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公開日:2020.05.25 更新日:2026.06.16

空き家問題の解決策とは?個人・自治体・法律の対策を解説【事例あり】

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全国の空き家は約900万戸・空き家率13.8%(令和5年・2023年)と過去最多を更新し、今後もさらに増加が見込まれています。

空き家を放置すると、固定資産税の負担増加や行政による代執行リスクが生じます。2023年12月施行の改正空家等対策特別措置法では「管理不全空き家」の区分が新設され、指導・勧告を受けると住宅用地の特例が解除されて固定資産税が最大6倍になるケースも。

この記事では、空き家法の最新内容と行政の取り組みを踏まえながら、「売却」「管理」「活用」それぞれの対策方法を具体的に解説します。

出典:令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)|総務省(2024年4月公表)

深刻化する「空き家問題」とは?

空き家問題とは、人口減少・高齢化を背景に管理されない空き家が増加し、建物の倒壊・景観悪化・治安低下などの悪影響が地域全体に広がる社会課題です。

2023年時点で全国の空き家数は約900万戸・空き家率13.8%と過去最多を更新しました。日本の人口は2008年をピークに減少に転じており、今後も空き家の増加は続くと見込まれています。

放置された空き家は個人の問題にとどまらず、現在では行政が介入・対処するケースも増えています。

空き家問題とは?増え続ける原因と現状課題、対策方法や活用事例を解説

空家等対策特別措置法とは

空家等対策の推進に関する特別措置法に指定された家

「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家法)は、放置された空き家が地域の生活環境に悪影響を及ぼす問題を改善するため、2015年5月に施行された法律です。自治体に空き家対策の努力義務を課すとともに、調査・指導・代執行などの権限を与えています。

2023年12月には改正法が施行され、従来の「特定空家」に加えて「管理不全空き家」の区分が新設されました。管理不全空き家に指定されて勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が最大6倍になるケースがあります。

空き家の所有者にとっては、特定空家や管理不全空き家に指定される前に対策を講じることが重要です。空き家法の主な内容は以下のとおりです。

空き家の区分定義行政の対応
一般空き家管理が一定程度されている空き家情報提供・利活用促進
管理不全空き家(2023年12月新設)管理が不十分で放置が懸念される空き家指導・勧告 → 住宅用地特例の解除(固定資産税が最大6倍)
特定空家等倒壊・衛生上有害・景観損害等のおそれがある空き家助言・指導・命令 → 代執行(解体費用は所有者負担)

空き家の所有者が特に注意すべきなのが「特定空家等」への指定です。以下のいずれかに該当すると判断された空き家が対象となります。

・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

指定されると行政は「立入調査→指導・勧告→命令→代執行」の措置をとることができ、代執行により解体された場合の費用は最終的に所有者が負担します。

なお、2023年12月の改正により「管理不全空き家」の区分も新設されており、特定空家に至る前の段階でも勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が解除されます。放置が長引くほどリスクは大きくなるため、早めの対策が重要です。

空き家対策の現状は?現在の取り組み

調査しているイメージ

空き家法の施行から10年以上が経過し、社会的な認知度は高まりました。

しかし、総務省と国土交通省が公表した「空き家対策に関する実態調査結果」(2019年)によると、対策は十分に進んでいるとはいえない状況です。

その背景には、主に5つの要因があります。

課題具体的な内容
所有者の特定が困難相続等で複数人所有のケースが多く、行政の事務負担が大きい
助言・指導しても動かない改善されなかった71事例のうち「無反応」21件・「経済的理由」18件
代執行の手順不明・費用回収困難代執行48事例中、解体費用を回収できたのはわずか5事例
利活用件数が伸びない空き家バンクへの登録戸数が少なく、所有者の動きも鈍い
人材不足都内23区でも空き家対策人員は1〜3人程度

空き家の所有者の特定が煩雑

相続等により複数人で所有しているケースも多く、全員を特定するための行政の事務負担は大きくなります。担当職員の数も限られており、すべての空き家に対応しきれていないのが実情です。

