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公開日:2026.08.19 更新日:2026.08.19

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築古空き家でも再生できる?リノベ前ルームツアー3選

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築50年、60年と聞くと、多くの方は「傷みが激しくて住めないのでは」「購入後にどれだけ修繕費がかかるのだろう」と不安になるのではないでしょうか。実際、築古空き家には雨漏りやシロアリ被害、配管の劣化など、外から見ただけでは分からない不具合が隠れていることもあり、購入や活用には相応のリスクが伴います。

一方で、築年数を重ねた建物には、古い梁や建具、現在の住宅ではあまり見られない間取りなど、その家ならではの個性が残されています。こうした特徴を生かしてリノベーションすれば、レトロとモダンが同居する「懐かしいけれど新しい」建物へ再生できる可能性もあります。

そこで本記事では、前半でリノベーション前の状態が分かる3つの築古空き家を、動画によるルームツアーとともに紹介します。後半では、築古ならではの魅力を残して再生するための考え方や、購入・活用する前に確認したいポイントも解説します。築古空き家の現実と可能性を知りたい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

築古空き家をなぜ選ぶ?古いからこその魅力とは

築古空き家をあえて選ぶ理由として、やはり大きいのが価格です。同じ立地の新築や築浅物件より大幅に安く手に入るため、その分リノベーションへ多くの予算を回すことができます。とはいえ、元の状態によっては逆に高くつく場合もあるので、建物調査や改修、将来の修繕なども含めた総額や予算を考えてください。

築古空き家の魅力は価格だけではありません。長い年月を重ねた建物には、太い柱や梁、欄間、木製建具など、現在では同じものをつくるのが難しい素材が残されていることがあります。傷や色の変化も、見方を変えればその家だけが持つ表情です。すべてを新しくするのではなく、残したい部分を見極めて生かすことで、新築にはない空間をつくれます。

さらに「この物件をどう再生しようか」と考える工程も築古空き家を選ぶ楽しさの一つです。住まいだけでなく、シェアハウスやカフェ、地域施設、賃貸住宅など、古い間取りや建具を見ながら、新しい暮らしや人の集まる風景を思い描く時間には、完成された物件を選ぶのとは違う面白さがあります。正解が決まっていないからこそ、自分なりの再生方法を見つけられるのが築古空き家の魅力です。 

物件① 築63年、昭和の暮らしが残る古民家

1つ目は、江東区清澄にある築63年の木造2階建て住宅です。都営大江戸線の清澄白河駅から徒歩1分程度とアクセスがよく、静かな住宅街に位置しています。相続した所有者には自分で使う予定がなかったものの、立地のよさから売却する考えもなく、活用方法を探すためにアキサポへ相談しました。

この物件では、リノベーションを始める前に入居するテナントが決まっていました。そこで、住宅を一方的に店舗仕様へ変えるのではなく、どの設備をアキサポ側で整え、どこから先をテナントが仕上げるのかを相談しながら計画を進めることにしました。

室内は、3畳や6畳の和室、昔ながらの土壁、急な階段、ぬか漬けなどに使われていた床下収納など、昭和の暮らしを感じさせる造りが多く残されていました。一方で、床の傷みや雨漏りが見つかったり、浴室がなかったりと課題も複数あったため、屋根の葺き替えや床の補修を行い、押し入れや間仕切りは構造上取り外せる範囲で解体することになりました。

急な階段や建物を支える壁は、変更すると大がかりな申請や補強が必要になるため、テナントの了承を得たうえで残すことに。内装もすべて完成させるのではなく、壁紙を貼る前のボード仕上げまでとし、床材や壁紙はテナントが好みに合わせて選べる状態で引き渡すようにしました。

この物件から分かるように、築古リノベーションでは「古いものを残すか、すべて新しくするか」の二択ではありません。建物を長く使うために必要な部分は直しつつ、佇まいや間取りはできる限り生かす。さらに、使い手と相談しながら仕上げに余白を残すなど、柔軟な対応が可能なことが、築古物件をリノベーションする面白さといえるでしょう。

物件② 築64年、シロアリとネズミ被害が見つかった木造戸建て

2つ目は、川崎市にある築64年の木造戸建てです。もともとは所有者の実家で、お父様が大切に守ってきた住まいでしたが、相続した兄弟はそれぞれ自宅を持っていたため、住む人のいない空き家になっていました。そこで、売却せずに建物と土地を残す方法として、アキサポへ活用の相談をいただきました。

