公開日:2026.08.24 更新日:2026.07.31
NEW古民家とは?探し方・購入費用・改修前の注意点を解説

古民家に興味がある方の中には「昔ながらの家で暮らしてみたい」「梁や土間のある住まいに憧れる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、古民家を見た目や雰囲気だけで選ぶと、購入後に修繕費やリノベーション費用が想定以上にかかることがあります。さらに物件によっては再建築ができない場合や、インフラの状態が悪い場合など、致命的な欠点を抱えている場合もあります。
そこでこの記事では、古民家の定義や町家との違い、主な探し方、購入前のチェックポイント、費用相場、田舎暮らしを始める前の準備までを解説します。古民家の魅力を知りながら、現実的に検討するための判断材料として参考にしてください。
目次
古民家の定義とは?どんな建物を指す?

古民家に明確な法律上の定義はありません。一般的には、築年数が古く、伝統的な工法や昔ながらの意匠を残した木造住宅を指すことが多いです。
そのため、築年数だけで古民家かどうかを判断するのは難しいです。たとえば、築年数が古くても大きく改装されていて古民家らしさがあまり残っていない家もあれば、比較的新しい建物でも古民家風に造られている家もあります。
町家との違いは?
町家とは、主に都市部や街道沿いに建てられた、商いと暮らしが一体になった住宅のことです。通りに面した店の間、奥に長い敷地、通り庭など、商家として使われていた名残が見られる建物が多くあります。
一方、古民家はより広い意味で使われる言葉です。農村部の農家住宅、山間部の古い住宅、昔ながらの日本家屋なども含まれます。つまり、町家は古民家の一種として扱われることもありますが、立地や用途、間取りの成り立ちに違いがあります。
古民家を探す主な方法
古民家は、一般的な不動産サイトだけでなく、空き家バンクやマッチングサービス、個人売買などでも探せます。それぞれ見つかる物件の傾向や手続きの進め方が異なるため、目的に合った探し方を選びましょう。
ここでは、以下の探し方について解説します。
| 探し方 | 特徴 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| アキサポなどの空き家マッチングサービス | 物件探しから購入後の活用方法、改修の方向性まで相談できる | 取り扱っている物件や活用事例を確認する |
| 古民家専門の不動産ポータルサイト | 価格、エリア、面積、築年数などを一覧で比較しやすい | 掲載情報だけで判断せず、現地や専門家による確認も検討する |
| 空き家バンク | 一般のポータルサイトにない物件や、移住支援・改修補助の情報が見つかることがある | 仲介の有無、重要事項説明、境界、残置物、引き渡し条件を確認する |
| 掲示板・個人売買 | 所有者と直接交渉でき、修繕履歴などを詳しく聞ける場合がある | 登記、境界、未登記建物、井戸・浄化槽の管理状況などを専門家と確認する |
アキサポなどの空き家マッチングサービス
古民家探しで特におすすめなのが、空き家を専門に取り扱っている「アキサポ」などのマッチングサービスを使う方法です。ワンストップで物件探しから購入後の活用方法、改修の方向性までを相談できるため、スムーズに進められます。
また、専門家ならではのノウハウをもとにアドバイスしてもらえるのも大きなメリットです。古民家は、建物の状態やリフォームの必要性、土地の条件、地域との相性など、確認すべき項目が多い物件なので、大きな安心材料になるはずです。
アキサポでは、実際に活用をした事例や販売中の空き家情報を掲載しています。「どんな物件があるのか」「購入後にどう活用できそうか」をイメージする材料として、ぜひチェックしてみてください。
古民家専門の不動産ポータルサイトで探す
古民家専門の不動産ポータルサイトは、古民家を効率よく比較したいときに便利な探し方です。価格、エリア、建物面積、土地面積、築年数、写真などを一覧で確認できるため、まず相場観をつかむのに向いています。
検索するときは、「古民家」「古家付き土地」「日本家屋」「田舎暮らし」「平屋」などのキーワードを組み合わせると、希望に近い物件を見つけやすくなります。古民家は地域によって価格差が大きいため、最初はエリアを広めに見てから、予算や生活条件に合わせて絞り込むとよいでしょう。
ただし、物件サイトで確認できる情報には限りがあります。特に、雨漏り跡や床のたわみといった傷み具合は見た目だけでは判断できないので、気になる物件が見つかったら、現地確認や専門家によるチェックも検討しましょう。
空き家バンクで探す
