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公開日:2024.06.05 更新日:2026.10.28

空き家に地震保険はかけられる?加入条件と補償・地震への備えを解説

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相続した実家や、転勤で離れている自宅など、遠くに空き家を持っていると、地震が起きたときのことが心配ですよね。それならばと空き家に地震保険をかけようとしても、建物の使い方や今後の利用予定によっては、加入できない場合があります。万が一に備えるためにも、まずは自分の家が対象になるかを確かめておきましょう。

この記事では、空き家の地震保険の加入条件、補償内容や保険料、契約の確認方法を解説します。加入が難しい場合の備えも紹介するので、手持ちの家に合う方法を考えてみてください。

空き家でも地震保険に加入できる?

住宅のイメージ

空き家でも、住まいとして使う建物であれば、地震保険に加入できる場合があります。地震保険は居住用の建物と、その中にある生活用の家財が対象となるため、現在人が住んでいるかだけでなく、何に使っている家なのかが判断のポイントです。

例えば、転勤で一時的に留守にしている自宅や、休暇中に滞在する別荘は、普段は無人でも、住居としての用途を保っている場合があります。一方、以前は自宅だった建物でも、現在は物置としてしか使っていなければ、扱いが異なります。

加入できるかは、こうした使用状況などを踏まえて保険会社が判断します。空き家になった経緯と現在の使い方、今後住む予定があるかを伝えて確認しましょう。

空き家の地震保険への加入は、どのような点で判断される?

空き家の地震保険への加入を考える際は、現在の使い方や今後の居住予定から、「居住用の建物」に当たるかを確認する必要があります。また、地震保険は火災保険とセットで契約するため、火災保険の加入条件も確認しましょう。

現在、住まいとして使っているか

普段は無人でも、週末や休暇中に寝泊まりする別荘などは、地震保険の対象となる「居住用の建物」として扱われる場合があります。一方、以前は自宅だった家でも、現在は荷物の保管場所としてしか使っていなければ、扱いが異なります。

判断のポイントは、訪れる回数だけでなく、その家で生活している実態があるかです。掃除や荷物の出し入れのために通うことと、寝泊まりして過ごすことは区別されます。保険会社には、利用する頻度に加え、滞在中にどのように使っているかも伝えましょう。

一時的な不在か、再び住む予定があるか

転勤から戻る予定の自宅や、入居者を募集している貸家などは、現在誰も住んでいなくても、一時的に空いている住宅として扱われる場合があります。そのため、現在の利用状況に加え、空き家になった理由や今後の予定も確認されます。

相談する際は、戻って住む時期や入居者募集の状況など、決まっていることを具体的に伝えましょう。予定が未定なら、そのまま説明して構いません。「いつか住むつもり」という意思だけで加入できるとは限らないため、現在の状況とあわせて確認する必要があります。

火災保険とセットで契約できるか

地震保険は単独では加入できず、火災保険に付けて契約します。そのため、空き家の現在の使い方に合う火災保険を契約できるか、その契約に地震保険を付けられるかも確認が必要です。

すでに火災保険に入っている場合は、空き家になったことを加入先へ伝え、契約を続けられるか、地震保険を付けられるかを確認しましょう。空き家向けの火災保険に加入できても、建物が居住用として扱われなければ地震保険の対象にはなりません。

地震保険では何が補償される?補償範囲と保険金の仕組み

地震保険の補償内容を理解するうえで、押さえておきたいのは次の3点です。

  • 対象となる損害: 地震・噴火・それらによる津波を原因とする火災や倒壊などが対象になります。
  • 受け取れる保険金: 実際の修理費ではなく、認定された損害区分に応じて金額が決まります。
  • 近隣への損害賠償: 他人への賠償は対象に含まれないため、別の保険での扱いを確認する必要があります。

それぞれについて、具体的に見ていきましょう。

補償対象は地震による火災・倒壊など

地震保険は、地震や噴火、それらによる津波で建物や家財が受けた損害を補償します。揺れで家が壊れる被害のほか、地震による火災で焼ける、土砂に埋まる、津波で流されるといった被害も対象です。

注意したいのは、地震が原因の火災は、通常の火災保険では原則として補償されないことです。火災保険に「地震火災費用保険金」が付いている場合もありますが、これは一定の条件で費用を補うもので、地震保険とは補償の範囲や支払額が異なります。

また、地震に関連する被害なら、すべて補償されるわけではなく、家財の盗難・紛失や、門・塀だけの損傷は対象外です。

保険金は修理費ではなく、損害区分に応じて決まる

地震保険では、修理にかかった費用がそのまま支払われるわけではありません。保険会社が被害の程度を4つの区分に分け、契約時に設定した「保険金額」に、次の割合をかけて支払額を決めます。

