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公開日:2023.10.17 更新日:2026.08.03

実家じまいとは?必要な手続き・費用・進め方をやさしく解説

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実家じまいとは、実家の家財や建物を処分し、空き家化を防ぐことです。全国的な高齢化や空き家の増加を背景に、相続や親の介護施設への入所をきっかけに検討する人が増えています。

言葉は耳にしても、具体的な進め方までは知らないという方も多いでしょう。この記事では、実家じまいの基礎から、すべき理由や必要な手続き、デメリットや注意点までをわかりやすく解説します。売却・解体だけでなく、「売りたくない」方に向けた活用という選択肢も紹介します。

実家じまいとは

畳の上で古いアルバムや写真を整理する高齢者の手元(遺品整理や実家の片付けのイメージ)

実家じまいとは、実家の家財一式や建物本体などを処分することを指す言葉です。手法としては売却解体が一般的で、土地を対象に含めるかはケースごとに判断します。土地もまとめて売却する場合もあれば、更地にして別の建物を建てる場合もあります。

実家じまいが増えた背景には、実家の相続をめぐる諸問題があります。実家の管理が難しいときに検討されることが多く、空き家化のリスクを避ける手段としても使われています。

実家じまいを検討するきっかけ

実家じまいを検討する主なきっかけは、次の3つです。親が亡くなって実家を相続したとき、親が介護施設に入って実家が空き家になったとき、相続した実家から引っ越すときです。いずれも、思い出のある実家を維持したくても、経済的・時間的な理由で難しくなったケースが中心です。

親が亡くなり実家を相続した

最も多いのが、相続によって実家の維持管理義務が発生するケースです。維持管理には多額の費用と時間がかかり、その負担の大きさから実家じまいを選ぶ人は少なくありません。相続した実家が老朽化していると健全な状態を保つのは難しく、放置すれば周囲に迷惑がかかることもあります。リスク回避の手段としても、実家じまいは効果的です。

親が介護施設に入り実家が空き家になった

親が存命でも、介護施設への長期入所で実家が空き家になるケースは、検討の一つのタイミングです。親が生きているだけに処分へ踏み切れず、放置されることも少なくありません。空き家の状態が悪化すると近隣に迷惑がかかるため、話しにくくても一度改まって相談の場を設けることが大切です。

相続し住んでいた実家から引っ越すことになった

相続した実家に自分が住んでいる場合は、引っ越しが検討のタイミングになります。特に結婚や移住などで実家に戻る可能性が低いときは、実家じまいの必要性が高まります。

実家じまいをする理由、放置によるリスクとは

実家じまいについて相談する老夫婦

実家じまいが注目される理由は、大きく3つあります。

相続する世代への負担、空き家の維持費、そして税金です。いずれも所有し続けるだけで発生し、状態が悪化すれば周囲に迷惑をかけるリスクにもつながります。ここでは、この代表的な3点を順に見ていきます。

(1)相続する世代に負担をかけないため

実家じまいをする理由で多いのが、相続する世代に負担をかけないためです。終活の一部として自分たちが動けるうちに進めるケースや、介護施設への入所をきっかけに家族で話し合うケースがあります。

家の相続では、通帳や有価証券を探す、資産価値のある物を見繕う、掃除して管理するなど、細々とした作業が意外なほど時間を取ります。実家じまいを済ませておけば、相続するのはお金の資産だけになり、相続発生後の手続きを大きく簡素化できます。

(2)相続した後に、定期的なメンテナンスなどの維持費がかかる

相続した空き家は、使わなくても健全な状態を保つ必要があり、さまざまな維持費がかかります。代表例は、光熱水費や火災保険料、実家までの交通費、除草や剪定の委託費用などです。

通気が悪くなれば建物は早く劣化し、草木の繁茂や害虫の発生は近隣クレームの原因になります。瓦や外壁が落下すれば周辺住民に危害が及ぶ恐れもあり、費用だけでなく管理責任も伴う点を押さえておきましょう。

(3)固定資産税などの税金がかかる

空き家の維持管理で特に負担が大きいのが税金です。建物と土地の固定資産税は必ずかかり、市街化区域なら都市計画税も加わります。税額は立地や状態で異なりますが、年間10万円以上は珍しくなく、都心の好立地では数十万円に達することもあります。

