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公開日:2021.07.21 更新日:2026.06.25

空き家問題が深刻化する6つの原因と対策を徹底解説

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年々耳にすることが多くなっている空き家問題ですが、問題が発生している原因とは何でしょうか?

じつは、空き家問題の原因は一つではなく、さまざまな要素が組み合わさって起こっています。この記事では、空き家問題の原因を具体的に解説。合わせて、対策方法やよくある質問などを紹介します。 

空き家問題とは?

空き家問題とは、人口減少・高齢化・都市部への人口集中などを背景に、全国で余剰な住宅が増え、管理不全の状態に陥っている問題です。放置された空き家は地域の景観や安全面に悪影響を及ぼし、街の活気低下にもつながります。

令和5年(2023年)の住宅・土地統計調査では、全国の空き家数は約900万戸・空き家率13.8%と過去最多を更新しており、対策が急務となっています。

なお、保安上・衛生上のリスクが特に高い空き家は「特定空き家」に指定されることがあります。指定されると固定資産税の軽減措置が解除され、最終的には行政代執行による取り壊しに至るケースもあるため、早めの対処が重要です。

日本で空き家増加が加速し深刻化する6つの原因とは

空き家が増加している原因は、主に大きく6つ挙げられます。

原因概要
①人口減少少子高齢化・都市集中により買い手・借り手が減少
②経済的背景高度経済成長期の新築過剰・不動産投資・経済成長率の低下
③建物の老朽化・管理不足遠方居住・費用不足・所有者不在による管理の滞り
④相続問題手続きの長期化・遺産分割協議の難航・権利関係の複雑化
⑤自然災害台風・地震で老朽化した空き家が破損し特定空き家化するリスク
⑥固定資産税のルール住宅を残すことで税の軽減特例が適用され解体が先送りされやすい

空き家が発生する主な原因は、需要に対して物件数が多い「家余り」です。しかし、家余りが発生する原因は一様ではなく、人口減少や少子高齢化の他、空き家発生原因として考えられる新築建設の過剰促進、相続問題などが複雑に絡み合っています。

そのため、空き家問題の原因を理解するには、これらの問題を紐解いて考える必要があります。ここでは主な6つの原因をそれぞれ解説していきます。

1)人口減少による影響

日本の高齢化の現状(令和6年10月1日基準)
日本の総人口
12,380 万人
■ 人口構成比の概況(3大年齢区分)
11.2%
59.6%
29.3%
65歳以上人口(高齢化率) 3,624万人 (29.3%)
・65〜74歳人口(前期高齢者) 1,547万人 (12.5%)
・75歳以上人口(後期高齢者) 2,078万人 (16.8%)
15〜64歳人口(生産年齢人口) 7,373万人 (59.6%)
15歳未満人口(年少人口) 1,383万人 (11.2%)
データ出典:総務省「人口推計」令和6年10月1日確定値

出典:総務省「人口推計」令和6年10月1日確定値

人口減少は、需要に対して物件数が過剰になる「家余り」を引き起こす最大の要因です。総務省「人口推計」(令和6年10月1日確定値)によると、日本の総人口は1億2,380万人で、減少の波は地方だけでなく都市部にも広がっています。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(令和5年公表)では、総人口は2030年に約1億2,013万人、2050年には約1億469万人(2020年比約83%)まで減少すると予測されています。現役世代の絶対数が減ることで、買い手・借り手のつかない住宅が各地に取り残されるリスクが年々高まっています。

1-1)少子高齢化による人口構造の変化

空き家の直接的な発生原因として最も多いのが、実家の「相続」です。その相続の発生頻度を押し上げているのが、日本の深刻な少子高齢化です。

2024年10月時点の高齢化率(65歳以上人口の割合)は29.3%に達し、国民のおよそ3人に1人が高齢者という超高齢社会を迎えています。特に、老人ホームへの入所や認知症リスクによって実家が空き家化しやすい75歳以上人口は16.8%(約2,078万人)と高水準にあります。

高齢化率の将来予測は2030年に約31%、2040年には約36%、2050年には約38%へとさらに上昇する見込みです。高齢者層の世代交代(相続)が全国規模で相次ぐことで、空き家の増加ペースはこれまでにないスピードで深刻化していくと見込まれています。

