公開日:2026.10.06 更新日:2026.09.18
NEW空き家購入の予算の決め方は?物件価格・改修費・諸費用を総額で見積もろう

空き家購入の予算を考えるとき、物件価格だけを見ればよいのか、リフォームや諸費用までどこまで含めればよいのか、迷うことは多いですよね。
物件価格が安くても、購入後に大規模な修繕やインフラ整備が必要になり、予算を大幅にオーバーしてしまうケースは少なくありません。
そこでこの記事では、空き家購入に必要な費用の内訳や予算の決め方、モデルケース、頭金・自己資金の考え方などをまとめて解説します。ローンや資金調達の選択肢、購入後の返済で苦しまないためのポイントも紹介しますので、空き家購入の予算を考える際の参考にしてください。
目次
空き家購入の予算は物件価格ではなく総額で決めよう

空き家の購入予算を決める際に大切なのは、物件価格だけでなく、購入時の諸費用や改修費、購入後の維持費なども含めた総額で考えることです。
物件価格だけを見ると安く感じる空き家でも、実際に購入して使い始めるまでには、次のような費用がかかります。
- 仲介手数料や登記費用などの購入諸費用
- リフォーム・修繕費
- 上下水道や電気などのインフラ整備費
- 固定資産税や火災保険などの維持費
- 家財・残置物の処分費
- 想定外の修繕に備える予備費
特に築年数の古い空き家では、雨漏りや配管、床下など、購入後に不具合が見つかって追加工事が必要になることもあります。こうした費用を見落としたまま物件価格だけで予算を組むと、購入後に資金が足りなくなる可能性があるため、契約前に必要な費用をできるだけ洗い出しておきましょう。
空き家購入で必要になる総予算の内訳
空き家を購入する際に必要な費用は、物件価格だけではありません。ここからは、先ほど紹介した費用について、どのような場面で必要になるのかを項目ごとに詳しく見ていきましょう。
物件価格
物件価格は、土地と建物を取得するために売主へ支払う代金です。一般的には、売買契約時に手付金を支払い、引き渡し時に残代金を支払います。
相場より極端に安い物件は、接道義務を満たさない「再建築不可」や境界未確定、または売主が契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を免責する特約が付いている可能性があります。 価格だけで判断せず、「なぜ安いのか」を不動産会社へ確認し、問題を解消するための費用を含めて検討しましょう。
仲介手数料・登記・税金などの購入諸費用
空き家を購入すると、物件価格とは別に仲介手数料や印紙税、登記費用、不動産取得税などの諸費用がかかります。
それぞれの費用の目安は以下のとおりです。
- 仲介手数料:売買価格400万円超なら、通常の上限は「売買価格×3.3%+6万6,000円(税込)」。500万円の物件なら23万1,000円。なお、800万円以下の「低廉な空家等」の売買取引では、宅地建物取引業法の報酬規程改定により、媒介業務にかかる現地調査費用等を勘案して買主からも最大33万円(税込)を上限として受領できる特例があります。
- 印紙税:2027年3月31日までの軽減措置では、契約金額100万円超〜500万円以下が1,000円、500万円超〜1,000万円以下が5,000円、1,000万円超〜5,000万円以下が1万円
- 登録免許税:土地の売買による所有権移転登記は本則2%。ただし2029年3月31日までに登記する場合は固定資産税評価額の1.5%に軽減される。また、一定の要件を満たす住宅用家屋は、建物の所有権移転登記について0.3%の軽減税率が適用される
- 不動産取得税:2027年3月31日までに取得した土地と住宅には3%の税率が適用される。宅地・宅地比準土地は、同日まで固定資産税評価額の2分の1を課税標準とする特例がある。中古住宅の場合、新耐震基準などの条件を満たせば軽減を受けられる
- 固定資産税等清算金:売主がその年に納める固定資産税などを、引き渡し日を基準に買主と日割りで精算するのが一般的。金額は物件ごとの年税額や引き渡し時期によって変わる
リフォーム・修繕・インフラ整備費
空き家購入で特に金額を読みづらいのが、リフォームや修繕、インフラ整備にかかる費用です。見た目には問題がなくても、床下や配管、屋根の内部などに不具合があり、工事を始めてから追加の修繕が必要になることもあります。
予算に限りがある場合は、見た目を整える内装よりも、雨漏りや腐食、水回り、給排水、電気など、生活や建物の安全に関わる部分を優先します。契約前に建物の状態を確認し、必要な工事と費用をできるだけ具体的にしておくことが大切です。
固定資産税・保険・管理など購入後の維持費
空き家を購入したあとは、固定資産税や都市計画税、火災保険などの費用が継続してかかります。庭や敷地が広ければ、草刈りや庭木の手入れ、地域によっては除雪などにも費用が必要です。
たとえば、固定資産税などが年間10万円、火災保険が年間3万円、草刈りを年4回・1回1万円で依頼すると、それだけで年間17万円ほどかかります。
想定外の修繕に備える予備費
築年数の古い空き家では、事前に建物を調査しても、壁や床を開けて初めて分かる不具合があります。追加工事が発生したときに資金が足りなくならないよう、当初の改修見積もりとは別に予備費を確保しておくと安心です。
予備費の額は、建物の状態を踏まえて工務店などへ相談しましょう。なお、自治体の補助金は確実に受け取れるとは限りません。補助金がなくても進められる資金計画にしておくことが大切です。
空き家購入予算のモデルケース

