで、次の内見で比較しやすくなります。
支援制度とセットで確認する(補助金・改修・移住支援)
空き家を購入する際は、物件価格だけでなく、利用できる支援制度まで含めて判断しましょう。自治体によっては、改修補助金や移住支援金、家賃補助、子育て支援などが用意されており、活用できれば初期費用や移住後の負担を抑えやすくなります。
ただし、支援制度には細かな条件があります。申請時期が決まっていたり、着工前の申請が必須だったりと、条件を満たさないと利用できないケースがあります。
おすすめは気になる物件が見つかった段階で、自治体窓口へ制度内容や必要書類を確認しておくことです。事前に補助対象を把握しておけば、改修計画や予算も立てやすくなります。
空き家の探し方②:地域・自治体のポータルサイトで検索する

地域・自治体のポータルサイトは、複数の空き家情報をまとめて比較できる便利な探し方です。まだ候補エリアが定まっていない段階でも、価格帯や物件の傾向、移住支援制度の違いを横断的に確認しやすく、効率よく情報収集を進められます。
また、古民家や農地付き住宅など、テーマ別に探せるのも特徴のひとつ。気になる地域が見つかったら、自治体公式サイトや移住ページまで確認し、制度や相談窓口もあわせてチェックしておくと、その後の動きがスムーズになります。
ポータルでできること(地域横断検索・地図・自治体比較)
ポータルサイトのメリットは、複数の地域を横断して比較できることです。都道府県別だけでなく、地図検索や条件タグを使いながら探せるため、候補地がまだ決まっていない段階でも情報収集を進めやすくなります。
例えば「交通の利便性」「海や山の近さ」など、暮らしの条件を揃えて比較すると、地域ごとの違いも見えやすくなります。複数の候補を並べて見ることで、自分が重視したい条件も整理しやすくなるでしょう。
最終的には、ポータルサイトで見つけた候補をもとに、自治体ごとの支援制度や生活環境まで確認することが大切。比較する軸を決めておくと、見た目や価格だけで判断しにくくなります。
テーマ別特集の活用(価格帯・古民家・農地付き等)
テーマ別特集は、「どんな暮らしをしたいか」から空き家を探したい場合に便利です。価格帯や古民家、農地付き、店舗付き住宅など、条件ごとに物件を比較できるため、地域がまだ決まっていない段階でもイメージを広げやすくなります。
注意したいのは、価格が安い物件には理由があるケースが多いこと。アクセスの不便さや修繕負担、インフラ状況など、物件価格だけでなくトータルコストまで含めて判断しましょう。
また、特集を見ながら必須の条件を整理していく方法も有効。例えば農地付き物件に興味を持った場合は、農地管理や法規制など、新たに確認すべきポイントも見えやすくなります。
物件情報以外の導線も見る(移住相談・体験・地域情報)
ポータルサイトでは、物件情報だけでなく、移住相談窓口や体験プログラム、地域イベントなどの情報も確認できる場合があります。実際に暮らしている人の声や地域情報に触れることで、住んだ後のイメージを具体的に想像しやすくなるメリットもあります。
空き家探しで後悔しやすいのは、建物そのものよりも生活環境とのミスマッチです。買い物環境や医療機関までの距離、気候、地域コミュニティの雰囲気など、暮らしに関わる情報まで事前の確認が大切です。
特に初めて移住する場合は、相談窓口を活用するのもおすすめ。希望条件を整理しながら地域特性を教えてもらうことで、自分に合う物件や地域との相性も判断しやすくなります。
空き家の探し方③:希望のテーマや物件の特徴から絞り込む

「どの地域に住むか」だけでなく「どんな暮らしをしたいか」から空き家を探す方法もおすすめです。子育て、テレワーク、店舗兼住宅など、暮らしのテーマを軸にすることで、必要な条件が整理しやすくなり、物件選びのミスマッチを避けることができます。
