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公開日:2026.09.22 更新日:2026.08.31

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DIY可能物件の探し方と契約前の確認ポイント

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DIY可能物件の探し方を知りたいものの、どこで探せばよいのか、何を基準に選べばよいのか迷う方もいるでしょう。DIY可能物件は一般的な賃貸物件より数が少なく、同じ「DIY可」でも、貸主が認めている工事の範囲は物件ごとに異なります。

壁紙の張り替えや棚の取り付けだけできる物件もあれば、間取りの変更まで相談できる物件もあるため、希望するDIYに合った物件を見つけることが大切です。

そこでこの記事では、DIY可能物件の種類や探し方に加え、内見で確認したいポイント、契約前に決めておくべきルールを解説します。自分の希望に合う物件を見つけ、安心してDIYを始めるためにお役立てください。

DIY可能物件とは?普通の賃貸との違い

リフォーム中の家

DIY可能物件とは、事前に貸主の承諾を得ることで、決められた範囲内の改装(DIY)が認められている賃貸物件のことです。

一般的な賃貸との違いは以下の通りです。

  • 工事の可否:事前に許可された範囲の改装が可能
  • 原状回復:退去時に元に戻す範囲が契約で個別に定められる

ここで大切なのは「DIY可」という表示だけで自由に手を加えられるわけではないことです。壁紙の張り替えはできても、壁へのビス打ちや床材の上張りは認められないなど、許可される範囲は物件ごとに異なります。

また、契約終了後の原状回復についても、DIY可能物件では改装を見込んで契約するため、元へ戻さなくてもよい箇所や、戻す場合の条件を特約や合意書で定めるケースがあります。 

DIY可能物件・DIY型賃貸借の主なタイプ

タイプ概要原状回復の扱い向いている人
工事範囲限定型壁紙や棚の設置など決められた範囲のみDIY可能基本的に必要(特約で免除される箇所も有)内装を少しだけ自分好みにしたい人
DIY型賃貸借事前合意した工事について原状回復を免除・軽減不要または一部のみ費用をかけて住まいを整え長く暮らしたい人
家賃軽減型借主が改修費を負担する代わりに家賃を減額事前合意により決定初期費用をかけても毎月の固定費を抑えたい人

自分に合う物件を選ぶには、工事できる範囲、退去時の原状回復、改修費と家賃の関係を比べることが大切です。希望するDIYの内容に加え、住む予定の期間や用意できる予算も踏まえ、よく見られる3つのタイプを確認していきましょう。

工事範囲が限定されたDIY可物件

壁紙の張り替えや塗装、棚の設置など、あらかじめ決められた範囲でDIYできる物件です。大がかりな改修はせず、内装や収納を少し自分好みに整えたい方に向いています。電気や水道、建物の柱に関わる工事は認められないか、専門業者による施工と個別承認が必要です

注意点は、募集情報の工事項目だけでは具体的な施工方法までわからないことです。たとえば「棚の設置可」とあっても、ビスで壁に固定する方法は許可されていない場合があります。貸主や管理会社には、作業する場所や使用する材料、穴あけの有無まで伝え、許可される範囲を書面で確認しておきましょう。

原状回復を免除・軽減するDIY型賃貸借

貸主と借主が事前に合意した工事について、退去時の原状回復を不要にしたり、戻す範囲を限定したりする契約です。仕上げた壁や床を元へ戻す費用と手間を抑えられるため、ある程度の費用をかけて住まいを整え、長く暮らしたい方に向いています。

ただし、DIY型賃貸借だからといって、手を加えたすべての箇所が原状回復の対象外になるわけではありません。工事ごとに貸主の承認を受け、原状回復の有無や退去時に残してよいものを契約書や合意書に明記してもらいます。施工前後の写真も残しておけば、退去時に承認された範囲を確認しやすくなります。

借主負担の改修と家賃の軽減を組み合わせる物件

築年数が古く、入居前に手を入れる必要がある物件では、借主が改修費を負担する代わりに、家賃を低めに設定したり、一定期間減額したりすることがあります。初期費用はかかりますが、長く住むほど家賃の軽減を生かしやすいタイプです。