室内には、広いリビングや日当たりのよい和室、庭を眺められる縁側など、家族が丁寧に暮らしてきた面影が残されていました。2011年頃には川崎市の補助金を利用して耐震補強も行われており、図面や工事記録、写真もしっかり保管されています。一見すると、築年数の割に手入れされた住宅という印象を持つと思います。

ところが、詳しく見ていくと、湿気のたまりやすい水回り付近の柱にシロアリ被害が見つかりました。荷物や額縁で隠れていた部分にも食害があり、壁にはネズミが出入りしていたと思われる穴や、ふん尿による染みも発見されました。さらに、繁殖した竹が建物の隙間から入り込み、外壁を押し上げている場所も発見されました。

これらの問題点を解消するために、改修では、シロアリ被害を受けた柱の補強、ネズミの侵入口をふさぐ、竹の撤去、外壁を補修などを行うことにしました。一方、状態のよい浴室や縁側、立派な柱などはそのまま活用することに。

このように、築古物件は継続した手入れが行われていても、さまざまな問題が隠れていることがあります。ただ、今回のように必要な調査や補強・修復を行えば、建物を残せる場合もあります。

物件③ 築50年、昔ながらの風呂なしアパート

ヤナカアパートメント

3つ目は、東京都台東区谷中にある築52年の木造アパートです。所有者が長年賃貸経営を続けていましたが、建物の老朽化とともに入居者が減少。各室に浴室がなく、トイレも和式だったため、新しい入居者を募集することが難しくなっていました。最後の住人が退去してからは、約1年間空き家になっていたといいます。

それでも、所有者には相続した土地をそのまま売却するのではなく、何か面白い形で生かしたいという思いがありました。そこでアキサポが周辺を調査したところ、谷根千エリアは日暮里駅や千駄木駅から近く、住宅需要がある一方、下町らしい街並みを目的に訪れる観光客も多いことが分かりました。

この2つの需要を生かすため、建物を以前と同じアパートへ戻すのではなく、1階に店舗、2階にシェアハウスが入る複合施設「ヤナカアパートメント」へ再生する計画が立てられました。部屋ごとに浴室を新設するのではなく、水回りを共有する住まい方を採用することで、「風呂がない」という弱点をシェアハウスの特徴へ置き換えています。

2階は水回りを一新し、全8室のシェアハウスへリノベーション。既存の梁を補強しながら間仕切り壁を取り払い、入居者同士が交流したり、創作活動を共有したりできる「アトリエコリビング」も設けました。1階にはカフェやセレクトショップ、貸しギャラリーなどが入り、掃き出し窓からテラスへ直接出入りできる開放的なつくりに変更しています。

かつては住人だけが使っていた庭も外へ開かれ、暮らす人、働く人、観光客、地域住民が行き交う場所へ変わりました。設備を新しくするだけではなく、谷中という地域の特徴まで建物の使い方に取り込んだことで、入居者の減っていたアパートが「小さな文化圏」と呼べる交流拠点へ生まれ変わっています。

ほかにもある「アキサポ」で築古空き家を再生した事例

アキサポの仕組み

築古空き家の使い道は、必ずしも築年数に縛られるものではありません。同じくらい古い物件であっても、地域に足りないものや所有者が残したいもの、そこを使いたい人の希望が重なることで、新しい用途が見えてきます。ここからは、それぞれ異なる出会いから生まれた3つの再生事例を紹介します。 

1.築46年の空き家を曜日代わりのシェアカフェに活用

世田谷区代田のシェアカフェ

世田谷区代田にあった築46年の空き家を人々が集まるシェアカフェに活用した事例です。所有者様の「地域の人が集まる場所にしたい」という思いが込められています。

シェアカフェになった大きな理由は、周辺が住宅街で人通りがある一方、気軽に立ち寄れる飲食店が少ないという特徴があったためです。そこで、曜日ごとに異なる出店者が店を開けるシェアカフェ「ナワシロスタンド」として生まれ変わらせ、挑戦したい人たちで場所を分け合う、小さな事業と地域の交流を育てる場所となったのです。

世田谷区代田のシェアカフェリフォーム前
世田谷区代田のシェアカフェリフォーム後
項目詳細内容
建築年月1975年11月
駅徒歩小田急線「世田谷代田」駅 徒歩8分
「下北沢」駅 徒歩12分
延床面積1階 33.12㎡ / 2階 33.12㎡ / 延床 66.24㎡
構造木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建

