公開日:2026.06.16 更新日:2026.09.29
古民家の格安物件の探し方|購入・改修の費用と再建築不可の注意点

中古の古民家を探していると、数十万円台や100万円台など、思わず目を引く格安物件を見かけることがあります。ただし、古民家は購入後に修繕や設備の交換が必要になることもあります。価格だけで判断せず、住み始めるまでの費用を含めて予算を考えましょう。
古民家を選ぶときに大切なのは、安く買えるかどうかではなく、住める状態にするまでにいくらかかるのか、そして購入後も無理なく管理していけるのかを見極めることです。価格が低い理由や必要な工事を整理できれば、自分の予算に合う物件も探しやすくなります。
そこでこの記事では、古民家が格安で売られる理由や探し方、内見時の確認ポイント、購入・改修にかかる費用、再建築不可など購入前に知っておきたい注意点を分かりやすく解説します。
目次
古民家が格安で売られる主な理由

そもそも「憧れの日本家屋」のような存在である古民家が、なぜ格安で売りに出されるのでしょうか?そこには単に建物が古いというだけでなく、買い手がつきにくい事情が隠れていることがあります。
| 価格が低くなりやすい理由 | 物件の事情 |
|---|---|
| 建物に修繕が必要 | 空き家期間が長く、雨漏りや腐食、設備の劣化などに対応する費用を買主が見込む必要がある |
| 建築や土地利用に制限がある | 建て替えが難しい土地や利用に条件がある土地では、購入できる人・希望する人が限られる |
| 立地や管理負担に対して需要が少ない | 交通の不便さや広い敷地の手入れが負担となり、買い手が見つかりにくいことがある |
ほかにも相続した家を使う予定がなく、管理負担を減らすために売却を急ぐなど、所有者の事情が価格に影響する場合もあります。同じ価格帯でも必要な工事や利用条件は異なるため、気になる物件は売却理由も尋ねてみましょう。
古民家の格安物件の探し方

古民家の格安物件を探すなら、一般的な不動産ポータルサイトだけでなく、空き家に特化したサービスや自治体の情報もあわせて確認することが大切です。特にチェックしておきたいのは以下の3つです。
- 空き家を専門に扱うサービス
- 自治体が運営する空き家バンク
- 古民家物件特集や100万円以下特集
ここで気を付けたいのは、探し方をどれか一つに絞らないことです。古民家は掲載場所ごとに物件の差が大きいので、限定すると条件に合う物件を見逃してしまうかもしれません。
アキサポなど、空き家を専門に扱うサービスで探す
格安の古民家を探しているなら、まずは空き家を専門に扱うサービスをチェックしてみてください。私たちアキサポでも、各地の空き家を販売しており、エリアや価格、間取り、建物・土地の広さなどを比較しながら物件を探せます。
古民家は、一般的な中古住宅とは少し違い、価格だけでは判断しにくい物件です。柱や梁を生かした改修ができる一方で、断熱や耐震、水回りなどに手を入れる必要があることもあります。だからこそ、まずは実際の物件を見ながら、「この価格帯だとどんな家があるのか」「自分ならどこまで直して住みたいのか」を考えてみるのがおすすめです。
気になる物件が見つかったら、設備の状態や修繕履歴、引き渡し条件なども確認しながら検討していきましょう。アキサポでは掲載中の物件についてお問い合わせも受け付けていますので、気になる古民家があればお気軽にご相談ください。
自治体が運営する空き家バンクで探す
自治体が運営する空き家バンクは、地域内の空き家情報を自治体が集約して公開しているため、一般的な不動産ポータルサイトや不動産会社の店頭では見つけにくい物件に出会えることがあります。
また、農地・広い庭付きの物件、移住支援制度とあわせて検討できる物件が掲載されている場合もあります。地域での暮らしを前提に古民家を探したい人にとっては、物件情報と自治体の支援制度を一緒に確認できる点もメリットです。
なお、自治体によっては利用登録が必要だったり、定住などの条件が設けられていたりする場合があります。売主との交渉や契約に不動産会社が関わるかどうかも地域によって異なるため、気になる物件を見つけたら、申し込み方法や取引の流れまで確認しておきましょう。
古民家物件特集や100万円以下特集で探す
不動産サイトの「古民家特集」や「100万円以下の物件特集」も、格安の古民家を探すときに便利です。複数の地域や価格帯の物件をまとめて見比べられるため「このくらいの予算なら、どんな古民家が見つかるのか」と相場感をつかむのに役立ちます。
ただし、表示されている物件価格だけで予算を決めるのは避けたいところです。購入時の諸費用や入居前の改修費もかかるため、総予算からそれらを差し引いた金額を物件価格の上限として考えましょう。
古民家以外の住宅も含めて検討したい方は、田舎物件の種類と選び方を解説した記事も参考にしてください。
古民家は購入・賃貸・0円物件のどれを選ぶ?
古民家を手に入れる方法には、主に「賃貸」「売買」「贈与(0円物件)」の3つがあります。それぞれ費用負担や自由度、リスクの大きさが異なるため、どれが正解というより、自分の目的や資金計画に合う方法を選ぶことが大切です。
| 方法 | 向いている人 | 費用・利用条件の考え方 |
|---|---|---|
| 購入 | 長く住み、必要な改修をしながら使いたい人 | 物件代・諸費用・改修費に加え、所有後の税金や管理費を見込む |
| 賃貸 | 古民家暮らしや地域との相性を試したい人 | 家賃や契約時の費用、修繕負担を確認。DIYには貸主の承諾が必要な場合がある |
| 贈与(0円物件) | 物件代を抑え、修繕や管理に予算を充てたい人 | 取得時の税金や登記費用、家財の処分費などを含めて判断する |
なお、個人から無償で譲り受ける場合は、贈与税の対象になり得ます。広告の「0円」は、あくまで物件代のことで、税金や修繕費まで不要という意味ではありません。税額は不動産の評価や贈与の条件によって変わるため、契約前に税務署や税理士へ確認しましょう。
これらのことを踏まえて、古民家の取得方法を選ぶときは、単に「安く手に入るか」という視点だけでなく、「リフォームの自由度」「初期費用と維持費のバランス」「将来にわたる管理の実現性」などを総合的に比較・検討しましょう。
古民家を内見する際に確認すべきポイント