また、古民家や平屋、店舗付き住宅など、物件の特徴から探す方法もあります。ただし改修費や用途制限など注意点も異なるため、あらかじめ確認ポイントを整理しておくと安心です。
ここからは、暮らし方や物件タイプごとの探し方、低価格物件を見る際の注意点について解説します。
暮らしのテーマで探す(子育て・テレワーク・小商い等)
子育てを前提に空き家を探す場合は、保育園や学校までの距離だけでなく、日々の暮らしやすさまで含めて考えると現実的です。特に地方では、車移動や冬場の送迎負担が大きく変わるため、生活動線まで確認しておくのがおすすめです。
テレワーク中心の暮らしなら、通信環境の確認は欠かせません。光回線の対応状況やスマホ電波に加え、仕事部屋の静かさや断熱性なども、住み心地を左右するポイントになります。
また、カフェや雑貨店など小商いを視野に入れる場合は、駐車場や来客導線、周辺環境までの確認は必須です。物件の雰囲気だけでなく、運営面まで現実的に確認しておくことが大切です。
物件タイプで探す(古民家・平屋・店舗付き・公的不動産)
古民家は、梁や建具など昔ながらの雰囲気が魅力ですが、断熱や耐震、床下環境の改善に費用がかかりやすいタイプです。見た目だけで判断せず、どこまで快適性を求めるかまで整理しておくことが、無理のない改修計画につながります。
平屋は生活動線がシンプルで人気がありますが、築年数が古い場合は基礎や床下、雨仕舞いが弱いことも。築歴や敷地状況まで把握しておくと、修繕計画を立てやすくなります。
また、店舗付き住宅や元医院などは、設備更新や用途変更に費用がかかる場合があります。営業動線や駐車場、電気容量などを事前に確認しておくと、運営後のトラブル防止につながるでしょう。
価格帯・改修前提で探す(低価格物件の現実)
格安物件や「0円空き家(譲渡物件)」は、購入費用を抑えやすいものの、修繕や維持管理に手間と費用がかかる場合があります。相続や管理負担など、安価で手放される背景はさまざま。契約後は、買主側で対応しなければならない場面も多くなります。
また改修前提の物件では、工事の進め方も重要。内装を整える前に、雨漏りや構造部分など建物の安全性に関わる箇所を優先した方が、結果的に費用を抑えやすくなります。
特に低価格物件は、インフラ未整備や境界問題などを抱えている場合もあります。価格の安さだけに注目せず、修繕費や手続き負担まで含めて判断する視点も大切です。
空き家の探し方④:不動産会社の仲介物件から探す

不動産会社を通じて空き家を探す方法は、情報量が多く、契約手続きも進めやすいのが特徴です。図面や設備情報、重要事項説明などが整理されていることが多く、初めて空き家を購入する場合でも比較的安心して進めやすくなります。
その一方で、地方では空き家自体がそもそも市場に出ていないケースがあります。特に低価格物件は、取り扱う不動産会社が限られることもあり、地元業者への相談や条件調整など、探し方に工夫が必要になる場面もあります。
市場に出ていない空き家を探す方法もありますが、所有者確認や近隣配慮など注意点も多く、慎重に進めることが大切です。
不動産会社で探すメリット(情報量・契約実務・ローン)
不動産会社を通して探すメリットは、物件情報や契約条件が整理されていることです。境界やインフラ状況、引き渡し条件など、購入判断に必要な情報を確認しやすく、初めてでも進め方を把握しやすくなります。
また、住宅ローンやリフォームローンの相談を進めやすいのも特徴です。空き家は築年数や建物状態によって担保評価が難しいケースもあるため、金融機関との相談を早めに始めておくことをおすすめします。
さらに、価格交渉や条件調整を任せられることも実務面でのメリット。個人間では調整しづらい内容でも、不動産会社が間に入ることで話を進めやすくなる場合があります。
取り扱いが少ない/難しいケースと対策(低廉物件・手間の大きい案件)