空き家バンクは自治体等が所有者と利用希望者をつなぐ仕組みで、一般のポータルサイトに掲載されていない物件が見つかることもよくあります。
また、自治体が窓口になっているため、移住支援や改修補助、地域の暮らしに関する情報もあわせて確認しやすいというメリットがあります。周辺施設までの距離や地域の特徴など、実際に暮らす目線の情報が掲載されていることもあります。
一方で契約形態には注意が必要です。不動産会社が仲介に入るケースもあれば、所有者と直接やり取りするケースもあります。仲介の有無、重要事項説明の体制、境界確認、残置物の扱い、引き渡し条件などは、早い段階で確認しておきましょう。
掲示板・個人売買で探す
掲示板や個人売買で古民家を探す方法もあります。これらの方法では所有者と直接やり取りができるため条件交渉がしやすく、物件の使われ方や過去の修繕履歴などを詳しく聞ける場合があります。タイミングが合えば、一般には出回っていない物件に出会えることもあるでしょう。
ただし、個人売買は契約内容や権利関係の確認が不十分になりやすい点に注意が必要です。境界が確定していない、相続登記が終わっていない、附属建物が未登記になっている、井戸や浄化槽の管理状況が分からないといったケースでは、購入後のトラブルにつながる恐れがあります。
トラブルを避けるには、売主の相続登記(2024年4月1日より義務化)が完了しているか、主建物や附属建物が正しく登記されているかを確認します。未登記部分がある場合は、融資・税金・将来の売却に影響するため、引渡しまでの対応を契約で定めます。
さらに、契約前に司法書士や土地家屋調査士、建物の専門家などに相談しておくと安心です。あらかじめ権利関係や建物状態を整理しておけば、購入後のリスクを減らしやすくなります。
居住、店舗、宿泊など、希望する用途を明確にします。
所有者、境界、接道、地目、農地、災害リスクを確認します。
確認済証、増改築、未登記、既存不適格の有無を調べます。
状況調査、耐震、床下・小屋裏、設備を確認します。
安全工事、快適工事、予備費、年間維持費を合算します。
残置物、境界、是正工事、引渡し条件を明記して判断します。
古民家購入前のチェックポイント

古民家を購入するときに気を付けたいのが、価格や見た目の雰囲気だけで判断しないことです。建物の傷みや土地条件などを十分確認しないと、購入後に想定以上の費用や手間がかかることがあります。
ここでは、特に確認しておきたい以下の3点を解説します。
| 確認項目 | 主な確認内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建物の状態 | 柱・梁・土台・屋根・床下の傷み、雨漏り、湿気、シロアリ被害 | ホームインスペクションは目視・非破壊が基本のため、床下・小屋裏の調査や耐震診断が別途必要か確認する |
| 土地の条件 | 庭・田畑・山林などの管理負担、農地の地目・現況、境界、接道 | 農地の売買・貸借・転用は、契約前に農業委員会へ必要な手続きを確認する |
| リフォーム前提か即入居か | 水回り、給湯、排水、電気容量、断熱性、耐震性 | リフォーム済みでも設備や構造部分が更新されているとは限らない |
建物の状態(老朽化・雨漏り・シロアリ)
まず確認したいのが、建物の老朽化や雨漏り、シロアリ被害の有無です。古民家は築年数が古い分、柱や梁、土台、屋根、床下などに傷みが出ている可能性があります。
内見時は、雨漏りや湿気、建物の傾きなどによって生じやすい、床の傾きや沈み、建具の開閉しにくさ、天井や壁のシミ、カビ臭さなどを確認しましょう。特に雨漏りは、柱や梁などの構造部分まで影響が及んでいる場合があるので注意が必要です。
また、床下の湿気やシロアリ被害も見落としたくないポイントです。土台が傷んでいると、表面的なリフォームだけでは対応できず、大きな補修費用がかかることもあります。可能であれば、購入前に建物の専門家やホームインスペクションを利用し、見えない部分まで確認しておきましょう。
なお、ホームインスペクションは、原則として目視・非破壊で確認できる範囲の調査です。床下・小屋裏へ進入する調査、耐震診断、設備検査、見積もりが別途必要か確認しましょう。
土地の条件(農地・田畑付き・広い敷地)
庭や田畑、山林、納屋などが付属した物件の場合、それらの土地によって生じる、草刈りや樹木の管理、害虫・害獣対策、側溝の掃除など、維持管理の手間もチェックしておきましょう。
また、登記地目や現況が農地(田んぼや畑)である土地を売買・貸借する場合は、農地法に基づく農業委員会の許可が必要です。 耕作を続けるのか、宅地・庭等へ転用するのかで手続きが異なるため、契約前に農業委員会へ確認してください。