1-2)地方衰退による都市部への人口集中

空き家率は全国一様ではなく、特に人口の少ない地方部で高い傾向があります。都市部への若者世代の集中が主な原因と考えられており、子世代が都市部へ移住した後に実家が空き家化するケースが多く見られます。距離が離れているほど管理が行き届かず、放置につながりやすくなります。

2)経済的背景や現在の経済状況による影響

住宅の建築需要は、過去の経済的背景や現在の経済状況にも影響を受けます。特に高度経済成長期と現在の経済成長率のギャップによる影響が大きく、ほかにも不動産価格の高騰も一因として働いています。

ここでは空き家問題の原因となっている経済的要因を3つ解説します。

2-1)高度経済成長期における新築建設促進

現在空き家化している住宅には、高度経済成長期に建てられたものが多く含まれています。

高度経済成長期は激しい人口増加に対応すべく、新たな住宅が多く建てられた時期です。1966年には住宅不足の解消を目的とした「住宅建設計画法」が施行され、全国各地に新築住宅が増えていきました。

しかし、一度に建てられた住宅は同時期に老朽化し、また、所有者が一様に高齢化するという問題も抱えています。

この問題の代表例が、ニュータウンの「オールドタウン化」です。30歳前後で住宅を買い、子世代がひとり立ちしたあとに空き家化してしまうという問題が日本各地で起きているのです。

2-2)不動産価格の高騰

投資目的で建てられた住宅も、空き家問題の一因です。

不動産価格が高騰すると、将来の売却益や家賃収入を見込んで、居住目的ではなく資産価値を目的に住宅を購入・建築する層が出てきます。インフレと成長が続いていた時代は成立しやすいモデルでしたが、経済成長が鈍化した現在では、想定どおりに価値が維持できないケースが増えています。特に需要が弱い地方では、値下がりした住宅が放置され、空き家化することもあります。

2-3)経済成長率の低下

経済成長率の低下と新設住宅着工戸数のギャップも、空き家増加につながっています。日本の実質経済成長率は近年1%前後の低水準が続く一方、新設住宅着工戸数は年間約70万〜80万戸前後と高い水準で推移しています。人口減少下でも新築供給が続くことで、需給のミスマッチが生まれ、空き家増加の構造的な要因になっているのです。

3)建物の老朽化や管理不足

建物の老朽化や管理不足は空き家問題の直接的な原因です。危険な空き家を増やす原因にもなるため、全国で特に危険視されています。

3-1)管理・メンテナンスの不足

所有者が遠方に住んでいたり、費用や時間の都合がつかなかったりすると、管理・メンテナンスが行き届かず、建物の劣化や庭木・雑草の繁茂といった問題が起こりやすくなります。特に実家を相続したケースでは、相続人が忙しく手入れが後回しになり、結果として放置されてしまうことがあります。

3-2)所有者の不在

所有者が老人ホームに長期入所し、そのまま空き家になるケースです。所有権はそのまま残るため、家の管理は子どもが行うことがほとんどですが、さまざまな事情から滞ってしまうことがあります。高齢化が進むにつれて件数が増していくと考えられ、将来どこの家庭でも起こりうる問題です。

4)所有者の相続問題

空き家は相続で発生するケースが多く、相続人の管理状況によって問題化しやすくなります。

地方の老朽化物件など需要のない空き家を相続すると、管理コストに見合わず放置されがちです。土地の価値が低い地域では買い手が付きにくく、固定資産税も安いため、この傾向が強まります。

空き家を取得したくない場合は相続放棄も選択肢ですが、放棄すれば必ず管理不要になるわけではありません。民法改正により、管理義務(保存義務)を負うのは「相続放棄時に、その空き家を現に占有している場合」に限定されました。実家を離れて長い場合は、放棄により義務を免れる可能性があります。

一方で、住んでいたり荷物を置いていたりして「占有」とみなされる場合は、次の相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで、建物を破綻させないよう保存する責任が残ります。

4-1)複雑な相続手続き

相続手続きは、問題がなくても数カ月かかるのが一般的です。その間に雑草や害虫などが発生し、周辺に悪影響を与える可能性があります。

また、「遺産分割協議」が入ると長期化しやすく、法的期限もないため、1年以上所有者が確定しないケースもあり得ます。

5)地震や台風などの自然災害による影響

老朽化した空き家は、台風・豪雨・地震などをきっかけに破損し、周辺に被害を及ぼす恐れがあります。特定空き家に指定される物件ではリスクが高く、回避のために代執行で解体される場合もあります。

