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公開日:2026.03.25 更新日:2026.07.30

空き家の補助金とは?用途別の制度・金額・申請の流れを解説

サムネイル

空き家の改修や解体には、国や自治体のさまざまな補助金・支援制度を使えます。うまく活用すれば、費用の負担を抑えながら空き家を再生したり、処分したりできます。ただし、使える制度は「解体・リフォーム・リノベーション・耐震・移住」など目的によって変わり、その多くは自治体ごとに内容が異なります。

この記事では、空き家の補助金の全体像をまず整理し、用途別にどんな制度が使えるか、自治体の補助金の探し方、申請の流れ、よくある不採択理由までを解説します。自分の目的に近いところから読み進めてください。

空き家の補助金とは?対象工事・もらえる金額の全体像

「節税」と書いてあるブロックとコイン

空き家の補助金とは、解体・リフォーム・リノベーション・耐震改修・移住などにかかる費用の一部を、国や自治体が負担する制度の総称です。工事の種類や目的によって使える制度が変わり、金額は数十万円から数百万円まで幅があります。多くは自治体が窓口となるため、まず「自分の用途」と「対象地域の制度」を確認することが出発点です。

補助の対象になる主な工事・目的

空き家の補助金は、主に解体(除却)・リフォーム・リノベーション・耐震や断熱の改修・移住や定住・賃貸などの活用が対象です。

🏠用途別 空き家補助金の早見表

目的によって使える制度と窓口が変わります。まず自分の用途を確認しましょう。

解体
(除却)

自治体の解体・除却補助(空き家対策総合支援事業など)

実施主体:市区町村(国が支援)/工事費の一部、自治体により数十万円〜

リフォーム

自治体の空き家改修補助+省エネ・耐震の国制度

実施主体:自治体・国/工事費の一部、上限は制度による

リノベ・
古民家

自治体の活用・移住向けリノベーション補助

実施主体:自治体/数十万〜数百万円(自治体による)

耐震・断熱

耐震改修促進・断熱改修の支援

実施主体:自治体・国/工事費の一部

移住・
二拠点

移住支援金+空き家改修のセット支援

実施主体:自治体(国と連携)/移住支援金は世帯最大100万円程度+子育て加算など

活用・賃貸

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業など

実施主体:国・自治体/改修費の一部

※金額・要件は自治体により大きく異なります。最新は各自治体の窓口・募集要項でご確認ください。出典:国土交通省

同じ空き家でも「壊す」「直して住む」「貸す」のどれを選ぶかで、使える制度と窓口が変わります。まずは自分がどの方向で活用・処分するのかを決めると、探すべき補助金を絞り込めます。

補助金は「国」と「自治体」の2階建て

空き家の補助金は、国の制度と自治体の制度の2階建てで考えるとわかりやすくなります。国は「空き家対策総合支援事業」などを通じて市区町村を支援し、所有者が実際に申請する窓口の多くは自治体です。そのため、国の枠組みを押さえたうえで、最終的には対象地域の自治体制度を確認するのが基本の流れとなります。国と自治体の制度は、要件が重複しなければ併用できる場合もあります。

【用途別】使える補助金と詳しく読む記事

空き家の補助金は、用途によって使える制度が変わります。ここでは代表的な6つの用途ごとに要点をまとめました。費用相場や制度の中身は、各用途の記事で詳しく解説しています。

解体(除却)の補助金

老朽化した空き家を取り壊す場合は、自治体の解体(除却)補助を使える可能性があります。倒壊の危険がある「特定空家等」ほど対象になりやすい傾向です。構造・坪数別の解体費用の相場と補助金の使い方は、空き家の解体費用はいくら?構造・坪数別の相場と補助金・節約術で解説しています。

リフォームの補助金

古い家のリフォームには、自治体の改修補助に加え、省エネや耐震関連の国の制度も併用できる場合があります。制度の一覧と併用ルールは、古い家のリフォームで使える補助金ガイド|国・自治体の制度を徹底解説にまとめています。

