公開日:2021.11.02 更新日:2021.11.02
東京都内の空き家活用方法と決め方のポイント【活用事例あり】

東京都内に空き家を持っている皆さんは、空き家活用をどう考えているでしょうか?空き家をきれいにリノベーションして賃貸で貸し出して収益物件にする、とひとくちに言っても、必ずしもすべての地域に適しているわけではありません。
東京といっても23区内とそれ以外で不動産需要は大きく異なりますし、23区内でも地域性があります。東京都内で空き家活用をするなら、地域に合わせた活用方法を考える必要があるのです。
そこでこの記事では、東京都内の空き家活用方法を事例を交えながら解説。合わせて活用方法の選び方も紹介します
目次
東京都は空き家件数全国1位|空き家活用が活発な地域

東京都は全国でも不動産需要が高い地域ですが、同時に空き家数も多いことを知っているでしょうか?平成30年住宅・土地統計調査によると、東京都の空き家数は809,000戸と全国トップ。
空き家率は10.6%と低いほうから3番目ですが、戸数自体が多いため空き家数も多い状況にあるのです。
空き家の中で問題視されるのが、長期間の不在や放置といった状況にある「その他の空き家」です。平成30年住宅・土地統計調査によると都内では全体の2.3%(約18,600戸)がその他の空き家に該当します。
これは一番空き家率の高い高知県(12.8%・約9,470戸)と比較しても2倍近い数字です。
東京都はこれを問題視しており、人口や住宅の密度が高い地域では特定空き家のリスクも高くなるため、空き家活用を始めとした対策事業にも積極的に取り組んでいます。
これらのデータを見ると「空き家が多くて大変」と思うかもしれませんが、裏を返せば、東京都は空き家活用の地盤ができた、空き家活用に適した場所とも言えます。東京都は空き家活用のチャンスが多い地域なのです。
東京都内の空き家活用事例
東京都内ではどのような空き家活用が行われているのでしょうか?ここでは東京23区内の活用事例を2つ紹介します。
渋谷区|築52年の社宅をクリエイター向けシェアオフィスに
こちらは、渋谷区に立地する築52年の旧社宅をクリエイター向けシェアオフィスにリフォームした例です。

Before

After
ポイントは、ビジネスやカルチャーを発信する渋谷という立地を生かし、クリエイターにターゲットを絞っている点です。シェアオフィス内では各種イベントも開催されており、日々クリエイターたちの新しい繋がりが生まれています。
墨田区|大正から続く大衆酒場を地域に親しまれる新店舗に
こちらは墨田区の事例です。大正初期から続く大衆酒場だった物件をたこ焼き・たこせんのお店として生まれ変わらせました。

Before

After
墨田区という下町の立地もあり、オープン時には地域住民の方々で行列ができるほどに。地域に新たなコミュニティの場が生まれました。
東京都内の空き家活用方法と活用方法の選び方