古民家を内見するときは、間取りや雰囲気とあわせて、住める状態にするために費用がかかる部分をチェックしておいてください。建物の傷みだけでなく、屋根や壁の材料、庭や裏山など敷地全体の管理負担も含めて見ておきましょう。あわせて、購入後に不具合が見つかった際の売主の対応範囲や、契約不適合責任を免責・制限する特約の有無も確認しましょう。
建物の安全性(雨漏り・シロアリ・基礎)
古民家の内見でまず確認したいのは、建物の安全性です。なかでも雨漏り、シロアリ、基礎の傷みは、建物の安全性を脅かす点で、修繕が必要な場合、費用が膨らみやすいので要注意です。
こうした傷みは、内見だけでは判断しきれないこともあります。購入前に建物状況調査を利用したり、建築士に相談したりして、必要な修繕箇所とおおよその工事費を把握しておきましょう。
ただし、調査をしても壁や床の内部まですべて確認できるとは限らず、工事を始めてから新たな傷みが見つかることもあります。見積もりを取る際は、追加工事が必要になった場合の費用や対応方法まで確認しておくと安心です。
屋根や壁に使われている材料
古民家は、屋根や壁に使われている材料によって修繕費やメンテナンスの難易度が変わります。特に、かやぶき屋根のような手に入りにくい材料は要注意です。見た目の雰囲気だけでなく、将来的にどのくらい手入れが必要になるかも確認しておきたいところです。
修繕や張り替えをする場合も、使われている材料によって費用は大きく変わります。瓦屋根なら一部交換で済むこともありますが、下地まで傷んでいれば広範囲の工事が必要です。トタン屋根はサビや穴あきが進むと雨漏りにつながり、かやぶき屋根は維持できる業者を探すこと自体が難しい場合もあります。
庭や裏山、竹林など
古民家は、建物だけでなく敷地全体の管理負担も確認しておく必要があります。広い庭や畑、裏山、竹林などが付いているものは魅力的に感じるかもしれませんが、管理する労力を考えないと、手に負えなくなる恐れがあります。
また、裏山や傾斜地がある場合は、倒木や土砂災害のリスクも確認しましょう。敷地内の擁壁や水路を誰が維持管理するのかも重要です。境界があいまいな土地では、自分の管理範囲が分からず、後から近隣トラブルになる可能性もあります。
再建築不可の古民家や大規模な改修は購入前に確認しよう

再建築不可とは、今ある建物を取り壊したあと、原則として新たな建物を建てられない物件のことです。将来、老朽化や災害で建物を使えなくなったときの選択肢にも関わるため、必ず確認しておきたいところです。
こうした再建築不可の物件が生じる代表的な理由が、敷地と道路の接し方に関する「接道義務」を満たしていないことです。都市計画区域・準都市計画区域内では、原則として建築物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。
そのため、前面の道が建築基準法上の道路として認められていなかったり、道路に接している幅が2m未満だったりすると、原則として建て替えることができません。
ただし、一定の条件を満たせば認定・許可を受けられる例外もあるため、購入前に不動産会社や自治体の建築担当窓口で確認しておきましょう。
また、接道以外にも、市街化調整区域など土地利用に関する規制によって、新築や建て替えに制限がかかる場合があります。古民家の価格が安いからといって購入を急がず、将来もその土地に建物を建てられるのかまで確認しておくことが大切です。
また、大規模な改修を予定している場合にも注意が必要です。2025年4月以降、2階建ての木造戸建てなどで行う大規模な修繕・模様替えは、建築確認の対象となっています。購入後に大きな改修を考えている場合は、希望する工事ができるかどうかに加え、必要な手続きや費用も購入前に建築士へ確認しておくと安心です。
古民家の購入にかかる費用一覧と目安

