1. TOP
  2. コラム
  3. 空き家相続コラム
  4. 【2026最新】家の解体補助金の種類と申請手順|構造別の費用相場と土地活用ガイド

share

公開日:2025.07.30 更新日:2026.09.14

【2026最新】家の解体補助金の種類と申請手順|構造別の費用相場と土地活用ガイド

サムネイル

家の解体補助金とは、老朽化した家屋の解体費用の一部を自治体が助成する制度です。

補助金には「老朽危険家屋解体撤去補助金」「木造住宅解体工事費補助金」「アスベスト除去・ブロック塀撤去補助金」「建て替え建設費補助金」の主に4種類があり、条件を満たせば数十万〜100万円程度の負担軽減が見込めます。ただし、解体工事の着工前に申請し交付決定を受ける必要があり、この順序を誤ると補助対象外になる点に注意が必要です。

この記事では、4種類の補助金それぞれの助成率・上限額・対象条件から、申請に必要な書類、着工前の申請から補助金受領までの手続きの流れまで詳しく解説します。

家の解体に補助金が出る理由とは?

電卓と家のミニチュア

家の解体費用に関する補助金制度は全国数多くの自治体が実施しています。これは、空き家の長期化や老朽化が全国で深刻化し続けているためです。特に、不良住宅や危険性の高い建物については、早期の除却を促すために手厚い支給条件が設けられていることがあります。

長期化・老朽化した空き家は不動産の滞留や景観の悪化を招くだけでなく、破損や倒壊といった物理的な危険性や不審者の侵入、不法投棄などの治安悪化リスクにもつながります。こうしたリスクを排除するため、自治体は解体費用の補助を通じて空き家の撤去を推進しているのです。

中でも優先されるのが、耐震性に不安のある古い木造住宅やブロック塀といった災害リスクが懸念される建物です。また、災害時の緊急輸送道路沿いにある建築物も、災害時に道路を封鎖する恐れがあることから優先的対応されています。

また、老朽化した空き家の解体は土地活用を促すことにもつながります。地域の活性化という観点からも注目度が高い制度といえるでしょう。

解体工事の届出・許可手続きと注意点

解体工事には、建設リサイクル法や廃棄物処理法に基づく手続きが必要です。工事費用500万円以上、または延床面積80平方メートル以上の建築物を解体する場合は、着工前の届出が義務付けられており、無届けで着工すると罰則を受けるおそれがあります。

また、解体現場でアスベストや鉛などの有害物質が検出された場合は、専門の処理業者と連携し、作業員の安全管理や近隣への飛散防止策を徹底しなければなりません。自治体によってはアスベスト撤去費用への補助制度もあるため、解体前に確認しておくとよいでしょう。

家の解体補助金制度の種類

ポストイットと電卓

家の解体補助金制度は、解体する目的ごとに制度が分けられており、主な種類に以下のようなものがあります。

補助金の種類助成率助成限度額対象物件
老朽危険家屋解体撤去補助金2分の1〜10分の8程度30万円〜100万円程度倒壊の危険性が高いと自治体の現地調査・認定を受けた空き家(不良住宅など)
木造住宅解体工事費補助金(旧耐震空き家解体補助金)2分の1〜3分の2程度30万円〜100万円程度昭和56年5月以前に建築された旧耐震基準の木造住宅で、耐震診断により倒壊の危険性があると判定されたもの
アスベスト除去補助金2分の1〜3分の2程度30万円〜200万円程度アスベストを含む吹き付け材や保温材を使用していること、または使用している可能性がある建築物
ブロック塀撤去補助金2分の1〜3分の2程度10万円〜50万円程度公共の道路(通学路など)に面しており、高さが一定以上かつ危険であると自治体に認められたもの
建て替え建設費補助金自治体により異なる(解体費用と新築費用で助成率が分かれるケースも)30万円〜300万円程度(耐震性向上を伴う建て替えは上限が高くなる傾向)老朽家屋を解体し、同一敷地内に住宅を新築する場合など(自治体の要綱による)