東京都内で空き家活用を考えた場合、どんな活用方法があり、そしてどう選べばいいのでしょうか?
空き家活用の方法は物件に適した方法が基本ですが、一つ重要なポイントがあります。それは、先の活用事例のように地域に適した活用方法を選ぶこと。地域性や不動産の需要を考慮して活用方法を選ぶのが大切です。
ここでは、東京都内の空き家の活用方法と、活用方法の選び方について解説します。
東京都内の空き家の活用方法
東京都内で空き家活用をする場合、主な活用方法として下記の2種類があります。
1. 空き家活用サービスによるマッチング 2 .自己居住用にリノベーション |
空き家活用と言えば貸し出すのが一般的と考えている方も多いと思いますが、そうとも限りません。自己居住用にリノベーションしておけば、後で貸し出す場合に借り手を見つけやすくなりますし、売却すればまとまったお金になります。それぞれ、活用方法のポイントを見ていきましょう。
空き家活用サービスを利用してマッチングする
「空き家活用サービス」とは、空き家専門の賃貸マッチングサービスです。例えば弊社サービスの「アキサポ」もそうで、サービス事業者が空き家オーナーと利用希望者の間に入って、マッチングのお手伝いをします。
一般的な賃貸仲介と違うのは、サービス事業者が空き家オーナーから空き家を借り上げ、サービス事業者が利用希望者へ空き家を転貸する点です。そして、空き家に利用者が付いた場合、賃料の一部が空き家オーナーに還元されます。
空き家活用サービスのメリットの一つに、空き家の活用方法をサービス事業者が提案してくれることがあります。地域性や不動産の需要を踏まえて最適なプランを提案するため、空き家オーナーが頭を悩ませる必要がありません。しかも、必要なリフォーム・修繕代はサービス事業者が負担してくれることもあるため、空き家オーナー側の負担が少なくて済みます。
空き家活用サービスは継続した収入を得たい方におすすめなのはもちろん、将来的空き家を再使用したい方にも適しています。空き家は持っているだけで固定資産税がかかるため、維持費節約にもおすすめです。
自己居住用にリノベーションする
自己居住用にリノベーションする場合は、その家に住まなくなったときのことも考えておきましょう。もし再度空き家になる可能性がある場合は、貸し出すことも見越したリノベーションが重要になってきます。
ちなみに、空き家のフルリノベーション費用は1平方メートルあたり10~20万円が相場と言われています。部分的なリノベーションでも100万円以上かかることはよくありますので、貸し出すときに再度リノベーションが必要にならないよう、計画的なリノベーションを行いましょう。
空き家のリノベーション費用はこちらの記事で説明しています
空き家リノベーションの費用・事例・秘訣まとめ!活用のために知っておくべきこと
空き家を売却して現金化する
空き家活用の方法ではありませんが、空き家を手放したい場合や土地の売却価格が高い場合などは、空き家を即現金化できる売却を選ぶのも手です。空き家活用と違って継続的な収入は得られませんが、一度にまとまったお金が手に入るのはありがたいポイントです。
空き家の主な売却方法には下記の3つがあります。
1. 不動産一括査定サービス 複数の不動産会社から一括で見積もりを取れるサービス。見積もり額は机上見積もりによる大まかな価格となる。 2. 不動産会社による仲介 不動産会社と媒介契約を結び、買い手を探してもらう方法。 3. 不動産買取サービス 不動産会社が直接不動産を買い取るサービス。 4. 空き家バンク 自治体の空き家バンクに登録し、買い手が来るのを待つ方法。登録は無料だが取引手続きは不動産会社に引き継がれるため費用が発生する |
不動産一括査定サービスについてはこちらの記事で説明しています。
不動産一括査定サイトおすすめ5選|見積もり比較は高価買取の近道
空き家バンクついてはこちらの記事で説明しています。
空き家バンク制度とは|流れやメリット・デメリットを簡単に説明
空き家の活用方法は空き家のある地域から考える
同じ東京でも、場所によって地域性や不動産の需要は変わってきます。例えば23区内は不動産需要が高く立地規制も緩いため幅広い活用方法を検討できますが、東京都西部の郊外地や山奥では不動産需要は比較的低くなり、立地規制も厳しくなるため活用方法が絞られてきます。
ここでは、東京都内の空き家活用方法の選び方を、不動産需要の高い地域と低い地域に分けて紹介します。
23区内のような不動産需要が高い地域の場合
23区内は不動産需要が高いため、空き家活用サービスによる貸し出しがおすすめです。居住希望者も多いですし、事務所や店舗の出店場所を探している方も多いため空き家活用サービスの借り手も見つかりやすいです。
さらに23区内は都市計画法に基づく用途地域の指定も比較的緩く、住居と店舗のどちらも立地できる地域も珍しくありません。
23区内でも用途地域には地域性があります。例えば、東京駅の東側から上野駅の東側まではほとんどの地域が「商業地域」に指定されており、商業施設をはじめとした幅広い用途が立地できます。
一方で、世田谷区の新代田駅周辺には「第一種低層住居専用地域」が広がっており、立地できる用途は戸建て住宅を基本とし、店舗の立地は規制されています。
このように、23区内でも空き家がどこにあるかによって、活用幅は大きく変わります。
ちなみに、駅前や観光地など駐車場需要がある地域なら、空き家を解体し更地にして、貸し駐車場やコインパーキングとして利用する方法もあります。
駐車場に活用した事例はこちらで解説しています(アキサポ)
郊外地や山奥など不動産需要が低い地域の場合
東京都西部の郊外地や山奥の地域といった不動産需要が低い地域では空き家の利用希望者も少なく、マッチングが難しくなります。そのため、まずは利用希望者を早く見つける方法を選ぶのがおすすめです。
具体的な方法ですが、空き家をそのものを活用する方法と、空き家を取り壊して土地活用を考える2つの方法があります。いつまでも利用希望者とマッチングできずにいると固定資産税ばかりかかってしまうため、場合によっては土地活用への方向転換も必要なのです。
- 空き家そのものを貸し出す主な方法
・空き家活用サービス ・空き家バンク ・地域にネットワークを持つ不動産会社の活用 |
空き家そのものを貸し出す場合は、23区内より難易度がグンと上がるため、空き家のプロフェッショナルがいる会社を選びましょう。
また、空き家が古民家の場合は特別な需要がある場合があります。ただし、利用希望者はさらに少なくなるため、古民家を取り扱ったことのある空き家活用サービスを選んだ方が良いでしょう。
弊社の「アキサポ」は古民家活用の実績もある空き家のプロ集団です。独自のネットワークと豊富な空き家知識を持つため、ぜひ一度相談してみてください。
- 空き家を取り壊して土地活用する主な方法
・トランクルーム ・月極駐車場 ・トレーラーハウスの敷地 |
上記に挙げた土地活用の方法はどれも一定の広さが必要な、郊外地に適した方法です。特にトランクルームと月極駐車場は、周辺に住宅街があれば一定の需要が見込めるため比較的場所を選ばない方法です。
また、上記3種類のほかに「アキサポ」ではキッチンカーの敷地として活用した事例もあります。土地活用はアイデア次第で幅広い方法があるため、諦める前にぜひ「アキサポ」に相談してみてください。
東京の空き家を探す方法