古民家を購入するときは、物件価格だけでなく、契約や登記にかかる費用、税金、入居前の改修費なども含めて予算を考える必要があります。購入後にかかる固定資産税や保険料、維持管理費もあわせて見込んでおきましょう。
主な費用は以下のとおりです。
| 費用 | 金額・計算の目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格に応じて上限額が決まる。800万円以下の物件には特例がある |
| 売買契約書の印紙税 | 紙の不動産売買契約書にかかる税金。契約書に記載された金額に応じて税額が決まり、2027年3月31日までに作成される一定の不動産譲渡契約書には軽減措置がある |
| 登記費用 | 登録免許税のほか、司法書士へ依頼する場合は報酬がかかる。登記内容や軽減措置によって金額が異なる |
| 不動産取得税 | 土地や建物を取得した際にかかる税金。2027年3月31日までの土地・住宅の取得は税率3%で、一定の要件を満たす場合は軽減措置がある |
| 改修・残置物の処分費 | 建物の状態や工事範囲、残された家財の量などによって大きく変わる |
| 固定資産税・維持管理費 | 固定資産税の標準税率は課税標準額の1.4%。保険料、修繕費、草刈りなどの維持費も別途かかる |
なかでも、格安の古民家では仲介手数料の扱いを確認しておきたいところです。通常の仲介手数料の上限(税込・消費税率10%、課税事業者の場合)は、消費税を除いた物件価格をもとに、次の速算式で計算できます。
- 200万円以下:物件価格×5.5%
- 200万円超400万円以下:物件価格×4.4%+2.2万円
- 400万円超:物件価格×3.3%+6.6万円
なお、800万円以下の宅地・建物については、仲介にかかる費用を考慮し、売主・買主それぞれから最大33万円(税込)まで受領できる特例があります。通常の上限額に33万円を加算する仕組みではありません。仲介手数料は、媒介契約を結ぶ際に上限額の範囲内であらかじめ合意します。
古民家のリフォーム費用を安くする方法はある?

古民家のリフォーム費用を抑えるには、必要な工事を整理して優先順位を付けるほか、自治体の補助制度や空き家の活用サービスを利用する方法があります。
| 方法 | 費用を抑えるポイント |
|---|---|
| 工事に優先順位を付ける | 雨漏りや構造部分など、安全に関わる工事を優先し、内装や使わない部屋の改修は後に回す |
| 自治体の補助制度を利用する | 空き家改修や耐震改修など、予定している工事に使える制度がないか確認する |
| 空き家活用サービスを利用する | 古民家を貸して活用する場合は、改修費の負担を抑えられるサービスも選択肢になる |
古民家は、最初からすべてをきれいに直そうとすると費用が大きくなりがちです。雨漏りや建物の構造、水回りなど、生活や安全に関わる部分を先に整え、内装や使用頻度の低い部屋は暮らしながら改修する方法もあります。必要な工事と後回しにできる工事を分けることで、購入直後の負担を調整しやすくなります。
また、自治体によっては、空き家の改修や耐震化などに使える補助制度を設けています。対象者や工事内容、補助額は地域によって異なり、契約や着工前の申請が必要な場合もあります。利用を考えている方は、施工会社と契約する前に自治体の窓口や公式サイトを確認しておきましょう。
そして、空き家を改修して貸し出す「空き家活用」を考えている方には、アキサポの空き家活用サービスが役に立つかもしれません。アキサポでは、空き家所有者様から空き家を借り上げて、アキサポの負担でリノベーションを行い、利用希望者に貸し出すという事業を行っています。
自分で住むための改修は対象になりませんが、所有者様の初期費用を抑えながら空き家を再生でき、活用後は賃料の一部を収入として受け取れます。
詳しい仕組みは、アキサポの空き家活用サービスをご覧ください。
A1. 価格だけでは判断できません。雨漏りや構造部分の傷み、水回りなどを確認し、必要に応じて建築士や施工会社に調査・見積もりを依頼しましょう。物件代とは別に、修繕や設備交換、残置物の処分などの費用がかかる場合があります。
A2. 建て替えの制限などが価格に反映され、比較的安く購入できる場合があります。ただし、希望する改修ができるとは限らず、将来建物を使えなくなった場合の選択肢も限られます。購入前に建築士や自治体へ工事の可否を確認し、融資を利用する場合は金融機関にも相談しましょう。
A3. 誰でも利用できるわけではありません。対象者や建物、工事内容、居住条件などは制度ごとに異なります。契約・着工前の申請や交付決定が必要な場合もあるため、工事を進める前に自治体の窓口や公式サイトで条件と申請時期を確認しましょう。
まとめ|格安の古民家は住み始めるまでの総額で選ぼう
格安の古民家を選ぶときは、物件価格だけでなく、修繕や設備交換、購入時の諸費用まで含めた総額で考えることが大切です。安く売られている理由や建物の状態を確認し、無理なく住み続けられるかまで見極めておきましょう。
私たちアキサポでは、各地の空き家を販売しており、古民家を含めた物件探しをお手伝いしています。また、すでに古民家や空き家を所有していて「自分では使わないけれど、何とか活用したい」という方には、借り上げ・リノベーション・貸し出しまで行う空き家活用サービスもご用意しています。
これから古民家を探したい方も、所有している古民家の扱いに悩んでいる方も、ぜひアキサポをご活用ください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