被害が出た場合、責任は所有者が負います。物的被害だけでなく人的被害の恐れもあるため注意が必要です。

6)固定資産税のルールによる影響

固定資産税には、住宅が建っている土地の税額が最大6分の1になる「小規模住宅用地の特例」があります。特例から外れるのを避けるため、空き家を残すケースがあります。

空き家の解体は100万円以上かかることも多く、解体後は税負担も上がり得ます。そのため、人が住まなくても建物を残して放置されやすくなります。

実は多い!都心部での空き家問題

空き家問題は地方の問題というイメージがありますが、東京などの都市部でも深刻化しています。

都市部の空き家は資産価値が高い一方、建物が密集しているため近隣への影響が出やすく、行政の対応も地方より厳しい傾向があります。特定空き家の指定件数や行政代執行の実施件数も多く、都市部の空き家所有者にはよりスピーディーな対応が求められます。

都市部に空き家をお持ちの方は、問題が深刻化する前に「アキサポ」にご相談ください。資産価値の高い物件を活かした活用方法をご提案します。

空き家問題の解決に向けた対策

増え続ける空き家問題に対して、事業者・国・自治体がさまざまな取り組みを進めています。

①空き家の活用(事業者)

不動産事業者によるマッチングで、空き家を賃貸住宅・店舗・宿泊施設・駐車場・トランクルームなど多様な形で再活用する取り組みです。

②補助金・支援事業(国・自治体)

空き家は個人所有であるため、国や自治体は主に補助金・支援事業を通じて所有者をサポートしています。補助金は「解体・除却」「改修(リフォーム)」「取得」の3種類が主で、空き家バンクのような仲介システムの提供も行われています。

空き家が増えることで生じる3つの問題点

空き家が増えると、資産面・防犯面・環境面の3つにわたってリスクが生じます。適切な管理を怠ると、個人の資産的な負担にとどまらず、地域社会への悪影響にも発展します。

問題点①:資産面

空き家を放置すると「特定空き家」に指定される可能性があります。指定されると固定資産税の軽減措置が解除されて税負担が大幅に増加します。また、定期的な様子見のための交通費や草木の管理・害虫駆除などの維持管理費も継続的にかかります。

問題点②:防犯面

人の気配がない空き家は放火や不法侵入・盗難の標的になりやすく、管理が行き届かなければ建物の劣化が加速して破損・倒壊のリスクも高まります。

問題点③:環境面

草木の繁茂が近隣に及んだり、シロアリ・ゴキブリなどの害虫が発生したりするリスクがあります。また、不法占拠やたまり場化など犯罪の温床になりやすい点も深刻です。

所有者が空き家を売れない4つの理由

「売らないのではなく、売れない」——空き家問題の根底にはそんな現実があります。理由をひも解くと、誰にでも起こりうる身近な事情にたどり着きます。

①物置として使っている・解体費用を出したくない

国土交通省の「空き家所有者実態調査」でも上位に挙がるのが、「物置として必要だから」「解体費用をかけたくない」という本音です。親が生前大切にしていた家具や遺品をすぐには処分できず、「とりあえずそのままに」と放置してしまうケースは非常に多いものです。

ただ、使い道がないまま時間が経つと、建物は想像以上のスピードで劣化します。「とりあえず」の状態を続けることが、結果として問題を深刻化させてしまうことも少なくありません。

担当者が見た空き家問題の現状―解決策としてのアキサポ

②親が健在で気持ちの整理がつかない

親が老人ホームに入居したり子世帯と同居したりして実家が空き家になるケースでは、長年の思い出が詰まった家をどうするか、感情的な決断が難しいことがあります。費用負担を優先するか、親の気持ちを尊重するか——正解のない選択に悩む方は多いです。

③売却・賃貸への不安

不動産取引の経験が少ないと、適正な売却価格や賃料の判断が難しく、「安く扱われないか」という不安も出やすいものです。

信頼できる相談先を見つけること自体がハードルになっているケースもあります。賃貸であれば所有権を残したまま活用できますが、リフォーム費用への不安がネックになる場合もあります。

④相続でもめている

遺産分割協議が長引くと、家の相続が確定せず、売却も活用も動けない状態が続くことがあります。

相続人が複数いる場合や関係が複雑な場合はとくに長期化しやすく、その間も空き家は劣化し続けます。協議がどうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判という選択肢もあります。

空き家が放置されてしまう理由は?