リノベーション・古民家の補助金

住みながら価値を高めるリノベーションや古民家再生では、活用・移住向けの補助や減税を使える場合があります。補助金と減税を合わせた効果は、古民家リノベーションの補助金と減税!固定資産税のメリットもで確認できます。

耐震・傾きなどの補助金

耐震補強や、傾き・不同沈下の補修には、自治体の耐震改修支援や保険が使えることがあります。使える制度と保険の適用条件は、家の傾きに使える補助金一覧|火災・地震保険の適用条件を解説で詳しく解説しています。

移住・二拠点の支援金

空き家に移住・二拠点居住する場合は、改修補助に加えて移住支援金を受けられることがあります。最大300万円規模の支援や進め方は、地方移住の補助金ガイド!最大300万の支援金や空き家改修にまとめています。

活用・賃貸の補助金

空き家を店舗や賃貸として活用する場合も、開業や改修に使える補助があります。活用の始め方と費用・補助金は、空き家を店舗に活用する方法|開業ステップと補助金・費用を解説で紹介しています。

国が実施する主な制度

電卓と家のミニチュア

国の制度は、個別の工事を直接補助するより、市区町村を支援して所有者に届ける形が中心です。まず枠組みを押さえておきましょう。

空き家対策総合支援事業:市区町村が空家等対策特別措置法にもとづき、空き家の除却や活用に取り組む際に国が費用を支援する制度です。所有者は、この事業を活用した自治体の補助金を通じて利用します。

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業:高齢者や子育て世帯など、住宅の確保に配慮が必要な人向けの賃貸として空き家を再生する際の改修費を支援します。間取り変更やバリアフリー、耐震補強などが対象です。

省エネ・耐震関連の国の制度:断熱改修や耐震改修には、国土交通省や関係省庁の補助・助成を使える場合があります。リフォーム・リノベーションと組み合わせて検討しましょう。

自治体の補助金の探し方

実際に所有者が申請する補助金の多くは、自治体の制度です。次の3つの方法で探すのが基本になります。

1つ目は、対象地域の自治体の公式サイトで「〇〇市 空き家 補助金」と検索する方法です。申請条件や必要書類、手続きの流れまで確認できます。2つ目は、国土交通省が案内する「地方公共団体における空き家対策の支援制度」の検索サイトで、複数の制度を横断的に比較する方法です。3つ目は、全国の自治体の約7割が設置している「空き家バンク」で、物件探しと補助金を一体で検討する方法です。

地域ごとの具体的な制度は、横浜市の空き家バンク・補助金まとめ京都の空き家活用と補助金東京都の空き家活用・補助金制度の各記事で紹介しています。

空き家リノベーションの費用相場を把握しよう

空き家リノベーションのイメージ

ここでは費用の全体像だけを押さえます。古民家再生に使える補助金と減税まで詳しく知りたい場合は、古民家リノベーションの補助金と減税!固定資産税のメリットもをあわせてご覧ください。

リフォームで使える国・自治体の制度や併用ルールの詳細は、古い家のリフォームで使える補助金ガイド|国・自治体の制度を徹底解説にまとめています。ここでは、補助金を使ううえで知っておきたいメリットと注意点を整理します。

より多くの再生事例は、古民家リノベーションの補助金と減税の記事でも紹介しています。ここでは、補助金を活用した代表的な2つのケースを見てみましょう。

リノベーション費用は、工事の範囲や建物の劣化状況によって大きく変動します。部分的なリフォームであれば、数十万円〜数百万円程度に収まるケースが一般的ですが、構造部分から手を入れるフルリノベーションでは、数百万円〜数千万円規模になることも珍しくありません。

補助金をどの程度活用できるかを見極めるためにも、改修内容の優先度を踏まえ、全体の予算規模を見通しておくことが重要です。

部分リノベーションとフルリノベーションの費用目安

部分リノベーションは、キッチンや浴室など特定の箇所に絞って改修するケースが多く、工期が短く費用も抑えやすいのが特徴です。住みながらの工事が可能な場合もあり、初期費用を抑えたい方には現実的な選択肢といえるでしょう。