ただし、家賃の安さだけで判断すると、改修費を含めた負担が想定より大きくなるかもしれません。住む予定の期間に軽減される家賃の合計と、材料費や工具代、廃材の処分費、専門業者への依頼費を含む改修費の総額を比べておきましょう。

雨漏りや給排水管の破損などは、民法で定められた「貸主の修繕義務(民法第606条)」や「契約不適合責任」の対象です。物件が本来持つべき機能の欠陥は貸主が直す責任があるため、貸主が負担して直す不具合と、借主が自分の好みで楽しむDIYの範囲を明確に切り分けて契約することが重要になります。 

DIY可能物件のメリット・デメリット

メリットデメリット

DIY可能物件の大きなメリットは、収納の位置や棚の高さ、壁や床の色などを、生活動線や好みに合わせられることです。一般的な賃貸で感じていた小さな使いにくさを解消しやすく、手をかけた分だけ住まいへの愛着も生まれます。自分で作業する過程を楽しめるのも、DIY可能物件ならではの魅力です。

一方のデメリットとしては、材料費や工具代だけでなく、作業する時間と手間もかかることが挙げられます。また、賃貸物件の所有者は貸主であるため、借主が費用をかけて改修しても、退去時にその費用を精算してもらえるとは限りません。工事内容によっては原状回復を求められたり、施工不良による修繕費を負担したりする可能性もあります。住む予定の期間とDIYにかけられる予算を踏まえ、費用や手間に見合うかを考えておくことが大切です。

DIY可能物件を探す方法

DIY可能物件を探す4つの主な方法
1. ポータルサイトで複数キーワード検索

「DIY可」「DIY可能」「セルフリノベ」「改装可」など、表記揺れを網羅して検索する。

2. 不動産会社へ直接交渉

募集要項に記載がなくても、作業内容を具体的に伝えることで許可が下りるケースがある。

3. 専門サイトや空き家バンクの活用

自治体運営の空き家バンクやDIY特化のサイトで、格安の築古物件を探す。

4. SNS・地域コミュニティの活用

XやInstagramで検索し掘り出し物を見つける(※契約時は不動産会社を通すのが安全)。

DIY可能物件は一般的な賃貸ほど数が多くなく、駅からの距離や築年数、間取りなどを細かく絞り込むと、候補がほとんど残らないことがあります。そのため、ポータルサイト以外にも、不動産会社に直接相談したり、空き家バンクで探してみたりと複数の窓口を使いましょう。

なお、探し始める前には「壁を塗りたい」「棚をビスで固定したい」「床材を上張りしたい」など、希望する作業を具体的にしておくことも大切です。やりたいことが明確なら、オーナーに条件を正確に伝えられ、希望に合う物件を見つけやすくなります。

ここでは、DIY可能物件を探す主な4つの方法を見ていきましょう。

ポータルサイトで探す場合は複数の検索語を使う

大手不動産ポータルサイトでDIY可能物件を探す場合はDIY可能物件を表すキーワードが統一されていない場合があります。そのため、「DIY可」「DIY可能」「セルフリノベ」「改装可」など、複数のキーワードで探してみましょう。DIY可の絞り込み項目がある場合は、積極的に利用しましょう。

ここで表現に注意が必要なのが「リノベーション物件」です。リノベーション物件は、貸主が改修済みの物件を指していることもあります。

不動産会社へ希望するDIY内容を伝える

募集情報にDIY可と書かれていなくても、貸主への個別相談で可能になるケースがあります。

問い合わせるときは、壁の塗装、棚のビス固定、床材の上張り、間仕切りの設置など、作業する場所と範囲、施工方法をまとめて伝えましょう。自分で施工するのか、専門業者へ依頼するのかも添えると、どこまで認められるのか具体的な回答を得やすくなります。

DIY賃貸の専門サイトや空き家バンクで探す

DIY賃貸や改装可能物件を扱う専門サイトや、自治体の空き家バンクや全国版空き家・空き地バンクも候補になります。一般的なポータルサイトには掲載されていない築古の戸建てが割安で掲載されていることもあるので、移住を同時に検討している方は一度チェックしてみるとよいでしょう。

