公開日:2021.03.25 更新日:2021.10.14
空き家の売却に潜む落とし穴とは?売却方法や税金から効果的な活用の仕方を知る

放置された空き家はさまざまなトラブル・問題の温床となるため、早めに何とかしたいとお考えの方だけなく、せっかく不動産という資産を所持している以上は有効活用したいとお考えの方もいるでしょう。
さまざまな使い道のなかでも「売却」は、昔から空き家の活用方法として人気の高い選択肢のひとつです。
ですが空き家の売却にはメリットだけでなくデメリット、注意すべき落とし穴が存在するのも事実です。
そこで今回は空き家の売却について、数々の空き家活用に携わってきた「アキサポ」が徹底解説していきます!
売却方法、気になるお金の話、注意すべき落とし穴など、参考となる情報を分かりやすくまとめました。
空き家の売却方法は主に3種類

空き家の売却方法は主に3つ。
「個人の方へ売却」「解体して売却」「不動産会社へ売却」の3つが存在します。
ここではそれぞれの売却方法の特徴やメリット・デメリットをまとめました。
売却方法①:個人の方へ売却
専門用語では「中古戸建」もしくは「古屋付土地」と呼び、中古状態の空き家をそのままの状態で個人の方へ売却する方法です。
大きなメリットは、やはり手間と負担費用の少なさでしょう。
解体や整地を行わずに空き家をそのまま売却するため手間が少ないです。
また、仮に買主がリフォームや解体・造成などを行いたい場合、それらの費用は買主負担となるため売主の費用負担を抑えやすい特徴があります。
ただし、これら売主が負担することのない手間や費用は結果的に買主が負うこととなるため、売却価格自体が他の販売方法より安くなる傾向にある点には注意が必要でしょう。
また、いくら費用負担が少ないといっても、家の中にある私物や家財道具を整理したり、遺品整理したりする最低限の作業やこれらに付随した費用は必要となります。
もちろん売却後の空き家は買主によって解体されてしまうこともありますし、思い出が詰まった家の行く末を自分自身で決められない点もデメリットでしょう。
売却方法②:解体して売却

空き家を解体して更地の状態で売却する方法です。
買主は土地の取得後すぐに新たな建物の建築や土地活用を行えるため、空き家をそのままの状態で売却するのと比べて価格が高く、また買主が比較的見つかりやすい点が主なメリットです。
ただし、空き家を解体して更地にするための手続きや費用は売主が負担することになるため、ある程度の費用負担は想定しておかなければいけません。
あくまでケースバイケースではありますが、アスベストが使用されている場合の追加除去費用や設計図にはない大きな基礎杭の除去など、見積もり外で追加費用が発生する可能性もありますので、予め想定しておくことが大切です。
費用はおおむね100万円~数百万円となるケースが多いため、金銭的な負担が発生するだけでなく、業者選びや手続きの手間も空き家を解体して売却する際のデメリットといえるでしょう。
売却方法③:不動産会社へ売却
3つ目は、不動産会社に物件を買い取ってもらう売却方法です。
何と言っても最大のメリットは「早く売却しやすい」点。
個人に対して空き家(更地)を売却する際には売主が見つからなければ売買が成立しないため、通常の売却方法では平均で3~6ヶ月程度かかることが多いといわれていますが、不動産会社による買取であれば数週間~1・2か月程度で売却するケースが多く、スピーディに売却できるメリットがあります。
ただし、スピーディな代わりにこの方法を選択すると価格が売却相場の7割程度に落ちるデメリットがあり、くわえて物件の立地や状態によっては買取を断られる場合もありますので注意が必要です。
空き家の売却で気を付けたいお金の話

空き家を売却すれば資産を現金化できますが、発生するのは収入だけではありません。
売却にはさまざまな費用が伴うため、あらかじめ出費に関する知識を蓄えたうえで収支予測を立てることが大切になります。
そこでここからは、「空き家の売却で気を付けたい出費に関するお金の話」をまとめることにしましょう。
※解体費用などに関しては前述したため、ここでは割愛します。
不動産会社への仲介手数料
不動産会社を通じて空き家の売却を行うと、売却成功時に仲介手数料が発生します。
あくまで売買契約が成立した際にのみ仲介手数料は発生しますから、売買が成立しなかった場合には請求されません。
仲介手数料は売却額によって変動する仕組みとなっており、法律で上限が定められてはいるものの、ほとんどの不動産会社で上限が請求されることが多いと覚えておきましょう。
【仲介手数料の上限】
売却価格400万円以下の部分:18万円以内
売却価格400万円超の部分:売却額の3%
なお、この仲介手数料は「売買契約時」「決済日」にそれぞれ半額ずつの金額を支払うケースが多いといわれています。
各種税金
空き家の売却時には主に印紙税と譲渡所得税、2つの税金が発生します。
まず、売却決定時には売買契約書作成を行う必要があるのですが、この際売却金額に合わせて納めなければいけないのが印紙税です。
印紙税率は法律で定められており、納税は売買契約書に収入印紙を貼る形で行います。
また、譲渡所得税は売却によって利益が発生した際、その利益に対して課税される所得税や住民税などを指します。
参考までに、印紙税・譲渡所得税それぞれの税率を以下に記載しておきましょう。
【印紙税】

