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公開日:2025.08.03 更新日:2025.07.17

家の解体の全知識|費用相場・必要な手続き・注意点を解説

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家の解体には、工事そのものの費用や自治体への届け出(建設リサイクル法に基づく)、近隣住民とのやり取りなど、多くの準備や手続きが必要です。特に費用面では建物の規模や構造、立地条件などさまざまな要因が影響し、複数の業者へ見積もりを依頼することで適正価格を把握できます。さらに、解体後の土地利用や住宅用地特例の終了による固定資産税の増額など、税制面も見落とせないため、総合的に検討することが欠かせません。

本記事では、家の解体の基本的な流れや注意点を具体的に解説し、費用相場から実際のステップまで詳しくまとめています。専門用語も平易に説明しているため、初めて解体工事を検討する方でも理解しやすく、トラブルを避けるための知識を身につけることが可能です。

また、業者選びや手続きの流れなど、見落としがちなポイントにも触れています。実例を通じて費用目安や進行手順を知ることで、スムーズに解体計画を立てられるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、後悔のない解体工事にお役立てください。

家の解体とは?基本的な流れとポイント

家の解体は、建物を完全に取り壊すだけでなく、近隣配慮や建設リサイクル法などの法的手続きなど多岐にわたる作業を含みます。まずは解体に至る主な理由や全体の流れを把握しておきましょう。

家の解体を行う理由には、老朽化に伴う安全性の低下や、新たに建て替えを行うための更地化などが挙げられます。特に古い木造住宅では、耐震性能の不足やシロアリ被害などにより危険性が高くなることも少なくありません。そのため、家の解体を検討するときは、まず建物の状態を専門家の視点でしっかりと調査することが大切です。

解体作業は、契約や事前準備から実際の解体・廃材処理、最終的な整地や滅失登記まで段階的に進みます。工事中は重機の搬出入や、大量の廃材が発生する点にも配慮が必要です。全体の流れを理解しておくと、不測の事態に備えやすく、スムーズに工事を進められるでしょう。

解体費用の目安|建物構造・立地条件・追加工事に注意

解体費用は、建物の構造や規模、立地条件など複数の要因で変動します。具体的な費用目安を知り、どのポイントが金額に反映されやすいのかを理解しておきましょう。

解体費用の相場は建物の種類や規模によって変動し、一般的には木造で1坪あたり3~5万円、鉄骨造で5~7万円、RC造(鉄筋コンクリート造)で6~8万円程度が目安です。実際、30坪の木造住宅を解体する場合は90~150万円、鉄骨造なら150~210万円、RC造なら180~240万円ほどといわれます。ただし、これはあくまで目安であり、現場の状況や追加工事の有無によって最終金額が変わる点に注意が必要です。

最初の見積もりで高額と感じても、構造上の要因や特別な設備の撤去費用などが含まれていることがあります。したがって、費用の妥当性を確認するためには複数の解体業者から相見積もりを取り、項目ごとに比較検討することが重要です。業者によってはアフターケアや廃材処理の詳細まで対応が異なるため、工事全体の質も含めて検討しましょう。

①建物の構造と規模

木造か鉄骨造か、あるいはRC造かによって解体に必要な手間や重機の種類が異なるため、費用差が生じやすくなります。たとえば鉄骨造やRC造では壁や柱が強固なぶん、重機と作業時間が多く必要となり、木造より高額になりがちです。また、坪数が大きくなるほど廃材量も増加するため、坪単価だけでなく解体面積そのものにも注目して予算を考えることが大切です。

②立地条件や設備状況

敷地周辺に十分な搬入口がない狭い道路や高低差が激しい場所であれば、重機の搬入が難しくなり、工事費がかさむことがあります。また、築年数が古いと給排水管やガス管の劣化に伴う撤去費、古い空調設備の処分費などが追加されるケースもあります。事前調査の段階で設備状況をしっかりと把握し、契約前に業者と費用面のすり合わせを行うとよいでしょう。

③付帯工事やアスベスト調査

ブロック塀や庭木、コンクリートの基礎部分などの撤去が必要な場合は、追加の工事費が発生します。さらに、解体する建物にアスベストが含まれている場合は、石綿障害予防規則および大気汚染防止法により特別な処理が義務付けられており、専門的な処理費用が上乗せされます。最終的な見積もりでは、アスベスト調査の必要性も含めて全体の工事範囲を確認することが肝心です。

