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公開日:2026.02.24 更新日:2026.08.19

土地の処分・売却は誰に相談する?7つの相談先と選び方を解説

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土地を処分する際の相談先は、売却や活用の方法を比べたい場合は「不動産会社」、相続や名義変更の登記は「司法書士」、境界問題の解決は「土地家屋調査士」を選ぶのが適切です。

「土地を売りたいが、まずどこに相談すればいいか分からない」という方も、最初の窓口は不動産会社が基本です。そのうえで、税金は税理士、登記は司法書士、境界は土地家屋調査士と、目的別に専門家を使い分けます。目的や悩みに応じて専門家を使い分けることが、スムーズな解決への第一歩となります。

しかし、実際に土地を手放そうと思っても、「まずはどこから手をつければいいのか」「共有名義や相続が絡んでややこしい」と悩んでしまう方は少なくありません。

そこでこの記事では、土地を処分したい場合の主な7つの相談先とそれぞれに依頼すべき内容を詳しく解説します。また、相談前に手元で整理しておきたい重要ポイントも紹介しますので、あなたの状況に最適な相手へ迷わず相談できるようになります。

土地を処分する際に整理すべき3つの重要ポイント

「売土地」と書かれた看板と空き地

土地処分をスムーズに進めるには、相談前に「①出口戦略の決定(売る・貸す・譲渡)」「②権利や費用の確認(名義・境界・用途・お金)」「③必要情報の集約(登記・測量・希望条件)」の3つを整理することが不可欠です。ここがはっきりしていれば、最適な相談先や必要な行動などが自然に決まってきます。

では、この点を踏まえたうえで、土地処分をする前に決めておきたい3つのポイントを見ていきましょう。

💡土地処分をスムーズに進める3ステップ
1
🎯 出口戦略を決める
「売る(手放す)」「貸す・活用する(収益化)」「譲渡する」の方向性を決める
2
🔍 4つの重要条件を確認する
「名義(相続登記の有無)」「境界」「用途(農地等)」「お金(税金・費用)」をチェック
3
📂 相談資料を揃えて専門家へ
登記情報・公図・測量図・納税通知書などを手元に準備し、悩みに合った窓口へ相談

処分の出口戦略を決める(売る・貸す・譲渡する)

土地処分の出口戦略は、大きく「売る」「貸す」「譲渡する」の3つに分かれます。これらの方法は、それぞれ以下のような場合に向いています。

  • 売る:管理の手間を手放して早めに現金化したい、固定資産税などの負担を止めたい場合など
  • 貸す・活用する:修繕や管理の手間をかけられる前提で、家賃収入や活用による収益化を狙いたい場合
  • 譲渡する:売却が難しい、もしくは早く管理から解放されたい場合に向いている

たとえば「なるべく早く片付けたい」「手間はかけられない」なら売却や譲渡が現実的になりやすいです。一方で「時間はある」「管理もできる」「状態も悪くない」なら、賃貸や活用で収益化できる余地も出てきます。

名義・境界・用途・お金を確認する

処分の方向性が決まったら、次に売却に必要な最低限の条件をクリアするために、名義・境界・用途・お金の4点を確認しましょう。これらが中途半端だと、どの方向性を選ぶにしても途中で詰まりやすくなってしまいます。

項目原稿の内容要約法律・実務上の補足(2026年基準)
名義(相続・共有)故人名義や共有名義は売却・活用前に整理が必要。関係者の意向や状況を把握しておく。2024年4月より相続登記が義務化されています(取得を知った日から3年以内)。放置すると10万円以下の過料対象となるため、売却前の早期変更が必須です。
境界(測量の有無)境界未確定では売却や賃貸が難しくなるため、資料や現地の境界標を確認しておく。一般的な不動産売買では「境界明示(確定測量)」が契約条件となるケースが大半です。未確定のままだと買主の住宅ローン審査が通らないリスクもあります。
用途(農地・接道など)農地は自由に売買・活用できず、用途地域や接道状況が建築条件に影響する。農地処分には農地法(3条・4条・5条)に基づく行政許可が必要です。また、建築基準法上の接道義務を満たさない土地は「再建築不可」となり評価が下がります。
お金(税金・ローンなど)譲渡所得税や測量・解体費がかかる。ローン残債がある場合は金融機関との調整が必要。住宅ローン残債がある場合は、売却時に一括完済して抵当権を抹消する必要があります。また、各種特別控除(空き家特例等)の適用の有無も重要です。