助言・指導しても所有者が動かない

所有者を特定して助言・指導を行っても、改善されないケースが多くあります。改善が見られなかった71事例のうち、「無反応」が21件、「経済的理由」が18件、「相続放棄・相続人間のトラブル」が8件となっています。

代執行の手順が不明確で費用回収も困難

代執行は物件ごとに状況が異なるため、明確な実施フローが存在しません。費用回収も難しく、実施した48事例中、解体費用を回収できたのはわずか5事例にとどまっています。

空き家の利活用件数が伸びない

調査した93自治体のうち55自治体が空き家バンクを運営していますが、登録物件数が少なく、所有者が活用に踏み出しにくい状況が続いています。

全般的に人手が不足している

空き家対策は各自治体が担っていますが、都内23区でも担当職員は1〜3人程度にとどまっており、対応できる件数に限界があります。

空き家対策事例

空き家対策には主に2種類あります。個人・企業によるリフォーム・リノベーションと、国・自治体による補助金や支援事業です。どちらか一方だけでは解決が難しく、両方を組み合わせることが効果的です。

空き家をリフォーム・リノベーションして活用する

放置すれば負債になる空き家も、リノベーションして貸し出すことで継続収入を生む資産に変わります。周辺環境の改善や地域活性化にもつながります。

以下では、アキサポがリノベーションに関わった活用事例を5つ紹介します。

対策事例①:長年放置されていた空き家は土地を最大限利用した駐車場へ

空き家から駐車場へ
項目詳細
築年数築54年
駅徒歩西武池袋線「西所沢」駅 徒歩7分
延床面積約50.5㎡
構造木造2階建

10年間放置されていた空き家を駐車場に活用した事例です。この物件は、建物内の片づけや草木の手入れの手間が負担になっており、負担の軽減と土地活用を両立する方法として駐車場を採用しました。駅までの距離が離れていても収益をあげられる活用事例の一つです。

長年放置されていた空き家は土地を最大限利用した駐車場へ

対策事例②:設備周りを一新し使い勝手の良い賃貸住宅へ

勝手の良い賃貸住宅へ
項目詳細
築年数築47年
駅徒歩日暮里舎人ライナー「舎人」駅 徒歩13分
延床面積約115.33㎡
構造木造2階建

築47年の空き家をリノベーションした事例です。劣化した内装や設備を改修し、繁茂した草木の解消や破損したカーポートの撤去などを行い、使い勝手の良い賃貸住宅に生まれ変わりました。

設備周りを一新し使い勝手の良い賃貸住宅へ

空き家問題に対する、自治体の対策

自治体の空き家対策には全国共通の制度と独自の支援事業があります。どの支援が受けられるかは自治体によって異なるため、所有する空き家の所在地で個別に確認が必要です。

主な支援制度は以下のとおりです。

支援制度概要
空き家バンク自治体が空き家情報を登録・公開し、移住・定住希望者とマッチングする仕組み
解体補助金老朽化した空き家の解体費用を一部補助
改修補助金賃貸・活用を目的としたリフォーム費用を一部補助
取得補助金空き家を購入・活用する買主への費用補助

放置せずに対処すべき理由

夫婦で話し合っているイメージ

国や自治体により空き家対策が行われていますが、空き家の所有者本人が対策を行うことがもっとも大切です。もし空き家をそのまま放置してしまうと、解体の代執行以外にもさまざまなリスクがあります。

空き家を放置した場合のリスク連鎖

空き家を放置する

建物リスク

老朽化・倒壊・雨漏り・シロアリ被害

環境リスク

景観悪化・害虫・不法投棄・火災

税務リスク

管理不全空き家指定 → 住宅用地特例解除 → 固定資産税が最大6倍

行政リスク

特定空家指定 → 代執行 → 解体費用は所有者負担

空き家を放置すると、自分だけでなく近隣住民にも悪影響が及ぶ可能性があります。具体的なリスクや対策費用は「うちの家は大丈夫?空き家問題で起こりうるリスク、原因、対策を解説」で詳しく紹介しています。