2.築56年の戸建てを女性専用古民家シェアハウスに再生

練馬区旭町の女性専用のシェアハウス

練馬区旭町の築56年の戸建てを女性専用のシェアハウスに活用した事例です。所有者様の希望である「特定のグループの人たちが生活し、近隣住民に迷惑をかけないような住まい」を実現する方法として、この用途を選びました。

建物の状態は悪く、約1年半の空室期間にネズミやシロアリがすみつき、床や天井に被害が広がっていました。そこでまずは、駆除や防蟻処理、床・天井・屋根の補修を実施して建物を健全な状態に。

リノベーションでは、約118㎡の広さと全7室の間取りを生かし、個室と共用スペースを備えた女性専用シェアハウスへ変更しました。駐車場がないためファミリー向けの戸建て賃貸には使いにくい一方、複数の個室があることはシェアハウスに向いています。さらに「共用スペースで本を楽しめる」というコンセプトを加え、入居者が自分の時間を過ごしながら、緩やかに交流できる住まいに仕上げました。 

練馬区旭町の女性専用のシェアハウスリフォーム前
練馬区旭町の女性専用のシェアハウスリフォーム後
項目詳細内容
建築年月築56年(お問合せ時)
駅徒歩東京メトロ有楽町線「地下鉄成増」駅 徒歩11分
東武東上線「成増」駅 徒歩14分
延床面積約118.07㎡
構造木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建

3.築66年の戸建てを産前産後ケア施設として再生

あゆむ庵

川崎市中原区にある、所有者が両親と暮らした思い出の実家を、産前産後ケア施設「あゆむ庵」に再生した事例です。この物件は富山県から木材を運んで建てた、こだわりの詰まった家ということもあり、相続後も売却せず、地域のために残す方法を探していました。

当初は賃貸住宅としての活用を検討していましたが、「多世代が集う家」を探していた運営者と出会い、産前産後ケア施設にすることに。古民家らしい和室や木の風合いを残しながら、水回りやインフラ、シロアリ被害を整え、庭には送迎用の駐車スペースも設けました。家族の思い出が残る家が、今度は地域の子育て家庭を支える場所になった事例です。 

あゆむ庵リフォーム前
あゆむ庵リフォーム後
項目詳細内容
建築年月築66年(お問合せ時)
駅徒歩JR南武線「武蔵新城」駅 徒歩10分
延床面積71.16㎡(1階:64.72㎡ / 2階:26.44㎡)
構造木造瓦葺2階建
施設概要あゆむ庵

築古空き家の内見・購入前チェックリスト

ここまで紹介してきたように、築古空き家は建物の状態や地域の特徴に合わせて手を加えることで、さまざまな用途に活用できます。こうした事例を参考に、これから築古空き家を購入し、自宅や店舗、賃貸物件などへ再生したいと考える方もいるでしょう。

そこでここからは、築古空き家を購入する際の注意点について解説していきます。

築古空き家のリノベーションを考える際には、何かしらの問題が隠れていることを前提に「直せる問題か」「直すといくらかかるか」を見極めることが大切です。内装が古い、設備が使いにくいといった問題は改修できますが、構造や土地の条件によっては、希望する使い方を実現できないこともあります。

以下に、内見や購入前に確認しておきたいポイントを分野ごとにまとめました。

確認分野主なチェック項目判断への影響
構造・外部基礎のひび割れ、柱・梁、床の傾き、屋根・外壁、雨漏り、シロアリ補強・交換が必要な範囲と、建物を再生できるかを判断する
設備・室内給排水管、漏水、電気容量、分電盤、ガス、トイレ、浴室、台所設備をそのまま使えるか、全面更新が必要かを確認する
断熱・住環境窓、断熱材、結露、床下の湿気、日当たり、風通し冷暖房費や暮らしやすさ、カビ・腐朽のリスクを見積もる
土地・法的条件接道、境界、越境、再建築の可否、用途地域、増改築履歴、登記希望する改修や用途変更、将来の売却が可能かを確認する
周辺・利用環境交通、駐車場、騒音、生活施設、賃貸・店舗需要改修後の暮らしや事業を無理なく続けられるか判断する

特に気を付けたいのが耐震性の問題です。1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物は、旧耐震基準という、現在よりも低い基準で建てられている可能性があります。

また、内見の際には上記の点を気にしながらチェックすることになりますが、一度の内見だけで、床下や小屋裏、壁の内部まで把握するのは難しいものです。気になる物件は、ホームインスペクションや耐震診断などを依頼しましょう。

