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公開日:2025.07.27 更新日:2025.07.29

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建て替え費用が足りないとき|対処法と選択肢

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家の建て替えを検討していても、資金面の不安から踏み切れない方は少なくありません。

本記事では、家を建て替える際に必要となる費用や、費用を抑える工夫、住宅ローンや公的支援制度の活用、建て替え以外の選択肢まで幅広く解説します。ご自身に合った現実的な選択を見つけるための一助としてください。

家の建て替え費用はどれくらい?相場と内訳

家を建て替えるには、解体工事費や本体工事費のほか、諸経費や外構工事費、地盤改良などの付帯工事費用も考慮する必要があります。まずは建て替えにかかる費用の相場と内訳を知り、資金計画の基礎としましょう。

一般的な家を建て替える際の費用の総額は、解体費や諸経費を含めて3,500万円〜4,500万円程度が目安です。ただし、延床面積、構造、仕様グレードによって大きく変動します。土地の状態によっては地盤改良費や仮住まい費用も加算されるため、早い段階で複数のハウスメーカーや工務店に見積もりを依頼するのがおすすめです。特に築古住宅では、基礎の状態や隣接建物との距離により解体費用が高額になるケースもあるため、注意しましょう。

解体費用・本体工事費・外構工事費の目安

建て替え時に必要な主な費用の内訳は次のとおりです。

  • 解体工事費:木造住宅なら100万円台から、鉄骨造・RC造なら200万~400万円程度が相場。立地や敷地条件でも変動します。
  • 本体工事費:坪単価は約50万〜90万円が一般的。ローコスト住宅を選べば抑えられますが、設備や性能に制限が出る可能性も。
  • 外構工事費:フェンス、カーポート、門扉、アプローチなどを含み、内容によって50万円〜300万円程度の差が出ることも。

費用を把握するには、建て替え費用一式のトータル見積もりを数社に依頼し、内容・項目別に比較検討するのが効果的です。

二世帯住宅の場合にかかる費用や注意点

二世帯住宅の建て替え費用は、間取りや設備が増える分、通常よりも高額になる傾向があります。とくにキッチン・バス・トイレを完全分離する場合は、水回り工事費が膨らみます。また、プライバシー対策としての防音・断熱工事や、間仕切りの工夫にも追加費用がかかります。

加えて、二世帯住宅は相続対策や贈与税対策としても重要な検討項目となるため、税理士や司法書士への相談も検討するとよいでしょう。建築費用の分担、名義、ローン契約の方法など、家族間で事前に綿密に調整しておくことがトラブル防止につながります。

お金がないときの資金調達方法①:住宅ローン・リフォームローン

家の建て替えやリフォームを考えていても、手元資金が不足している場合は、住宅ローンやリフォームローンの活用が現実的な選択肢です。それぞれのローンの特徴や審査基準を正しく理解しておくことで、資金計画をスムーズに立てられます。

金融機関による住宅ローンは金利が低めに設定されていることが多く、建て替えにかかる大きな資金を長期的に返済できるメリットがあります。ただし、勤続年数や年収、過去の返済実績などで審査内容が変わるため、複数の金融機関の条件を事前に比較するのがおすすめです。

一方でリフォームローン(住宅改修ローン)は、無担保での融資が可能な場合が多く、審査期間も短いというメリットがありますが、金利が住宅ローンよりも高めに設定される傾向があるため、返済総額に注意が必要です。

加えて、親族からの資金援助を受ける際は、住宅取得等資金の贈与税非課税制度(令和8年12月31日までの贈与で、省エネ住宅なら最大1,000万円、それ以外の住宅なら最大500万円・要件あり)の活用も選択肢に含まれます。公的補助制度や助成金との併用も視野に入れ、多角的に資金調達方法を検討することが効果的です。

ローン審査で重視されるポイントと注意点

住宅ローン・リフォームローンの審査では、次のような要素がチェックされます。

  • 安定した収入(給与所得者・自営業者いずれも対象)
  • 勤続年数や職業の継続性
  • 信用情報(クレジットや過去の延滞歴)
  • 返済比率(年収に対する年間返済額の割合)

また、収入合算を行う場合は、連帯債務者や連帯保証人の審査も必要です。金利タイプ(固定 or 変動)、返済期間、ボーナス併用など、将来の収支見通しに応じたプラン設計をしましょう。毎月の返済額は無理のない水準に設定することが、長期的に安定した返済の鍵です。

仮住まい費用も考慮して計画を立てよう

建て替え期間中は、仮住まいへの一時的な引っ越しが必要になるケースが一般的です。この際に発生する費用としては以下の項目が挙げられます。

  • 家賃(半年~1年分)
  • 敷金・礼金
  • 引っ越し費用(往復)
  • 荷物保管用トランクルーム代
  • 光熱費・通信費などの二重支出

また、住宅ローンの融資実行時期によっては、仮住まい家賃とローン返済が並行する期間が生じることもあり、キャッシュフロー管理が複雑になります。

そのため、建て替え前から仮住まい期間を含めた資金計画を立てることが重要です。必要に応じて、住宅ローンアドバイザーやファイナンシャルプランナーに相談しておくと安心です。

