公開日:2023.09.19 更新日:2026.10.02
兵庫県の空き家を売りたい方へ|買取相場と神戸での活用・手放し方

兵庫県で空き家を売るなら、買取は「早く・そのままの状態で手放せる」方法で、価格は仲介で売る場合の6〜8割が目安です。兵庫県は空き家の数が全国7位と多い一方、神戸市や阪神間には住宅需要があるため、エリアによっては仲介で売る・売らずに活用するという選択肢も現実的です。
この記事では、買取と仲介の違い、県内のエリア別に見た価格の傾向、相場の調べ方、神戸市の解体補助や相続した実家の税金まで、兵庫で空き家を売る前に知っておきたいことを解説します。
目次
空き家買取のメリット・デメリットとは?
空き家買取とは、不動産会社が空き家を直接買い取る売却方法です。買取と仲介はメリット・デメリットがはっきり分かれるため、自分の優先順位に合うかで選びます。
| 比較項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 相場の6〜8割が目安 | 相場どおり |
| 売却までの期間 | 1〜2か月 | 3か月〜1年以上 |
| 古い家・残置物あり | そのままでも可 | 片付け・修繕が必要な場合が多い |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要(売却価格の3%+6万円+消費税が上限) |
| 向いている人 | 早く確実に手放したい人 | 時間をかけても高く売りたい人 |
買取のメリットは、1〜2か月で現金化でき、古い家や残置物がある家でもそのまま売れることです。仲介手数料がかからず、売却後に欠陥が見つかった場合の責任(契約不適合責任)も免除されるケースが多いため、維持管理の負担から早く解放されたい方に向いています。
デメリットは、価格が仲介で売る場合の6〜8割程度になることです。時間をかけてでも高く売りたい方や、手放さずに持ち続けたい方には向きません。
買取と仲介の違いをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
空き家買取のメリットデメリット|仲介との違いや、「活用」の選択肢も!
兵庫県の空き家は「3つのエリア」で売りやすさが変わる

兵庫県は神戸・阪神間の都市部から、播磨の工業・住宅地、但馬・丹波・淡路の農村部まで性格の異なる地域が一つの県に収まっています。自分の空き家がどのエリアにあるかで、買取・仲介・活用のどれが向くかが大きく変わります。
神戸市・阪神間(神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・宝塚市など)
大阪への通勤圏で住宅需要が安定しており、県内で最も買い手がつきやすいエリアです。神戸市内だけで空き家は118,400戸あり、そのうち賃貸にも売却にも出されていない空き家が39,500戸、戸建てに限ると17,600戸にのぼります。
需要があるため、築古でも立地次第で仲介で売れる可能性があり、神戸市内なら売らずに活用する選択肢もあります。一方、北区・西区の郊外住宅地は築40〜50年の戸建てが多く、修繕や片付けをせずに手放したい場合は買取が現実的です。
播磨(姫路市・明石市・加古川市・高砂市など)
姫路市・明石市は空き家数が県内上位で、工業地帯を背景にした住宅需要があります。価格は神戸・阪神間より抑えめですが、明石市のように人口が増えている市では買い手がつきやすく、相生市のように空き家率が27%を超える市では価格が付きにくいなど、同じ播磨でも差が大きいエリアです。
但馬・丹波・淡路・西播磨(豊岡市・養父市・丹波市・淡路市・佐用町など)
空き家率が県内で最も高いエリアで、佐用町は31.4%、淡路市は26.9%、養父市は25.8%と、住宅の4戸に1戸以上が空き家です。市場での売却は難しく、空き家バンクへの登録や、県・市町の解体補助を使って土地として手放す方法を検討してください。
兵庫県全体では2023年時点で空き家が386,900戸、空き家率は13.8%と全国平均(13.8%)と同水準ですが、空き家の数では全国7位です。2018年から26,700戸増え、空き家数・空き家率ともに過去最高を更新しています。
出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」/神戸市「神戸市空家空地対策計画(2026〜2035年度)」
兵庫県の空き家買取の相場はいくら?