では実際に、空き家を購入する際にどのくらいの予算が必要になるのか、モデルケースで見てみましょう。
たとえば、物件価格500万円の空き家を購入し、リフォームやインフラ整備に600万円かかる場合、総予算は以下のようになります。
| 項目 | 試算額 |
|---|---|
| 物件価格 | 500万円 |
| 購入諸費用 | 80万円 |
| リフォーム・インフラ整備費 | 600万円 |
| 家具・引っ越し費 | 30万円 |
| 予備費 | 100万円 |
| 合計 | 1,310万円 |
このケースでは、500万円で売り出されている空き家でも、実際に購入して暮らせる状態にするまでには1,310万円が必要になります。特に築年数の古い空き家は改修費によって総額が大きく変わるため、表示されている物件価格だけで予算を判断しないことが大切です。
空き家購入の予算を決める5ステップ

空き家購入の予算は、先に物件価格を決めるのではなく、毎月の返済額や手元に残す資金、改修費などから逆算して考えると無理がありません。具体的には、次の5ステップで整理していきます。
ローン返済だけでなく、固定資産税や維持費も含めた「毎月の支払可能額」を算出します。
急な出費や生活防衛資金を残し、頭金・諸費用・改修費に使える「自己資金の上限」を決めます。
「金融機関が貸してくれる額」ではなく「家計から安全に返済できる借入額」を計算します。
専門家に建物を調査してもらい、必要な修繕見積もりと想定外の不具合に備える「予備費」を出します。
【総予算 - (諸費用 + 改修費 + 予備費) = 物件価格の上限】
この上限額をもとに、価格交渉や物件の選定を行います。
この順番で考えておけば、「安い物件を見つけたから買う」のではなく、購入後まで無理なく支払える範囲から空き家を探せるようになります。
頭金・自己資金はいくら用意すればいい?
空き家購入で頭金をいくら入れるかは、毎月のローン返済額と、購入後に残せる貯蓄のバランスを見て決めるのが現実的です。頭金を多く入れれば借入額を減らせますが、その分だけ手元の現金が少なくなるため、修繕などの急な出費に対応しにくくなります。
たとえば、500万円の空き家を購入するために400万円の貯蓄がある場合を考えてみましょう。
| 頭金 | 借入額 | 頭金支払い後の貯蓄(諸費用・改修費等を除く) |
|---|---|---|
| 0円 | 500万円 | 400万円 |
| 100万円 | 400万円 | 300万円 |
| 200万円 | 300万円 | 200万円 |
頭金を200万円入れればローンの負担は軽くなりますが、仲介手数料や登記費用、リフォーム費、購入後の生活費まで考えると、残った200万円では心もとない場合もあります。反対に、頭金を抑えれば借入額は増えるものの、修繕や想定外の出費に備える余裕を残せます。
そのため、「頭金にいくら入れられるか」ではなく、購入諸費用や改修費、予備費、生活費を残したあと、いくらまで頭金に回せるかという順番で考えるとよいでしょう。
空き家は住宅ローンが通りにくい?資金調達の選択肢

空き家でも住宅ローンを利用できる場合はありますが、建物の老朽化や土地の条件によっては、一般的な中古住宅より審査が厳しくなることがあります。そこでここでは、住宅ローンを含めた3つの資金調達方法を紹介します。
一般の住宅ローンを利用しにくいケース
住宅ローンでは、申込者の収入や返済能力だけでなく、購入する土地・建物の担保価値も審査されます。そのため、老朽化が進んでそのままでは住めない建物や、再建築できない土地、接道条件に問題がある物件などは、十分な担保価値が認められず、希望する金額を借りられないことがあります。
また、境界が確定していない、登記と実際の建物の状態が一致していないといった問題も審査に影響します。気になる空き家が見つかったら、購入を申し込む前に物件資料や改修計画を金融機関へ提示し、その物件で融資を受けられそうか確認しておくとよいでしょう。
空き家ローン・リフォーム一体型ローン
一般の住宅ローンを利用しにくい場合は、金融機関が扱う空き家向けローンや、物件の購入費とリフォーム費をまとめて借りられるローンも選択肢になります。購入と同時に大規模な改修を予定している場合は、物件代と工事費を別々に借りるより資金計画をまとめやすくなることがあります。
ただし、利用できる物件や工事内容、金利、融資期間などの条件は商品によって異なります。工事代金を支払う時期と融資が実行される時期が合わず、別途つなぎ融資などが必要になる場合もあるため、総返済額だけでなく「いつお金を受け取れるのか」まで確認しておきましょう。
現金・リフォームローン・自治体融資を組み合わせる場合
物件価格が比較的安い空き家なら、物件は現金で購入し、改修費だけリフォームローンで借りる方法もあります。自治体や地域の金融機関によっては、空き家の取得・改修を対象とした融資や利子補給を利用できる場合もあります。
複数の資金を組み合わせる場合に気を付けたいのが、支払いのタイミングです。物件の残代金、工事の着手金・中間金など、それぞれ支払時期が異なるため、融資実行日とあわせて整理しておきましょう。
空き家購入の予算に迷ったら「アキサポ」に相談を
空き家を購入するときは、物件価格の安さだけでなく、諸費用や改修費、購入後の維持費まで含めて、無理なく支払える総額を考えることが大切です。気になる物件が見つかったら、購入後にどこまで手を入れる必要があるのかを確認し、その費用まで含めて予算内に収まるかを見てみましょう。
ただ、空き家は建物の状態によって必要な改修や費用が大きく変わるため、物件情報だけを見て総額を判断するのは簡単ではありません。これから空き家を探すのであれば、予算や希望する使い方も含めて相談できる相手を見つけておくと、候補を絞り込みやすくなります。
「アキサポ」では、空き家物件の紹介をはじめ、空き家に関する相談を無料で受け付けています。予算に合った空き家を探したい方も、まずは希望するエリアや使い方などを整理するところから、お気軽にご相談ください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