なお、空き家バンクの物件をDIYして良いか否かは物件ごとに異なります。物件の所有者と個別に相談する必要があると、あらかじめ理解しておきましょう。

SNS・地域コミュニティを補助的に使う

XやInstagramなどのSNSで「DIY賃貸」「セルフリノベ」「改装OK」と検索すると、ポータルサイトには掲載されていない物件や、地域で入居者を探している空き家が見つかることがあります。

ただし、SNSはあくまで物件を知るきっかけとして利用し、投稿者とのやり取りだけで契約を進めるのは避けたいところです。

個人間での直接契約は、工事範囲や原状回復、費用負担などの条件が曖昧になりトラブルの原因になります。宅地建物取引業法に基づき、重要事項説明を行う不動産会社(宅建業者)へ仲介を依頼し、適切な賃貸借契約を結びましょう。

DIY可能物件の内見で確認すること

ポイント

内見では部屋の雰囲気だけでなく、予定しているDIYを実際に行えるかを確認しましょう。

ここで大切なのは、借主が好みで変える部分と、貸主による修繕が必要な不具合を分けて考えることです。希望する工事を一覧にしたうえで、建物の状態、電気・ガス・水道などの設備、資材の搬入や作業環境を確認していきましょう。

雨漏り・傾き・腐食など建物の状態

天井や壁の雨染み、床の沈みや傾き、柱・窓枠の腐食、カビの有無などをチェックします。また、窓や扉がスムーズに開閉できるかも確認してください。建付けが悪い場合は、床や建物のゆがみが影響している可能性もあります。

こうした症状を見つけたら、その原因や過去の修繕履歴を貸主・管理会社へ尋ねてください。原因が特定できたら、入居前に修繕するのか、現在の状態で引き渡すのかも明確にしましょう。

さらに、気になる箇所や既存の傷・汚れは、入居前に許可を得て写真に残し、契約時の記録にも反映しておくと、退去時の行き違いを防ぎやすくなります。

電気・ガス・水道など専門工事が必要な範囲

コンセントの増設や配線変更など、法律上、資格を持つ人でなければ行えない工事があります。ガスや給排水設備の移設も専門業者による施工が必要になる場合があるため、自分で作業できる範囲を事前に確認しましょう。 

専門工事が必要な場合は、借主が業者を手配できるのか、貸主の指定業者へ依頼するのかも聞いておきましょう。貸主の承認方法や立ち会いの要否、費用の負担者まで分かれば、実現できる工事と必要な予算を判断しやすくなります。

搬入経路・作業時間・騒音と近隣環境

資材や工具を室内まで運べるよう、玄関や廊下、階段、エレベーターの幅と高さを測っておきましょう。長い板材や大きな設備を使う予定なら、曲がり角を通れるか、室内や敷地内に加工できる場所があるかも確認が必要です。車で運ぶ場合は、一時的に荷下ろしできる場所も見ておきましょう。

あわせて、電動工具を使える曜日・時間帯、共用部分の養生方法、資材の一時保管、廃材の処分ルールなども管理会社へ確認します。音や振動が出る作業では、近隣への案内を誰が行うのかも決めておくと安心です。

契約前に確認すべきDIYのルール

家とハケと電卓

内見で希望する工事ができそうだと分かったら、次は具体的な条件を書面に落とし込みます。このとき、口頭で了承を得ただけでは認識の違いが生じやすいため、やりたい工事を一覧にし、契約書や合意書に反映してもらいましょう。

ちなみに、国土交通省の契約書式例では、借主が希望する工事を申請し、貸主が承諾したうえで、費用負担や所有権、原状回復などを合意書にまとめる方法が示されていますので参考にしてください。

参考:国土交通省「DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブック」

DIYできる場所・工事・承認方法を書面にする

塗装や壁紙の張り替え、ビス・釘の使用、床材の変更、設備交換、間仕切りの設置など、予定している工事を一つずつ挙げます。「棚の設置可」のような大まかな表現だけでなく、施工する場所と範囲、使用する材料、穴あけの有無、施工方法まで書面に残すことが大切です。

希望する工事が認められない場合は、穴を開けずに固定する、置き家具で代用するなど、別の方法を貸主・管理会社と相談します。入居後に工事を追加したい場合の申請方法も決めておくと安心です。