また、境界や接道の確認も重要です。隣地との境界があいまいだったり、車で入れない土地だったりすると、暮らしにくさだけでなく、将来売却するときの不利にもつながります。
リフォーム前提か即入居かを見極める
すぐに住める物件なのか、リフォームを前提に考える物件なのかの見極めも大切です。これは「リフォーム済み」と書かれている物件でもチェックする必要があります。
リフォーム済み物件は、建物が完全に健全な状態になっている証明ではありません。見た目の内装だけが整えられていて、断熱性や耐震性、水回り、電気配線などは古いままというケースもあります。
すぐに入居したい場合は、トイレや浴室、キッチン、給湯設備、排水設備、電気容量など、生活に必要な設備が問題なく使えるかを確認しましょう。一方で、リフォームを前提に購入する場合は、屋根や外壁、構造部分、水回りなど、生活や安全に関わる点を中心に、安全に住むための修繕と、快適性を高める改修を分けて整理しましょう
古民家の購入費用|物件価格・諸費用・改修予備費

古民家を購入するときは、物件価格だけでなく、購入時にかかる諸費用まで含めて資金計画を立てることが大切です。主な費用の目安は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 目安 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 物件価格 | 数百万円〜数千万円程度 | 建物状態や立地、土地面積によって大きく変わる |
| 仲介手数料 | 成約価格に応じて変動。売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が一般的な上限 | 800万円以下の低廉な空家等の売買・交換の特例により、媒介業者(仲介業者)が受け取れる報酬の上限が最大33万円(税込)となる場合がある(買主側への適用条件・調査経費等の合意規定に注意) |
| 登記費用 | 数万円〜数十万円程度 | 所有権移転登記や抵当権設定登記の費用 |
| 司法書士報酬 | 5万〜15万円程度 | 登記手続きを依頼する場合に必要 |
| 印紙税 | 5,000円〜1万円程度 | 売買契約書に貼る印紙代。契約金額によって変わる |
| 不動産取得税 | 数万円〜数十万円程度 | 取得後しばらくして納付書が届く |
| 固定資産税の精算 | 数万円程度 | 引き渡し日を基準に売主と日割り精算することが多い |
| 火災保険料 | 年数万円程度 | 建物の構造や補償内容によって変わる |
| 融資関連費用 | 数万円〜数十万円程度 | ローンを利用する場合の手数料や保証料 |
なお、ローンを利用する場合は、購入費用と改修費をまとめて借りられるかも確認しておきましょう。古民家は築年数や建物状態によって担保評価が伸びにくいこともあるため、早い段階で金融機関に相談しておくと資金計画を立てやすくなります。
改修・リノベーション費用の目安
古民家の改修・リノベーション費用は、どこまで直すかによって大きく変わります。内装を整えるだけなら数十万円〜数百万円程度で済むこともありますが、水回りや屋根、耐震、断熱まで手を入れる場合は、数百万円〜1,000万円以上かかるケースもあります。
主な改修費用の目安は、以下のとおりです。
| 工事内容 | 目安 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 畳・壁紙・床などの内装 | 50万〜200万円程度 | 見た目を整える軽微なリフォーム |
| 水回りの交換 | 100万〜500万円程度 | キッチン、浴室、トイレ、洗面台など |
| 屋根・外壁の補修 | 100万〜500万円程度 | 雨漏りや劣化がある場合は優先度が高い |
| 電気配線・給排水管の更新 | 50万〜300万円程度 | 古い配線や配管を使い続けられるか確認する |
| シロアリ対策・防蟻工事 | 10万〜50万円程度 | 被害がある場合は補修費が別途かかる |
| 断熱工事 | 100万〜500万円程度 | 冬の寒さや冷暖房効率に関わる |
| 耐震補強 | 100万〜500万円程度 | 建物の状態や補強範囲によって変わる |
| フルリノベーション | 1,000万〜2,000万円以上 | 構造・設備・内装まで大きく改修する場合 |
ちなみに、蔵や納屋、倉庫などの附属建物がある場合は、それらを改修対象に含めるかも決めておきましょう。使うなら屋根や壁の補修や安全対策が必要になり、使わない場合でも最低限の維持管理は必要です。
古民家で田舎暮らしを始めるために必要な準備は?