空き家対策にかかる費用のシミュレーション

空き家を放置しないためには、大きく「売却」「管理」「活用」の3つの方法があります。それぞれどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

対策の種類概要10年間の収支目安(東京都内・延床120㎡戸建)
売却(建物付き)不動産会社経由で売却手取り約3,977万円(諸費用差し引き後)
売却(更地化後)解体後に売却・空き家3,000万控除活用手取り約3,547万円(解体費等差し引き後)
維持・管理現状維持・管理費のみ発生支出120万円(月1万円×120か月)
活用(借り上げ)賃貸活用で家賃収入を得る収入60万円(月5万円×120か月)

売却する場合

空き家の売却には「建物付きのまま売却」と「解体して更地で売却」の2つの方法があります。解体費が不要な分、建物付き売却のほうが手取りは多くなりますが、建物の状態によっては売却できないケースもあります。

【試算例:東京都内・築30年・土地100㎡・延床120㎡・駅徒歩15分】
※坪単価約130万円・住宅ローン完済済み・残置物なし

建物付きで売却した場合(個人向け仲介)

項目金額
土地3,932.5万円
建物200万円
仲介手数料-129.98万円
土地境界測量費用-20万円
抵当権抹消登記-5万円
手取り合計3,977.53万円

更地にして売却した場合(空き家3,000万円控除適用)

※2024年改正により適用期限は2027年12月31日まで延長。相続人3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に縮小。

項目金額
土地3,932.5万円
仲介手数料-129.98万円
土地境界測量費用-20万円
相続登記-30万円
抵当権抹消登記-5万円
建物解体費-200万円
手取り合計3,547.53万円

維持・管理する場合

掃除されている家

維持・管理は建物の老朽化を遅らせ、特定空家等に指定されるリスクを軽減できます。ただし根本的な解決にはならず、費用と手間が継続的にかかります。

【試算例:同条件】

項目費用
維持・管理費(月額)1万円
10年間の合計費用120万円

空き家を「活用する」という選択肢

建物を維持しながら収入も得たい場合、空き家を活用する方法があります。アキサポを利用した空き家所有者の73%は年間20万円以上の収入を得ており、費用面のハードルを抑えながら活用できるケースも多くあります。

【試算例:同条件】

項目収入
借り上げ収入(月額)5万円
10年間の合計収入60万円

売却・管理にとどまらず、活用という選択肢も含めて検討することが、空き家問題の解決につながります。

空き家問題の解決策に関するよくある質問

Q. 空き家を放置すると固定資産税はどうなりますか?

2023年12月施行の改正空家法により、管理不全空き家に指定されて勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1に軽減する制度)が解除されます。その結果、固定資産税が最大6倍になるケースがあります。

Q. 空き家の3,000万円特別控除は今でも使えますか?

はい、使えます。2024年の改正により適用期限が2027年12月31日まで延長されました。ただし、相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に縮小されています。最新の要件は税理士や国税庁の公式情報でご確認ください。

Q. 空き家の解決策はどれが一番おすすめですか?

状況によって異なります。早期に現金化したい場合は売却、建物を残しながら収入を得たい場合は活用(賃貸・リノベーション)が有効です。維持・管理だけでは根本的な解決になりません。自治体の補助金や専門業者への相談を組み合わせて検討することをおすすめします。

まとめ

業者と相談している所有者

空き家は放置するほどリスクが大きくなります。

2023年12月の改正空家法により「管理不全空き家」の区分が新設され、指導・勧告を受けると固定資産税が最大6倍になるケースも生じています。

対策の選択肢は「売却」「管理」「活用」の3つです。早期に現金化したい場合は売却、建物を維持しながら収入を得たい場合は活用が有効です。維持・管理だけでは根本的な解決にならない点も押さえておきましょう。

空き家の活用を検討しているなら、まずアキサポにご相談ください。

アキサポでは、空き家の状態やエリアを踏まえた活用プランのご提案から、リノベーション・賃貸運用まで一貫してサポートしています。「何から始めればいいかわからない」という段階からお気軽にご相談いただけます。

この記事の監修者

岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。

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