フルリノベーションでは、耐震補強や配管の更新、水回りの全面改修などを含むことが多く、どうしても費用は高額になりがちに。その分、断熱性や安全性、住み心地が大きく向上し、新築に近い快適さを得られる点は大きな魅力です。

補助金の対象となる工事内容もリノベーションの範囲によって左右されるため、計画段階で複数の見積もりを取得し、費用対効果を十分に検討しましょう。

耐震・断熱・減築などの改修工事にかかる費用

空き家を安全で快適に利用するうえで、耐震補強と断熱工事は重要なポイントと言えます。
一般的には、簡易的な耐震補強であれば数十万円程度から対応できる場合もありますが、本格的な補強工事や断熱改修では、数百万円単位の費用を見込む必要があります。

さらに建物が大きすぎる場合には、使わない部分を取り壊す減築を選択するケースもあります。その際は、解体工事費に加え、間取り変更や設計費用も発生するため、想定以上に費用がかかることも。

物件ごとに必要な工事内容は大きく異なるため、あとから追加費用が発生するといった事態を防ぐためにも、事前に専門家へ相談し、トータルコストを事前にしっかり確認することが肝心です。

空き家リノベーションに補助金を活用するメリット・デメリット

MERIT/DEMERITの文字

空き家リノベーションでは、補助金を活用することで費用面の負担を抑えられる一方、事前に知っておきたい注意点も存在します。後悔しない判断をするためにも、メリットとデメリットの両面を整理しておきましょう。

費用負担を大幅に軽減でき、資産価値も向上

補助金を活用して耐震性や断熱性、居住性を高めた空き家は、将来的な資産価値の向上が見込めます。工事費用の一部が補助されることで、その分を設備や内装のグレードアップに回しやすくなる点もメリットです。

結果として、住まいとしての快適性が高まるだけでなく、賃貸活用や売却を視野に入れた際にも有利に働く可能性があります。短期的な費用削減だけでなく、長期的な視点でリノベーション効果を最大化できる点は、補助金活用の大きな魅力です。

申請手続きの煩雑さや工事内容の制限に注意

補助金を利用する場合は、事前相談や申請書類の作成、工事前後の報告など、複数のステップを踏む必要があります。途中で要件を満たしていないことが判明すると、計画の見直しや追加対応が必要になるケースもあります。

また、制度によっては工事内容や施工業者が限定される場合があります。そのため自由にリノベーションしたいという方にとっては制約に感じることもあるはず。

補助金は「交付決定通知書」が届く前の着工は原則として一円も支給されません。また、工事後の「実績報告」や「領収書等の証憑書類」の保管義務など、会計検査に耐えうる適正な事務処理が求められます。

事例で見る空き家リノベーションの実践例

補助金を活用した事例を見ることで、空き家の可能性を知ることができます。実際には、築年数がかなり経過した物件であっても、耐震改修や断熱工事を行うことで、快適で安心して暮らせる住まいへと再生されているケースが数多くあります。

さらに、家賃減額補助などの制度を活用し、高齢者や子育て世帯に貸し出すことで、住まいの再生と地域貢献を同時に実現している例も見られます。

例① 親子三世代でフルリノベーション

たとえば、築年数の古い実家をフルリノベーションし、親から子、さらに孫世代へと住み継ぐことを想定したケースがあります。構造部分から見直し、耐震性能を高め、断熱材を適切に施工することで、部屋ごとの温度差を抑えた快適な住環境を目指すプランです。

補助金を活用すれば、初期費用の負担を抑えながら性能向上とデザイン性の両立も検討しやすくなります。家族の思い出を残しつつ、安心して長く暮らせる住まいづくり。その一例として参考になる考え方です。