相談に必要な各種条件を確認する

最低限必要な条件がクリアできたら、相談に必要な具体的な情報を集めましょう。必ず集めておきたいのは以下の4つの条件です。

確認項目確認内容・集めるべき情報
登記情報(名義/住所)登記簿上の所有者名義とその居住地(住所)を確認する。
所在地・面積・現況地図だけでなく公図や登記事項証明書(謄本)でも確認する。公図で周辺の土地との位置関係を把握し、謄本で公に証明された土地の形状や地積(面積)を確認する。
測量図/境界標の有無境界が確定している場合は、測量結果を記した測量図が法務局に登記されていないか確認する。測量図がある場合は現地で基準となった境界標も探しておく。
売却希望時期・希望条件「いつまでに」「最低いくら以上」「手間はどこまでかけられるか」など、自分自身の希望条件をあらかじめ言語化しておく。

土地を処分する際の相談先と目的

業者に相談する夫婦

土地を処分するための下準備ができたら、次に相談先を決めましょう。以下の表に相談先とそれぞれの主な相談の目的をまとめたので、大まかな内容を把握してから読み進めてください。

相談先主な相談の目的
不動産会社選択肢を比較したい場合や現実的な出口戦略を知りたい場合など
不動産鑑定士評価の根拠を明確化し、価格交渉や分割・相続の材料にしたい場合
司法書士相続登記や共有名義の整理などを進め、売却や活用の前提を整えたい場合
土地家屋調査士測量や境界確認を行い、土地を売れる状態に整えたい場合
行政書士農地転用や相続手続きなどの行政に提出する書類や、契約書などの作成を依頼したい場合
税理士譲渡所得の概算、特例の可能性、申告の段取りを把握したい場合
弁護士交渉方針の整理や請求・対応の可否確認、紛争の拡大防止など

不動産会社

不動産会社は、相場や需要などの情報や売却・賃貸のノウハウを持っているので、土地をどのような条件で手放すのが現実的かを相談するのに向いています。複数の方法を見比べてから方針を決めたい人に向いているでしょう。

また、不動産会社は不動産の査定や売却、賃貸などを行うために必要な知識を一通り持っているため、物件の下調べや問題点のチェックなども一緒に頼めます。具体的な対応は各専門家に依頼することになりますが、まず全体像を掴んでから各専門家につなげられるのは不動産会社の強みといえるでしょう。

不動産会社の特徴と強み

  • 売却・賃貸の価格相場や需要に詳しい
  • 売却や賃貸など、複数の選択肢の可能性を相談できる
  • 不動産に関する知識を一通りもっているので、必要に応じて専門家と連携できる

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、「この土地の適正価格」を第三者の評価書として示せる専門家です。不動産会社の査定は売却を前提にした市場感が強いですが、不動産鑑定士による鑑定評価は評価手法と前提条件を明示した書面として残るため、価格の根拠が必要な場面で役立ちます。

たとえば、親族間売買や持分の買い取りで価格が揉めている場合や相続の分け方を決めたい場合、裁判や調停で価格の根拠が必要な場合などです。

不動産鑑定士の特徴と強み

  • 鑑定評価書として、価格の根拠を形式知にできる
  • 共有物分割・遺産分割など、利害調整の材料に使える
  • 担保評価や税務・裁判資料など、用途に応じた評価に対応しやすい

司法書士

司法書士は、相続登記が終わっていない土地や共有名義で話が進まない土地、抵当権が残っている土地といった、権利上の問題がある土地を「動かせる状態」に整えるプロです。

具体的な業務範囲は、登記申請書や添付書類の作成、法務局への登記申請の代理、相続・売買・贈与・財産分与などで発生する所有権移転登記や相続登記、住所氏名変更登記などです。