【譲渡所得税】

得するとは限らない!空き家売却の落とし穴

売却は確かに有効な空き家の使い道のひとつですが、注意すべき落とし穴が存在するのも事実です。
ここでは空き家の売却にあたって特に注意すべき点をまとめました。
希望する条件・タイミングで売れないケースがある
空き家に限らず、モノを売買する場合は、売り手だけでなく買い手が存在しなければ売買は成立しません。
したがって、空き家を売買したいと考えても、立地や状態の良し悪しによっては買い手が見つからないケースも珍しくありません。
そもそも売却時には不動産会社の選定や各種手続きが必要ですから、希望する条件・タイミングで売れなかった場合の金銭的なデメリットだけでなく、手続きにかかる手間や時間も売主の負担となることを覚えておきましょう。
大切な資産を失ってしまう
空き家を売却すれば、当然土地や建物は持ち主の手を離れ、他人のものとなってしまいます。
不動産を所持している限りは将来的な活用や子供に残すといった選択が可能ですが、売却してしまえばそういった将来的な活用の可能性はなくなります。
不動産の価値は常に変動するものですから、将来的によりお得な使い道の可能性を残したいのであれば、売却以外の使い道を模索するのもひとつの手でしょう。
売却のために高額な費用がかかることも
売却を成立させるためには、買い手に「欲しい」と感じさせる物件でなければいけません。
そのため、より魅力的な物件に仕上げる目的でリノベーションや修繕を施したり、建物を解体して更地にしたりするのは、効果的な売却を進める有効な手立てのひとつです。
しかしながら、これらの手法を用いる際には当然リノベーション費用や解体費用が発生することになりますから、売却前に手を加える場合には持ち主がすべての費用を負担しなければいけません。
また、仮に手を加えたとしても、希望する価格で空き家が売却できるとは限りませんから、金銭的なリスクが高くなる点にも注意が必要でしょう。
売却せずに空き家を活用するのも選択肢のひとつ

売却は確かに空き家の使い道のひとつとしてさまざまなメリットに期待できますが、前述のとおり、複数のデメリットや落とし穴が存在するため、全ての空き家にとってベストな選択肢とはいえません。
場合によっては、売却のメリット・デメリット、所有物件の特性を踏まえて他の使い道を選択したほうが結果的に得するケースも多々あります。
さまざまな空き家の使い道の中でもここ最近とりわけ人気なのが、第三者に空き家を貸し出す「空き家活用」です。
ここからは、空き家活用独自の魅力を紹介しながら、「なぜ近年空き家活用が人気を集めているのか?」を解説することにしましょう。
空き家活用の魅力とは
はじめに、近年人気の空き家活用は「リノベーションして第三者に貸し出す」スタイルが主流です。
この点を踏まえて、空き家活用の魅力を以下にまとめました。
【空き家活用の魅力】
・選択肢が豊富なため、ひとつひとつの空き家に合った活用方法を選べる
・継続的な家賃収入を得られる
・資産を手元に残すことで、将来的な活用の幅が広がる
・長期不在を防げるため、倒壊や周辺環境への悪影響・犯罪トラブルなどを軽減できる
特筆すべき点は何と言っても「豊富な選択肢」。
住居用の賃貸はもちろん、貸店舗、シェアキッチン、シェアハウス、民泊、貸倉庫など、空き家の立地や設備の特性に合わせて相性の良い使い道を選ぶことが可能なため、さまざまな空き家に対応できる万能さを備えています。
さらに、物件を所有した状態で活用できますから、売却と違って将来的に異なる使い道を模索したり、子供に残したりするなど、長期的に資産を有効活用できる点も見逃せません。
他にも、高額な売却とは異なり、あくまで賃貸であるため利用者を見つけやすい点や、利用者によって定期的にメンテナンスが行われるため放置による物件の損耗を防ぎやすいメリットもあります。
これらのメリットは売却にはない空き家活用独自のメリットですから、柔軟性・自由度の高い空き家活用が近年人気を集めているのも納得でしょう。
空き家活用はリノベーション費用の負担ゼロではじめられる!
近年人気の空き家活用は「リノベーションして第三者に貸し出す」スタイルが主流だとお伝えしましたが、「肝心のリノベーション費用がネック…」という方も多いでしょう。
ですがご安心ください。
実は私たちアキサポでは、空き家活用サポートの一環として「全額費用負担でのリノベーション工事を実施」しています。
物件の周辺環境や立地条件など現地調査を実施したうえで、調査に基づきリノベーション・活用プランを提案しますので効果的なリノベーションにつなげることが可能です。
さらに、全額費用負担でのリノベーション工事実施後には、アキサポで賃借人・利用者の募集まで行っていますから、面倒な工程ごとの業者探しや専門的なノウハウ、初期費用の問題など、ネックとなりがちな問題を全面的にバックアップしながら、空き家活用を進めたい方には特におすすめです。
過去の実績や活用事例なども多数用意していますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
空き家の売却まとめ
今回は空き家の売却に関する基礎~応用情報まで、参考となる情報を幅広く解説しました。
ご紹介のとおり、空き家の売却方法は複数ありますから、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、相性の良い方法を選ぶことが大切です。
しかし、空き家の売却には思わぬ落とし穴やデメリットが存在するため、性質の異なる「空き家活用」も選択肢のひとつに加えると良いでしょう。
所有物件と相性の良い使い道を見極めるためにも、まずは空き家活用に精通した専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
私たちアキサポでは、空き家に関するさまざまなお悩みや要望に幅広くお応えしていますので、ぜひ一度ご相談ください。