低価格物件や手間のかかる空き家は、不動産会社によっては取り扱いが少ない場合があります。調査や契約調整に時間がかかる一方で、仲介手数料が限られ、積極的に扱われないケースも少なくありません。
対策としては、1社だけで判断せずに複数の不動産会社へ相談することが基本です。特に地元密着型の事業者は、空き家や農地付き物件の情報を持っていることが多く、地域事情に詳しい傾向があります。
また、条件を少し広げて相談する方法も有効です。購入だけでなく賃貸も視野に入れる、改修前提で探していることを伝えるなど、希望条件を整理して共有することで、紹介につながる可能性も高まります。
未公開・売り出されていない空き家の探し方(現地確認・聞き込み・登記)
売り出されていない空き家を探す場合は、実際に現地を歩きながら候補を見つけていく方法があります。庭木の状態や郵便受けの様子などから空き家の可能性を判断できますが、見た目だけでは分からないことが多いのは事実。無断で敷地に入ったり、撮影したりする行為は避ける必要があります。
気になる物件が見つかった場合は、まず地元の不動産会社へ相談するのが現実的です。そのうえで、地域の方へ目的を説明しながら情報収集を進めると、トラブルを避けやすくなります。連絡先を無理に聞き出そうとせず、自分の情報を渡して繋いでもらう方法の方がスムーズです。
また、所有者は法務局の登記事項証明書から確認できます。ただし、登記情報が古いケースもあるため、地域情報もあわせて慎重に確認を進めましょう。
空き家の探し方⑤:移住体験ツアーや現地のお試し滞在を利用する

移住体験や見学ツアー、お試し滞在は、実際の暮らしを体感しながら空き家探しを進められる方法です。建物だけでは分からない地域の雰囲気や生活動線を確認できるため、移住後のミスマッチ予防につながるでしょう。
特に地方では、車移動の必要性や買い物環境、冬場の道路状況など、住んでみないと判断しにくい要素が多くあります。短期間でも現地で過ごしてみることで、自分に合う条件や優先順位を整理しやすくなるでしょう。
また、自治体担当者や地元事業者、先輩移住者とつながれるのもメリット。物件情報だけでは見えない地域事情を知るきっかけとして役立ちます。
参加するメリット(生活実感・人脈・優先順位の明確化)
移住体験や見学ツアーの大きなメリットは、実際の暮らしを体感できることです。気候や周辺の静かさ、買い物環境、通勤・通学の動線など、短時間の内見だけでは分からない部分まで確認しやすくなります。現地で過ごしてみることで、自分にとって必要な条件や妥協できるポイントも整理しやすくなります。
また、役場担当者や地元の不動産会社、先輩移住者とつながり、人脈を広げることができるのも魅力。地域ならではの注意点や、空き家探しを進める際のコツなど、ネットだけでは知ることができない情報を得られることもあります。
空き家は、契約後に修繕や地域との関わりが発生するケースも少なくありません。事前に相談できる人との接点を作っておくことで、移住後の安心感にもつながります。
チェックすべき項目(季節差・通信・交通・医療教育)
移住体験では、物件だけでなく実際の暮らしやすさまで確認することが大切です。特に地方では、夏の暑さや虫、冬の積雪や道路凍結など、季節によって生活環境が大きく変わることもあります。可能であれば時期を変えて訪れると、地域との相性も判断しやすくなります。
また、通信環境のチェックも欠かせません。宿泊先だけでなく、検討しているエリアでスマホ電波が安定して入るか、光回線に対応しているかまで見ておくと安心です。
さらに、交通や医療、教育環境も重要なポイント。車移動が前提になるのか、病院や学校までどのくらいかかるのかなど、実際の移動時間を把握しておくことで、暮らしのイメージも具体的になります。
体験後の動き(相談窓口→物件紹介→内見予約)
移住体験が終わった後は、実際に感じたことを整理し、相談窓口へ共有しましょう。住みやすかった点だけでなく、不安に感じたことや譲れない条件まで伝えることで、希望に近い物件を紹介してもらいやすくなります。