解体前にやるべき手続きとは?届出・近隣対応・ライフラインの停止まで

家の解体には単に業者に依頼して壊すだけでなく、法令に基づく届出や近隣説明など多くのステップが存在します。スムーズに進めるために、あらかじめ必要な手続きを理解しておきましょう。

各種行政手続きや近隣対応を怠ると、最悪の場合は工事の停止やトラブルに発展する可能性があります。解体工事の進行を止めないためにも、着工前に余裕をもって準備を進めることが大切です。特に建設リサイクル法の届出や道路使用許可など、法的手続きは時間がかかる場合もあるため、早めに確認しておきましょう。

ライフラインの停止や近隣住民へのあいさつも家解体工事の重要なポイントです。誤って電気やガスの契約を継続したまま工事に入ると、追加費用や事故のリスクが発生する可能性もあります。特にガス管の処理は、専門的な知識と資格が必要なため、必ず専門業者に依頼してください。

①建設リサイクル法の届け出

延床面積が80㎡以上の建物を解体する場合は、工事に着手する7日前までに自治体へ届け出を行わなければなりません。これは建設リサイクル法に基づき、解体時に出る廃棄物を適正に処理することを目的とした義務です。この法律の対象かを事前に確認しておきましょう。手続きを怠ると罰則や行政指導が科せられる可能性もあるので注意が必要です。

②道路使用許可

工事現場を管轄する警察署で道路使用許可を取得することが必要です。無許可で工事を行うと近隣とのトラブルだけでなく、道路交通法違反として罰則(3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金)の対象にもなり得るため、必ず事前に許可申請を行いましょう。

③ライフラインの停止

電気・ガス・水道などのライフラインは、撤去工事とセットで考える必要があります。特にガス管の処理は専門的な知識が必要となるため、解体業者やガス会社とよく相談して進めましょう。解体工事後にライフラインが残っていた場合安全性やコストの面で問題が生じる恐れがあるため、事前の手配と確認は怠らないようにします。

④近隣へのあいさつと騒音対策

解体工事は騒音や振動、粉じんなどが発生しやすいため、トラブル回避のためにも近隣住民への配慮が欠かせません。着工前に簡単なお知らせの文書や口頭で説明し、工事期間や作業時間帯を明確に伝えておきましょう。事前の配慮が後々のトラブル防止につながり、スムーズな工事進行にも寄与します。

⑤建物滅失登記

家解体工事を終えた後は、法務局で解体した建物を登記簿上から抹消する手続き(建物滅失登記)を行います。これは不動産登記法第57条により義務づけられており、建物解体の日から1ヶ月以内の申請が求められます。怠った場合は10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

解体工事の一連の流れ|足場設置から整地・廃材処理までの工程

実際に解体工事が始まると、足場の設置から廃材搬出まで段階的に進行します。事前に作業の流れを知っておくと、安全対策や工程管理がしやすくなるでしょう。

解体工事の最初のステップは足場の設置と養生シートの取り付けです。作業員の安全確保だけでなく、近隣への粉じんや騒音の拡散を抑えるためにも重要な工程となります。解体の規模や条件によっては通行人への注意喚起や交通整理が必要となる場合もあるため、周辺環境をよく確認したうえで工事をスタートしましょう。

解体が終了して建物が更地になったあとは、整地を行って地面を平らにします。敷地を再利用する場合には、地盤調査や地盤改良が必要となることも多いため、解体段階から今後の土地利用を見据えた準備を進めることが大切です。廃材の撤去については建設リサイクル法に基づくマニフェストの確認や分別処理が求められるので、業者としっかり連携を図りましょう。

①事前準備:足場設置・養生

足場は高所作業の安全性を高めるために必須の設備で、設置の際には建物全体を覆うように組み立てます。さらに防音シートや防塵シートをかぶせることで、解体時に発生する騒音や粉じんが周囲に広がるのを抑える効果があります。安全対策と近隣配慮の両面から、丁寧な養生は欠かせません。

②内装材や外装材の撤去

解体作業では大型の重機を使う前に、手作業で内装材や外装材を撤去していきます。特に壁紙や断熱材、床材などは分別して廃棄する必要があり、建設リサイクル法に基づく適正処理を行わなければなりません。環境保護の観点からも正しい分別が求められているため、解体業者がどのように対応しているかを事前に確認しておくと安心です。