司法書士の特徴と強み

  • 相続・贈与・売買に伴う名義変更(登記)の実務ができる
  • 共有名義の整理や持分移転など、権利関係の詰まりをほどける
  • 抵当権抹消など、金融機関と連動する登記手続きに強い

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、不動産登記をするために土地の境界を確定させたいときの相談先です。道路や水路との境界が曖昧なときや、隣の家との間にある生垣のどこに境界があるか分からない場合などに力になってくれます。

また、土地の一部を別の筆に分ける「分筆」をする場合も土地家屋調査士が対応してくれます。

土地家屋調査士の特徴と強み

  • 確定測量や境界確認で、トラブルの火種を先に潰せる
  • 分筆・地目変更など、表示登記まわりの手続きを進められる
  • 隣地所有者や役所との調整を含めて段取りを組める

行政書士

行政書士には、農地転用や相続手続きといった行政に提出する書類や、契約書などの作成を依頼できます。ただし、司法書士が行う不動産登記を行うことはできません。

そのため、農地が関係する場合や相続人の調査が必要な場合、遺産分割協議書を作成したい場合などに頼りになります。

行政書士の特徴と強み

  • 農地転用をはじめとした行政への許認可申請書類の作成を依頼できる
  • 役所との事前協議を含めて、申請の段取りを組める
  • 親族間でのやりとりを書面でまとめるときの仲介役になってもらえる

税理士

税理士は、譲渡所得税の計算や、「3,000万円特別控除」、「低未利用土地の譲渡所得の特別控除」などの特例適用を判断する重要な相談先です。

また、賃貸に出す場合は、会計処理を税理士に依頼することもできます。規模に応じて毎月手数料はかかりますが、なるべく手間を減らしたい場合は検討してもよいでしょう。

税理士の特徴と強み

  • 確定申告や会計処理を依頼できる
  • 確定申告漏れや会計処理の漏れなどを防げる
  • 特例制度を適用できるか相談して節税につなげられる

弁護士

弁護士は、土地の処分が「私的な話し合い」では収まらず、法的な手続きや責任追及に発展しそうな場面で、交渉・紛争対応を代理できる専門職です。共有名義や相続で意見が割れているケースや境界をめぐって隣地と対立しているケースなど、感情と利害が絡んで収拾がつきにくい状況になりそうな場合は早めに相談しましょう。

弁護士の特徴と強み

  • 交渉・調停・訴訟まで見据えて、現実的な落としどころを作れる
  • 契約不適合責任や説明義務など、売却後の火種を事前に潰せる
  • 内容証明や代理交渉で、当事者同士の消耗を減らせる

土地の処分事例を4つの悩み事から解説

頭を抱えるブルーのシャツの男性

ここでは、土地の処分に関する悩み事をどのように解決し、どのような手段で処分をしたかを、具体的な手順を見ながら紹介していきます。

今回は以下の4つのケースを見ていきましょう。

  • 相続した土地の名義が亡くなった人のままのケース
  • 境界が曖昧
  • 土地が農地で売り・貸しが難しい
  • 隣地と揉めている

事例1:相続登記が未了で名義が亡くなった人のままのケース

相続した土地を売却しようと不動産会社に相談したところ「売る前に名義を変えないと契約できません」と言われて止まってしまうケースです。

売買契約は「売主が誰か」を確定させる必要があるため、名義が亡くなった人のままだと売却手続きが進みません。さらに相続人が複数いる場合は、必要書類の収集や手続きの段取りも増え、後回しにするほど面倒になりがちです。

このケースを解決するには、相続登記で名義を相続人へ移す必要があります。具体的には、まず戸籍類を集めて相続人を確定し、遺言書の有無を確認します。そのうえで相続人が複数いるなら、遺産分割協議を行い、誰が土地を取得するのかを決めて、遺産分割協議書を作成します。

次に、固定資産評価証明書などの資料をそろえて法務局へ相続登記を申請し、登記簿上の名義を相続人へ変更します。住所や氏名の変更が挟まっている場合は、あわせて住所変更登記等も必要になるため、ここで手続きが二段階になることもあります。