※上記の助成率・上限額はあくまで一般的な目安です。自治体により制度名・支給条件・金額が大きく異なるため、実際の申請前には必ずお住まいの自治体窓口で最新情報を確認してください。

これらの補助金制度は市区町村が主体となって給付しているケースが多く、どの制度が用意されているかは自治体ごとに異なります。また、複数の補助金の支給条件に該当する場合は、自治体に制度の併用が可能かの確認や補助額の比較を行うのを忘れないようにしましょう。

ちなみに、補助金制度は年度ごとに先着順で受け付けている場合が多いです。途中で予算切れになると支給されない可能性があるので、申請時期はあらかじめ自治体に相談しておいてください。

老朽危険家屋解体撤去補助金

老朽危険家屋解体撤去補助金は、老朽化によって破損や倒壊などの危険がある家屋を対象に解体費用の一部を補助する制度です。助成金額や対象となる物件の条件は自治体ごとにことなりますが、一般的に以下のような傾向があります。

制度の傾向

  • 助成率:除去工事費の2分の1から10分の8程度
  • 助成限度額:30万円~100万円程度
  • 対象物件:住宅地区改良法に規定する「不良住宅」に該当する場合、自治体が定めた判定基準に該当する場合

この制度は具体的な条件が自治体ごとにかなり異なります。利用を検討する際には、必ず物件がある自治体の窓口に確認しましょう。同じ都道府県内にあっても条件が違うこともあります。

また、解体費の内訳を記載した見積書や、解体業者の情報も申請時に求められるため、早めに準備しておきましょう。

木造住宅解体工事費補助金(旧耐震空き家解体補助金)

木造住宅解体工事費補助金は、経年劣化による耐震性の低下や、火災リスクが大きい木造住宅を対象とした補助金制度です。「旧耐震」といわれる1981年5月31日までに確認申請を受けた建物に限定されていることが多いです。

制度の傾向

  • 助成率:2分の1~3分の2程度
  • 助成限度額:20万円~50万円程度
  • 対象物件:旧耐震の建築物であること、耐震診断または簡易診断の結果が支給条件に該当すること

こちらの制度も具体的な条件が自治体ごとにかなり異なります。耐震診断または簡易診断を実施するタイミングにも決まりがある場合があるので、手続きは必ず自治体に相談してから始めてください。

アスベスト除去・ブロック塀撤去に関する補助金

健康被害を引き起こすアスベストや、耐久性に心配があるブロック塀の撤去に対する補助金制度です。これらは所有者だけでなく、周辺住民にも被害を与える恐れがあるため、積極的な撤去が進められています。

制度の傾向

アスベスト除去補助金

  • 助成率:2分の1~3分の2程度
  • 助成限度額:30万~200万円程度
  • 対象物件:アスベストを含む吹き付け材や保温材を使用していること、または使用している可能性があること

ブロック塀撤去補助金

  • 助成率:2分の1~3分の2程度
  • 助成限度額:10万~50万円程度
  • 対象物件:公共の道路に面しており、高さが一定以上かつ危険と認められるもの

家の解体補助金を受けるための条件

家の解体補助金を受け取るには、物件・申請者・工事の3つの側面で条件を満たす必要があります。どれか1つでも要件から外れると、補助が受けられない可能性があるため、事前の確認が欠かせません。ここでは、具体的な条件と注意点を順を追って解説します。

物件条件:老朽度・耐震基準

補助金の対象になる物件は、多くの場合、建物の耐久性や撤去工事をすべき緊急性に問題があることが前提になっています。中でも重要視されるのが老朽度と耐震基準です。

まず、老朽度で重視されるのは、外壁や屋根材などが破損したり、建物が倒壊したりして周囲に被害を及ぼす危険性です。特に人通りが多い道沿いや通学路沿いなどは危険視されており、老朽度が高いと特定空き家に指定される場合もあります。