③建物本体の解体

内装や外装の撤去が完了したら、重機を使って建物の骨組みを解体します。木造は比較的早く解体できますが、鉄骨造やRC造は強度が高いため、時間と手間がかかる点に留意が必要です。解体が済んだあとは、発生した廃材を適切に運搬・処分し、整地作業を行って工事を完了させます。

DIYで解体は可能?必要な資格とリスク

費用削減のためにDIYで解体しようと考える方もいますが、法的な制約や危険作業が伴うため、慎重な判断が求められます。自己解体を検討する際には、どのようなリスクや手続きがあるかを十分に理解しておきましょう。

解体は重量物を扱い、高所作業も含むため非常に危険が伴います。特に労働安全衛生法で定められた資格が必要な重機や、有害物質の除去には専門知識と装備が欠かせません。費用面だけでなく、安全・法律面でのリスクをしっかり対策したうえでなければ、大きなトラブルにつながる恐れがあります。

DIY解体は一見すると費用を大幅に抑えられるように思えますが、実際には廃材の運搬や処分、重機レンタル費用などが積み重なり、結果的に割高になるケースもあります。解体工事のプロに依頼すれば、スケジュール管理や近隣対応を含め、一連の工事をスムーズに進めてくれるメリットがありますので、総合的に判断することが肝心です。

①車両系建設機械の免許

バックホーやユンボなどの重機を操作する際は、車両系建設機械の運転技能講習修了証が必要になります。これらの資格を取得するには実技や学科の講習を受講する必要があり、取得後も適切に操作しなければ事故のリスクが高まります。自己解体を考える場合、こうした免許の取得コストと労力が発生する点を考慮しましょう。

②アスベストや有害物質の危険性

古い建物にはアスベスト(石綿)や鉛、カドミウムなど人体に有害な物質が使われている可能性があります。これらを誤って吸引した場合、深刻な健康被害につながる恐れがありますので、作業には防塵マスクや防護服などが必須です。アスベスト含有建材の調査、除去、処分については、石綿障害予防規則および大気汚染防止法に基づき、専門の資格と設備を持つ業者に依頼することが義務付けられています。自己解体では十分な対策が難しいケースも多いでしょう。

③自己解体のメリット・デメリット

DIY解体の最大のメリットは、人件費を抑えられる点にあります。自ら作業できる部分を減らすことで工事費を少しでも安くできる場合がありますが、その労力は計り知れません。一方で、工期が延びるリスクや事故のリスクが高まるため、実際に費用対効果があるかどうかは慎重な検討が必要です。

④解体時に発生する廃材処分

解体の際に排出される廃材は産業廃棄物に分類され、廃棄物処理法に基づいた処分を行わないと違法となる可能性があります。自己解体であっても商業的に廃棄物を処理する際は廃棄物処理法に基づく許可が必要となるケースもあるため、誤った処分方法が後に大きな問題を引き起こすこともあります。こうした点からも、法律を熟知した業者に任せるほうがスムーズで安全です。

家の解体費用を抑えるコツ

家の解体には数十万円から数百万円の費用がかかり、決して安い出費ではありません。しかし、いくつかの工夫や公的制度を上手に活用することでコストを抑えることは可能です。

解体費用を抑えるためには、まず複数の解体業者から見積もりを取り、比較検討する作業が欠かせません。同じ坪数・構造条件でも、業者ごとに廃材処分や人件費の計算方法が異なるため、複数の条件を見比べると大きな価格差が出ることがあります。安さだけでなく、補償内容やアフターサービスなども総合的に評価して依頼先を決定しましょう。

また、自治体が行っている空き家対策や老朽建物除去の補助金制度を活用できる場合もあります。さらに、不要品の処分を自分で行うなど、解体業者に任せる範囲を絞ることで工事費そのものを減らす方法も検討できます。こうした手立てを組み合わせることで、解体費用を大幅に抑えることが期待できるでしょう。

①複数の業者に相見積もりを依頼

解体費用の見積もりは無料で行ってくれる業者がほとんどです。工事内容や日時、廃棄物の処理方法などを細かく確認しながら見積もりを依頼することで、価格だけでなく業者の対応力も比較できます。相場感を把握し、信頼できる業者を選ぶためにも、複数の相見積もりから検討することが重要です。