さらに2023年12月の法改正で、倒壊の危険がある「特定空家等」に加え、放置すれば特定空家等になるおそれのある「管理不全空家」も対象になりました。市区町村から勧告を受けると住宅用地の軽減措置(特例)が解除され、税負担が最大で数倍に増える可能性があります。税金は所有しているだけで発生し続けるため、相続する場合は年額を必ず把握しておきましょう。

その他、相続した実家を放置し空き家にしておくリスクは多数あります。このほかにも、空き家には犯罪面のリスクがあります。放火や不法投棄、盗難のほか、不審者が隠れ場所に使い、周辺住民が事件に巻き込まれる恐れもあります。管理者がいない空き家は、通常の住宅よりこうしたリスクが高い傾向です。犯罪の温床にしないためにも、適切な維持管理が欠かせません。

まだ相続していない方!空き家を相続する際の手続きについて

ここで参考として、空き家を相続する際の手続きの要点を紹介します。まず、相続の手順から見ていきましょう。

相続手続きの手順

📋空き家を相続する手続きの5ステップ

1

相続の発生

被相続人の死亡により相続が始まります。

2

相続人の確定と財産調査

法律や遺言の有無をもとに、相続人と相続割合を確定します。

3

遺産分割協議書の作成

具体的な相続財産の取り分を決め、書面にまとめます。

4

名義変更(相続登記)

相続財産の名義を相続人へ変更します。2024年4月から3年以内の登記が義務です。

5

相続税の納付

必要に応じて相続税を申告・納付します。

相続の方法内容
単純承認プラスの資産とマイナスの資産(負債)の両方を相続する
限定承認プラスの資産の範囲内でマイナスの資産も相続する
相続放棄プラスの資産とマイナスの資産の両方の相続を放棄する

相続手続きで特に重要なのが、②相続人の確定と相続財産調査、③遺産分割協議書の作成です。②では遺言書の有無や法律に基づいて相続人と相続割合を確定し、③で誰が何をどれだけ相続するかを決めます。

相続財産が現金なら金額を分ければ済みますが、住宅の場合は「売却して現金を分ける方法」と「持分に応じた所有権割合を設定する方法」から選びます。注意したいのは、相続が完了するまでの間も税金や維持管理費がかかる点です。相続期間中の固定資産税・都市計画税は代表相続人がまとめて支払うため、自分が代表になれば一時的に負担する可能性があります。

なお、相続の方法には、プラスもマイナスも引き継ぐ「単純承認」、プラスの範囲内でマイナスも引き継ぐ「限定承認」、両方を放棄する「相続放棄」の3種類があります。

いずれを選ぶかの期限は、原則として自己のために相続の開始があったこと(被相続人の死亡など)を知った時から3ヶ月以内です。この間に限定承認や相続放棄を家庭裁判所へ申述しないと、単純承認したものとみなされます。特に限定承認は相続人全員で共同して行う必要があります。また相続放棄は他の相続人に相続権が移る影響があるため、事前に相続人間で調整しておくと安心です。

出典:民法915条・922条・938条/e-Gov法令検索、裁判所

実家じまいに必要な事前準備

実家じまいの事前準備で大切なのは、主に5つです。親や兄弟・親族の意向確認、親の引っ越し先の調整、実家じまいの方法の決定、親の全財産の把握、実家じまいで生じる不都合の確認を済ませておくと、あとのトラブルを防げます。

実家じまいを始める前の準備チェックリスト

トラブルを防ぐために、着手前に確認しておきたい項目です。済んだものをタップしてチェックしましょう。

実家じまいは、個人の一存で進められるものではありません。親や兄弟はもちろん、相続権を持つ親族まで影響が及ぶため、トラブルを避けるには事前の調整が欠かせません。終活の一環として行うことも多く、住宅を含めた全財産を把握しておくと安心です。

特に注意したいのが、実家じまいで生じる不都合の有無です。住宅を手放すと、親の住所が変わり、担保にできる資産もなくなります。親が家を担保にした約束や契約を結んでいないかも、あわせて確認しておきましょう。口約束であっても契約が成立するケースがあるため、見落とさないことが大切です。

事前準備で最も大切なのは、実家じまいによる影響、とりわけマイナス面を漏れなく把握することです。あらかじめ整理しておけば、実家じまいのあとでトラブルが起きるのを防げます。

実家じまいの方法

実家じまいの方法は、主に次の4種類です。

実家じまいの方法メリットデメリット・注意点
① そのままの状態で売却手間・費用が最も少なく、早く進めやすい家の状態が悪いと売れにくいことがある
② 解体して更地で売却立地が良ければ買い手が付きやすい解体費用がかかる
③ 不動産会社へ買取買い手を探す手間が省け、早く現金化できる買取価格は売却相場の7割程度が目安
④ 売却せずに活用所有権を残したまま収益化できるリノベーション・修繕が必要な場合が多い