お金がないときの資金調達方法②:補助金・減税制度の活用

住宅の建て替え費用を抑えたい場合、国や自治体による補助金・減税制度を活用することで、自己資金が少なくても建て替えが可能になるケースがあります。まずは利用できる制度の種類や条件を調べ、早めに準備を始めましょう。

補助金の対象や申請要件は自治体ごとに異なるため、自治体の公式サイトや相談窓口を定期的に確認することが重要です。たとえば、老朽化した実家の解体や、省エネ性能を高める断熱改修・高効率設備の導入などは、補助対象になりやすい分野です。

また、建て替えに限らず大規模リフォームや耐震改修を行う場合でも、固定資産税の軽減措置や所得税控除(例:投資型減税・ローン型減税)といった税制優遇を受けられる可能性があります。制度の併用が可能なケースもあるため、税理士や住宅専門窓口に相談するのも有効です。

老朽空き家の解体・耐震化・不燃化に関する補助金

老朽空き家の建て替えに際し、自治体による解体費補助や耐震改修支援制度を利用できる場合があります。とくに「倒壊の恐れがある家屋」や「特定空家等」に指定される前の解体では、費用の一部(数十万円~)が補助対象になるケースもあります。

また、防火・防災を目的とした不燃化リフォーム(外壁や屋根の耐火材化など)に対する補助制度を設けている自治体もあります。これらは地域によって補助金額や対象条件が大きく異なるため、見積書や図面、施工写真などの提出が求められる場合を想定し、計画初期から書類の整備を意識しましょう。

省エネ住宅向け|地域型住宅グリーン化事業・こどもみらい住宅支援事業など

建て替え時に省エネルギー性能の高い住宅(ZEH、長期優良住宅など)を新築する場合、「地域型住宅グリーン化事業」など国の補助制度を利用できる可能性があります。これにより、断熱材・高性能窓・太陽光発電設備などに対して補助金が支給されます(※年度・制度により内容変動あり)。

また、若年層や子育て世帯が対象となる「こどもみらい住宅支援事業(またはその後継制度)」では、建て替えや省エネ改修に対して最大100万円以上の支援が行われた実績もあります(※2023年度制度例)。

ただし、これらの制度は予算上限や受付期間が限定されているため、情報収集は早めに行い、着工前の申請要件なども確実に確認しておく必要があります。

お金がないときの資金調達方法③:火災保険や地震保険の活用

火災や地震などの自然災害で家屋が損傷した場合、火災保険・地震保険から保険金を受け取れる可能性があります。建て替えや修繕にあたって自己資金が不足している場合、予期せぬ支援源となることもあるため、保険の加入状況や補償内容を改めて確認しておきましょう。

火災保険は、火災以外にも風災・雪災・落雷など幅広い災害に対応しており、修理費や建て替え費用に充当できるケースがあります。地震保険も、地震・噴火・津波による損壊が対象となり、被害認定(全損・大半損など)によって最大で保険金額の50%を上限に支払われます(※損害保険料率算出機構の基準による)。

古い住宅では、過去の災害による損傷が見落とされているケースもあり、被害調査と適切な申請により予想以上の保険金が給付される可能性もあります。
保険金の使用目的は原則自由であり、建て替え費用や一部リフォーム費に充当することも可能です。

申請手続きの流れと給付対象になる損害例

保険申請では、まず保険証券・契約内容を確認し、事故報告や被害申請の手続きを行います。申請には以下のような書類が必要です。

  • 被害箇所の写真
  • 修理・解体・建て替えの見積書
  • 罹災証明書(地震・火災による場合)など

火災保険では、台風による屋根の破損、飛来物による窓の破損、雪の重みによる倒壊なども対象になることがあります。地震保険では、建物の傾き・亀裂・倒壊などの構造的被害が重視されます。

なお、保険金請求には原則事故発生日から3年以内の申請期限があります(※保険法第95条または民法第166条、時効期間)。遅れると請求権が失効するため、被害を確認したら速やかに保険会社へ連絡し、必要に応じて損害調査を専門業者に依頼することが有効です。

建て替え以外の選択肢①:リフォーム・リノベーション

建て替え費用を抑えたい場合、リフォームやリノベーションの活用は現実的かつ柔軟な選択肢です。ただし、建物の状態や築年数によっては想定以上の費用がかかるケースもあるため、慎重な判断が求められます。