相続登記が完了して「売主」が確定すれば、不動産会社は媒介契約・販売活動へ進めます。相続人間で合意形成が難しい、必要書類の整理が負担、登記の段取りを間違えたくないと感じる場合は、司法書士に依頼して相続関係の確定から登記申請まで一気に進めるのが現実的です。

事例2:境界が曖昧で買主が不安になったケース

不動産会社に売却を依頼して買主候補が見つかったものの、現地確認をしたところ、境界標が見当たらず、さらに測量図が古いこともあって、買主が不安になり話が進まなくなったケースです。

境界が曖昧だと、買主側は「将来トラブルになるかもしれない」と感じます。その結果、購入を見送られたり、価格交渉が厳しくなったりすることがあります。売却の成否だけでなく、条件面にも影響しやすいのが境界の怖いところです。

この問題を解決するには、土地家屋調査士に相談して測量・境界確認を進め、説明できる資料を用意することです。ここが整うと土地の根拠がしっかりするので、不動産会社としても売り出しやすくなり、結果として売却のスピードと納得感が上がります。

事例3:土地が農地で売り・貸しが難しいケース

使っていない農地を手放したいと思っていても、そもそも農地は売却や貸し出しが難しいケースがあります。農地の処分には農地法第3条、4条、5条の許可が関わり、特に農地転用が可能な「白地」か、原則不可の「青地(農用地区域内農地)」かの判定が処分の分かれ目となります。

また、農地は、宅地と違って売買に制限がかけられている場合があります。法律(農地法)の制限があるため、相手が農業を継続できる人かどうか、利用の目的が適切かどうかといった条件を満たさないと、売買や賃貸の手続きが進まないことがあります。

このケースを解決するには、行政書士に依頼して農地法の制度に沿った手続きをしてもらうのがよいでしょう。農業を続ける人に売る・貸す場合は、買主(借主)が農地を適正に利用できる条件を満たすかを確認しつつ、農業委員会の許可が必要になるのが一般的で、農地以外の用途へ転用して売る場合は、農地転用が可能なエリアかを含めて役所側との事前確認を行ったのちに、農地転用の手続きを行います。

事例4:隣地と揉めているケース

境界や通行、越境などをめぐって隣地と関係がこじれている場合は、当事者同士での話し合いが難航し、売却や活用が進まなくなるケースがあります。

特に感情が絡む争いは、事実関係よりも「言った・言わない」「納得できない」が前面に出やすく、解決に時間がかかります。中途半端に動くほど状況が悪化し、土地処分の計画そのものが立てにくくなることもあります。

このような場合は弁護士に相談するのがよいでしょう。弁護士であれば、当事者としての主張をぶつけ合うのではなく、権利関係と証拠に基づいて論点を整理して、お互いの妥協点のすり合わせを行ってくれます。感情的なやり取りを続けるより、代理人を立てて手続きを踏んだほうが、結果として早く・安全に着地しやすくなります。

土地処分に関するよくある質問
Q. 土地処分の最初の相談先はどこを選ぶべきですか?
売却や活用など複数の選択肢を比較したい場合は「不動産会社」が適しています。相続登記や名義変更など権利問題が明確な場合は司法書士、境界問題は土地家屋調査士など、問題に応じた専門家を選びましょう。
Q. 売れない土地でも手放す相談はできますか?
可能です。立地が悪く買い手がつかない土地でも、空き家活用サービスによるリノベーション賃貸化や買取、相続土地国庫帰属制度の利用など、様々な解決策があります。まずは専門の相談窓口へ問い合わせてみましょう。
Q. 土地の相談をする際、最低限用意しておくべき書類はありますか?
毎年送られてくる「固定資産税の納税通知書(課税明細書)」があれば、土地の所在地や面積、評価額が一目で分かるためスムーズです。可能であれば登記簿謄本や公図も用意しておくとより正確な相談ができます。

まとめ

土地の処分をスムーズに進めるには、まず希望するゴール(売る・貸す・譲渡)を整理し、名義や境界などの状況に合った適切な専門家を選ぶことが成功の鍵です。
「売れない土地や古い建物があって手放せない」「活用か売却か迷っている」とお困りの方は、「アキサポ」へご相談ください。

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この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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