問題があると分かっていても、空き家が放置されてしまうのにはやむを得ない事情があります。主な理由は以下の3つです。

①距離が遠く管理しにくい

空き家を取得した経緯の56.4%が相続によるものです(国土交通省「空き家等の現状について」)。相続した空き家は居住地から遠いケースも多く、同資料によると「1時間超〜3時間以内」が15.7%、「日帰り不可能」が11.0%にのぼります。週1回でも管理に行くのが現実的でない方は少なくありません。

②維持管理費の負担が重い

固定資産税だけで年間10万〜30万円かかるケースも多く、草木の管理委託などを加えるとさらに費用がかさみます。経済的な余裕がないと、管理が滞りやすくなります。

③権利関係が複雑

相続人が複数いる場合や所在が不明な場合、誰が管理するかが決まらないまま放置されることがあります。総務省の調査では、調査した空き家の5.0%(576件)で所有者が特定できなかったという結果も出ています。

こうした事情が重なり行政の呼びかけにも対応できないまま放置が続くと、特定空き家への指定や行政代執行につながる可能性もあります。問題が深刻化する前に、早めに相談することが大切です。

空き家の管理不全問題を解決するためには

空き家の管理不全を解消するには、必ずしも売却・賃貸が成立する必要はありません。大切なのは「誰かが管理する状態をつくること」です。ここでは、管理不全状態から抜け出すためのポイントを紹介します。

空き家の管理不全を解消する3つのアプローチ

1

売買・賃貸で流通させる

不動産業者・買取業者・空き家マッチングサービスを活用して、管理者を付ける。

2

自治体・NPOの活用事業に参加する

古民家再生事業や空き家バンクなど、地域の活用プログラムを活用する。

3

維持管理サービスを活用する(応急処置)

根本解決ではないが、流通先が見つかるまでの間、物件の状態悪化を防ぐ手段として有効。

管理不全解消のポイントは「流通させること」

管理不全を解消する鍵は、売買・賃貸の成立そのものよりも「管理者を付けること」です。

不動産業者への売却・訳あり物件専門の買取業者・ハウスメーカーの空き家買取サービスなど、流通させる手段はさまざまあります。なるべく高く売りたい気持ちは当然ですが、所有し続けるリスクを考えると、少し安くても早期に管理者を付けることが合理的な選択になる場合もあります。

古民家であれば、自治体やNPOが行う活用事業という選択肢もあります。埼玉県川越市の「歴史的建造物活用推進事業」や三重県伊賀市の「古民家等活用再生事業」などが代表例です。「価値がない」と諦める前に、ニーズのある場所へ流通させる道を探してみましょう。

なお、維持管理サービスは応急処置として有効ですが、費用がかかり続けるため根本的な解決にはなりません。管理サービスを活用しながら、並行して流通先を探すことが重要です。

よくあるご質問

空き家問題の原因に関するよくある質問

Q. 日本の空き家数は現在どのくらいですか?

令和5年(2023年)の住宅・土地統計調査(総務省)によると、全国の空き家数は約900万戸・空き家率13.8%で過去最多を更新しました。1993年と比べると約2倍に増加しており、増加傾向は今後も続くと見込まれています。

Q. 空き家問題が深刻化している主な原因は何ですか?

主な原因は①人口減少・少子高齢化②高度経済成長期の新築過剰などの経済的背景③建物の老朽化・管理不足④相続手続きの長期化・権利関係の複雑化⑤自然災害による建物破損⑥固定資産税の軽減特例による解体の先送り、の6つが複合的に絡み合っています。

Q. 空き家を放置するとどんなリスクがありますか?

資産面では特定空き家・管理不全空き家への指定による固定資産税の軽減措置解除(最大6倍の税負担増)、防犯面では放火・不法侵入・建物倒壊のリスク、環境面では草木の繁茂・害虫発生・景観悪化などが挙げられます。問題が長期化するほど対応が難しくなるため、早めの対処が重要です。

空き家問題は一人で抱え込まないで!アキサポに相談を

空き家問題の根本的な原因は、物件が市場に流通しないことにあります。売れない理由も放置される理由も、一人で抱え込むほど状況は悪化します。

空き家を相続したら、まずは自治体の空き家相談窓口や不動産業者に相談することから始めてみてください。いきなり業者に連絡するのが不安な方は、自治体窓口への相談が第一歩としておすすめです。

「アキサポ」でも空き家に関するご相談を幅広くお受けしています。お気軽にご連絡ください。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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