②補助金・助成金の活用

地域によっては、空き家の除去や老朽建物の解体を促進するために助成制度を実施していることがあります。たとえば「空き家除却補助金」などを活用すれば、数十万円単位で費用を軽減できる場合もあり、見逃せません。ただし、申請条件や期間が定められていることが多いので、計画段階で自治体や専門家に問い合わせるようにしましょう。

③不要物の自分での処分

家具や家電、その他ゴミなどを事前に自ら処分することで、解体業者に依頼する作業範囲を減らすことができます。粗大ごみ回収、リサイクルショップ、フリマアプリの活用などにより、収入や処分費の削減につながるケースもあります。ただし、解体作業と並行して進めるとスケジュールがタイトになるため、計画的に取り組むことが大切です。

解体後に気をつけたい固定資産税の変更

建物を解体すると固定資産税や都市計画税などの課税対象が変わり、税負担が増減する場合があります。特に住宅用地の特例が解除されると増税につながることがあり、解体後の土地利用や手続きを誤ると想定外の税額アップに悩まされることもあるため、事前に確認をしておきましょう。

固定資産税は建物の有無だけでなく、土地の区分によっても大きく変わります。特に住宅用地の特例は、家屋が存在しない更地には適用されない場合が多いため、解体後に税額が上がることがあります。この特例は住宅がある場合に土地の固定資産税が最大6分の1まで軽減される制度です。後から驚かないように、解体に踏み切る前に役所などで税制について相談しておくと安心です。

さらに、更地のまま長期的に放置すると、空き地として維持費が高くなったり、防犯・雑草管理などの手間が増えたりするケースもあります。解体後の土地を駐車場や売却に活用するなど、具体的な用途を明確にしておくことが無駄なコストを避けるポイントです。滅失登記を完了させたら、自治体へ課税変更手続きも忘れず行い、税の変更申請を適切に進めましょう。

①住宅用地の特例はどうなる?

住宅があれば土地の固定資産税が抑えられる住宅用地の特例が適用されることがありますが、解体後にはこの特例が解除される場合が多いです。そのため結果的に税額が上昇し、家を解体して土地だけになったほうが税金面では不利になることもあります。この特例の適用条件と解除時の影響を事前に確認しておくことが重要です。将来的な活用方法を踏まえて、解体を決断する際に十分考慮しましょう。

②さら地にするメリット・デメリット

更地にしておくと建物がない分だけ売却がしやすく、買い手が見つかりやすい面があります。建物付きの場合は建物の老朽度や安全面が懸念され、買い手に敬遠されるケースもあるため、さら地のほうが土地の有効活用に向いていると言えるでしょう。一方で、固定資産税の増額をはじめとする維持費の負担も発生するため、メリットとデメリットを天秤にかけることが大切です。

③滅失登記後の手続き

解体後は法務局で建物滅失登記を行い、その後に自治体へ固定資産税の計算変更を申請します。期限内に届け出を行わないと、古い家がある状態で税額が請求されるなどの不都合が起こる可能性があります。登記後に課税変更を行わないと、軽減措置が適用され続けるとみなされる場合もあるため注意が必要です。また、今後の土地利用の予定がある場合は、早めに計画を立てて税務面のシミュレーションを行うことで、不要な出費を抑えられるでしょう。

まとめ|後悔しない家の解体のために

家の解体は、費用や手続き面はもちろん、安全管理や近隣住民への配慮、税制や登記の変更対応など、多角的な検討が必要となります。これらを総合的に押さえておくことで、スムーズに解体工事を進められるでしょう。

解体費用は建物の構造や立地条件、追加工事の有無などで大きく変化するため、複数の解体業者から相見積もりを取ることが不可欠です。行政手続きや近隣対応を丁寧に行うことで、工事停止やトラブルを回避し、スケジュールどおりに進行できる点も重要です。

また、解体後は土地の固定資産税が変動する場合があり、税負担が増えるケースも考えられます。現況のまま売却する選択肢や土地活用の方法も含めて検討し、最終的に最もメリットが大きい方法を選ぶとよいでしょう。正しい情報を集め、信頼できる業者と連携することで、納得感のある解体計画を実現することが可能です。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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