古民家での田舎暮らしを考えるときは、現地での生活を具体的にイメージしておくことが大切です。特に日々の買い物や移動、地域との関わり、庭や建物の管理などは、想像していた暮らしと差を感じやすい部分です。
ここでは「この地域で生活を続けられるか」という視点から、大切な3点を紹介します。
生活インフラと交通手段を確認する
古民家での暮らしを考えるときは、まず1日の生活動線を具体的に想像してみましょう。朝起きて水道や給湯を使い、仕事や買い物に出かけ、夜に帰ってインターネットや暖房を使う。この一連の流れが無理なく成り立つかを確認することが大切です。
地方の古民家では、井戸水や浄化槽、LPガスを使っている物件もあります。都市部ではあまり意識しない設備でも、点検や管理、交換費用が必要になることがあるため、どの設備を誰が管理するのかを確認しておきましょう。
また、車が前提の地域では、スーパーや病院、役所までの距離だけでなく、冬場や雨の日の移動しやすさも重要です。在宅勤務をする場合は、光回線や携帯電波の状況も確認しておくと、暮らし始めてからの不便を減らしやすくなります。
地域のルールや近隣との関わり方を知っておく
地方では、地域との相性も暮らしやすさに関わります。自治会や地域清掃、草刈り、祭りなどの行事がある地域もあり、参加の頻度や距離感は場所によって異なります。
こうした関わりは、地域に馴染むきっかけになる一方で、想像以上に負担に感じることもあります。そのため、購入前に不動産会社や自治体、可能であれば近隣の方に、地域の雰囲気や日常的な付き合い方を聞いておくと安心です。
大切なのは、地域との関わりを避けることではなく、自分に合う距離感で暮らせるかを見極めることです。建物が気に入っていても、地域の生活リズムと合わなければ長く住み続けるのが難しくなることがあります。
維持管理や修繕にかかる手間を見込んでおく
古民家は、住み始めてからも屋根や外壁、床下、水回り、建具などの修繕が継続的に発生します。また、敷地が広い物件では、庭木の剪定、草刈り、落ち葉の掃除、害虫・害獣対策なども日常的な管理に含まれます。
さらに田畑や納屋が付いている場合は、使う予定がなくても、放置しないための手間や費用を見込んでおく必要があります。
最初からすべてを自分で管理しようとすると負担が大きくなりがちです。自分でできること、地域の人に相談できること、専門業者に依頼することを分けて考えておくと、古民家での暮らしを無理なく続けやすくなります。
古民家は再売却できる?購入前に確認したい出口戦略

古民家でも再売却は可能です。ただし、一般的な中古住宅より買い手が限られやすいため、購入前の段階から「将来売れるか」「貸す・活用する選択肢があるか」まで考えておくことが大切です。
実際に売りたくなった場合は、いきなり価格を決めるのではなく、古民家や空き家に詳しい不動産会社、または空き家活用の専門家に相談しましょう。売却だけでなく、賃貸に出す、店舗や宿泊施設として活用する、リノベーションして価値を高めるなど、複数の方針を比較できます。
古民家は「古いから売れない」と決めつける必要はありません。どのような人に向いている物件なのか、どんな使い方ができるのかを整理しておけば、住居以外の活用先も見つけやすくなります。
古民家購入のよくある質問
Q. 築何年以上なら古民家ですか?
A. 法律上、「築何年以上」という統一基準はありません。一般には築50年以上の木造住宅を指すことが多いものの、1950年以前に建てられた住宅や、伝統的な工法・意匠を備えた住宅など、サービスや自治体によって定義が異なります。物件を探すときは、掲載元や利用する支援制度の基準を確認しましょう。
Q. 田畑付きの古民家はそのまま買えますか?
A. 田畑部分が農地に当たる場合、宅地と同じ手続きだけでは購入できません。農地として取得する場合は、原則として農地法第3条の許可が必要です。住宅敷地や駐車場などへ転用して取得する場合は、第5条の許可または届出が必要になります。地域や利用目的によって条件が異なるため、契約前に所在地の農業委員会へ相談しましょう。
Q. インスペクションをすれば安心ですか?
A. 建物の状態を判断する重要な材料にはなりますが、それだけで問題がないとは言い切れません。建物状況調査は、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防ぐ部分を、原則として目視・計測・非破壊で調べるものです。すべての不具合や耐震性能を確認する調査ではないため、調査範囲と確認できなかった箇所を把握し、必要に応じて耐震診断や床下・小屋裏、設備・配管などの追加調査を検討しましょう。
まとめ|古民家は魅力と現実面を見比べながら選ぼう
今回の記事で、古民家には多くの考慮すべき点があることが分かったと思います。理想のイメージに近いことはとても大切ですが、その前に「住める状態にするまでにいくらかかるか」「その地域で暮らし続けられるか」「将来売却や活用ができるか」などを考えておくことを忘れてはいけません。
古民家探しで迷ったときは、空き家の専門家に相談しながら進めるのも一つの方法です。アキサポでは、販売中の空き家情報や活用事例を掲載していますので、理想の古民家探しの参考にしてみてください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