どれを選ぶかは、実家じまいの目的や資産価値、将来の利用計画によって変わります。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

① そのままの状態で売却する

そのまま売却は、家財だけを処分し、建物は現状のまま売る方法です。

実家じまいのなかで手間も費用も最も少なく、早く手放したい方に向いています。ただし家の状態が悪いと売れにくく、なかなか処分できないこともあります。土地はセットで売るのが一般的ですが、売らずに借地として運用する方法もあります。その場合は購入者とのトラブルを避けるため、不動産会社などの専門家に契約条件を精査してもらいましょう。

② 建物を解体し更地にして売却する

更地にして売却は、建物を解体してから土地を売る方法です。建物が古くて売却が見込めない場合や、土地の価値が高い場合に向いています。都心部のように立地が良い場所では、すぐに希望の建物を建てられる更地のほうが、買い手が付きやすいこともあります。

③ 不動産会社へ買取に出す

買取は、不動産会社に物件を直接買い取ってもらう方法です。買い手を探す手間が省け、早く現金化できるのが強みです。買い取った会社がリノベーションや修繕をして再販するため、買取価格は売却相場の約7割が目安になります。ただし売却見込み額が低い物件なら、売れるまでの時間や維持管理費も考えると、買取のほうが得をするケースもあります。

④ 売却せずに活用する

活用は、売らずにリノベーションや修繕を施して収益化する方法です。

「空き家活用」と呼ばれ、不動産会社がオーナーから空き家を借り上げ、利用希望者に貸し出す仕組みで成り立ちます。たとえば空き家を専門に扱うアキサポは、多くの活用実績があり、「実家を守りたい」というオーナー様の気持ちを汲みながら、立地や物件に合った活用を実現しています。

実家じまいで売却する際のデメリットや注意点

実家じまいで売却する際のデメリットは、主に2つです。空き家を手放すことで将来の活用による収益機会を失うことと、売却自体にコストがかかることです。維持管理の手間から解放され、現金化できるのが売却の利点ですが、手放すからこその注意点も押さえておきましょう。

まず、売却すると資産性を失います。うまく活用すれば継続的な収入につなげられた物件でも、売ってしまえばその可能性はなくなります。

次に、売却にはコストがかかります。不動産の売却では、仲介手数料や譲渡所得税、印紙税、登記費用など複数の費用が必要です。元の売値が低いと、思ったより手元に現金が残らないこともあります。

🏠実家じまいに関するよくある質問

Q.実家じまいとは何ですか?

実家じまいとは、実家の家財一式や建物本体などを処分することを指す言葉です。方法は売却・解体が一般的で、土地をまとめて売却するか、あえて残して活用するかは状況に応じて選びます。実家の空き家化を防ぐ手段としても用いられます。

Q.実家じまいを始めるタイミングはいつが良いですか?

一般的には、実家が空き家になることが明らかになった時点がおすすめです。親が介護施設に入所したときが代表例です。相続が発生してからでは、通帳や契約関係の把握が難しくなるため、親が存命のうちに少しずつ進めておくと安心です。

Q.売りたくない実家でも実家じまいはできますか?

できます。売却や解体のほかに、所有権を残したまま収益化する「空き家活用」という選択肢があります。リノベーションや修繕を施して貸し出す方法で、将来的な再利用も可能です。「本当は手放したくない」という方に向いています。

まとめ

実家じまいは、空き家が抱える負担やリスクを軽くできる有効な選択肢です。相続する世代への負担、維持費、固定資産税といったコストは、所有しているだけで発生し続けます。2023年12月の法改正では「管理不全空家」も新設され、勧告を受けると固定資産税の軽減が外れる点にも注意が必要です。実家じまいの方法は、そのまま売却・解体して更地で売却・買取・活用の4つ。事前に親族の意向や全財産を確認しておくと、トラブルなく進められます。

とはいえ「売るべきか、残して活用すべきか決めきれない」という方は少なくありません。実家には思い出もあり、簡単に手放す決断はできないものです。

アキサポなら、売却・買取から、費用をかけずに始められる空き家活用まで、物件に合った選択肢を一緒に整理できます。無料相談・無料査定から始められ、方向性が固まっていない段階でも大丈夫です。まずは気軽にご相談ください。

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※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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