改修費の見積もりも、「フルリノベーション一式」ではなく、構造補強、屋根・外壁、断熱、水回り、電気、内装、設計・申請などに分けてもらうと、予算の使い道が見えやすくなります。解体後に劣化が見つかることもあるため、追加工事に備える予備費も確保しておきましょう。

築古空き家を購入・再生するまでの進め方

ポイント

気に入った築古空き家が見つかると、ほかの人に買われる前に契約したくなるかもしれません。しかし、物件を先に購入し、あとから改修方法を考えると、希望する使い方ができなかったり、予算を大きく超えたりするおそれがあります。

そこで、気になる築古空き家を見つけた場合の対応すべき順番を以下にまとめました。

1.使い方と予算の上限を決める

まずは、購入後にその建物をどう使いたいのかを決めます。これは、自宅や賃貸住宅、店舗、二拠点居住では、必要な設備や間取り、確認すべき法的条件が異なるためです。

ここでは、物件取得費と改修費を合わせた総予算に加えて、入居・開業したい時期、残したい部分、絶対に必要な設備も整理していきます。複数の用途で迷っている場合は、それぞれに必要な工事と、完成後の維持費・収支を比べてみましょう。

2.資料と現地で法的・物理的な条件を確認する

次に行うのは、写真や間取り図だけでは分からない条件の確認です。登記事項証明書、公図、測量図、建築確認関係の資料、増改築・修繕履歴などを集め、所有者や境界、建物の履歴に問題がないかを見ていきます。

現地では、建物の劣化に加えて、接道、境界、越境、擁壁、工事車両の進入経路なども確認します。専門家へ建物調査を依頼する場合は、どこまで調査でき、どの部分は解体しないと分からないのかも説明してもらいましょう。売主から告知された内容と調査結果は、あとから確認できるよう書面で残しておくと安心です。

3.優先工事と概算費用を整理する

調査結果が出たら、工事を「先に直さなければならない部分」と「予算に合わせて調整できる部分」に分けます。雨漏りやシロアリ、腐朽、配管などは建物を使い続けるために優先し、内装や造作、設備のグレードは予算に応じて調整します。

この際、できれば同じ工事条件で複数社へ見積もりを依頼し、金額や工事内容を比較して下さい。この際、提出された見積もりに含まれる工事内容が漏れなく揃っているか注意しましょう。なお、解体後に追加工事が必要になった場合の連絡方法や費用の決め方まで聞いておくと、想定外の出費を抑えやすくなります。

4.契約条件と資金計画を最終確認する

最後に、物件価格、購入諸費用、改修費、予備費を合計し、資金計画に無理がないか確認します。住宅ローンやリフォームローンを利用する場合は、築年数や建物の状態によって希望どおり借りられない可能性もあるため、契約前に金融機関へ相談しましょう。

売買契約では、契約不適合責任の範囲、引き渡し時期、残置物の処分、境界や設備の扱いも整理します。総額や工期が許容範囲を超えるなら、どれだけ雰囲気が気に入っていても見送る判断が必要です。条件の合わない物件を買わないことも、空き家選びでは大切な成功の一つです。

古い空き家は「直す前提」で見ると可能性が広がる

築古空き家は、完成した住宅と同じ目線で見ると、古い内装や傷んだ部分ばかりが気になります。しかし「どこを直し、どこを残すか」という目線に変えれば、昔ながらの建具や梁、ゆとりある間取りなど、新築にはない魅力が見えてきます。大切なのは、隠れた不具合を前提に建物の状態を見極め、直すべき部分と残す部分を切り分けることです。

こうした築古空き家の再生こそ、アキサポの得意分野です。一見すると活用が難しそうな物件でも、状態を丁寧に調べ、課題に一つずつ対策を講じれば、住まいはもちろん、店舗や宿泊施設、地域の交流拠点など、新たな役割を持つ場所へ生まれ変わります。アキサポなら調査から活用プラン、リノベーション、運営までワンストップで支援し、原則としてリノベーション費用も負担します。

「古すぎて活用できないのでは」「改修費がどれくらいかかるのか分からない」と迷う空き家も、活用方法と改修の優先順位を整理すれば、思わぬ可能性が見えてきます。売却や解体を決める前に、まずはアキサポへ相談してみませんか。

※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

「古すぎて活用できないかも」その空き家、まだ諦めないでください

築古でも、状態を見極めて直す部分と残す部分を整理すれば、活用の道は開けます。調査から活用プラン、リノベーション、運営までワンストップで支援。原則としてリノベーション費用はアキサポが負担します。

※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

この記事の監修者

宅建士 二級建築士 岡崎 千尋

岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。

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