最後に、空き家の利用希望者が空き家を探す場合の方法を紹介します。こちらも空き家活用と同じように地域性や不動産の需要によっておすすめの方法が異なります。
賃貸・不動産のポータルサイト
一番手軽なのが、賃貸・不動産のポータルサイトから探す方法です。地域や物件種別、価格などさまざまな条件でソートできるため、いろいろな探し方ができます。
有名なサービスに、HOME’Sやat home、SUUMOなどがあります。いずれも東京都全域を検索できますが、掲載物件は異なるため、数か所併用して探すのがおすすめです。
地域の不動産会社に相談してみる
対象地域が決まっている場合は、地域にある不動産会社を訪ねてみるのがおすすめです。不動産会社は基本的に近隣の物件を取り扱うため、地域の知識やネットワークに精通している可能性があります。
また、ポータルサイトに登録されていない物件が見つかることもあります。地域が決まっているなら、地域の不動産会社には必ず足を運びましょう。
空き家バンクで探す
郊外地や山奥の物件を探すなら空き家バンクはチェックしておきましょう。空き家バンクは都市部より地方の方が登録数が多い傾向にあります。
また、空き家バンクは無料登録できる気軽なサービスのため、ポータルサイトに登録していない物件が見つかるケースも多くあります。思わぬ掘り出し物件が見つかることもあるかもしれません。
空き家活用サービスから探す
賃貸物件を見つけるなら、空き家活用サービスから探すとスムーズに進むことがあります。サービス事業者が条件の合いそうな物件を紹介してくれるため、物件のミスマッチが起こりにくいのです。
また、空き家活用サービスの取扱い物件は基本的にポータルサイトと異なるため、まだ知られていない自分にピッタリの物件が見つかる可能性もあります。
「アキサポ」でもお客様からのヒアリングを元に物件を探しており、条件に合いそうな物件が見つかったら実際に内見も可能です。ご連絡をいただいてからヒアリングまで2~3日以内、その後物件が見つかり次第ご連絡、内見、契約という流れで進みます。
「アキサポ」はこちらから提案する形で進むため、都内の土地勘が無い方でも安心してご利用いただけるサービスになっています。
東京は空き家活用向きの場所!地域に合わせた方法を

東京都は全国一空き家が多い場所です。それだけに空き家への注目度も高く、空き家活用をしやすい地盤ができあがっています。
しかし、空き家の活用方法は地域性や土地の需要に応じて考える必要があります。
そのため、空き家活用サービスのようにプランを提案してくれるサービスが便利です。
また、空き家を探す場合も、地域や物件種別に合わせて探し方を選ぶ必要があります。この場合も、空き家活用サービスならサービス事業者が物件を探してくれるため便利です。
つまり、空き家を活用したい方も、空き家を借りたい方も、空き家活用サービスの利用がおすすめ。東京都内には知られていない物件もたくさんあるため、あなたにピッタリの物件に出会えるかもしれませんよ。