例② 耐震・断熱向上や減築を取り入れた住まいづくり

老朽化が進み、広さを持て余している空き家では、減築による再構成という考え方もあります。使われなくなった部屋を整理して暮らしに合ったサイズへ整えつつ、耐震補強や断熱改修を組み合わせることで、安全性と快適性を同時に高める計画です。

冷暖房効率の改善や維持費の軽減も期待でき、住まいの負担はぐっと軽くなります。補助金を活用すれば、自己負担を抑えながら実現しやすい点も魅力です。

空き家補助金を上手に活用する手続き・申請の流れ

空き家の補助金をスムーズに受け取るためには、事前準備と段取りが何より重要です。必要書類や申請の流れをあらかじめ把握しておくことで、「対象外だった」「期限に間に合わなかった」といった失敗を防ぐことができます。

📝空き家補助金 申請の流れ(4ステップ)

1

制度を選び、要件を確認する

どの補助金を使うかを決め、築年数・所在地・用途などの要件を満たすか自治体窓口で確認します。

2

事前相談・見積もり・書類準備

工事見積書・改修計画書・現況写真や図面などをそろえます。空き家バンクや施工会社に相談すると精度が上がります。

3

交付申請 → 交付決定通知を受ける

申請後、交付決定通知が届く前に着工すると、原則として補助金は支給されません。着工は必ず決定通知の後に。

4

工事 → 実績報告 → 補助金の交付

工事後に実績報告書と領収書などを提出し、審査を経て補助金が交付されます。証憑書類は保管が必須です。

※申請先・必要書類・スケジュールは自治体により異なります。募集要項で最新の内容をご確認ください。

まず行うべきは、どの補助金制度を利用するのかを明確にすること。そのうえで、物件の状態やリノベーション内容が要件を満たしているかを確認していきます。空き家バンクや不動産業者、リフォーム会社と相談しながら進めることで、制度選びの精度が高まり、無駄な手戻りも減らせるでしょう。

申請スケジュールには余裕をもって臨み、提出書類の漏れや記載ミスを防ぐよう十分に注意しましょう。

空き家補助金でよくある不採択・失敗理由

補助金は、要件を満たしていても手続きのミスで受けられなくなることがあります。特に多いのは次の3つです。事前に押さえておけば防げるものばかりです。

交付決定の前に着工してしまった

最も多い失敗が、交付決定通知が届く前の着工です。多くの制度では、決定前に始めた工事は原則として一切補助されません。契約や解体・改修の開始は、必ず決定通知を受けてからにしましょう。

要件を満たしていなかった

築年数、所在地、用途、居住・活用の計画といった要件のいずれかを外すと対象外になります。「対象だと思っていたら違った」を防ぐため、申請前に自治体窓口で適用可否を確認しておくと安心です。

書類不備・期限切れ・予算枠の終了

書類の不備や記載ミス、提出期限の超過は不採択の直接原因です。また補助金は予算枠に達すると年度途中でも受付を終了します。余裕をもったスケジュールで、早めに動くことが大切です。

まとめ|補助金を味方につけて空き家を活かす

空き家の補助金は、解体・リフォーム・リノベーション・耐震・移住・活用など、目的ごとに使える制度が用意されています。国の枠組みを押さえつつ、実際の申請は自治体の制度が中心になります。まずは自分の用途を決め、対象地域の制度を確認し、交付決定の前に着工しないことを守れば、多くのつまずきは防げます。

とはいえ、制度選びや要件確認を誤ると、使えたはずの支援を逃してしまうこともあります。空き家をこの先どうするか迷っている段階でも、アキサポなら活用・売却・補助金活用まで含めて無料でご相談いただけます。一人で抱え込まず、まずは気軽に相談してみてください。

どの補助金が使えるか、迷っていませんか?

空き家の状態や活用の目的に合わせて、使える補助金や進め方をご提案します。方針が固まっていない段階でも大丈夫です。

空き家の相談窓口はこちら(無料)

この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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