その後は、気になる物件の内見を具体的に進めていきます。特に遠方から探す場合は、1回の訪問で複数件を見られるよう、事前に資料を集めて優先順位を整理しておくと効率的です。
条件が整理できていれば、内見後の判断もしやすくなります。空き家はタイミング次第で状況が変わることもあるため、体験を通じて方向性を固めておくとスムーズです。
見つけた空き家の確認ポイント(修繕・費用・権利関係)
空き家を購入・賃貸する前は、建物状態だけでなく、修繕費や権利関係まで含めて確認することが重要です。見た目が魅力的でも、雨漏りや設備老朽化、インフラ未整備などがあると、想定以上に費用や工期がかかるケースもあります。
また、物件価格が安くても、改修費を含めると総額が大きくなることは少なくありません。購入費とリフォーム費を分けず、トータルコストで考える視点が必要です。
そのほか、名義や相続、境界などの権利関係も確認しておきたいポイント。空き家は建物状態だけでなく、法務面まで含めて慎重にチェックすることで、契約後のトラブルを防ぎやすくなります。
建物・設備の状態(雨漏り・シロアリ・配管・電気)
空き家で特に確認しておきたいのが、雨漏りやシロアリ、配管、電気設備などの状態です。天井や壁のシミ、カビ臭、床の沈みなどは劣化のサインになることもあるため、気になる点は内見時に記録しておくと、その後の見積もりや判断に役立つでしょう。
また、上下水道や浄化槽、給湯器、電気容量など、生活インフラの確認も欠かせません。古い空き家は、見た目以上に設備更新が必要になるケースもあります。
不安がある場合は、ホームインスペクションや工務店への相談を検討する方法もあります。特に大規模リフォームを前提にしている場合は、早い段階で専門家へ相談しておくと安心です。
修繕・リフォーム費用の見積もり(優先順位と相場感)
空き家の修繕やリフォームは、最初に「どこから直すか」が重要です。見た目を整えたくなりますが、まず優先したいのは雨漏りや基礎、水回りなど、暮らしに直結する部分。安全性や生活インフラを先に整えておくことで、後から余計な出費が増えにくくなります。
見積もりは、できれば複数社で比較しておくと安心です。同じ工事でも提案内容や費用感に差が出ることは珍しくありません。特に空き家改修に慣れた業者は、後から追加工事になりやすい箇所まで踏まえて提案してくれる場合もあります。
また、補助金を使う予定がある場合は注意が必要です。制度によっては着工前の申請が必須になることもあるため、工事スケジュールと合わせて早めに確認しておきましょう。
権利関係・手続き(登記、相続、境界、契約条件)
空き家を契約する前は、建物状態だけでなく、権利関係まで目を通しておきたいところです。特に、登記名義人と実際の所有者が一致していない場合は注意が必要です。相続手続き(遺産分割協議など)が終わっていないケースでは、法定相続人全員の同意がなければ売買契約ができません。なお、2024年4月より相続登記が義務化されたため、名義変更の手続き状況についても事前に確認しましょう。
また、境界未確定や私道負担がある物件も慎重に確認したいポイントです。境界が曖昧な場合、隣地所有者との間で境界紛争に発展するリスクや、将来的な改修・建て替え時に影響が出るケースがあります。進入路が私道の場合は、「私道通行掘削承諾」がなければインフラ工事や車両通行が制限される恐れがあります。
※ただし、ライフライン引き込みについては民法改正(令和5年4月施行)により、他人の土地・下水道等の設備を不利益が最も少ない方法で使用する権利(ライフライン設置権・使用権)が明文化されましたが、設置場所や工事内容を巡るトラブル防止のため、事前の書面合意が原則です。