損害の区分支払われる保険金
全損契約した保険金額の100%
大半損契約した保険金額の60%
小半損契約した保険金額の30%
一部損契約した保険金額の5%

※2017年1月1日以降に保険期間が始まる契約の場合。「一部損」の基準に届かない被害には、保険金は支払われません。また、支払額は、経年による価値の減少を反映した「時価額」に、上記と同じ割合をかけた金額が上限です。

例えば、建物の保険金額が1,000万円で「小半損」と認定された場合、受け取る保険金は原則300万円です。修理の見積額が400万円でも、それに合わせて保険金が増えるわけではありません。

設定できる地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%です。建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度となります。

近隣への損害賠償は対象にならない

地震保険が補償するのは、契約の対象となる建物や家財の損害であり、他人への損害賠償は含まれません。例えば、地震で空き家が倒壊して隣家を壊し、所有者が賠償責任を負う場合でも、その賠償を地震保険で補償することはできません。

近隣への賠償に備えるには、賠償責任保険などで別途補償を検討する必要があります。ただし、こちらも地震による損害を対象外とするものがあるため、加入すれば地震時の賠償まで補償されるとは限らない点に注意しましょう。

加入できる場合、地震保険料はどう決まる?

住宅にかかる費用を考えるイメージ

地震保険料は、建物がある地域や建物の構造、契約する補償額などによって決まります。主に関係するのは、次の4つです。

項目保険料との関係
建物の所在地都道府県ごとに保険料率が異なるため、同じ建物・補償額でも、所在地によって保険料が変わります。
建物の構造柱の材料や耐火性能などによって区分されます。同じ木造でも、一定の耐火性能を持つ「省令準耐火建物」などは、一般的な木造住宅とは異なる区分になります。
契約する補償額と期間補償額を大きくするほど、保険料も高くなります。また、契約期間や保険料の払込方法によっても、支払う金額が変わります。
割引の有無建築年や耐震・免震性能などの条件を満たすと、10〜50%の割引を受けられます。複数の割引を重ねて使うことはできません。

割引には、条件を満たすことを証明する書類が必要です。古い家でも、耐震診断や耐震改修によって所定の耐震基準を満たすと確認されていれば、耐震診断割引を受けられる場合があります。「診断を受けた」「工事をした」というだけでは対象にならないため、診断結果や工事関係の書類を保険会社・代理店に確認してもらいましょう。

なお、地震保険は、契約条件が同じなら、どの保険会社でも保険料は同じです。ただし、セットで契約する火災保険や、補償を上乗せする特約の保険料は異なります。見積もりの総額に差がある場合は、火災保険や特約の内容も比べてみましょう。

火災保険の物件区分や選び方については、空き家の火災保険を解説した記事も参考にしてください。

空き家になった後の地震保険はどうする?契約確認と手続きの流れ

地震保険に加入している家が空き家になったら、現在の契約を続けられるかを保険会社や代理店に確認しましょう。転居で家の使い方が変わった場合や、相続で所有者が変わった場合は、契約内容の変更が必要になることがあります。

確認と手続きは、次の順番で進めます。

空き家になった後の契約確認
  1. 現在の契約内容を確認する
    保険証券や契約者向けの画面で、地震保険の加入状況と、火災保険・地震保険の満期日を確認します。建物と家財のどちらに補償が付いているか、それぞれの補償額や契約上の名義も見ておきましょう。
  2. 空き家になった理由と、現在の使い方を整理する
    いつから、どのような理由で空き家になったのかをまとめます。「転勤から戻る予定がある」「相続したが使い道は未定」など、現在の状況と今後の予定を説明できるようにしておきましょう。
  3. 保険会社・代理店に連絡する
    家の状況を伝え、契約を続けられるか、家の用途や名義の変更手続きが必要かを確認します。契約内容が変わる場合は、いつから補償が変わるのか、保険料の追加支払いや返金があるかも確かめましょう。

相続した家では、保険の名義が亡くなった方のままになっていることもあります。相続手続きの完了を待たずに保険会社や代理店へ連絡し、必要な書類と手続きの進め方を確認してください。

地震保険に入れない空き家の被害を減らすには

住宅の改修を考えるイメージ

地震保険に加入できなくても、建物を補強したり、傷んだ箇所を修繕したりすることで、被害を減らす対策は取れます。また、地震の後に現地の状況を確認し、必要な対応を取れるようにしておくことも大切です。ここでは、3つの対策を紹介します。

耐震診断を受け、必要な補強を検討する

耐震診断で建物の構造や傷み具合、地震に弱い部分などが分かれば、壁を増やす、柱や梁のつなぎ目を補強するなど、その家に合った工事を検討できます。

また、古い空き家では、建てられた当時の耐震性能に加え、柱や土台の腐食などにも注意が必要です。診断結果をもとに、補強が必要な箇所や交換すべき部材を専門家と確認しましょう。

自治体によっては、耐震診断や改修費用の一部を補助する制度もあります。依頼や着工の前に申請が必要な場合もあるため、まずは自治体の窓口で対象条件と手順を確認してください。