また、耐震基準については、現在の耐震基準を満たしていないとされる、1981年5月31日までに確認申請を受けた「旧耐震」の建築物であることが条件とされることが多いです。

申請者条件:所有者や税金の滞納状況

空き家の解体補助金を申請できるのは、空き家の所有者に限定されることがほとんどです。たとえ家族であっても、名義が異なる場合や相続登記が済んでいない場合には、補助申請ができないことがあります。

また、申請先の自治体における税金を滞納していないことも求められることがほとんどです。

空き家の相続が済んでいない場合や、所有者が老人ホームに入所している場合、遠方にいる場合などは手続きに時間がかかる恐れがあります。あらかじめ窓口で必要な手続きと書類を確認しておき、早めの対応を心がけましょう。

工事条件:施工業者の選定基準など

一部の自治体では、解体工事の施工業者に条件を設けている場合があります。たとえば、自治体内にある業者に限定したり、自治体内にある業者に発注した場合、補助金の額を引き上げたりすることがあります。

また、アスベストの除去を伴う場合は、アスベストを取り扱うための専門知識や技術、資格を有している必要があります。たとえば埼玉県さいたま市では、以下のようになっています。

建築物石綿含有建材調査者講習登録規程、第2条第2項に規定する建築物石綿含有建材調査者、第2条第3項に規定する特定建築物石綿含有建材調査者又は第2条第4項に規定する一戸建て等石綿含有建材調査者による調査に基づき実施するもの

出典:さいたま市 民間建築物吹付けアスベスト除去等事業補助金交付について

家の解体補助金の申請手順

補助金を受け取るには、工事前から完了後までの手続きを正しく踏むことが大切です。以下のような流れを意識して進めましょう。

📋家屋解体補助金受領までの3ステップ

必ず「解体工事の着工前」に申請手続きを行う必要があります。

1

事前協議と見積もり

解体着工前に自治体窓口へ相談し現地調査を受けます。複数業者から見積書を取得し、補助対象費用を特定して申請書を提出します。

2

交付決定と解体工事

自治体の審査を経て「交付決定通知」を受けた後に契約・着工します。決定前の着工は補助対象外となるため厳禁です。

3

実績報告と補助金支給

工事完了後、写真・領収書などを添えて「実績報告書」を提出します。最終審査を経て補助金額が確定し、指定口座へ振り込まれます。

  • 自治体の補助制度の確認
  • 対象条件や必要書類のチェック
  • 自治体の担当者と相談して具体的な流れを共有する
  • 工事業者の選定
  • 申請書類の準備・提出
  • 審査及び交付決定通知の受け取り
  • 解体工事の実施
  • 工事完了の報告書類の作成・提出
  • 補助金の受け取り

基本的に申請は着工前に行う必要があり、申請を忘れて着工すると補助金を受け取れないことがあります。また、審査には2〜4週間ほどかかり、書類の追加や現地調査、中間検査や完了検査が必要になることもあります。

必要書類用途・確認内容準備時の注意点
家屋の登記事項証明書建物の名義人・構造・築年数等の法的情報を確認法務局での発行に時間がかかる場合があるため早めの取得を推奨
住民票申請者が所有者本人か、現住所との一致を確認自治体により発行から3ヶ月以内などの有効期限あり
解体業者の見積書工事費用の内訳を精査し、補助対象となる費用項目を特定複数業者から見積もりを取り、適正価格を把握しておく
家屋の現状を示す写真老朽度合いや周辺環境、工事前の状態を客観的に記録建物全景と危険性が分かる箇所を明確に撮影
耐震診断結果など自治体が定める危険度判定・耐震基準を満たしていないことを証明専門家の事前診断や自治体の現地調査が必須となるケースが多い