古い建物を解体せず活かすリフォームは、新築に比べ材料費や解体費を抑えられる一方で、基礎や構造に深刻な欠陥があると、かえって高額になる可能性もあります。特に間取り変更や耐震補強を伴うリノベーションでは工事内容が複雑化し、追加費用が発生するリスクもあります。

それでも、既存の構造を活かしつつ費用を抑えられる事例も多いため、リフォーム会社や建築士と打ち合わせを重ねて、工事内容・費用対効果のシミュレーションを行うことが重要です。現状の課題を明確化し、「どこまで直すか」「いくらかけるか」を基準に、工事方針を決定しましょう。

リフォームにかかる費用と主なメリット・デメリット

リフォーム費用は工事規模によって数十万円~数千万円と大きく変動します。たとえば、水回りの部分改修であれば100万円前後に収まることもありますが、フルリノベーションでは1,000万円を超えることもあります。

メリット

  • 解体費が不要または軽減される
  • 工期が比較的短いため、仮住まい費用を抑えやすい
  • 補助金・減税の対象になる場合もある(例:長期優良住宅化リフォーム推進事業)

デメリット

  • 築古物件では想定外の補修費が発生しやすい
  • 構造劣化(シロアリ・腐食等)が後から判明するケースも多い
  • 耐震・断熱の限界がある場合、新築と費用差がなくなることも

リスク回避のためには、事前の建物診断(インスペクション)を行い、劣化状況・補修必要箇所の把握が必須です。

築年数や耐震性で判断すべきポイント

築30年以上の住宅では、1981年(昭和56年)5月31日以前の建築確認で建てられた建物は「旧耐震基準」である可能性が高く、地震時の安全性に課題がある場合があります(現行の耐震基準は1981年6月1日に施行)。
基礎のひび割れ、傾き、腐食、シロアリ被害がある場合、単なる表層改修では居住安全性が確保できない恐れがあります。

そのため、以下の点をチェックして総合的に判断することが重要です。

  • 耐震診断結果が基準を満たしているか
  • 断熱・省エネ性能の向上が可能か
  • 将来の家族構成やライフスタイルに対応できるか
  • リフォーム費と建て替え費の差額が妥当か

最終的には、「今後何年住むか」「次世代へ引き継ぐか」といった資産価値とライフプランに基づき、リフォームか建て替えかを選ぶ視点が必要です。

建て替え以外の選択肢②:売却・賃貸などで家を活用する

現在の住宅や土地を売却や賃貸として活用することで、建て替えに必要な資金を確保したり、固定資産税などの維持コストを削減することが可能です。家族構成や今後のライフプランを踏まえて、柔軟な選択肢として検討してみましょう。

立地条件が良く、需要のある地域であれば、賃貸活用によって家賃収入を得られる可能性があります。ただし、賃貸経営には空室リスク・修繕費・管理手数料などが発生するため、事前に不動産会社などと収支シミュレーションを行うことが重要です。

売却を選ぶ場合は、「古家付き土地」で売るか、「更地」にして売るかによって、想定される買主層や価格が変わります。また、仲介(時間をかけて高値を目指す)と、不動産業者への買取(早期売却・現金化重視)といった方法を比較し、目的に合った手段を選ぶことが大切です。

親族への建て替え依頼や相続対策も視野に入れる

資金面で建て替えが難しい場合、親族に家の所有権を移し、代わりに建て替えてもらうという方法も検討可能です。たとえば、住宅取得資金の贈与に対する非課税制度(「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」など、相続時精算課税制度との選択制)を活用することで、税負担を軽減しつつ資産を次世代に引き継ぐことが期待できます。

また、将来的に発生する相続を見据え、名義の整理や遺産分割の方向性を親族間で早めに調整しておくことも重要です。特に遠方に住む相続人が関与するケースでは、意向確認や書類手続きに時間がかかることがあるため、事前の準備がスムーズな資産活用に直結します。

まとめ|状況に合った方法で家を再生しよう

家の立地・構造・築年数、そして家族の将来設計によって、建て替え・リフォーム・売却・賃貸など、取るべき選択肢は異なります。希望と現実的な予算を照らし合わせながら、納得のいく再生方法を見つけることが重要です。

建て替えには多額の費用がかかりますが、住宅ローンやリフォームローンの活用、各種補助金・減税制度、火災保険や地震保険の申請など、費用負担を軽減する制度は複数存在します。また、基礎や構造に問題がなければ、リフォームやリノベーションによりコストを抑えつつ再活用することも可能です。

さらに、現在の家を賃貸に出す、売却して資金化する、親族に譲渡して建て替えを依頼するといった方法も、資金難を乗り越える有効な選択肢です。将来の生活や相続、資産価値の維持も視野に入れながら、多角的に検討しましょう。

複数の方法を比較し、自身や家族の状況に最も適した方針を選ぶことで、無理のないかたちで家の再生と有効活用が可能になります。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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