屋根・外壁・塀などを点検し、危険な箇所を直す

屋根や外壁、塀などを定期的に点検し、傷んだ箇所を修繕することで、地震による落下・倒壊の危険を減らせます。空き家では劣化が進んでも気づきにくいため、被害を防ぐには、点検で見つけた異変を放置せずに直すことが大切です。

点検では、屋根材のずれ、外壁の剥がれ、塀のひび割れや傾き、室内の雨漏りなどを確認しましょう。特に道路や隣家に面した部分は、落下・倒壊すると周囲にも被害が及ぶ箇所です。異変を見つけたら、早めに専門業者へ修繕を相談してください。

なお、自分で確認するのは、安全な場所から見える範囲にとどめましょう。屋根に上ったり、傾いた塀に近づいたりせず、詳しい点検や安全性の判断は建築士や専門業者に任せてください。

地震後の点検を頼める相手を決めておく

遠方の空き家では、地震が起きてもすぐに駆けつけられるとは限りません。管理会社などに現地の確認を頼めるか、事前に相談しておきましょう。

確認したいのは、災害後の臨時点検への対応、写真による報告、追加料金などです。危険な箇所が見つかった際に、応急措置や修繕まで依頼できるかも聞いておくと、その後の対応がスムーズになります。

ただし、地震直後は点検する人の安全が優先です。すぐに現地へ向かってもらうことを前提にせず、安全を確かめてから対応してもらいましょう。普段の点検写真や修繕記録も共有しておくと、地震前後の状態を比べる際に役立ちます。

日頃の点検項目は、空き家の管理方法と場所ごとのチェックポイントも参考にしてください。

管理や耐震対策が難しい空き家は、活用・売却も相談しよう

空き家の今後の使い方を相談するイメージ

空き家を安全に保つ費用や手間の負担が大きい場合は、活用や売却を検討する手もあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットは以下のとおりです。

方法特徴・メリットデメリット・注意点
活用する(貸し出す)家を所有したまま、家賃収入を維持費に充てられる。管理を専門業者に任せれば、自分で対応する手間も減らせる安全に貸せる状態に整える必要があり、改修費や管理費、空室時の負担も見込んでおく必要がある
売却する売却代金を得られ、引き渡し後は管理や修繕を続ける負担から離れられる家の所有権を手放すことになり、建物の状態や地域の需要によっては、買い手が見つかるまで時間がかかる

また、家を残したいか、今後自分や家族が使う予定があるかによっても、適している方法は変わります。判断に迷う場合は、改修にかかる費用や見込まれる家賃収入、売却価格の目安なども確認してみましょう。

「家は残したいけれど、改修費や管理の手間が気になる」「貸すのと売るのと、どちらが自分に合うか分からない」。そんなときは、空き家の活用・売却を手がけるアキサポへご相談ください。

アキサポの活用サービスでは、空き家を借り受け、改修から入居者の募集・管理までまとめて対応します。改修費用は基本的にアキサポが負担し、所有者には賃料の一部を還元するため、費用や手間を抑えながら、大切な家を次の利用者へつなげられます。

建物の状況などによっては、一部費用を所有者が負担する場合もあります。

活用するか、売却するかが決まっていない段階でも大丈夫です。建物の状態や今後のご希望を伺い、それぞれの方法を具体的にご提案します。まずは「この家にはどんな選択肢があるのか」を、アキサポと一緒に確かめてみませんか。

アキサポの空き家活用サービスを見る

売却を検討する場合は、空き家を売る前の準備と売却の流れも確認しておきましょう。

空き家の地震保険に関するよくある質問
Q1. 空き家でも地震保険に入れますか?

A1. 居住用の建物として扱われ、火災保険に付けて契約できる場合は対象になります。利用状況や今後の予定を保険会社へ伝えてください。

Q2. 地震保険は修理代を全額支払う保険ですか?

A2. 実際の修理費ではなく、認定された損害区分に応じ、契約した保険金額の一定割合を支払う仕組みです。

Q3. 地震保険で隣家への賠償も補償されますか?

A3. 対象となる建物・家財の損害を補償する制度で、他人への賠償は含まれません。賠償責任保険でも地震が対象かは別途確認が必要です。

まとめ|空き家に合う地震への備えを、今の使い方から考えよう

空き家の地震保険を考えることは、その家をこれからどう使い、守っていくかを見直す機会にもなります。まずは現在の使い方と今後の予定を整理し、保険会社に加入や継続の可否を確認してみましょう。

補償される範囲が分かると、自分で備えるべき費用や、優先したい対策も考えやすくなります。必要な修繕や管理にかかる負担を具体的にしたうえで、家を残して使うのか、活用や売却を考えるのか、家族とも話し合ってみてください。今後の方針が決まれば、その家に合った備えも進めやすくなるはずです。

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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