兵庫県の空き家の買取価格は、仲介で売る場合の相場の6〜8割が目安です。ただし、神戸・阪神間と但馬・淡路では地価が数倍違うため、県全体の数字はあくまで参考値です。
エリア別に見ると、西宮市・芦屋市・神戸市東部は県内で最も価格が高く、尼崎市・明石市がそれに続きます。姫路市は県平均並みかやや下、但馬・丹波・淡路は低めで、エリアによっては建物に値段が付かず土地の価格だけで取引されることもあります。
| エリア | 価格の傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 西宮市・芦屋市・神戸市東灘区〜中央区 | 県内で最も高い | 大阪・神戸両方への通勤圏で、住宅需要が最も強い |
| 尼崎市・明石市・神戸市西部 | 高め | 大阪・神戸への通勤圏。明石市は人口増加が続く |
| 神戸市北区・西区の郊外住宅地 | 県平均並み | 1970〜80年代開発の団地が多く、築古戸建ての供給が多い |
| 姫路市・加古川市・高砂市 | 県平均並み〜やや低め | 工業地帯の住宅需要がある一方、空き家数も多い |
| 但馬・丹波・淡路・西播磨 | 低め〜値が付きにくい | 空き家率25%超の市町が多く、住宅需要が少ない |
相場は時期や物件の状態で変動するため、具体的な金額は、次に紹介する方法で自分の物件に近い条件の取引事例を確認するのが確実です。
買取相場の調べ方
空き家買取で損をしないためには、提示された買取価格が妥当かどうかを、データに基づいて確認することが重要です。確認に使えるのは、次の4つの方法です。
4つの中で最も参考になるのはレインズ・マーケット・インフォメーションです。実際に成約した価格を、築年数や面積などの条件とあわせて確認できるため、提示された買取価格が妥当かを判断する基準になります。
土地の価値を確かめたい場合は、国土交通省の不動産情報ライブラリ(旧・土地総合情報システム)や国税庁の路線価図が使えます。路線価は公示価格の8割程度で設定されているため、実勢価格の目安は路線価を0.8で割った金額が一つの基準です。神戸・阪神間のように地価が高いエリアでは、建物が古くても土地の価値が買取価格を押し上げることがあります。
まず大まかな目安だけ知りたい場合は、匿名査定サイトで概算を出し、その金額を見てから個別査定に進むかを決める使い方が無駄がありません。
買取相場の調べ方と高く売るコツは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
戸建ての買取相場の調べ方と高く売るコツ、売却じゃなく空き家活用も視野に
買取価格は必ず複数社で比較する
空き家買取で損をしないために、もう一つ覚えておきたいのが「複数社で価格を比較すること」です。買取価格は会社ごとの再販ルートやノウハウによって100万円単位で差がつくことがあり、1社の査定だけで決めるのは危険です。特に空き家を専門に扱う会社は、残置物や老朽化を織り込んだ現実的な価格を出せるため、必ず候補に入れておきましょう。
買取価格に納得できないときの選択肢

複数社を比較しても買取価格に納得できない場合は、次の4つを検討してみてください。兵庫県は他県と違い、神戸市内であれば「売らずに活用する」という選択肢も現実的です。
神戸市内なら、売らずに活用して収益化する
神戸市内に空き家をお持ちで、「手放したくはないが、自分で修繕する費用はない」という方には、アキサポの空き家活用サービスという選択肢があります。アキサポが空き家を借り上げ、リノベーション費用を負担して賃貸として運用し、賃料の一部を所有者に還元する仕組みです。契約期間終了後は、改修された建物がそのまま戻ってきます。
兵庫県での活用サービスの対応エリアは、神戸市の一部が目安です。対象エリアかどうかはお問い合わせ時に確認できます。実際の活用事例も参考にしてください。
時間をかけてでも高く売りたいなら仲介
神戸・阪神間や明石市のように需要が安定しているエリアなら、仲介で買主を探す方法が有力です。売却までに数か月〜1年程度かかりますが、価格は相場どおりを狙えます。