発行に時間がかかる書類もあるため、余裕を持って準備を始めましょう。所有物件の情報を正確に揃えておくことで、審査もスムーズに通過しやすくなります。

家の解体にかかる費用相場と注意点

電卓と家のミニチュア

家の解体にかかる費用相場

解体費用は建物の構造や立地、作業条件によって大きく変わります。一般的な木造住宅は1坪あたり3万〜5万円が目安ですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)造では6万〜9万円程度、あるいはそれ以上かかることもあります。

解体見積もり時の注意点

見積もりを取る際は、基本の解体費以外に含まれる「追加費用」の有無に注意が必要です。

例えば、重機が入らない狭小地での人力作業費、古い建物で発生しやすいアスベスト除去費(30万円以上かかる場合あり)、ブロック塀や浄化槽の撤去費などは別料金になるケースがあります。 また、自治体の補助金はすべての工事をカバーできるわけではなく、これらの一部の附帯工事が「補助対象外」となることも多いため、契約前に工事範囲を必ず精査しましょう。

補助金が出ても気をつけたいリスク

家のミニチュアを持って人差し指を立てる男性

まず気を付けたいのが、補助金の交付が決定したあとの書類の準備です。適切に完了報告がされなかった場合、補助金が支給されなくなるリスクがあります。特に工事中の写真については、解体後には撮影できなくなってしまうので、必要な写真のポイントを確認しておきましょう。

また、解体後は固定資産税の負担が増える可能性に注意が必要です。建物を取り壊すと、建築物がある土地に適用される「住宅用地特例」という控除制度が適用されなくなり、固定資産税が最大で6倍に上がる場合があります。建築物の有無は毎年1月1日時点を基準に判定されるので、年末に施工する場合は要注意です。

さらに、再建築を考えている場合は、都市計画法と建築基準法において問題無く再建築ができることを確認しておいてください。中には用途地域や接している道路の関係で、一度更地にしてしまうと再建築ができなくなる場合があります。

解体後の土地活用アイデア

専門家に相談している場面

解体後の土地活用アイデア

建物を取り壊した後の更地には、土地の立地や形状に合わせた様々な活用方法があります。

  • 短期的な活用: 月極駐車場やコインパーキングなどの駐車場運用。初期費用が比較的少なく、次の計画までの一時的な活用として人気です。
  • 長期的な活用: アパートやマンションの建築、定期借地権付き住宅として土地を貸し出す方法。立地が良い場所なら、事務所や店舗などの事業用賃貸としての選択肢もあります。

土地活用を判断する際の注意点

土地活用を決定する上で最も注意すべきなのは、解体後の固定資産税の負担増と収支のバランスです。

建物を取り壊すと土地の「住宅用地特例」が解除され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。 また、駐車場にする場合でも舗装等に100万円単位の費用がかかるため、事前の需要予測が欠かせません。立地が良い土地ほど大きな収入を得られる可能性がありますが、比例して税金も高くなるため、将来的な税額の推移と見込める収益を天秤にかけ、損をしないバランスを見極めることが重要です。

まとめ・総括

家の解体と補助金制度を上手に活用するためには、事前の情報収集と正確な手続きが不可欠です。補助金の有無や内容は自治体ごとに異なり、申請条件や支給タイミングも一律ではありません。まずは、自分の地域の制度を調べ、必要に応じて窓口や専門家に相談することが大切です。

また、空き家を解体する際には、その後の土地活用や税負担にも目を向けた計画を立てましょう。解体をきっかけに費用負担が重くなっては元も子もありません。

解体は単に古い建物を壊すだけではなく、資産の整理と再設計のきっかけにもなります。補助金をきっかけに動き出すのであれば、その先の使い方まで含めて判断することが、後悔のない選択につながります。今の家にリスクがあるか、補助金が使えるか、土地の未来をどう描くか。この3点を軸に考えることが成功のカギになるでしょう。

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

コラム一覧

関連記事

関連記事