工事費と修繕費を貸主・借主のどちらが負担するか決める

工具代や専門業者の工賃、資材の運搬費、養生費、廃材の処分費などは、契約前に借主と貸主のどちらが負担するのか整理しておきましょう。貸主が一部を負担する場合は、金額の上限、精算時期、見積書や領収書が必要かどうかも取り決めてください。

また、工事中に劣化や不具合が見つかったときは、借主の判断で直さず、貸主や管理会社へ連絡し、修繕の要否と費用の負担者を話し合いましょう。可能であれば、契約前に建物の状態を貸主と確認し、入居前に修繕する箇所と、現状のまま引き渡す箇所を分けて書面に残しておくと安心です。

原状回復・造作物の所有・退去時の扱いを決める

「原状回復不要」と書かれていても、すべての工事が対象になるとは限りません。塗装した壁、変更した床、取り付けた棚、交換した設備など、工事ごとに「残す」「撤去する」「元へ戻す」のどれに当たるのかを明確にします。

あわせて、取り付けた棚やエアコンなどの「造作物」について、退去時に誰の所有になるのか、また「造作買取請求権(借地借家法第33条)」を放棄する特約を結ぶのかを取り決めておきます。 承認された内容と実際の施工に違いがあると、原状回復を求められる可能性があるため、工事前後の写真と承諾書を残し、必要に応じて完成後の状態も貸主に確認してもらいましょう。

事故・損害・保険・専門業者の利用条件を確認する

工事中に配線や配管を傷つけた場合や、漏水・火災などによって建物や近隣の部屋へ損害を与えた場合に、誰が責任を負うのかを決めておきます。加入している火災保険に借家人賠償責任や個人賠償責任の補償が付いていても、DIY中の事故が必ず補償されるとは限りません。予定している工事を保険会社や代理店へ伝え、補償範囲を確かめてください。

なお、資格が必要な工事は借主だけで進めず、貸主の承認を得て専門業者へ依頼します。貸主の指定業者を利用する必要があるか、借主が選んだ業者でもよいか、業者側の保険や資格証明を提出する必要があるかまで決めておけば、安全面と責任の所在が明確になります。

DIY可能物件のよくある質問
Q1. DIY可能物件を退去するとき、原状回復費用はどうなりますか?
A1. 物件や契約内容によって異なります。「DIY型賃貸借」として事前合意していれば原状回復が免除される箇所もありますが、合意のない箇所や、通常の範囲を超えた工事は元に戻す費用を請求される可能性があります。必ず契約前の書面確認が必要です。
Q2. 空き家バンクで見つけた物件をDIYする場合の注意点はありますか?
A2. 空き家バンクの物件は修繕履歴が不明確な場合が多く、雨漏りやシロアリ被害などの目に見えない不具合(契約不適合責任に関わる部分)が隠れていることがあります。入居前に建物の状態をしっかり確認し、貸主の修繕範囲を取り決めることが重要です。
Q3. 契約前に貸主と合意しておくべき法的な書面は何ですか?
A3. 賃貸借契約書に加え、「DIY工事の承諾書」や「合意書」を作成します。国土交通省のガイドラインを参考に、工事する場所、使用する材料、施工方法、費用負担、退去時の所有権と原状回復のルールをすべて書面に残すことが後々のトラブルを防ぐ鍵です。

まとめ|理想の住まいを描いてDIY可能物件を探そう

DIY可能物件を探すときは、まず自分がどのような住まいで暮らしたいかを思い描き、希望する工事を具体的にしてみましょう。やりたいことが明確になれば検索語を選びやすく、不動産会社にも希望を伝えやすくなります。検索条件を少し広げ、空き家バンクなども利用すると、思いがけない物件に出会えるかもしれません。

気になる物件が見つかったら、内見で建物の状態や作業環境を確かめ、工事の承認方法や費用負担、原状回復、造作物の扱いなどを貸主とすり合わせます。合意した内容を書面に残しておけば、安心してDIYを始められるでしょう。自分の手で少しずつ暮らしやすい空間をつくりながら、住まいへの愛着を育てられる物件を選んでください。

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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