建物が古く、土地に価値があるなら解体して売る
神戸・阪神間のように地価が高いエリアでは、解体して更地にしてから売る方法も選択肢です。ただし解体後は固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が上がるため、売却の目処が立ってから解体するのが基本です。神戸市には老朽空き家の解体補助制度があり、後述します。
価格より地域への引き継ぎを優先するなら空き家バンク
但馬・丹波・淡路など市場での売却が難しいエリアでは、自治体が運営する空き家バンクへの登録という方法もあります。兵庫県内の空き家バンクは市町ごとに運営されており、無償に近い価格で譲渡するケースもあります。
兵庫県で使える公的な相談先と補助制度
兵庫県は、神戸市が全国でも最大規模の空き家対策予算を組んでいる一方、県の補助制度は神戸市・姫路市・西宮市・尼崎市・明石市を対象外にして郡部に重点を置いています。自分の空き家がどちらの制度の対象かを先に確認してください。
神戸市の空き家対策
神戸市は2026年度から2035年度までの10年間を対象とした「神戸市空家空地対策計画」を策定し、所有者向けの支援を続けています。老朽空家等解体補助制度は2025年3月末時点で累計4,074戸に利用されており、解体して土地として売る場合に活用できる可能性があります。このほか、相続人調査の費用補助、専門家派遣、樹木の剪定・伐採費用の補助など、空き家を手放す前段階の負担を軽くする制度もあります。窓口は神戸市の建築住宅局です。
出典:神戸市「神戸市空家空地対策計画(2026〜2035年度)」/神戸市長定例会見資料(2025年12月25日)
兵庫県の老朽危険空き家除却支援
兵庫県は「老朽危険空き家除却支援事業」として、周辺に危険が及ぶおそれのある空き家の除却費を補助する市町を支援しています。実際の申請は市町の制度を利用する形で、例えば小野市では2026年度に補助対象工事費の3分の2・上限133万2,000円を補助しています。対象となる空き家の条件や補助額は市町ごとに異なります。
兵庫県の空き家活用支援事業(郡部向け)
県の「空き家活用支援事業」は、空き家を住宅・事業所・地域交流拠点として改修する場合に改修費を助成する制度ですが、神戸市・姫路市・西宮市・尼崎市・明石市と市街化区域は対象外です。但馬・丹波・淡路などで空き家を改修して貸したい・使いたい場合の制度と考えてください。
出典:兵庫県「空き家活用支援事業」/兵庫県「老朽危険空き家除却支援事業」
補助の金額・条件は年度ごとに変わり、申請は工事前に行う必要があります。解体や改修を検討する場合は、着手前に必ず市町の窓口に確認してください。
兵庫県で空き家を探している方へ
兵庫県で空き家を買いたい方は、県内の空き家バンク一覧と購入者向けの補助金をまとめた兵庫県の空き家バンクで物件を探す方法をご覧ください。アキサポの兵庫県の販売中の空き家一覧にも、自治体の空き家バンクとは別の物件を掲載しています。
まとめ
兵庫県の空き家を手放す方法は、買取・仲介・空き家バンクの3つが基本で、神戸市内であれば売らずに活用する4つ目の選択肢があります。神戸・阪神間や明石市のように需要があるエリアなら仲介や活用も現実的ですが、古い家や荷物が残ったままの家を早く確実に手放したいなら買取が向いています。但馬・丹波・淡路など空き家率の高いエリアでは、空き家バンクや市町の解体補助を組み合わせて考えましょう。相続した実家なら3,000万円の特別控除が使える可能性もあるので、売却前に要件を確認しておいてください。
「古い家だから売れないかもしれない」「売るか活用するか決めきれない」という段階でも大丈夫です。アキサポの空き家買取は全国対応・査定無料で、残置物がある家や築50年以上の家も多数買い取ってきました。神戸市内の空き家なら活用の相談もあわせてできます。まずは今の価格を知るところから始めてみてください。
神戸市内の空き家は、売却と活用の両方をご相談いただけます。
この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。