さらに、農地付き物件では農地法(第3条の許可等)による権利移転の制限を受けます。農業委員会の許可が下りなければ、空き家と一緒に農地を取得することはできません。農地法改正により「50アール(北海道は2ヘクタール)」という全国一律の下限面積要件は完全に廃止されましたが、各自治体(農業委員会)ごとに地域農業の維持を目的とした独自の取得要件や審査基準が設けられているため、事前の確認が必須です。
問い合わせ〜内見〜契約の進め方

良い空き家ほど動きが早いため、問い合わせから内見、契約までをスムーズに進める準備が欠かせません。気になる物件が見つかったら、希望条件や確認事項を整理しておくことで、短期間でも判断しやすくなります。
ここからは、問い合わせから契約までの流れや確認ポイントを見ていきましょう。
問い合わせ時に伝えること・確認すること(条件、入居時期、改修意向)
問い合わせ時は、希望条件をできるだけ整理して伝えることが大切です。希望エリアや予算感、居住用か事業用か、入居希望時期などを簡潔に共有しておくと、やり取りもスムーズに進みます。
また、DIYやリフォームを考えている場合は、改修可能な範囲も確認ポイントです。どこまで工事できるのか、申請が必要か、退去時の扱いはどうなるのかなど、事前に整理しておくと後のトラブルを防ぎやすくなります。
あわせて、図面や設備表、修繕履歴などの資料も確認しておくと、内見当日のチェックに役立ちます。
内見の進め方(持ち物・見る順番・周辺環境)
内見では建物の状態だけでなく、設備や敷地、周辺環境まで順番に確認していくと、気になる点も比較しやすくなります。特に、雨漏り跡や床の傾き、窓の開閉などは、住み始めてからの不便さを実感しやすい部分。内見で見るポイントを事前に整理しておくと、当日の確認漏れを防ぎやすくなります。
持ち物は、メモや筆記具に加え、スマホのライトやメジャーがあると便利です。写真を撮る場合は事前に許可を取り、気になる箇所は後から見返しやすいよう記録しておきましょう。
周辺環境の確認も欠かせません。日当たりや騒音、携帯電波、駐車のしやすさなど、実際の生活動線を意識しながら見ていきましょう。
契約前の最終確認(見積・重要事項・特約・引渡し条件)
契約前は、物件価格だけでなく、修繕費や当面の維持費まで含めて資金計画を立てます。購入後に想定外の出費が重なるケースもあるため、無理のない予算感を確認しながら進めましょう。
また、重要事項説明では、現況有姿や契約不適合責任、境界、私道負担など、後からトラブルにつながりやすい部分を重点的に確認します。気になる点は口頭だけで済ませず、書面へ反映されているかまで見ておくと安心です。
加えて、特約内容も細かく確認しておきたいポイント。残置物の扱いや引き渡し条件、補助金申請に関わる内容などを具体的に整理しておくことで、契約後の認識違いも起きにくくなります。
まとめ|空き家探しは理想と現実のバランスに注意
空き家探しは、価格や見た目の雰囲気だけで決めず、修繕費や維持費、周辺環境まで含めた判断が鍵を握ります。特に地方の空き家は、実際に暮らしてみないと分からない部分も多いため、生活動線や地域との相性まで確認しながら進める必要があります。
また、探し方をひとつに絞らず、ポータルサイト、空き家バンク、不動産会社、移住体験などを組み合わせることで、情報の偏りを避けられます。
お試し滞在や見学ツアーを活用すると、生活環境との相性も判断しやすくなります。問い合わせ条件や内見チェックリストを事前に整理しておくことで、良い物件が出た際もスムーズに行動できるようになります。
失敗しないための行動チェックリスト
空き家探しや物件選びに迷ったら「アキサポ」へご相談ください
空き家探しでは、物件価格だけでなく、修繕費や周辺環境、将来的な維持管理まで含めて考えることが大切です。「アキサポ」では、空き家探しから購入後の活用・リフォーム相談までサポート。理想だけで終わらない現実的な物件選びをしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。